女性の経理の転職をキャリアとライフの視点で考える

経理職として働く女性は多くいらっしゃいますが、転職を考えるにあたって家庭と仕事のバランス、趣味の時間と仕事とのバランスなど比較的ワークライフバランスを重視される傾向にあります。

家族との時間なのか、趣味なのか、勉強時間なのか、あるいは全部なのか、何を最も重視するかは各人の置かれた状況などにもよるため一概に言えませんが、多くの女性経理の方がワークライフバランスは考えたいということで、転職の軸の一つにされる傾向にあります。

公認会計士などの資格を持ち、専門的で高いポジションで働くケースでも同様です。

仕事の良し悪しだけでなく、日々の生活を充実させて楽しんでいくことで結果的に仕事も含めてプラスに作用することも多いことから、ライフの部分を少しでも充実させるために勤務先を選んでいくというスタンスは良いと思います。

ここでは、そんな女性経理の転職を実現するために、キャリア・ライフの視点から場合に分けてみていきたいと思います。

目次

女性経理職の転職市場は変化している

昨今働き方や職場環境が大きく変わりつつあります。

国の施策などでも女性活躍に関する指標を数値目標として定める動きもあり、女性の働き方という点でも変化が起き始めています。

国の示す女性活躍の目標に関する事項の中に管理職に占める女性の割合の目標などがありますが、こうした方針に対応していくことから一定規模以上の企業では管理職経験のある女性経理やこれから管理職を目指す女性を採用したいと考え、広く求人募集するケースは以前に比べるとかなり増えています。

そうしたことから、女性が働く上での体制面・制度面においては良くなってきてると言え、そういう意味では日本経済が大きく失速しなければ転職市場に希望が叶いやすい求人というのは増えていくと考えられます。

体制面でいえば、例えばIT/デジタル化の推進によりリモートワーク環境の整備などが一気に進み、結婚や出産などのライフイベントに左右されずにキャリアを構築していきやすい環境ができつつあるほか、人事制度も多様化しつつあるので女性に関わらずどのような方にとっても働き続けやすい状況が増えてきています。

もっとも、全ての企業がこうであるわけではなく、現時点においてはまだ一部の企業が優れている(恵まれた環境)にすぎず、企業ごとで差が激しくなっています。現在は過渡期なので不十分なことが多いのが現実ですが、徐々に良くなっていくと思われます。

一方で、求職者側が持つ希望や要望、マインド面に目を向けてみると、例えば働く女性に対して将来管理職になりたいか?といった趣旨のアンケートを取ると、どちらかというとなりたくないという回答をする方が多くなっており(昨今は男性でも多いですが)、キャリア志向の女性はまだそれほど多くなく、どちらかというとプライベートの時間が取りやすいポジションでそこそこの仕事と給料といった感じで働きたいといった要望が多いです。

社会的構造の問題もあるので、何が原因でこうなのか断定はできませんが、要因の一つとして、管理職(課長クラス)になると時間的な側面だけでなく精神的にも忙しくなるケースも多くあり、プライベートの時間が取り難いと感じている女性の方も多く、避ける傾向にあるように感じます。
実際に職場で上と下の板挟みにあって業務内容上でも時間上でも苦労している管理職を見て自分はああいう風になりたくない、と感じている人が多いことがあげられるかと思います。
現場の中間管理職に責任と実務を丸投げする体質の企業はまだ多いので、その辺を解消する必要がある企業が多いというのは現実問題としてあるでしょう。

企業側が女性に責任あるポジションに就いてもらいたいと考えた際にはまだまだギャップがある状況と言えます。ロールモデルとなる方々が生き生きと働く姿を見るまでは変わらないと思うので、少し時間がかかるかもしれません。

これらの例を見ていった際に共通する事項として、いずれのケースにしても「時間の確保(メリハリとバランス)」が各人の希望を叶えるための転職において重要な要素となるため、そういった視点を踏まえつつ女性経理の転職を見ていきたいと思います。

転職で後悔しないためにもしっかり情報収集を行って頂ければと思います。

なお、出だしからネガティブな記載になりましたが、先ほど記載した通り、企業側の体制の整備・就労環境の改善という面では良くなりつつあり、転職市場においてそうしたリスクのある職場への転職を避け、希望を叶えることができる可能性は高くなってきているので、良い転職は十分できると言えるでしょう。

何を実現するための転職なのかしっかり定義する

なぜ転職する必要があるのでしょうか?

