日本では多くの企業が、toeicスコアを求職者の英語力の目安としています。
法務の転職では、toeicスコアが800点以上だとどれくらいの効力があるのでしょうか。
ここでは、法務で英語が必要となる場面、toeicスコア800点の難易度や年収の変化をご紹介します。
目次
法務の仕事で英語力が必要となる場面はどんな時?
ビジネスのグローバル化が加速する中、海外企業や顧客との取引をはじめ、事業の海外展開や海外企業との提携を進める企業が増えています。
契約を締結するときごとに取り交わされる契約文書は英文です。
法務担当者には、日本の法律だけでなく対象国の法律知識も求められます。当然、英語で理解していくことが必要です。
また、契約書が交わされるときには契約内容と契約書の文面に相違がないかや、自社が不利になるような書き方になっていないかを見極めるために法律文書をきちんと理解できなければならないのです。
toeicのスコアで800点以上取るためには何時間の勉強が必要?
日本では、多くのビジネスパーソンが、ビジネス英語のコミュニケーション力を上げるため、または、自己の英語コミュニケーションレベルを証明するためにtoeicを受験しています。
求人を出すときに、英語レベルの目安としてtoeicスコアを提示している企業も少なくありません。
既存社員に一定スコアの取得を推奨したり、義務付けたりするところも増えてきました。
日本の社会人のtoeicの平均スコアは、600点前後を推移しています。
さらに高スコアを目指してコツコツと取り組んでいる人は多いですが、平均レベルから800点を超えるためには、さらに750〜900時間ほどの勉強が必要と考えられます。
つまり、toeicスコア800点の取得は簡単なものではありません。逆に言えば、toeicスコア800点を取得している人は、一定の英語力が備わっていると認められるのです。
法務の転職でtoeicスコアが800点以上だとなぜ有利になる?
法務職の経験者でtoeicスコアが800点を超えていると、転職は有利に進みます。
それは、これらの条件を満たす人材はすでに好条件・好待遇で満足のいく環境で働けている可能性が高く、転職を考える必要性が低いからです。
転職市場では、高い英語力を持ち、かつ法務職経験がある人材というのは見つけにくいため、人材獲得競争も激しくなっています。
そのため、法務職の経験者でtoeicスコアが800点以上の人が転職する場合、比較的ライバルは少ないと考えられるのです。
これらの要素を強みとしてアピールしていけば、より好条件・好待遇で採用してもらえる可能性も高くなります。
適する人材がなかなか見つからない状況にある企業では、英語力を優先し、法務の仕事が未経験でも採用することもあるかもしれません。
英語力のある人が法務の転職後に企業から求められる仕事は主に3つ!
英語力のある人が法務に転職した場合、企業からどのような業務を求められるのでしょうか。
考えられる具体的な業務を3つご紹介します。
英文契約書の作成
一つ目として、海外を相手にする取引や提携に必要とされる英文契約書の作成が挙げられます。
契約書は、法律用語が含まれ、日常的に使わない用語や言い回しが必要になることが多いです。
契約後に何らかの問題やトラブルが発生した場合、効力のある文書となるため、法務職の中でももっとも重要な任務と言えます。
契約書で使われる英語は、toeic学習だけではカバーしきれない部分も多く含まれてくるため、より専門的な法律英語の学習も欠かせません。
民法や商法、国際法などと照らし合わせながら、間違いや法律違反がないことはもちろんのこと、自社が不利な立場にならないような英文契約書を作成することが重要です。
コレポン業務
コレポンとは、端的に表すと、相手とのやり取り(意思疎通)を意味します。
現代ビジネスにおいては、海外企業や顧客を相手にする場合はメールによるコレポンが中心となるでしょう。このときのメールは、もちろん英語でやり取りされます。
伝えるべきことを内容がずれないように英語で簡潔に表現する必要があります。
また、送られてくる相手のメールを、相手の意図通りに読み取り、理解しなければなりません。コレポン業務では、契約に関わる内容を熟知しておかないと、間違った捉え方をしてしまう可能性が高くなります。
法律知識はもとより、それぞれの企業の状況や環境、取り扱っている商品やサービスについての知識なども求められるのです。
英文明細書の読解
海外展開を考える企業では、国際特許のことも無視できません。
新しい商品やサービスを生み出すときには特許を申請することもあります。
また、グローバルに事業を展開していくにあたって、すでにある国際特許を侵害していないこと、もしくは特許を使用するには許可申請が必要です。
その際に、英文の特許明細書を読み込まなければなりません。
このときの読解に間違いがあると、最悪の場合、違法に気付かぬうちに事業を進めてしまい、特許を持つ企業に訴えられてしまう可能性も出てきます。
実際の申請は、非常に手間がかかるため、特許事務所などの専門業者に依頼する企業が多いとはいえ内部チェックも欠かせないのです。
toeicスコアが800点以上だと年収も高くなる?900点以上だとさらにアピールに!
大手転職エージェントの統計では、toeicのスコアが高い人ほど年収も高くなる傾向という結果も出ているようです。
転職市場にある求人を見ていくと、toeicの一定スコアの取得を要件としている案件は多く見受けられます。
toeicを要件に提示するほどの企業は、toeicで800点を超えることの大変さもよく理解しているものです。
スコア900点を超えている人であれば、高い英語力とともに、「並み以上」の努力ができるという資質をアピールすることにもつながるでしょう。
高い英語力がある人ほど、海外事業や取引をはじめとして、企業で携わることのできる業務範囲が広くなります。
英語力がないと遂行できない重要業務も存在するはずです。
ここで触れている法務の業務にも英語力がなければこなせない業務は多くあります。つまり、活躍できる可能性のある場が増えるということです。
さらに、toeicスコア800点、900点を取れる人材なら、仕事もやり遂げてくれるという期待を持たれる傾向もあります。
より上層への昇格や、重要プロジェクトの責任者に抜擢されたりする機会が、他の人よりも多く巡ってくる可能性が高まるはずです。
それが結果として、年収アップにつながっていくと考えられます。
法務の転職で年収を上げるにはtoeicスコアと英語力をアップさせるのが有効!
法務の転職では、高いtoeicスコアの影響力は大きいです。
転職先としての選択肢の質も格段にアップしますし、高年収の企業を狙うことも不可能ではありません。
将来的にも活躍の場が多くなるため、さらに年収がアップする可能性も高くなります。
スコア800点を超えるのは、決して簡単ではありませんが、取得しておく価値は高いようです。
なお、年収UPの転職やtoeic、語学力を活かした転職をお考えの方は転職エージェント等に相談してみるのも良いです。
以下の記事にて法務におすすめの転職エージェントを紹介しておりますので是非ご参考ください。