中小企業診断士ってどんな仕事をしているの?

中小企業診断士の仕事内容

中小企業診断士ってなに?

中小企業診断士は、一言でいうと経営コンサルティングに関する唯一の国家資格です。他にもコンサルティング業務を持つ士業はありますが、中小企業診断士は特定の分野のスペシャリストというよりも、経営全般の知識を持つゼネラリストに近いイメージです。中小企業の抱える経営課題を解決するため、財務・人事組織・生産・マーケティング・ITなど経営全般の問題を分析し、改善方法をアドバイスします。

また、中小企業診断士には重要な役割があります。国の中小企業支援施策の普及活動や、税理士や弁護士等の専門家・金融機関等と中小企業を繋ぐパイプ役といった社会的に重要度が高い役割を担っています。昨今はコロナ渦など環境が大きく変化する中で、特に資金調達面でパイプ役となる中小企業診断士の重要性が益々高まっています。

ところで、なぜ「中小企業診断士」という名称なのか?と思われる方もいらっしゃると思います。実は企業全体の99.7%が中小企業であることをご存知でしょうか。中小企業は日本経済を支える重要な存在であるため、1社でも多くの中小企業の生産性を向上させ、経済を活性化させることが中小企業診断士には求められているのです。

中小企業診断士の働き方とは?

中小企業診断士には、独立開業している「独立診断士」と、企業に所属したまま活動する「企業内診断士」の2種類の働き方があります。直近の中小企業診断士のアンケート結果(参照:2021年 中小企業診断士活動状況アンケート調査)では、独立診断士と企業内診断士の割合はほぼ同じです。それぞれにメリット・デメリットがありますので、以下にご紹介していきます。

独立診断士は、これまでに培ってきた専門性や集客力を活かし、複数の民間企業と顧問契約をしたり、行政などの公的機関と専門家契約をして中小企業向けに経営指導やセミナー講師等をして働くというスタイルがあります。

メリットは、活動範囲が広く、単独で様々な仕事を獲得できるため、高い水準の収入が得られます。また、実績を積み重ねることで認知度・知名度を高めることができます。一方で、中小企業診断士は、弁護士や税理士、社会保険労務士等のような独占業務がないため、独立当初は仕事の獲得に苦労して、収入が不安定になるリスクがあります。

企業内診断士は、所属企業の仕事に中小企業診断士の資格を活かし、社内での評価を高めることで昇進・昇給が目指せます。また、副業・兼業が認められている場合は、企業に属していながら、社外において独立診断士と同様の仕事を行うことができます。

メリットは、安定した収入を得ながら、中小企業診断士の資格を活かせることです。一方で、社内での評価が思ったより上がらなかったという声もよく耳にします。そのような場合は、転職をすることで資格を活かすといったケースも多いです。

また、社外の活動は本業の傍らで行うため、どうしても時間的な制約があります。しかし、最近では企業内診断士向けに仕事を紹介するプラットフォームが増えてきています。そのような社外組織に所属することで、一人ではなく数名のチームで活動できるため、仕事の分担も可能です。

中小企業診断士の仕事内容は?

中小企業診断士の仕事は、①診(み)る、②書く、③話す、の3つのスキルに分類されます。この3つの分類の仕事をバランスよく取り組んでも良いですし、どれか一つに特化して取り組むのも良いと思います。

  1. 診る
    診る仕事は、経営コンサルティング業務全般です。例えば、民間の中小企業に対する経営診断、地域の商工会・商工会議所などの相談窓口業務があります。中小企業の経営課題に対して、経営者と一緒に必要な対策を考え、伴走支援していきます。また、各種補助金の情報提供や申請サポートとして、コンサルティング契約をしている中小企業診断士も多いです。
  2. 書く
    書く仕事は、主に執筆業務です。例えば、雑誌やWebの記事・コラムの執筆、各種テキスト・専門書の執筆といったものが多いです。労力の割に仕事の単価は安いですが、本を出版するなど実績を積み、知名度を高めることで、様々な仕事を獲得しやすくなります。
  3. 話す
    話す仕事は、主に講師業務です。例えば、民間企業での研修、商工会・商工会議所などのセミナー、中小企業診断士の予備校など活躍の場はとても多いです。また、最近では中小企業診断士もユーチューバーとして活躍されている方が増えてきました。各種補助金・助成金や、最新の法改正などの情報提供は中小企業経営者からのニーズが多いです。

さいごに

中小企業診断士は独占業務がない分、幅広いフィールドで活躍できます。また特徴として、中小企業診断士同士は競争というより、協同の意識がとても強いです。そのため、企業の財務、マーケティング、人事労務、生産、店舗、ITといった幅広い領域について、中小企業診断士それぞれの専門知識・スキルを学び合う場が多くあります。中小企業の支援をしたい、事業の成長に貢献したいという熱い想いがある方には是非目指して頂きたい資格です。

この記事の執筆者
平野智一(中小企業診断士)

平野智一(中小企業診断士)神奈川県相模原市の中小企業診断士です。
水処理装置の製造販売メーカーで総務職に従事していました。バックオフィス全般から経営戦略まで幅広く担当。その後、2020年に中小企業診断士に登録。2021年11月に独立開業し、中小企業診断士として主に経理業務のサポートや資金調達のための事業計画の支援を行っています。


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