なぜ助成金申請は社会保険労務士が行うのか?ニーズと顧問先開拓との関連性についても解説!

社会保険労務士が扱う助成金は、主に厚生労働省管轄の雇用関係助成金です。ここでは、助成金申請についての社会保険労務士の役割とニーズについてお話しします。

雇用関係助成金とは?

雇用関係助成金は、労働者の雇用の安定や職場環境の改善などのために、企業に支給されるものです。就職困難者を雇い入れたとき、非正規雇用労働者の処遇を改善したとき、労働者へ教育訓練を行ったときなど、一定の要件に該当した際に、申請をすることにより、助成金は支給されます。

さて、この雇用関連助成金の申請は、社会保険労務士が代行することが多いのですが、それはなぜなのでしょうか?

なぜ社会保険労務士が申請代行するのか?

①社会保険労務士の独占業務であるため

雇用関係助成金の申請代行ができる士業は、社会保険労務士だけです。他の士業、例えば税理士が申請代行をして報酬を得れば、社会保険労務士法違反となります。労働社会保険諸法令にもとづく助成金の申請書作成及び行政機関への提出は、社会保険労務士の独占業務なのです。

しかし社会保険労務士に申請代行を依頼すれば、報酬を支払う必要が出てきます。助成金申請代行の報酬は社会保険労務士事務所により異なりますが、概ね助成金額の10~25%ほどです。

自社で申請すれば、当然こうした報酬は発生しません。それでも社会保険労務士に代行を依頼するのはなぜなのでしょうか?

②専門家に依頼する方が早く、十分な情報も得られるため

それは、企業側だけでは十分な助成金情報を得ることが難しく、また申請にかける時間も不足しているためです。

雇用関係助成金は種類が多く、企業は自社が該当する助成金の把握だけでも難しいかもしれません。そして制度改正が頻繁に入ることも自社での助成金申請を困難なものにしています。最新の情報を持っている社会保険労務士に依頼した方が、スムーズに申請ができるのです。

また助成金の存在や制度を把握していたとしても、自社で申請しようとすればそれなりに時間がかかります。会社の総務担当者に助成金申請をさせようとしたけれど、当初想像していたより煩雑で時間もかかり、結局社会保険労務士に依頼したというケースもききます。

③関連情報について相談ができるため

そしてもう一点挙げるとすれば、その助成金の関連制度についてのコンサルティングを受けられることがあるからです。

例えば、定年を廃止すると120万円を受給できる助成金がありますが、定年廃止によって企業にかかってくる将来的な負担についての説明を受けることができます。そして長期的見通しによる負担と現在の「120万円」を比べてみて、申請の有無を再考することも可能となるのです。

こうして、申請そのものだけでなく関連する制度のことまで話が及んでいけば、助成金業務の終了後も、その企業との良好な関係を継続することもできるでしょう。

助成金業務の将来性

雇用関係助成金は、融資と違い返済の必要がなく、使途を報告する義務もなく、また助成金によっては受給額も大きいため、企業の受給ニーズは高いといえます。

とかく社会保険労務士は「残業代はしっかり支払うように」「パートも社会保険に入れて」等々、“ウルサイことを言う人”と取られがちですが、雇用関係助成金は企業の利益になるため話が受け入れられやすく、開業初期の主要営業項目にする社会保険労務士も少なくありません。

実際に、助成金申請業務の際に経営者や総務部長と懇意になることは多く、その流れで労務顧問の依頼を受けたり、社会保険手続など他の業務を頼まれたり、また別企業の社長に紹介されたりすることもあるものです。

雇用関連助成金は、一昔前に比べると縮小傾向にあることは否めませんが、それでも企業の受給ニーズは依然として高く、これからも助成金業務は、社会保険労務士にとって重要な業務の一つであることに変わりはないでしょう。

社会保険労務士が顧問先・案件を開拓するために必要なこと。助成金は効果的に使える。

社会保険労務士が新規で顧問先や仕事を獲得していくうえで、助成金関連は最も効果的な武器の一つとなります。
異業種交流会やセミナーなどに参加される社労士の方も多いと思いますが、助成金関連業務は経営者などから興味を持たれるケースが非常に多く、話をつなげやすい商材の一つのため、営業活動の入り口戦略としてうまく活用していきたいところです。
また、助成金案件をはじめ、新規で顧客をとるのであれば、webでの集客は必須事項となります。自社のWebサイトの充実はもちろんですが、実際にホームページを見てもらうための導線戦略も重要になります。リスティング広告やweb広告を出すという方法もありますが、それだと費用が掛かりすぎてしまうということもあるので、社会保険労務士をはじめとする、士業と企業をマッチングするサイトや、士業検索サイトなどに登録してみるのも良いでしょう。



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