採用活動に力を入れている企業は多いのですが、一方で採用を担当する人事担当者は不足しており、人事の転職市場は超売り手市場が続いています。
また、採用のみならず労務に関する業務も増加している一方で、こちらも人員不足が続いており、労務・総務の転職市場も売り手市場となっています。
そんな売り手市場が続く人事・労務・総務に関する転職市場について見ていきたいと思います。
目次
人事・採用・労務のみならず社員教育に関する転職・求人需要も増加
人材採用が活発なことから、採用担当者の求人は増加しています。
人事経験者のみならず転職エージェント経験者を採用担当者として採用し、自社の採用戦略を強化する動き多いことから、人材会社から企業の人事へと転職されるケースも増えています。
採用活動の戦略・企画立案から出来る方は特に求められますので、採用担当として経験のある方は比較的転職は容易でしょう。
また、企業が抱える採用の悩みで最も課題にあがるのがエンジニアを始めとするIT人材の採用難です。
エンジニアを採用するケースにおいては求職者の母集団形成という面も課題にあがるのですが、
採用担当者が技術的な面への理解が浅く、そもそもどのような人材を採用すればよいのかわからない、書類選考において選考の判断ができないといった課題を抱える企業も一定数存在していることから、エンジニア採用に関する知見の高い方の採用も活発です。
このケースにおいては、エンジニアとして働いた経験のある方等が人事として転職するケースも増えており、キャリアチェンジによる転職も一定数存在している状況です。
その他、そもそも応募者が集められないという悩みを抱える企業が多いことから、採用活動をマーケティングと捉え、マーケティングの知見のある方を人事・採用部門に迎え入れる企業も出てきています。
このように採用に関する課題は各企業山積みなのですが、逆に言うと様々な経験を持った方が必要とされているため、転職するチャンスは以前と比べると広がっているため、人事(特に採用)職に興味のある方にとっては良い転職市況と言えます。
採用に伴い、合わせて労務や教育研修の需要も増加しています。
特に教育に関する需要は高く、新入社員研修はもちろんのこと、最近は未経験者を採用し育てていく企業も増えているので、社内教育に関するニーズは高まっています。
企業向けの研修サービスを展開する企業から企業内の人事部門へ転職される方や組織・人事コンサル会社から人事へと転職するケースも増えています。
教育・研修ができる人材は大きく不足しているため、こうした領域で働いている方が人事へと転職するにも良い市況と言えるでしょう。
給与計算や社会保険手続き業務において社会保険労務士が人事・労務・総務へ転職するケースも
シェアード会社等において、給与計算等の業務に特化したポジションも多いことから、社会保険労務士事務所に勤務している方がキャリアチェンジとしてシェアード会社の労務を担当する部門へと転職するケースも増えています。
これまで社会保険労務士の資格を持っていても、企業の人事・労務の経験が無い場合は転職が難しかったのですが、
最近は企業内での実務経験が無くても転職できるケースが増えているので、社労士事務所に勤務する方が一般企業へと転職したいケースにおいても実現しやすい市況となっています。
社員の定着や評価制度に課題を抱える企業が多く、人事制度企画の需要も
採用した社員が辞めてしまわないよう定着率のUPやキャリアのサポートに関する企画ができる方の需要も旺盛です。
特に社員が辞める際の利用でよくあげられるものに評価制度が不透明というものや正当に評価されている気がしないといったものが挙げられることもよくあります。
時代の変化とともに人の働き方、企業そのもののあり方が変わってきていますが、人事制度や評価制度が追い付いていない企業は多く、こうした領域の企画が出来る方の需要も多くあります。
このケースでは組織・人事コンサルティング会社から転職されるケースが比較多くなっています。
人事・総務・労務の転職市場は売り手市場
人事・総務といっても様々な仕事がありますが、直近では特に採用・教育に関する求人需要が旺盛となっています。
この傾向はしばらく続いていくことが予想され、転職をお考えの人事関係者の方は比較的選択肢が多い状況となるでしょう。
また、ベンチャーやスタートアップ企業でも人事の需要は大きく、幅広い経験を積みたいとお考えの方におすすめの転職先となります。
ベンチャーでは採用活動はもちろん社員が働きやすい環境を一から作っていくことに課題を抱えているため、人事としての総合スキルを磨きたいという方が転職されるケースが多くなっています。
非常にハードな一面もありますが、スキルアップ・レベルアップしたい方にとっては申し分ない環境と言えます。
スキルアップ・レベルアップをお考えの方からキャリアチェンジ、労働環境の見直しを目的とした転職まで様々な希望を叶えやすい市況ですので、転職をお考えの方は売り手市場である今はチャンスです。