経理で転職をする際に志望動機を書く(考える)のが大変だというケースは少なくないかと思います。
というのも経理の仕事そのものが企業ごとで大きな違いはなかったりするケースも多く、ポジティブな転職動機やそもそもなんで転職するのかを前向きに伝えるのが難しいケースも多いからです。
転職先企業の特長(例えば最先端系であるとかIPO目指してるとか)から作ることも可能ですが、多くの方が割と似たような界隈で転職するので苦戦することが多いというのもあります。
もっとチャレンジしたいといった強い動機があるケースでは考えやすいのですが、そうではないケースの転職が多く、営業等の攻めのポジションと違って守りのポジションである経理が志望動機を考えるのに苦戦することが多々あります。
ただ、攻めのポジションにしても守りのポジションである経理にしても、志望動機のその内容の良し悪しによって採用の可否が分かれることも多いので、基本的な書き方のコツと具体例を確認しておきましょう。
目次
経理の転職で志望動機を書く場合はこの3つを意識しよう!
経理の転職ではどのようなことを念頭に置いて志望動機を書くと応募企業からの受けが良いのでしょうか。
基本的には企業目線で魅力的な人材だと思ってもらえるようにするのが重要だと考えて、次のようなポイントを押さえて書くようにしましょう。
経理職でどのように会社に貢献したいのか伝える
人材採用の際には企業はいかに売上や成長に貢献してくれる人材かを見極めようとしているのが一般的です。
その視点から考えて、まずは志望動機でどのように会社に貢献していこうと考えているのかをアピールしましょう。
経理職に何を求めているかは企業によって異なるので、十分に企業研究をして経営の方針や現場の事情に合った方法を伝えるのが大切です。
例えば、ベンチャー企業であれば経理だけでなく他の部門も兼任することがよくあります。
そのため、例えば、現職企業では決められた範囲での業務しか経験ができないが、御社のように幅広く〇〇が経験できるのは、、、、のような形を軸に考えていくこともできるかと思います。
大手のグループ会社なら連結決算などが必要になる場合もあるでしょう。その現場に応じて必要とされている経験やスキルを持っていれば、その力を発揮して貢献できると伝えることが可能です。
〇〇というスキルをもっと生かして、△△したいが、現職では□□な部分で実現できないことから今回転職・志望しました、のようなザックリいうと流れとなります。
あなたが持っているスキルと企業側が求めるスキル・仕事内容を照らし合わせながら志望動機を作っていくパターンとなります。
業務経験を書き今後の仕事へどう活かしていけるか説明する
経理職として任される業務内容はどの企業でもある程度は限られています。
その仕事に対して新しい現場でどのように前職までの経験を活かせるのかを説明することで志望動機にすることも可能です。
例えば、前職は大手企業で働いていて、経理部門の中で専門的な業務に特化した業務を担っていたとしましょう。
その専門業務の担い手がいない企業に応募するときには自分の培ってきたスキルを存分に発揮できる会社だと感じて志望していると書くことができます。
そして、自分の入社によって現場にどんな変化がもたらされるかを記述して締めくくればアピール力があるでしょう。
なぜその企業の経理職に転職したいのか伝える
もともと経理職で働いていた人がまた経理職として別の職場で働こうと思うのには必ず理由があるでしょう。
「その企業で何を実現したいのか」
その理由が前向きなものであって、新しい現場で今まで以上に大きな貢献をしていきたいと考えるモチベーションを持っているとわかれば採用担当者も魅力的な人材と捉えてくれます。
転職をしようと思うようになったエピソードを交え、なぜ経理としてこの会社・その現場として選んだのはなぜかを説明すると前向きな意識が伝わりやすくなります。
うまく実現したいことを言葉にして伝えることができれば相手に響きやすいと言えます。
同業種へ転職する場合と異業種へ転職する場合の経理の志望動機例文の違いはこちら!
