会計士の転職でビズリーチの利用はどうなのか?

近年ビズリーチに登録をする会計士も増えています。
CM等の影響もあるかと思いますし、なんとなくハイクラスの転職や年収UPの転職に興味があって登録してみたという方もいらっしゃるでしょう。

ここでは会計士の転職においてビズリーチはどうなのか見ていきたいと思います。

ビズリーチはどのようなサービス?

ビズリーチは転職エージェントサービスではなく、ヘッドハンティングが受けられるスカウト型の転職サービスとなります。

ビズリーチに登録しておくと、あなたの経歴を見た企業や転職エージェントからスカウトが届き、そのスカウトを見てどうするかあなたが判断していくことになります。

ビズリーチを利用している企業は様々なので、かなりの数の求人スカウトが届きますが、リクナビネクスト等の一般的な求人サイトよりはレベルの高い求人スカウトが届きます。

ベンチャー企業のIPO関連求人のスカウトも届きますし、上場企業の財務責任者ポジションのスカウトも来ました。

ただ、転職エージェントもビズリーチを利用してスカウトをしているので、エージェントからも大量にスカウトが届きます。

登録して思ったのが、自身がどれだけ評価されるのか客観的に見るのに良いのかなと感じました。

有料プランと無料プランがある

ビズリーチは無料(スタンダート会員)で利用することもできますが、有料会員(プレミアム会員)にならないと制限もかかります。
通常の転職サービスは転職者は無料で使えるものが大半ですが、ビズリーチは転職者からも利用料を取り、質の高いサービス提供を行っています。

無料会員(スタンダード)
とりあえずどんな感じか試しに使ってみたいという方が多いかと思いますので、初めに無料会員として登録することになります。

スカウトは受け取れますので自分自身がどのくらい評価されているのか確認することができるでしょう。
当初は無料で十分です。

有料会員(プレミアム)
プレミアムは転職意欲の高い方が利用するのが良いでしょう。
ビズリーチの全ての機能が使えます。
なお、 無料で1週間プレミアムプランを利用することが出来ますので、この無料期間でどのようなサービスか判断するのが良いでしょう。

無料会員と有料会員の違いをもう少し詳しく見ていきましょう。

無料登録でできること

<無料会員>

  • プラチナスカウトが届いた際に返信・応募は可能
  • 掲載されている求人情報の閲覧はできるがこちらから応募はできない
  • 登録されているヘッドハンター情報を見ることはできるがこちらからコンタクトをとることは出来ない

※プラチナスカウトとはスカウトする求人側が通常より高い金額を払い特別なオファーの際に利用するスカウトです。
これが来るということはそれなりに評価されているとわかります。

つまり、無料会員だと待ちの姿勢による転職活動が中心となります。

ただ、基本的に無料会員のままでも十分転職できると感じました。

有料登録(プレミアム)でできること

<有料会員>

  • すべてのスカウトメールに対して返信・応募が可能
  • 求人応募ができる
  • こちらからヘッドハンターにアクションを起こせる
  • 年収750万円までは月額2,980円、750万円以上は4,980円の利用料がかかる

※通常のスカウトメールはプレミアムでないと閲覧・返信ができない仕様になっています。

自分から動いて積極的に転職活動を行いたい場合、プレミアムが良いです。

一見するとプレミアムに登録した方が良さそうに見えますが、無料会員のままでも十分使えますし、無料のまま転職した方も大勢います。

というのも、公認会計士の場合、基本的にプラチナスカウトが送られるようなキャリアであるはずですので、基本的には良いスカウトが届きます。
逆に届かないのであれば、経験値不足と言えるでしょう。
※基本的に年収750万円以上ないと良いスカウトは来ないです。

後は良い求人があれば、という感じの方も多く、待ちの姿勢の会計士が多いというのも特徴です。

まずは無料登録し、経歴書を登録してどのようなスカウトが届くか待ってみましょう。

転職エージェントやヘッドハンターがランク分けされている

ビズリーチに登録すると企業からの他にヘッドハンターや転職エージェントからスカウトが届くと説明しました。
結構たくさん届きます。

ちょっと面倒だなと思うのですが、ビズリーチに登録されているエージェントはA、B、C等とランク分けされており、ランクが低いほど評判が悪かったり、いまいちだったりするので、そうしたところは除外することができます。

そのため、一般の求人サイトに登録した時ほどエージェントからのスカウトに悩む必要性は低くなります。

会計士の場合、ベンチャー企業のCFO求人や管理職ポジションへの転職ならおすすめ

一般的な会計系のコンサル等を目指す場合は会計士の転職エージェントを利用した方が良いのですが、ベンチャー企業の管理部門長やCFO候補等の求人に興味のある方とは相性がよいかも知れません。

