会計事務所の求人票や募集要項を見ていると、業務内容で多く見かけるのが「記帳代行業務」です。何となくイメージはできるけど、具体的にどういうことをするのかわからない方も多いと思います。今回は記帳代行について、その目的から間違わないためのポイントまで解説します。
目次
記帳代行とは?
記帳代行とは簡単に言うと、本来は会社が自ら行うべき日々の取引記録を、会計事務所が代わりに行う事を言います。
昔から会計事務所、特に中小企業を相手に経営している会計事務所は記帳代行をかなりの割合で行っています。
お客様は日々本業に精を出しており、ついつい毎日の帳簿付けを後回しにしてしまうことが多いです。しかし、それも積もり積もると大変な量になります。そこで会計事務所はお客様の負担を減らすべく、記帳代行業務を請け負います。
ところで、この記帳代行業務を請け負う目的はそれだけではありません。
実は会計事務所も助かっている?記帳代行をする裏の目的
会計事務所のメインの仕事と言えば申告書の作成です。申告書はお客様の一年間の成績を記したもので、これを基に税金の支払いや次年度の計画を練ります。各種申告書は正確な帳簿が無いと作れません。経理に対してどんなにやる気のあるお客様でも間違って記帳していたら正しい申告書が作れません。
決算時に我々が請求書や領収書をひっくり返して1つ1つ確認することになるかもしれません。そのような手間を省くためにも記帳代行は必要な業務の一つと言えます。
間違わないために!初心者が記帳代行業務を行う際に押さえるべきたった4つのポイント
会計事務所に入所したら、上司の持っているお客様の記帳代行を手伝うことになります。その際に押さえておきたい4つポイントがあるのでご紹介します。
資料をもらったら分類から
いつも整理整頓された資料をくれるお客様ばかりではありません。中には領収書やクレジットカードの明細、請求書などごちゃごちゃに渡すお客様もいます。
そういうお客様は基本的に早急に直すよう対応が必要ですが、まずはその資料を領収書、カードの領収書、支払の請求書、売上の請求書などに分けておきましょう。当たり前のようでこれをするのとしないのでは処理速度と正確さにかなりの差が出ます。
独自の処理(仕訳)をしない
初心者、特にある程度座学で勉強してきた人が行いやすいのが仕訳です。
よく、実務と座学は勝手が違うと言いますが記帳代行ではそれが顕著にあらわれます。意気込んで独自の仕訳を切るのではなく、まずは過去の仕訳を見てそれと同じように処理するように心がけましょう。
なぜそう処理するのか、どうしても納得いかない場合は後で上司に聞くのがベストです。
疑問があっても全体像をまとめ上げる
仕訳を切るうちに、必ず疑問に思うことが出てくるはずです。しかし、その度に上司や周りの人に聞くのはやめましょう。不明点は脇に避けておいて、とりあえず全ての仕訳を切るようにしましょう。不明点は次から次へと出てくるため、その度に聞くのは非常に効率が悪いです。お客様に何度も聞くのは怒られるので論外です。なるべく不明点は最後に、まとめてから聞くとお互いにストレスレスで業務が進みます。
最後は必ず試算表で確認
一通り仕訳が済んだら試算表で、その月の結果を見ましょう。前月や昨年同月と比較して数字に大きな差異があるかどうかわかりやすくなります。試算表はその月の取引が正常に行われているかをチェックする最後のポイントになります。
記帳代行に関する仕事内容のまとめ
以上、記帳代行について、その目的と間違わないためのポイントを解説しました。
記帳代行は会計事務所にとって基本中の基本になるため、できるだけ早い段階で自分のやり方を見つけましょう。そうすれば処理はどんどん早く正確になり、次のステップに進めます。自分のやり方を確立するために先ほどの4つのポイントを意識して仕事をすると、周りに一目置かれる存在になれるかもしれません。