社会保険労務士の仕事の1つに社会保険事務があります。総務や人事に携われている方であれば、何となくどんな事をするのか想像が出来るかもしれません。
しかし、会社で行う業務と社会保険事務所で行う業務は少し違ってきます。社会保険労務士の資格があれば、免除される書類があったり、役所に社会保険労務士専用の窓口があって長時間待たされることが無くなるといったメリットがあります。
では、社会保険事務の業務内容や流れについてご紹介して参ります。
社会保険事務って何をするの?
社会保険労務士事務所では、顧問契約や単発契約等があり、依頼されたお客様の社会保険、雇用保険の手続き業務を行います。
では、手続きにはどんなものがあるのでしょうか?
新規適用や算定基礎、年度更新のように会社全体のデータを集計し手続きを行う物もあれば、従業員の個々の手続きもあります。日頃の手続きで行うのは従業員の手続きが圧倒的に多いです。
社会保険事務の繁忙期っていつ?
社会保険事務の繁忙期は、3月から8月です。3月は動きの多い時期なので、移動や退職の手続きが増え、4月は入社の手続きが多くなります。
また、年に1度の手続きである社会保険算定基礎届と労働保険年度更新の手続き期限が7月と同じタイミングなので更に繁忙となります。
3月から5月位までは役所も混雑をするため、普段より手続きに時間が掛かかります。入社してからの保険証の発行や退職後の離職票の発行に通常よりも時間を要するので注意が必要な時期と言えます。
手続きってどうやって行うの?
では、実際に手続きの仕方についてご紹介します。
②専用フォームに必要事項を記入してもらいます。
③記入頂いた事項を専用のシステムに入力します。
④入力事項を再チェックし、手続き用紙を作成又は電子申請を行います。
⑤紙の手続き用紙で作成した場合は、役所へ郵送又は直接役所へ行き手続きを行います。不備が無ければこれで終了です。
⑥電子申請の場合は、進捗を確認し手続き完了となれば終了です。
但し、全ての手続きを電子申請で行えるわけではありません。手続きによっては、まだ紙で申請しなければならないものもあります。又、健康保険組合の手続きの場合は、電子申請に対応をしていないので、紙での手続きを行なっています。
手続きを受託してから終了するまでの業務進捗管理をきちんと記録をしておく必要があります。これは社会保険労務士法でも定められており、いつ業務受託をして誰が何の手続きを行ったのか等を記載した帳簿を備えておくことが必要です。
事務所によっては、エクセルで管理したり専用のシステムを用いて管理を行っています。
どのようなソフトを使用しているの?
社会保険事務所では、様々なソフトウェアを使って業務の効率化を行なっています。法改正の対応や電子申請対応機能、マイナンバーの保管や管理が行える機能が備わっているソフトを活用しながら手続きを行っている事務所が多いです。
また、ネット環境が整っている事務所では、クラウドサービスを活用してお客様自身に必要事項を入力してもらい、それを元に手続きを行うことで入力の手間を省いたり、間違いを防いだりしています。
社会保険労務士の責任と義務
手続きを行う際は、手続き書類に社会保険労務士の記名押印を行います。これは、会社に変わって社会保険労務士がきちんと手続きをしていることを表します。いくら会社が優位になるからと言って、たとえ会社から依頼されたとしても事実とは異なる手続きを決して行ってはいけません。どんなに小さな手続きであっても、正確にそして迅速に行うことが社会保険労務士の責任と義務なのです。
・社会保険と雇用保険の取得喪失の手続き
・被扶養者の手続き
・保険証の再発行手続き
・年金手帳再発行の手続き
・住所変更の手続き
・離職票の発行手続き
・社会保険算定基礎届の手続き(年1回)
・労働保険年度更新の手続き(年1回)
・出産と育休に関する手続き等