国内のスタートアップベンチャーの資金調達金額は2018年は非常に多くなっており、2018年は4000億円近い水準で着地することが予想されています。
投資需要も非常に多いことから「ベンチャー企業支援」をサービスラインに掲げる会計事務所は非常に多くなっています。
また、合わせて上場を目指すベンチャーが多いことから公認会計士を求めるベンチャー企業も多く、ベンチャー企業へと転職する会計士も近年は増加傾向です。
会計士・税理士を求める企業も増加していますが、会計士・税理士自身もベンチャー企業への興味を持つ方が増えており、注目の分野の一つとなっています。
ベンチャー企業に対して会計事務所・税理士はどのように関わっていくのか
ベンチャー企業に興味のある税理士・会計士が増えており、こうした業務ができる会計事務所や企業への転職を希望される方は若干ですが増加傾向です。
創業間もないベンチャーの場合、経理や財務を行う専任の社員がいることは稀なので、経営者と顔を合わせながら業務を進めていくことが大半です。
一般的な記帳や経理代行等の業務ももちろんありますが、経営を軌道に乗せるための資金繰り等の財務施策など経営に近い部分の業務を経験することができます。
資金繰りに関してはベンチャー向けの資金調達手段は近年多種多様であり、一般的な創業融資の他、VCや投資家から資金調達を行うケースが非常に多くなっています。
また、創業期においては補助金に関する申請業務も多くなり、特に雇用に関する補助金等はとても需要が高くなっています。
資金調達に成功し事業に投資を行う段階にて、税理士や会計事務所は財務面から見たリスクや妥当性に関して分析していくこととなります。
そのため、ファイナンスに関する知識が求められることも多くなるでしょう。
また、M&Aやアライアンスなど他企業の財務・ビジネス面でのデューデリジェンスが求められることもあります。
総合的な判断が必要となるため、高度なスキルが要求されます。
ベンチャー企業内に会計士・税理士を入れてしまうケースも
IPOを目指すケースにおいては公認会計士を社内にむかえ入れる傾向が強いです。
上記に記載した資金調達やファイナンスに関する事項のみならず、経理・財務部門を始めとする管理部の構築において公認会計士を起用する動きも多くなっています。
このケースでは税理士よりは多くの企業の監査を行ってきた公認会計士の方が需要は大きいです。
そのため公認会計士がベンチャーへ転職するケースは増えています。
ただ、ベンチャー企業へと転職した際に求められるのは財務やファイナンスの知識だけではなく、ビジネスセンスも問われます。
所属する企業のビジネスを加速させるための意見を求められるケースも多いため、多くのビジネスモデルやスキームに関して転職する前から意識的に学んでおいた方が良いでしょう。
CFOとしてIPOを経験したい会計士の方は比較的多く、転職を検討される方もいらっしゃいますが、ベンチャー転職後になかなかうまくいかないという方も多いですのでしっかり情報収集を行うようにしましょう。
ベンチャー企業へ転職するには?
税理士にしろ会計士にしろベンチャー企業への転職をお考えであれば、知り合い経由で転職するのがもっともおすすめではあります。
ベンチャー企業は内情がコロコロ変わるので、知り合いから生の情報をもらった方が失敗が少ない傾向にあるといえます。
ただ、知り合い故に後々トラブルにつながるというケースも多いので、実際は転職エージェント経由での転職が多いかなと思います。
ベンチャー企業の情報収集は非常に難しいため、情報収集にあたっては税理士に強い転職サイト・転職エージェントを利用してベンチャー企業へ転職するということがどういうことなのかしっかり情報収集しておくべきです。
転職するという意味では税理士向けの転職エージェントでなくても良いのですが、税理士としてのキャリアまで含めて相談した方が良いため、初めは税理士向けの転職エージェントに相談しましょう。
ベンチャー企業へ転職すると「税理士」としての仕事内容とは大きくかけ離れたものが中心となるケースも多いため、リスクを理解するためにも必ず情報収集を行ってください。
※公認会計士の場合は会計士に強い転職サイト・転職エージェントにまず相談してみてください。
個人的には会計士・税理士がベンチャー企業で活躍し、企業の成長を後押しするようになってくれるとうれしいと思いますので、興味のある方は一度ベンチャー企業への転職やベンチャー企業支援を行っている会計事務所・コンサルへの転職を考えて見てはいかがでしょうか。