スタートアップ系の企業が募集をしているケースも多いのと、スタートアップ専門のヘッドハンターの登録も多く、意外とそうした求人との出会いは多かったです。

ただし、監査法人勤務しかない会計士にもスカウトは届きますが、不採用になるケースも多かったので、スカウトが届いたからと言って安心せず、自身のキャリア・スキルを見つめなおし、しっかり対策して面談に臨みましょう。

なお、ベンチャー企業への転職、CFO案件等に興味のある方は以下の記事もご参照ください。

ベンチャーのCFOとしてIPOを経験したい会計士の転職
ベンチャー企業に転職する公認会計士が増えているのはなぜ?

公認会計士の場合思いのほか年収UPに繋がらないことも

年収UPを目論んでビズリーチに登録される方もいますが、意外にも年収UPできない方も多いです。

どういうことかというと、監査法人に勤務していると忘れがちですが、年収という面では監査法人はかなり恵まれています。

会計士試験に合格することは凄いことなのですが、20代であの年収が貰える職業ってそうそうないです。

ビズリーチは基本的に一般企業への転職が多くなりますが、事業会社で監査法人並みの給料をもらおうと思うとかなり上のポジションで転職する必要があります。

そのため、監査法人に勤務している20代の会計士の場合、以外にも年収そんなに上がらないな、となるケースも多いです。

もちろん経験豊かな方の場合、良い求人との出会いがあるので、年収数千万という案件への転職も可能ではあります。

そのためあまりにも期待を持って登録するとちょっとがっかりするケースもなきにしもあらずです。

ビズリーチだけでなく他の転職エージェントと併用するべき

監査法人の経験しかない方の場合、スカウトは届くのですが面接で撃沈される方がかなり多いです。

よくよく考えるとまともに就職活動したことが無いという方も多いですし、何よりビジネスセンスやマインドが足りていない方が多いので普通に落ちます。

監査法人は年収も高いということと、他の業界の人から見るとエリートに見えるので、それなりにレベルは高いだろうと思われている節もありましてスカウト自体は来ます。

ただし監査法人勤務しかない方の場合、正直スキルとしては弱いので、うまくいかないケースも多いです。

なので、会計士に強い転職エージェントにも登録し、第三者の目でどのようなところへの転職が合致するのか、また現時点で足りていないスキル等も確認しておいた方が良いと思います。

なお、ビズリーチに登録すると不特定多数の転職エージェントからスカウトが届きますので、その中から選んでも良いとは思いますが、かなり大量に来るので選ぶのも大変ですし、正直会計士に詳しい転職エージェントってそんなにありません。

なので、普通にマイナビ会計士等の会計士向けの転職エージェントに登録して、一般的な転職に関する情報収集はしておいた方が良いと思います。

マイナビ会計士の評判は?

現実的にはビズリーチで転職される方よりもエージェント経由の方が多い

ビズリーチを利用して転職する会計士が増えているのは事実です。

ただ、思ったよりも良いスカウトが来ない、スカウトメールがコピペ文章みたいなものが多くて熱意が感じられないといった感想を持つ方もいらっしゃいました。

後は、結局転職活動になれていないという方も多く、うまくいかずに転職エージェント経由で転職される方が多いかなと思いました。

一概に言えないのですが、個人的にはビズリーチで市場価値を見つつ、転職エージェントを利用して転職活動等に関する知識を学びながら動くのが一番リスクも少なく、それでいて転職成功の可能性が高くなるのかなと感じました。

どっちにしてもビズリーチは無料会員として登録できますので、登録して損はありません。

まずはどのようなスカウトが届くのか楽しんでみてはいかがでしょうか。

なお、会計士向けの転職エージェントに興味のある方は以下の記事もご参照ください。

公認会計士の転職エージェント・転職サイトを紹介!

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樋口 智大株式会社インテグラルベース 代表取締役
公認会計士・税理士・経理などの士業・管理部門の人材紹介を行う株式会社レックスアドバイザーズで勤務し、転職エージェントや会計専門メディアの事業の立ち上げを経験。その後、株式会社インテグラルベース(厚生労働省特定募集情報等提供事業者51-募-000806)を創業。現在は転職・採用・人事に係わるコンサルティングや求人サイトの運営を行っています。 士業JOBでは、これまで培った人脈と10年弱に及ぶ転職や採用に関する業務経験・実績を活かして転職に役立つ情報の配信を行っている他、多数の人材紹介会社とも協業し、最新の情報をブラッシュアップしながら配信を行っています。また、行政書士として事務所を開設しており、自身も士業として活動しております。 執筆者・監修者・編集者情報へ