これを具体的にする必要があります。

例えば先ほど記載した通り、ワークライフバランスを実現するための転職であると仮定すると、なぜワークライフバランスを実現したいのか?また、どういった状況になればそれが叶っていると言えるのかを一つひとつ書き出し、具体的にしてみてください。

「習い事の●●のスクールに通いたいから最低週2日程度は定時退社できる環境で働きたい」、「子供がまだ小さいので、時短勤務や一部リモート勤務を認めてくれる環境で、、、」などあなたにとって何ができていればワークライフバランスが取れているのかを書き出し、それぞれに優先順位をつけておくと良いかと思います。

優先順位をつけるのは、全ての希望が叶う職場は見つからないので、どこかしら妥協は必要になってくるのですが、それにあたって絶対に譲れない条件と譲れる条件を明確にしておくことで転職失敗を避けることができるからです。

よくある事例として、目先の年収UP・待遇UPに釣られて本来叶えたかった希望を妥協して転職した結果、結局短期離職をしてしまい、また転職活動する羽目になったというケースもあるので、自分の中の軸を明確に最初にしておくと良いかと思います。

ここではザックリとワークライフバランスを例にとりましたが、転職理由はそれぞれお持ちだと思いますので、自分で一度書き出してみると良いです。

なぜ転職をするのか、何を実現するのか、それらを具体的に定義し、人に説明できるようにしておきましょう。

これをしないと、どのような職場があなたにマッチするか判別し難いですし、後は例えば転職エージェントを利用した際にも言葉の定義があいまいでエージェントさんにうまく希望が伝わらず、少しピントのズレた求人先の紹介がされてしまうリスクが高まりますので、転職失敗のリスクを少しでも下げるためにも面倒かもしれませんがやっておきましょう。

経理の仕事とプライベートの時間の両方を充実させる転職はできるのか?

女性の経理の方の転職理由の定義を大まかに見ていると、冒頭で記載したように「時間の確保(バランス)」がメインになってくるので、こうした視点をメインにここからは記載していきたいと思います。

結論から言うと、家庭都合も含めたプライベートの時間を確保するための転職はそれほど難しくない状況になっています。

残業時間を少なくして別のことをする時間を持ちたい女性経理の転職について

昨今働き方改革により残業時間そのものは減少傾向ですし、世の中の価値観的にも昔と違って残業することを美徳習慣は無くなりつつありますので、労働時間を少なくしていくことは難しくない時代です。

ただ、企業が抱える現実的な課題として経理人材そのものが不足しているという問題があります。

人員が不足していても、ITツールなども発展しているので単純作業が昔と比べると多少効率化が可能となり、人手が少なくても業務自体はなんとかなっているケースが大半ですが、ゆとりをもって働けるかと言うとそのようなことは無く、特に精神的に疲れると言ったケースは増えております。

また、休みが取り難いという問題もあります。

20代半ばなど比較的若い方の場合はプライベートで遊ぶ時間や家でゆっくりと趣味の時間を取る時間を持ちたいといった要望を出されるケースが多く、概ね平均月10~20時間以内の残業に抑えつつ、それなりの給与が欲しいという希望を持つケースが多いのですが、そうした中で上記のような企業へ転職した場合、一見すると残業は少なく済み働きやすそうに見えなくは無いのですが、働き出して見たら残業がそれほど多いわけでは無いけど意外と忙しくて疲れてしまって充実したとは言い難いという感想を抱く方も少なくありません。業務時間後も気が休まらないといったことが多いです。
各人の正確によるところもありますが、こうした感想を抱く方も少なくないので、単に残業時間等の数値データを見るのではなく、当該部門の状況もエージェントなどから可能な範囲で情報を取りつつ面接の場でも感じ取るようにしておきましょう。

なお、これは企業規模と人員、体制とのバランスによるところなので、経理人員が少ないから必ずしもその企業が悪いということではないのでご注意ください。

一方で、人員数にゆとりを持たせ、しっかりと体制づくりができている企業もたくさんあります。

先ほど記載した通り、人手不足なので転職市場は求職者有利(売り手市場)の状況であり、条件が良い(働きやすい、給与も良い等)会社に人が集まりますので、働きやすい会社とそうでない会社との差が開きつつあると言った感じです。

