土地家屋調査士の転職とキャリアパス

土地家屋調査士の転職先としては、土地家屋調査士事務所の他に建設会社や不動産会社、他士業事務所(司法書士事務所等)への転職が一般的です。

土地家屋調査士事務所に勤務するケースにおいても、事務所の規模によって求められるスキルやキャリアパスは大きく異なってくるため、キャリアを形成する上においてはどこに勤務するかということも重要な要素となります。

独立を前提とした就業も一般的な業界ですので、独立を目指す方もどのような事務所で経験を積むかということは重要でしょう。

ここでは、土地家屋調査士の転職マーケットとキャリアについて見ていきたいと思います。

土地家屋調査士の転職マーケットは比較的売り手市場

土地家屋調査士になりたいという人が減少していることもあり、ある程度年齢が若く、試験をパスしていれば就職・転職に困ることはあまりないでしょう。
土地家屋調査士事務所であれば未経験でも応募可能な求人は比較的多くあることから、転職することは可能です。

資格そのものがマイナーである点や登記案件が減少傾向にあるというところで、新規で若い方が目指すケースは減ってきていますが、キャリアの積み方によっては大きく収入を得ることもできますので、興味のある方はこれから土地家屋調査士を目指しも良いでしょう。

土地家屋調査士事務所への転職と転職市況について

土地家屋調査士のキャリアフィールドは様々ありますが、初めに土地家屋調査士事務所の転職マーケットとキャリアについて見ていきたいと思います。

小規模・個人の土地家屋調査士事務所の転職とキャリアについて

大規模な事務所の場合、案件規模も大きいことから、測量・登記・土地の境界確定業務など分業体制となっているのですが、
個人事務所の場合は、一通りの業務をワンストップで経験することができます。

ただ、逆を言えば小規模な案件が多く、マンションや商業地の開発などの規模の大きな案件には携われないことが多いので、大規模な案件がやりたい方には向かないでしょう。

他の士業事務所でも同じですが、個人事務所の場合、質の良い案件を抱えているところであれば、良い経験が積め、独立にも役立つことから、個人・小規模事務所へ転職するケースにおいてはどのような案件を行っているのかなど事前によく確認しておくと良いでしょう。

中規模・大規模の土地家屋調査士事務所の転職とキャリア

大きい規模の事務所に転職するケースでは、業務が分業されているケースがほとんどなので、特定の分野の業務に特化して行うことが多くなるでしょう。
測量士の資格や経験がある方の場合、土地の担当になるケースが多くなります。

様々な業務を経験したいケースにおいては事務所側との相談が必要となるケースがほとんどのため、一気通貫ですべての業務に携わりたいとお考えの場合は注意が必要です。

ただし、大規模案件に携われる機会が多くなりますので、大型案件に携わる経験がしたい場合は良いでしょう。

こうした傾向というのは、土地家屋調査士に限った話ではなく、その他の士業事務所でも同様です。
また、一般事業会社のその他の職種でも同じような傾向があります。

そのため、先のキャリアを見据え、どのような規模の事務所へと転職するべきなのかしっかり判断するようにしましょう。

その他の士業事務所や企業へ転職するケース

キャリアチェンジや別のスキルを身につけるに際し、測量会社や不動産会社、司法書士事務所等のその他の事業所へ転職される方もいらっしゃいます。
特に測量に関しては、測量等の技術を身につけるためだったりと様々な理由がありますが、こうしたケースの転職では即戦力であることが求められます。

土地家屋調査士としての業務経験をしっかり積んだうえで転職されることをおすすめします。

いずれにせよ、転職マーケットは売り手市場が続いておりますので、経験が浅い方の勤務を歓迎する職場も多くあります。
経験を積むための転職にせよ、条件をアップさせるための転職にせよ、現在の市況であればチャンスは広がっている状況です。

土地家屋調査士のキャリアアップについて

土地家屋調査士は周辺資格との親和性が高い資格です。
顧客ニーズや業務に合わせて、プラスアルファで資格を取得している方も多いです。

代表的な例が司法書士資格となります。

司法書士は不動産登記を行う関係から、土地家屋調査士の仕事が発生するケースもあり、双方を取得しておくメリットは多くあります。

例えば、登記の必要が発生するタイミングとして、相続があげられますが、
こうしたケースでは、相続登記、土地分筆登記、所有権移転登記など表示に関する登記と権利に関する登記の両方を要する場合もあり、
療法の資格を取得しておくことで、顧客のニーズにワンストップで応えることができます。

土地家屋調査士の資格に加えて司法書士を加えていくことで、より幅広い業務を行うことができ、収入UPにも繋がります。

土地家屋調査士の年収 独立しないと年収は普通

土地家屋調査士の年収相場は独立開業者を除いて考えるとおよそ400万円~600万円程度です。
意外と普通だなと思われる方も多いかもしれません。
サラリーマンとして勤務するケースでは他の仕事とそれほど差はありませんが、資格を保持していることで勤務先の昇進に有利に働いたり、転職する際も比較的有利に働きますので、悪くはないでしょう。

また、独立ができる資格でもあるため、独立し、質の良い案件を手掛けることができれば、年収1000万円~3000万円程度稼ぐことも可能です。

独立を目指す方が多い職業ですので、そういった意味では実力次第で年収は大きく伸ばすことができるでしょう。

土地家屋調査士が転職するには

土地家屋調査士が転職を考えた際、土地家屋調査士に特化した転職サイトは早々あるものではありませんので、
転職サイト選びに困ることがあるかもしれません。

ここでは、以下に、土地家屋調査士が転職する際におすすめの転職サイトを紹介させていただきます。

土地家屋調査士におすすめの転職・求人サイト

LEAGL JOB BOARD

土地家屋調査士を始めとして、法律を扱う士業の転職に強いサービスです。

土地家屋調査士の求人を取り扱う専門の転職サイトはそれほど多くありませんが、こちらのサイトでは土地家屋調査士も含め、その周辺分野である司法書士関連の求人や不動産、建築系の求人も多数取り扱っているので転職先を探すには良いサービスです。

サイトに登録することで、求人応募前に求人先事務所や企業の詳細が確認できるため、
あなたが転職に求める条件が叶えられる求人先も見つけられるのではないでしょうか。

doda

総合型の転職エージェントです。
土地家屋調査士に特別強いわけではありませんが、不動産、建築系を始めとして土地家屋調査士が活躍できる求人先を多数保持しています。
数は少ないのですが、土地家屋調査士事務所の求人もいくつか保持していたので、
事業会社を中心に転職を考えているという方にはおすすめの転職サイトです。

面接対策や応募書類の書き方がわからないという方もたまにいますが、
こちらの転職エージェントでは、そういった転職に関する一般的な対策もやってくれるので、転職活動に不安があるという方は利用してみても良いでしょう。

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樋口 智大株式会社インテグラルベース 代表取締役
公認会計士・税理士・経理などの士業・管理部門の人材紹介を行う株式会社レックスアドバイザーズで勤務し、転職エージェントや会計専門メディアの事業の立ち上げを経験。その後、株式会社インテグラルベース(厚生労働省特定募集情報等提供事業者51-募-000806)を創業。現在は転職・採用・人事に係わるコンサルティングや求人サイトの運営を行っています。 士業JOBでは、これまで培った人脈と10年弱に及ぶ転職や採用に関する業務経験・実績を活かして転職に役立つ情報の配信を行っている他、多数の人材紹介会社とも協業し、最新の情報をブラッシュアップしながら配信を行っています。また、行政書士として事務所を開設しており、自身も士業として活動しております。 執筆者・監修者・編集者情報へ