公認会計士の資格を持っているだけでビジネス上大きなメリットがあることに気が付いていない会計士の方は多いです。
例えば、ビジネスの場でも飲み会の場でも、公認会計士であるとわかったとたんに態度が変わったりする(良い意味で)方は結構多いです。
一般的な20代が何か意見を言っても、若造が何か言ってるよ、くらいにしか思われなくても公認会計士という肩書が相手に伝わっているだけで何故かしっかり話を聞いてくれたりするものです。
つまりは公認会計士という資格を持っているだけで一定の信用を他者から受けられるということになります。
これは、監査法人から事業会社等へ転職した後や自身でビジネスをしていくにあたってとても有用なこととなります。
一般的に仕事やビジネスを行う上で他者から信頼してもらうことは非常に難しく、長い月日を経て結果を出し、ようやく能力を信用してもらうことができるのですが、公認会計士というだけで、財務・会計に関するスキルのみならず何故かビジネスセンスも高いと思われることも多いようで、本当に便利な資格だなと感じることもあります。
そのため、公認会計士という資格を上手に活用することで様々なフィールドで活躍することができるのです。
期待値が高い分ガッカリされるのも早い
事業会社の採用担当者や経理部門の方にたまに言われるのですが、公認会計士を採用したことがあるが、使えなくて困った、という経験をされている方が一定数いるということです。
このケースでは会計士に問題があるケースももちろんあるのですが、企業側が会計士の特性をわかっていなかったというケースもあります。
例えば、会計士自身の問題としては、やはりコミュニケーションスキルが低い方が一定数いるということです。
特に最近ワークライフバランスを求めて転職される会計士の方は多いのですが、そうした方の中にはコミュニケーションを苦手とされる方もおり、考えていることなどをしっかりアウトプットできないという方もいらっしゃいます。
会計士というだけで周りからすごい人、という目線で見られることもあり、誤解を招いたり、とっつきにくいという印象を与えてうまく立ち振る舞えず居にくくなるケースもあります。
また、企業側も会計士のスキルや能力を良く理解しておらず、会計士じゃなくても良い業務を任せる(一般の経理等)ケースでは、他の社員と差がでないこともあり(慣れていない分劣ることも)、会計士であれば何か凄い仕事や提案をしてくれると思っていたけど意外と何もしてくれないということで、期待が高かった分ガッカリされることもあるようです。
会計士であっても、普通の経理業務をやるのであればそれほど他の人と変わりません。
会計士をどのようなポジションで活かせばよいかわかっていなかったというケースでガッカリされて評価が一気に下がることもあったりします。
いずれもコミュニケーションがちゃんとできていれば防げるケースです。
その他、企業の経営に近いポジションで転職されるケースでは、ビジネスセンスのなさ、ビジネスへの興味の浅さ、提案力の無さでガッカリされるケースがあります。
監査法人時代の監査業務では、監査で出てきた問題点を部分的に指摘して終わるケースが大半だったかと思います。
しかし企業内部に入ったら、こうした問題を総合的に理解し、どのように解決していくのが最適なのか、を考え解決策まで考える必要があるのです。
監査法人が企業に提出する書類はただの指摘ですので、もし企業内部の会計士になるのであれば、問題を指摘するのではなく、どのように解決していけばよいのか?という問題解決思考が重要となります。
クライアントのビジネスに興味を持って監査業務を行うことで養える能力もある
監査業務に飽きたと早々に感じてしまう方の中には、業務をただの作業として捉えている方が非常に多いです。
これだけ多くの大企業に触れられる機会というのはそうそうあることではないので、マシーンのようにただ仕事をしていてはもったいないです。
担当するクライアントの利益構造やビジネスモデル、どのような点がボトルネックになって業績が悪化しているのか、しっかり意識しながら業務に取り組むことで大きく力がつきます。
全体の中の一部の仕事をしている関係でなかなか把握しにくいところもあるとは思いますが、こうした意識を持つことで視野が広がり、ビジネススキルも身につくものです。
確かに監査はルーティンワークという一面もありますが、良い経験になるはずですので、幅広いキャリアの可能性を模索していきたいとお考えの会計士の方は、是非ビジネス視点を持って業務に取り組んでもらえればと思います。
このような意識をもって監査業務に取り組むことでビジネスセンスも養われますので、会計士という資格から得られる信用力に加えて申し分ないスキルも身に付き、一層の信頼を得ることができます。
公認会計士の資格は信用を得るのにとても最適ですが、ガッカリされるケースにおいてもダメージは大きいです。
監査法人で業務をするときからしっかり意識を持っておくことで、より一層キャリアに幅ができ、高みを目指していくことができるのではないでしょうか。
本サイトでは会計士が監査法人から転職するにあたりどのようなところで活躍できるのか記載した記事もあります。
興味のある方は以下もご参考ください。
また、転職に興味のあるという方は、会計士におすすめの転職エージェントも紹介しておりますのでご参考ください。
本記事が会計士としてキャリアアップしていくのに役立てば幸いです。