そうした所謂良い会社は求人募集がなかなかありませんし、あった際もすぐに募集が埋まるので、いつでも動き出せるように準備をしておくことが重要です。

また、売り手市場とはいえ競争がかなり厳しくなりますので、選考通過のためにもしっかり対策(選考の対策そのものだけでなくスキル面や経験値も)をしておきましょう。

なお、こうした求人が出た際にすぐに案内がもらえるようにエージェントにはしっかりと転職意欲があることを伝えておきましょう。
単に良いところがあれば転職しようかな、ぐらいの感じだと転職意欲が低いと判断されて他の転職意欲が高い人を積極的に推薦される恐れがあるので、良いところがあれば積極的に転職を考えている、といった形で伝えておくのが良いです。
なお、昨今はエージェントに登録したからといって無理やり転職させられるとかは無いので安心しましょう。

子育てや家庭の時間とキャリアアップの両立

家庭か仕事(キャリア)どちらかを選ぶのではなく、どちらもしっかりやっていくことは可能となっています。

現在の日本ではまだ女性が家事をする機会が多い家庭が多いのが実情です。
このあたりの男性の家事や子育てへの参加率・意識の上昇の変化は今後期待するとして、ここでは前提として、家事なども女性が行っていくという前提で記載しますが、こうした家事・子育ても含めた家庭のことをやらなくてはならないため、物理的な時間が足りないという悩みもありますし、時間に追われて精神的にも疲れてしまって大変だと感じている方は多いです。

ただ、昨今はこうした家庭への状況に配慮した勤務体制が取れるところが増えてきています。

朝の出社時間を遅く出来たり、日によってはリモートワークにし、自宅で家のことをしつつ仕事をこなすといったことも可能となっています。

子どもの急な病気などによる対応などにも理解がある会社は多くなっていると言えるでしょう。

こうした制度あるいは風土を持ち働きやすい環境に身をおくことで心身ともに健全を保つことができ、キャリア的にも私生活的にも充実したものが送れるようになるので、現在の職場では何一つ実現不可能と感じるのであれば転職を検討してみても良いでしょう。

なお、勘違いしてはいけないのは、誰でもこのような環境へ身を置けるわけではなく、あなた自身もそれなりに企業へ価値提供できる人材である必要はあります。

スキルアップの時間が取れたり補助をしてくれる会社も増えた

時間が欲しいと考える女性経理職の方の中には、上位資格取得のための勉強時間が欲しい、語学力を磨きたいからその時間が確保したいなどスキルアップに割く時間が欲しいという方も多くいらっしゃいます。

そのようなケースでは従業員のために研修制度や補助制度(語学や簿記含め数多くのメニューを取り揃えている企業も増えています)を設けている企業も増えており、学ぶ機会は増えているように感じますので実現はしやすくなっていると言えるでしょう。上場企業などではこうした環境はかなり整っているかと思います。
また、仮にこうした制度が充実していなくても上記までで記載した通り、自身の時間を増やすことは可能な状況となっているかと思います。

人間関係が楽な会社に転職

男女問わず転職理由で最も多いのが人間関係を理由とするものです。

同僚との関係、上司との関係など様々です。

最近は減りましたが、仕事終わりの飲み会や休日のバーベキュー、休日の運動会イベントなど純粋な仕事以外の時間でも付き合いが発生するケースが結構あります。強制では無いとしつつも、参加しないワケにもいかないし、、、という状況もあったりするので、疲れてしまうケースもあろうかと思います。

この「飲み会が多い」「業務時間外のイベントが多い」といった事項に関しては、調べればわかることですので、こうした環境を避けることは簡単です。

こうしたイベント系による付き合いに疲れているケースにおいては、それらが無い環境の会社に転職するのが良いでしょう。
営業マン主体の会社などはこうしたイベントが好きな傾向にあるので注意が必要です。

経営陣(会社の方針)の考え方・価値観が反映されるので、現状においてこうしたイベントが無かったとしても後から出来たりするケースもあるので、その企業の運営方針や考え方はしっかり理解しておくようにしましょう。

