税理士・会計事務所の中心業務である月次顧問業務とは?
月次顧問業務は、税理士・会計事務所の中心と言える業務です。企業の経営や税務に関する様々な相談を受け、問題を解決していくことがその仕事内容になることから、税理士は企業の「かかりつけ医」と例えられることもあります。
月次顧問業務の具体的な業務内容の例として、顧問先企業の月次決算の指導を行うというものがあります。税務・会計・経営のプロとして、リアルタイムで顧問先企業の状況を把握し、会社経営に関する問題点を早期発見し、解決していくことが主な目的です。ただし、月次顧問業務と一口にいっても、顧問先企業の規模によりその実際の業務内容は大きく異なってきます。ここでは、顧問先の規模ごとの具体的な仕事内容について解説していきたいと思います。
小規模企業の場合は記帳代行業務がメイン
企業規模が小さく、経理社員がいないような会社の場合、日々の会計入力を代行する、記帳代行業務というものが中心となります。記帳代行業務は単純な仕事ではありますが、意外に手間や労力がかかるため、多くの時間を記帳代行業務に割いているケースがあります。企業規模が小さいことから、仕訳数はそれほど多く無いことが大半ですが、社長が自分で立て替え払いをしていたりなど、帳簿では見つけ難い取引が発生していることもあるため、経営者に確認しながら進めて行かなければならないこともあります。
なお、昨今、この記帳代行業務というのは将来無くなる仕事だと言われています。クラウド会計等の台頭により、これらの単純業務は自動化されていく流れがあります。現在は記帳代行業務がメインの会計事務所も多いのですが、今後はコンサルティング業務等にシフトしていくことが予想されます。
中堅規模(40〜60名程度)の企業の場合
企業規模がある程度の大きさになってくると、企業自身が会計データの入力や管理を行う、いわゆる自計化を目指す会社が多くなってきます。こうした会社の場合、常勤の経理スタッフを複数名抱えているケースが多いことから、会計データの入力業務のお手伝いのみならず、様々なニーズに応えて行く必要があります。
具体的には、「経営計画の策定・修正業務」や「企業側が入力した会計データを税務の視点からもチェックし試算表を完成させる業務」、「月次試算表に基づいた資金繰り計画や損益計画の作成」など業界・業種等により様々あります。
上場準備会社の場合
上場準備企業の場合、企業内部の経営管理機能を強化するための内部統制が重要になってきます。
また、このレベルの企業になってくると、経営企画等の予算管理を行っている部門が企業内にあることが多くなっており、毎月の経営会議等でこの予算と実際の経理データを照らし合わせた予実管理もしっかりと行う必要があります。顧問先企業の各部門から必要な資料やデータを取り纏め経営会議等で会社業務の進捗状況を管理して行く事も税理士・会計事務所の重要な仕事の一つです。
終わりに
税理士・会計事務所が行う月次顧問業務というものに関して簡単に説明させて頂きましたが、上記に記載したもの以外にも、税務・会計の知識を活かして様々な業務にチャレンジしている税理士は多くなっています。これから税理士を目指す人も現在税理士として働いている方も、その知識や経験を活かして活躍の場を広げていくのも面白いかもしれません。