自宅にいる時間が増えたため、ドラマや映画を見る機会もかなり増えました。
ドラマを見ていると弁護士や刑事、医師、看護師等の専門的な職種を始めとして職業(仕事)にフォーカスしたドラマは意外と多くあるなと改めて感じます。
最近ですと銀行を舞台にしたドラマの半沢直樹が大ヒットでしたね。
そうした中で、士業という括りで見てみると、弁護士が主人公のドラマは何度も放送されている一方で、あまりドラマ化されていない士業も多くあるなと感じます。
そこで今回は「ドラマ化されたら見てみたい」と思う士業を調査してみました。
※ここでの士業の定義は一般的に10士業と呼ばれる(公認会計士・税理士・弁護士・弁理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士・土地家屋調査士・不動産鑑定士・中小企業診断士としています)
(※調査方法:インターネットリサーチ、調査対象:20歳~69歳までの男女280名、調査日:2021年1月11日~1月13日)
目次
ドラマ化したら見てみたい士業ドラマランキング
- 第1位 弁護士(18%)
- 第2位 税理士(13%)
- 同率3位 社労士(12.5%)
- 同率3位 不動産鑑定士(12.5%)
- 第5位 中小企業診断士(12%)
- 第6位 弁理士(9%)
- 第7位 土地家屋調査士(8%)
- 第8位 公認会計士(6%)
- 第9位 司法書士(5%)
- 第10位 行政書士(4%)
票数はかなりばらけましたが、弁護士が安定の1位でした。
1位は弁護士で年齢問わず見たい方が多かった
何度もドラマ化されているのがよくわかる結果で、弁護士が1位でした。
弁護士を選択した方のコメントとして、
「これまでたくさんの弁護士ドラマを見てきて好きだから」
「法廷ものが好きだから」
「あまりハズレがないから」
「誰を弁護するかによって、人間ドラマや事件解決などストーリーが面白くなりそう」
「他の士業は地味すぎてドラマとして成立しなそうだから」
といった意見があげられました。
ハズレが無くて安定しているという点や法廷バトルが好き、事件をめぐる人間模様が面白いなど一定の楽しさがイメージできるという点で評価が高い傾向です。
一方で、消去法でそもそも他の士業が地味でドラマとして成立しないだろうとの回答もありました。
2位は良くも悪くも「お金」のイメージがある税理士
2位にランクインした税理士に関しては、「税金」や「お金」に関連する事項で良くも悪くも注目されるケースが多く、最近ではニュースで税理士や国税関係者が出てきたりすることから様々な視点で票が入りました。
記載できる範囲でコメントを一部抜粋して記載させて頂くと、
「最近フリーランスになり自分で税金の計算をするようになってから税金について興味を持ち始めたため」
「難しくてとっつきにくい税金に関する話題を面白おかしく興味が持てるようにドラマ化してくれるなら見たい」
「言われてみれば税理士のドラマは見たことがないし税に興味があるからやれば見て見たい」
といった形でご自身の事情等から税に興味を持ったケース、勉強になるから見たいといった形で向上心から選ばれるケースもあれば、
「ドラマ等では悪役のイメージがあり、経営者に脱税指南等をしていそうなイメージがあるのですが実際はどんなことをしているのか知りたい」
「ニュースなどで見かけたが実際の仕事はどんなことしているのかよく知らないので」
など少し悪いことをしてそうなイメージをお持ちの方も一定数いらっしゃり、そうした傾向の内容のものに興味をお持ちの方もいれば、純粋にそもそも何やってるんだろうといった方がいらっしゃいます。
ランキングとしては2位だったのですが、一人ひとりのコメントの長さや熱意は一番であると個人的には感じました。
同率3位の社労士と不動産鑑定士
不動産鑑定士と社会保険労務士が同率で3位となりましたがコメントとしては、
■社労士
「働きかた改革が提唱される一方で労働環境は厳しくなり、現場では雇う側も雇われる側もそれぞれ悩んでいる。それを社労士の立場から描けば面白いと思った」
「いろんなハラスメントが出てきた中で労使のトラブルは共感できることが多そうだから」
「雇用に関するトラブルや働き方が変わりつつある世の中において社労士等の労務目線でのドラマがあったら見て見たい」
等の「働き方」や「働く人」に関わる仕事内容という視点での社会保険労務士に興味をお持ちの方も多くいらっしゃいました。
最近ですとテレワーク等で在宅勤務も増えている一方で労災等の問題も出てきていますので注目の分野であることは間違いありません。
真面目なコメントが一番多く、世の中良くなってもらいたいといった趣旨のコメントが多かったのが社労士ドラマです。
■不動産鑑定士
「相続関係で以前不動産鑑定士にお世話になったから。土地に関しては人それぞれの思い出やドラマがあっておもしろそう。」
といった内容の他は、
「名前はよく聞くけど何やっているのか知らない、、、けど不動産関連には興味を持っているのでやるならみて見たい」
