会計事務所のメインとなる仕事の1つに申告書作成があります。申告書にもいろいろ種類があるのはご存知でしたでしょうか。
今回は中でも代表的な「個人確定申告書」「法人確定申告書」「消費税申告書」について作成に当たってのポイントも含めてお伝えします。
目次
個人確定申告書の作成ポイント
個人確定申告書とは、いわゆるみなさんが確定申告と認識しているものです。普段サラリーマンとして会社から給与を得ている人は確定申告をする代わりに年末調整を行っています。アメリカではこの年末調整というのは無くて、国民全員が確定申告をしなければなりません。では、会計事務所で働くうえで個人確定申告書作成の注意点を説明します。
技術面で見る個人確定申告
申告書作成において注意すべきは所得の種類です。個人所得には11個の種類があり、何で収入を得ているかで分けなくてはなりません。ここを間違えると税額が狂います。最悪の場合税務調査が入り罰金が科せられることもあるので要注意です。
折衝面で見る個人確定申告
個人のお客様が確定申告を頼みに来るのが大体2月ころからになります。申告のタイムリミットが3月15日のためそこまでには必ず終わらせておく必要があります。この場合の個人のお客様は年に一回しか顔を合わせない場合が多いため書類を集めるのに苦労します。まずファーストコンタクトの時点で何が必要なのかを端的に話しておきましょう。これが円滑に確定申告を終わらせるポイントです。
法人確定申告書の作成ポイント
法人確定申告書とはいわゆる法人税申告書のことです。法人にも個人と同じく、所得税、住民税、事業税が課せられるため間違いのないように作業を進める必要があります。では早速、作成におけるポイントについて見ていきましょう。
技術面で見る法人確定申告書
法人税申告書を作る際に必要となる能力は、法人税申告書の別表の理解です。今はソフトが自動で何でも行ってくれますが、そもそも使用者本人が別表の仕組みをわかっていないとミスを誘発します。特に理解しておきたいのは別表一、別表二、別表四、別表五(一)、別表五(二)になります。
折衝面で見る法人確定申告書
申告書を作るのにも顧客とのコミュニケーションが欠かせません。特に大切にして欲しいのが節税についてです。顧客が望む税額に合わせるために、会計事務所はあらゆる節税方法を提供します。また、逆に利益を大きくしたいという顧客もいるので希望に沿う形で決算書をまとめる必要があります。そのためには日頃から小まめに連絡を取り、意思疎通を取るようにしておきましょう。
消費税申告書の作成ポイント
消費税申告書は意外にもかなり重要な申告書になります。何故かというと支払う税金の額が莫大なものになるからです。一歩間違えると顧客に多額の損害を与えかねません。細心の注意を払って作成に取り組む必要があります。
技術面で見る消費税申告書
消費税申告書の作成で注意したいのは仕訳の課税区分です。まず消費税の性格を理解しないと課税区分の判定ができません。単純に考えて簡易課税でもなければその時の仕訳がダイレクトに税金に直結するのは怖いものがあります。日々の仕訳を大切にする理由にも直結します。
折衝面で見る消費税申告書
消費税申告書で怖いのは建物や車など大きい金額の資産購入です。使途不明金みたいなことも必ず無いようにしないとならないので、きちんと消費税のリスクを説明したうえで重要な書類を提出してもらえるよう日頃からのコミュニケーションが大切になってきます。
会計事務所ではこれらメインで扱う申告書のほかに資産税について、相続税申告書や贈与税申告書など様々な申告書を扱います。どの申告書を作成するにおいても共通して言えることが顧客とのコミュニケーションが一番重要だという事です。
コミュニケーションが取れないことは信用が得られないことになります。会計事務所において信用問題はとても大切な事柄のため普段から人の機微を見逃さないようにすると良いでしょう。
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