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弁護士の業務内容は法律に関わること全般です
弁護士が行える業務範囲ですが、端的に言えば、法律に関わるものであれば何でもできます。弁護士法という法律で、「弁護士は、当事者その他の関係人の依頼又は公官署の委嘱によって、訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件に関する行為その他一般の法律事務を行うことを職務とする」、「弁護士は、当然、弁理士及び税理士の事務を行うことができる」(以上、弁護士法3条)とされています。
弁護士ができる業務内容は法律事務全般の多岐にわたるため、どんな仕事をしているかは各弁護士によって違います。
ただ、一般的に多くの弁護士は以下のような仕事をしています。
なお、弁護士ではない人が弁護士業務を行うと、弁護士法違反として刑事罰の対象となります。
法律相談への対応
弁護士の仕事の代表的なものの一つが法律相談に応じるというものです。
お金の貸し借り、相続、離婚、交通事故や、残業代・労災等の労働トラブルなど、法律上の争いというのは日常生活の中に多々潜んでいます。こうしたトラブルが起きた、巻き込まれたという方から相談を受け、法律的な回答を行うというのが仕事の一つです。法律相談だけで終了するケースもありますし、この法律相談から、事件を受任し、その後は相談者(依頼者)の代理人として仕事を行うことということもあります。
法律相談は、自身が勤務・経営する法律事務所に相談者から直接問い合わせを受けて相談に応じる場合もあります。また、所属する弁護士会や自治体が実施する法律相談が割当られており、そこで法律相談を担当し、そのまま事件受任に至るという場合もあります。
法律的な文書の作成(起案)
上記の法律相談を受けて、事件を受任した場合などにおいて、弁護士は法的な文書を作成することになります。
例えば、お金を貸したのに相手が返してくれないという相談を受けた場合には、返還を求める旨の内容証明郵便、あるいは裁判所に提出する訴状を作成したりします。
相手から何らかの請求を受けたことに対する回答書や訴訟の場合には答弁書を作成したりすることも行います。
こうした文書の作成のことを、法曹界では「起案する」と言います。法的な文書を起案することが弁護士の仕事の最も典型的なものです。
裁判所へ代理人として出廷する
依頼者に代わって、裁判所に出廷するというのも弁護士の仕事の一つです。
訴訟・調停などの裁判手続を起こしたり、起こされたりした場合、裁判所の開廷日は平日の日中のみですので、ご本人では出廷できないというケースが多いですし、出廷できても、裁判官が言っていることが専門的な内容でよく分からないということもあります。弁護士は、依頼者の代理人として裁判所に出廷し、裁判官と話をして、審理をどのようにして進めていくかを協議します。
国選事件などで刑事事件の弁護人を務める
刑事事件で被告人の弁護をするというも、弁護士の重要な仕事の一つです。
被告人の権利を守れるのは弁護人しかいません。無罪の人が有罪にならないよう弁護するのは当然ですが、たとえ罪を犯してしまった被告人であっても、反省を促したり、被害者と示談したり、関係者と協議して社会復帰後の環境を整えるなどして、不当に刑罰が重くならないように弁護活動を行います。多くの弁護士は、所属する弁護士会から国選事件を担当するよう割当られますので、少なくとも年間数件程度は、刑事事件で国選弁護人を務めています。
顧問弁護士や社外取締役・監査役など
弁護士によっては、会社と顧問契約を結び、その会社で生じた法的トラブルの相談に応じたり、契約書をチェックしたりすることを仕事として行っている人もいます。
他には、会社の社外取締役・監査役に就いて、月に1回程度の定例会議や株主総会に出席して法的見解を述べたりすることを業務の一環として行っている人もいます。
書籍の執筆など
例えば医療訴訟など特定の分野を専門的に扱っている弁護士は、出版社から依頼されて、その分野に関する書籍の執筆を仕事して行っていることもあります。
企業内弁護士、任期付公務員など
弁護士によっては、会社に専属して雇用されて法務部などで勤務、任期付公務員として役所で勤務する人もいます。
近年ではこうした企業内で勤務する弁護士(インハウスロイヤーと言われます)が増えてきています。
企業内弁護士は基本的にはその企業とは関係のない他の事件や国選事件は担当しないことが多いです。
弁護士の仕事はその他にも様々あります
弁護士の業務内容は多岐にわたり、各弁護士によって行っている仕事は違います。
弁護士は法律に関わる業務は何でもできますので、これから新しい分野を開拓して業務を行う弁護士も増えていくでしょう。
大阪市出身。大阪大学法学部、関西大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録(大阪弁護士会所属)。大阪市内の法律事務所に勤務し、民事訴訟案件、刑事事件案件等幅広く法律業務を担当しておりました。2021年3月に現在の一歩法律事務所を設立し、契約書のチェックや文書作成、起業時の法的アドバイス等、予防法務を主として、インターネットを介した業務提供を行っております。皆様が利用しやすい弁護士サービスを提供できるよう心掛けております。
一歩法律事務所:https://ippo-law.jp/