といった形で良く知らないけど不動産に興味があるというコメントが多くありました。
5位は30代以上で人気の中小企業診断士
30代から50代の男性で見たいという方が多く、コメントとしては、
「潰れそうになっている中小企業を立て直していく様子がドラマ化されたら面白いと思います。」
「中小企業の経営を立てなおす経営コンサルタントとして、活躍する姿をドラマで見てみたいと思った。」
「日本の中小企業のことを面白く伝えられる専門家なので、現在の風潮をまじえたストーリーが予想されるので興味があります」
「あまり馴染みがないけれど、他の士業と連携しながら会社の経営を立て直したらかっこいいしスカッとしそう、色々学べそうだから。」
といったものが挙げられました。
基本的にはビジネス・経済よりのドラマをイメージされている方が多いです。
ただし、中小企業診断士じゃなくても成立するものが多く、あくまで中小企業が復活(もしくは飛躍)していく話が見たいという動機がメインであり中小企業診断士である必要はないといったような感じではあります。
この他には、
「ドラマだけじゃなくて小説などでも見た記憶が無いので。」
「資格の名称はよく聞くけどどんな仕事ができるのかイメージが全くつかないから逆に見て見たい。」
といった形でそもそもどんなことやっているのかわからないから知りたいというものが挙げられました。
中小企業診断士は法律で定められた独占業務というものが無いので仕事内容に関するイメージがしにくいというのが背景にあるのでしょう。
6位の弁理士と7位の土地家屋調査士は「よく知らないから」が多かった
弁理士と土地家屋調査士のドラマが見てみたいと回答した方のコメントで一番多かったのが、
「よく知らないから逆に見てみたい」
というものが多くありました。
どういうことかというと、弁理士であれば、『「特許」や「知財」等に関する業務をやっているのだろうとは思うが、具体的に何をするのかイメージがつかず、でもそういったものを面白く放送してくれるのであれば興味はあるから見て見たい』、
といったような趣旨のものが大半でした。
また、下町ロケット等で知財や特許に興味を持った方も少しいらっしゃいました。
一方で土地家屋調査士の場合は、「そもそもそのような名称すら知らない」という方が大半でした。
ただ、それなのになんで見たい人がいたのかというと、
「マイナーなもの、地味な仕事、一見するとそこにどんなドラマがあるのかと聞かれれば返答は難しいが、一見地味な仕事をしている裏に思いがけない事実がある、そんなドラマを見てみたい。業界のノウハウやハウツーを混ぜてみても、知らない業界だけに面白いと思う。Youtube等でもマイナーな業界の裏話はついつい見入ってしまいます。」
といった声や、
「よく知らない世界のものも見て見ると意外と面白いことがあったり発見があったりすることがあるので、かえって何も想像できないものの方が良い」
といったものがあり、好奇心をくすぐられる方も少ないながらいらっしゃいました。
ほとんどの方が土地家屋調査士のドラマやメディア化に関しては記憶にないと回答していましたが調べて見ると、
小杉健治氏原作の小説「境界殺人」がテレビドラマ化(ドラマのタイトルは『愛と死の境界線(〜隣人との悲しき争い〜隣人は殺人者! 悲しき美人妻と家族の絆・土地争いに隠された驚愕の真実を暴け!!)』)されて2011年に放送されていました。今は2021年なので丁度10年前ですね。
タイトルも面白そうなので機会があれば見て見ようかなと思いました。
8位の公認会計士から10位の行政書士について
8位は公認会計士、9位は司法書士、10位は行政書士という結果になっています。
公認会計士は見たい人がそれなりにいると思ったのですが結果は意外に少なく、
コメントとしては、
「粉飾決算など企業の”闇”の部分にドラマ化できる要素もありそう」
「昔監査法人というドラマを見たが意外と面白かったので」
等があがりました。会計士というと監査のイメージが強くドラマ化しにくいと思っている人も多いようで、実際そうかもしれませんが、意外と監査以外の仕事をしている会計士も多いのでアプローチ次第では面白いドラマが作れるのではと思います。
9位の司法書士と10位の行政書士に関しては、ドラマ・漫画「カバチタレ」の影響で票が入った他は、弁護士の陰に隠れてしまった結果となっています。
ドラマ化したら見たい士業まとめ
今回の結果は弁護士が1位でしたが、一方で弁護士のドラマばかりだから他のものが見たいという方も多く、票がばらけました。
そのような中で、税やお金にまつわる部分への意識の高まりもあり、税理士を選択される方が多かったり、昨今の社会情勢の変化から働き方も大きく変化しており、そうした背景から労働のあり方に関するの部分への意識の高まりから社労士の仕事に興味を持つ方も多くいらっしゃいます。
社会状況が大きく反映される部分も大きいと思いますので時代の変わり目などでどのように変化があるか定期的に調査を行っていきたいと思います。