しっかり情報を取得してウッカリ転職しないように気を付けてください。

一方で、純粋な人間関係を良好にできるかどうかは正直転職をしてみないとわからない部分もあります。

正確の不一致による仲の悪さ(居心地の悪さ)に関しては、どちらが悪いとも言えないケースもあります。

面接時や職場見学、座談会等が設定された際にその時に感じたフィーリングを頼るしか無いと言えますが、少なくとも初対面で嫌悪感を感じることがあれば慎重に考えた方が良いでしょう。

人柄についてもエージェントなどに相談してみることで、こういったタイプの人が転職して長く働いている傾向にあるといった情報は得られるので参考にはできるかと思います。ただ、こうした情報は主観的なものになるので、参考程度にするのが良いとは思いますが。

女性が働きやすい環境の会社は増えているが誰でも転職できるわけでは無い

転職することにより希望を実現できるケースはかなり増えています。
転職市場が売り手有利なことも手伝って、あなたの希望にそれなりに近しい良い条件で転職されるケースも増えています。

ただ、売り手市場とは言っても採用側は厳選してくるので誰でも簡単にこうした環境へ転職できるとは限りません。

過去の採用の失敗から人員が重しになってしまうケースを鑑み、採用者を厳選する傾向にあります。

また、昨今は単純作業だけを行う業務員の仕事は減少傾向にあり、従業員に求められる業務内容が高度化していることもあり、一定以上のスキル・経験が無いと約に立たないという場面も多くなっていることから希望を叶える転職をするには相応の準備が必要となります。

そのため、希望が叶うかどうかは、丁度良い求人が出ているかどうかということと年齢と比較して一定以上のスキル・経験をお持ちであるかどうか、それに加えて志向性が合致するかというところが重要となります。

たいした能力も無いのに条件ばかり追い求めても転職市場ではうまくいきませんので、まず自身にどれだけの市場価値があるのかを知ることも大切と言えます。

現状スキル不足という方は、現在の会社でしっかりとした経験を積むか、あるいは働きやすさ等の条件よりもしっかりと経験が積めそうな環境へ身を置くことを優先し、将来的に良い環境で働けるよう準備するのが適切と言えるかもしれません。

後ほど一般的に必要(求められる)とされるスキルについては簡単に解説しますが、企業によること、ご年齢などにもよるところがあるので、細かい情報はエージェントなどから聞くと良いです。

女性が管理職になることにより時間が確保できた例もある

管理職を希望する女性が少ないと冒頭で記載し、家庭との両立や現時点での上司の働きぶりの視点で見た際にやれそうもない(あるいはやりたくない)と感じる傾向にあることが要因であることは記載しましたが、確かに希望する人は少ないものの管理職をやってみたいと心の中で思っている方は意外と多くいらっしゃるようです。

そうした心の中でやってみたいと思っている方の中にはやってみたら良かったと思う方もいらっしゃいます。

パーソルキャリアの調査結果によると、管理職になってよかったと感じる女性管理職は6割程度いらっしゃるようで、「自分の裁量でできる仕事が増えた」という回答や「自由な時間が増えた」といったような回答結果もあります。

個人的に聞いた意見の中には、多くの人にとって働きやすい環境づくりを目指すことが出来て結果的に自分の働きやすさにも繋がったという方もいらっしゃり、うまくやっている人もいらっしゃいます。

ただ、良いことばかりではなく、やはり管理職になってみたら大変で後悔したという事例もありますので、労働時間やワークライフバランスを重視するのであればお勤めの会社あるいは転職先企業の方針と経営陣・役員陣の方向性・人柄を見極めて管理職を目指すべきかどうか検討する必要はあるかと思います。

女性の経理が転職活動を始める前に押さえておきたいこと

転職活動を本格化させるまえに、まずはこれまでの自分について振り返っておくことが重要です。先ほど記載した通り、どのような経験を有してきたかというところは特に振り返っておきたいところです。

これは選考通過のためにも必要なことですが、応募する求人先を選ぶにあたってミスマッチを減らしていく上でも重要です。

現在の職場で希望を実現できないのか考えてみる

転職活動と並行しつつでも構いませんが、転職をせずに、今の職場で希望が実現できないか検討してみるのも良いでしょう。

意外と相談したら改善されたという事例は多く聞きますので、冷静に考えてそんなに悪い会社では無いと思えるのであれば、転職先を決めてしまう前に一度相談してみるのも良いかと思います。