履歴書に記入する志望動機を具体的に考えるときには転職先の業種についても意識が必要です。
同業種へ転職する場合と異業種への転職を目指す場合ではアピールすべきポイントが異なります。
それぞれの例文を参照して、どんな違いがあるのかを把握しておきましょう。
同業種へ転職希望の場合の志望動機例はこちら
私は前職では中小のシステムインテグレーターで経理職として働いてきました。
成長過程にあった会社で経理システムの選定と導入を実質的には一人で行い、現場でスムーズに運用できるマニュアルも整えた経験があります。
ITベンチャーとして起業されたばかりの御社でも成長のステージに合わせて適切な形で運用できる経理システムを作り上げ、会社にとって利益を生み出すエンジニアの業務負担を最小限にして会社の成長力を引き上げたいと考えています。
最小限の人材で運用しなければならない現場だからこそ、もともと一人で経理業務を行いつつ、他の業務も兼任してきた経験も活かせるという点で御社を選びました。
異業種へ転職希望の場合の志望動機例はこちら
前職でも経理部門で仕事をしていましたが、職場は大手の医療法人が経営するクリニックでした。
精神科と心療内科が併設されている現場で患者の大半が高齢者で、通院しながら介護施設で生活している人が大半を占めていました。
その様子を見ているとオムツなどの介護用品の良し悪しが生活の質に大きな影響を与えているのがわかり、介護用品のメーカーがもっと消費者のニーズに合った商品を開発してくれれば老後の生活を豊かにできると思ったのが、そのメーカーである御社を志望している理由です。
経理というバックオフィスから経営を支え、開発部門の方々が創意工夫をしてより良いものを生み出せるように貢献したいと考えています。
経理の転職で志望動機を書く際はポイントを押さえてから書こう!
経理職に転職するときには会社の視点でどんな人材がいたら採用したいかと考えて志望動機の内容を検討するのが肝心です。
自分の経歴や能力から考えてどんな貢献ができるかをわかりやすく伝えるのが重要です。
経理は正確性が求められる仕事で、高い責任感と十分なコミュニケーション能力がないと務まらないということも念頭に置いて志望動機を考えるようにしましょう。
また、志望動機などの伝え方も含め、転職活動や面接に不安があるのであれば転職エージェントを活用するのも良いでしょう。
多くの経理職の方の転職支援をしてきた実績から、あなた自身では気が付かなかった視点でアドバイスをもらうことができます。
転職活動においては転職エージェントの力も借り、効率的・効果的に動きましょう。
未経験者の経理が志望動機を記載する場合について
未経験で経理経験が無いという場合、どのようなことを軸にすればいいのかも終わりに簡単に触れておきたいと思います。
なお、年齢にもよりますが未経験者が経理へ転職するのはかなりハードルが高いので、しっかりと作り込みをしていくことが重要です。
なぜ経理に興味を持つようになったのかを具体的なエピソードを交える
現在あなた自身が営業職なのか総務職なのか等にもよりますが、いずれにせよこれまでの業務経験からなぜ経理に興味を持つようになったのかを軸に志望動機を考えます。
営業であれば数字に触れる機会も多かったかと思いますので、意外とそうしたことをきっかけに経理へ転職される方もいます。
後は、経理になるに向けてどのような努力・勉強をしたかを添えると良いです。
コミュニケーション能力についてアピールする
転職理由というよりはアピールに近い内容となりますが、経理職として働く上ではどの現場でもコミュニケーション能力が求められます。
バックオフィスの人たちだけでなく、現場で働いている社員とも頻繁にやり取りをする場合も少なくありません。
経理職の人が普段から他の社員とコミュニケーションを取れていることで書類の提出忘れや領収書の紛失などのミスが発生するリスクも低減されます。
また、社外とのやりとりが発生するケースも多く、会社の顔としても遜色ないコミュニケーション能力があることが求められがちなのです。
具体的な事例を通して能力の高さをアピールできると前向きに採用を検討してくれるでしょう。
なぜ経理なのかと合わせてなぜその企業の経理なのかの理由も
まず、現職でジョブチェンジのような仕組みがないのか、そもそも現職の経理ではダメなのか、そういったことも突っ込まれるので、なぜ経理を目指したいのかを考えると同時に、なぜ今の企業ではダメなのかまで作り込んでおくと良いでしょう。
どこまで突っ込んで聞かれるかはその企業次第なのでなんとも言えないのですが、いずれにせよ論理展開がしっかりできているかどうかが重要なので、ある程度事前に考えておけば突破できる部分だと思います。
未経験で経理職への転職を目指すなら責任感の強さと業務の正確性を伝えよう!
経理職は会社にとっては生命線であるということは理解した上で転職活動に挑むことが大切です。
経理業務は迅速かつ正確に行われるのが最も重要というか当たり前なので、些細な失敗があっただけで経営状況を大きく変化させてしまうリスクがあります。
自分の担っている業務によって会社の存続できる可能性や成長できる見込みが変わる可能性があることを自覚し、高い責任感を持って取り組まなければならないのです。
この業務に対する責任感の強さと正確性に関する認識があると伝えられると内定をもらえる確率も高くなるでしょう。
前職での仕事を思い返し、どんな責任のある仕事を成し遂げたか、正確性を求められる業務をミスすることなくこなしてきたかを考えてみるのが大切です。
その概要をまとめて伝えれば、経理職として適任者だと考えてもらえると期待できます。