公認会計士が未経験領域へと転職するケースとして考えられるのが、
「監査法人から別業界へと転職するパターン」と「事業会社から監査法人へと転職するパターン」の2つが主なケースです。
多くの方が監査法人からキャリアをスタートさせますので、監査法人からの転職という点においてはロールモデルもたくさんありますが、
就職氷河期等で監査法人に就職できなかった方々が景気の回復とともに監査法人へと転職するケースにおいては、心配な点もあるかと思います。
ここでは、上記2つのパターンで公認会計士の転職における未経験分野での注意点や検討事項について見ていきたいと思います。
目次
監査法人に勤務している会計士が未経験領域への転職を検討するケース
事業会社への転職は年収等の待遇や企業風土に気をつける
事業会社と監査法人とでは働き方から風土、待遇まで大きく異なるということに注意しましょう。
大手企業に限って言えば、監査法人と比べると労働環境は整備されているものの年収は多少落ちるケースが大半です。
給与の伸びも監査法人と比べると緩やかなので、年収の額面が気になるという方は慎重に転職先を探しましょう。
ただ、年収は下がるものの福利厚生は監査法人と比べると手厚いため待遇面はトータルで見てみると良いです。
また、事業会社は企業ごとで風土が大きく異なり、体育会系気質なところもあれば、自由な社風のところまで様々ですので、
あなたに合う転職先を慎重に選びましょう。
事業会社に転職して失敗したなと感じるケースにおいては、企業風土が合わなかったというものも多い傾向にありますので、しっかり情報収集を行うことを推奨します。
また、年収が気になるケースにおいては、意外と狙い目なのが内部監査のポジションです。
内部監査がやりたいという方は少ないのですが、年収を落とさずに転職できるポジションの一つのため、
年収にこだわりがある方は検討してみても良いでしょう。
コンサルティングファームへの転職では年齢に気をつける
未経験分野の転職においては、年齢によって転職のハードルは変わってきます。
事業会社への転職であれば、30代でも比較的転職が可能なケースも多いのですが、コンサル系の場合、ある程度若い方が有利なケースも多々あります。
年齢がネックになって転職で不利になるのはもったいないことですので、コンサルに興味を持っている会計士の方はなるべく早い段階で転職に関する情報収集をしておくことをおすすめします。
ここでは各転職先における注意点のみ記載し、仕事内容や積める経験等については解説しませんので、
もっと細かく知りたいという方は以下の記事をご参照ください。
事業会社勤務の公認会計士が監査法人へとはじめて転職するケースについて
事業会社から監査法人へと転職される会計士・会計士試験合格者の方もいらっしゃいます。
監査法人での勤務経験がない方の場合、一般事業会社での業務経験を積んでいたとしても、新卒で入ってくる他の社員と同じ扱いになります。
そのため、年齢によっては待遇は大きく下がるという点と若い方々と一緒に研修や業務をしなければならないため注意は必要です。
ただ、監査法人は給与が高く、初任給でも年収500万円程度は行きますので、大きく下がるということは無く、むしろ20代であれば上がる可能性もあります。
多少ネックな部分はありますが、公認会計士として監査法人での業務経験は先々のことを考えると大きくプラスに働きますので、
公認会計士としてキャリアを構築していきたいのであれば、できれば監査法人での業務経験は積んでおきたいところです。
監査法人への転職においては、年齢にもよりますが現在の転職市況であればそれほど苦労することは無いと考えられます。
ただ、監査法人と言ってもそれぞれ規模感も得意分野も異なるため、あなたがどのような会計士になりたいのかといったことをもとに転職先を選ぶのが良いでしょう。
各監査法人の違いについては、会計士専門転職エージェントに相談すると詳細に教えてくれますので、できればエージェントに相談することをお勧めします。
事業会社勤務の方が監査法人へと転職するケースにおいては、事業会社の転職事情と監査法人(公認会計士)の転職事情の双方に詳しいエージェントに相談することをお勧めします。
転職エージェントに関しては以下の記事で解説していますので、転職エージェントに興味のある方は以下を参考にしてください。
転職エージェントを活用することで転職失敗のリスクを下げることができますので、後悔しないようしっかり情報収集を行って転職に備えてください。
また、会計士の転職先についてや多くの失敗を経験を糧にしたキャリア支援を行っている方のインタビュー記事もあり、未経験分野へのチャレンジをお考えのケースではこうした経験を持っている方に相談するのも良いかと思います。