ただ、あからさまにブラック企業であるといった形で辞めたいのであればこの限りではありません。

どんな経験やスキルがあるのか

転職するときにはアピールポイントとなる強みがないと採用してもらえないのが基本ですのでそういった意味でも重要な事項なのですが、それ以上に応募先企業が求めることとのギャップを避けるためにも改めて振り返っておいてもらいたい事項となります。

企業はあくまで即戦力となる人材を求めているのであり、特に経理職の場合には実績がない人材でも受け入れたいという企業がそれほど多いわけではありません。

現場で経理業務を担う人材が不足しているだけのケースもありますが、事業内容や企業成長のステージが変化したことによって今までにはなかったスキルを持っている経理職が求められるようになることもあります。

このような現場の事情を理解し、自分が今まで経理職としてどのような実績を上げてきて、その結果としてどんなスキルが身についているとアピールできるのかを考えてみましょう。

その強みを生かせれば転職に成功する可能性が高まります。

一般的に転職ボリュームゾーンの20代後半から30代前半で最低限求められる経理スキルとしては、企業規模や業種にもよるので一概には言えませんが、月次決算は主担当として一人で回せる、四半期決算・年次決算等の一般的な業務の経験は必須となってくるかと思います。

上記はあくまで一例ですが、どのような経験・スキルを有しているかにより転職できる先は変わってくるため、例えば、上場企業での決算(四半期決算・年次決算・連結決算等)経験があるというケースでは、大手企業まで含めて幅広くあなたにとって良い転職先を探っていくことが可能で、選択肢に広がりが持てると言えます。

希望条件から求人を探しても効率が悪いので、まずはスキル・キャリアの棚卸を行い、どのようなところへ転職が可能か整理して、そのフィールドの中から希望にあった最適な先を探していく方が全体的にミスマッチは少ないです。

仮に希望条件(労働環境等)における軸で求人を探して転職できたとしても、これまでの経験とのマッチ度合いと逸脱した職場へ転職しても、新しいことを覚えたりすることも大変ですし業務スキルミスマッチによる精神的負担もあるので、見かけ上程の時間の確保や充実度は味わえない可能性は高いです(完全なるキャリア志向での転職の場合はまた別ですが)。

自分の実績やスキルにあった求人は何か

先ほど記載した通り自分の実績やスキルについて考えてアピールポイントを明確にし、その活用が可能な企業へ転職するのは合理的な方法です。

転職のときには自分で求人を選んで応募することになりますが、果たして今までの実績や培ってきたスキルの価値を認めてもらえる求人を具体的に選び出すにはどうしたら良いのでしょうか。

大手で働いてきて四半期ごとの決算を正確に行えるというスキルがあったとして、そのスキルは中小企業で求められているとは限りません。

ベンチャー企業で新しい経理フローを作り上げた実績があっても大手企業で重宝してくれるとは限らないでしょう。

自分の能力を生かせる求人は何かをよく考えておくのは転職活動を進める上で欠かせないのです。

逆を言えば、一定度の業務を回せる人を欲する傾向にあり、上場企業の経理だと四半期決算もあるので見た目よりも残業が多く、1年中急がしくてかえって時間が取れないと言ったケースも多々あります。

この実情にあった求人を見つけるという作業が重要であり、ポイントとなります。

転職したい理由は何なのか

冒頭付近で記載した通り、転職するときには理由もよく考えましょう。

家庭の時間とキャリアのバランス等に関してザックリ記載しましたが、それはつまりどういう状況なのかという整理です。

場合によっては同じ職場で働き続けた方が良い可能性も高く、あえて時間や労力、費用をかけて転職したいと思う理由は何なのかを十分に考えておくことは欠かせません。

給与に満足できない・残業が多すぎる・短時間勤務制度が形骸化しているといった制度上の理由もあれば、職場の人間関係が辛い・業務内容がつまらないなどといった現場に関わる理由もあるでしょう。

転職を決意する理由を明確にすることで次の職場の選び方も変わるので早い段階で考えておくべきポイントです。

転職先に求める条件は何なのか

転職理由に基づいて転職先に何を求めるのかを考えておきましょう。

今まで抱えてきた不満を解決できる条件は何かをリストアップするのがまず肝心です。

ただ、それだけでは不満が募ってしまうことは稀ではありません。

今まで満足してきた点が転職後に失われてしまうと新しい不満が生まれてきてしまうのです。

さらに、現職で経験してきたことを生かせるのも重要なポイントなので、詳しく条件を検討してリストにしておきましょう。

転職活動中の生活費はどれくらいかかるのか(離職して転職活動するケースでは)

家庭生活を考える上でもう一つ欠かせないのが生活費です。

30代女性の状況は人によってかなり違い、まだ独身のケースもあれば結婚して夫婦共働きのことも、自分が家計を支えていることもあるでしょう。

転職活動をしている間の生活費や活動費がどのくらいかかるのかを見積もり、手元に十分なお金があるかを確認しておくのも肝心です。

一般的には三ヶ月くらいで新しい職場で働き始められる傾向がありますが、実績やスキル、転職する地域によって違いもあるので予算は余裕を持っておくようにしましょう。

なお、離職して転職活動をするのはほとんどメリットがありませんので、基本的に在職しながら転職活動を行うようにしてください。

これらの情報を整理するのが面倒な場合は転職エージェントを頼る

30代女性が経理職として転職するときには経理に強い転職エージェントのサポートを受けるのも重要な考え方です。

そもそも求人が非公開あるいは詳細情報が取り難い職種

なぜかというと、まず先ほど記載した通り情報を整理し、それらに適合する求人を見つけていくという作業が必要になりますが、正直経理職の求人は非公開だったり詳細に記載されていない募集が多いので、個人で情報取得をするのが困難だからというものがあげられます。

ご自身の状況整理は自分でもできるかもしれませんが、募集求人の詳細を適合するか否かに照らし合わせてチェックするのは至難の業です。

同じような女性経理職の転職事例を豊富に持っているから参考意見がもらえる

自分と同じような境遇の人がどういった転職をしてどういったキャリアや生活を送っているのかというのは転職を考えるうえでは良い情報と言えます。

転職において一番避けたいのはミスマッチであり、今よりも悪い環境へ転職したいと思う方は男女等の性別・年齢に関わらずいないかと思いますので、そういった意味でも具体的な事例を多数保持していてそういった事実をもとにしっかりとした転職のアドバイス・提案ができるエージェント利用はメリットが高いと言えます。

また、エージェントにもよるのですが、女性特有の悩みを男性アドバイザーにするのは抵抗があるという人も中にはいますが、希望すれば女性担当者をつけてくれるケースも多いので、そういった面でも相談しやすい(友達より他人の方が相談しやすいこともある)ケースもあります。

不安の解消に繋がり転職失敗リスクが下げられる

こうしたことから転職エージェントに登録して求人紹介を受けながら転職先を探すことで様々な不安を払拭し、転職に成功できる可能性も高まります。

自分の実績や強みについて棚卸しをするのを手伝ってくれるだけでなく、それに基づいてその能力を求めている企業を紹介してもらえるでしょう。
キャリアとライフ(生活)を両立しスキルアップもキャリアアップもしてプライベートも充実させていく転職を実現するには必要不可欠な存在と言えます。

さらに、在職中に求人に応募して内定をもらうこともできるので資金的な悩みがあるときにも魅力的な選択肢です。

転職活動にかける労力と時間を削減する方法として優れているので前向きに活用しましょう。

経理の転職というとMS-Japanが有名ですが、求人量の豊富さと経理職に対する理解度などの視点から良いアドバイスがもらえるものと想定されますので、登録しておきたいサイトの一つとなります。

もし転職エージェントの利用を検討される場合、経理の方が転職する上で利用すべき転職サイト等は下記の記事にて紹介しておりますので是非参考にしていただければ幸いです。

経理の転職サイト・転職エージェントのおすすめを紹介

女性経理が転職する場合は、現状と将来をしっかり見据えて転職活動しよう!

女性の経理職が転職して希望を叶え、公私ともに充実するケースはそれなりに多くあります。

ただ、成功している人ばかりではなく、転職に失敗して後悔する例も当然ありますのでしっかりと考えた上で適切な転職先を選びましょう。

まずは自己分析をして現状を正しく理解し、強みを生かせる職場を探すのが大切です。

そして、将来的にどのようにして働いていきたいかも考慮して適切な職場を見つけ出しましょう。

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株式会社インテグラルベース士業Job運営事務局編集部(管理部門領域)
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また、事業として管理部門・士業の転職・求人サイト(厚生労働省特定募集情報等提供事業者51-募-000806)の運営を行っています。