会計事務所から一般企業の経理へ転職 会計事務所での業務経験は生かせるか?

昨今、会計事務所から事業会社の経理に転職したいと考える方が増えてきているようです。
また、企業側でも、会計事務所勤務経験者を採用する動きは多くなっています。

10数年程前までは、税理士資格を取得して「将来は独立」という考えの方が比較的多かったと思うのですが、昨今はサラリーマン志向の方が増えており、税理士や税理士科目合格者の方が安定を求めての転職というものが増えました。

こうした背景には日本という国自体の成長性の問題、会計事務所業界の将来性、税理士資格の将来性、ワークライフバランスも含めた社会全体の価値観の変化など様々な要因があるかと思いますが、理由はどうあれ会計事務所で培った「会計」「税務」の業務経験を活かして一般企業の経理に転職できないかといった相談も増えております。

実際のところ、会計事務所から企業の経理への転職は可能なのか?

それに対する答えとしては、決算や税務申告など、企業の経理業務に活用できる経験が豊富な会計事務所出身者は、事業会社の経理への転職を成功させるために十分な力を持っているといえます。

もっとも、転職をスムーズに成功させるためには、あらかじめ押さえておくべきポイントを把握しておくことが重要です。

ここでは、会計事務所から企業の経理に転職するために重要なポイントについてご紹介しますが、どちらかと言えば人数が多い中小規模の会計事務所に勤務しているケースを想定して記載させていただきます。

大手会計事務所からの転職といったケースにおいてはBig4税理士法人から転職したいが年収で折り合いがつかない税理士の転職についてなどの記事もご参考ください。

※社会情勢が目まぐるしく変化しているので、実際に転職をお考えの際は逐一最新の求人募集概況や情報等は最前線で生の情報を持っている現場で動いているエージェント等から収集してください。

一般的な会計事務所からの転職は、中小規模の企業の経理への転職がおすすめ

会計事務所から企業の経理部門に転職したい場合は、取り扱う業務の規模や福利厚生などから考えて、大手企業の経理部門を希望したくなるかもしれません。

しかし、一般的な会計事務所の顧問先は中小企業や零細企業、あるいは個人の確定申告業務であるケースが多いため、多くの人が小規模な業務の経験しかないという方が多いです。そのため、若くてポテンシャルのある一部の方を除いては、大規模な業務経験を求める大手企業への転職は難しくなる傾向にあります。

会計事務所から大手企業の経理で採用される方の傾向としては、税理士や公認会計士資格の保有者、Big4や大手税理士法人などで大手事業会社を担当していたケースなどになります。
例えば、公認会計士であれば大手企業の監査業務経験は評価されますし、連結決算や開示関連業務等において力を発揮することが期待されての採用となったりします。

そのため、一般的な会計事務所(顧問先が中小企業)に勤務している方が事業会社の経理へ転職を成功させるために狙うべきターゲットは、中小規模の会社の経理職です。

会計事務所時代に同じ規模の会社の決算や税務を多く経験していることがプラスとして評価され、採用されやすくなる傾向にあるからです。

最終的に大手企業を志望する場合でも、まずは中規模の企業に採用されて経理の実務経験を積むことが、大手企業へのステップの近道になります。

なお、中小規模の企業の経理職でも福利厚生や待遇の良い企業はたくさんありますので、
こうした面が気になっている方はしっかりと求人のサーチを行いましょう。

会計事務所の出身者が転職時にアピールすべきこと

企業の経理に転職を希望する場合に最もアピールすべきポイントは、決算業務についての経験があることです。

決算業務に携わった社数やその企業の特徴などを、自分の経験や活躍と絡めた具体的なエピソードとして語れるようにしておくと、高評価につながります。

企業の経理との関連性が高いその他の業務としては、税務調査への対応や銀行の融資交渉の立会いなどが、転職を希望する場合に評価されやすい経験になります。

会計事務所での経験については、携わった業務の内容だけでなく、どんなクライアントを相手にしてきたかも重要なアピールポイントになります。

個人事業主のクライアントを相手にしてきた経験よりも、転職を希望する企業と同規模の法人のクライアントとやり取りをしてきた経験を有する場合のほうが、より高い評価が期待できます。

こうした経験が不足している場合は、会計事務所に在籍している間に必要な経験を得られるように意識して行動することが、将来の転職の成功につながります。

経理未経験枠での応募?それとも経理経験者枠での応募?

会計事務所から企業の経理への転職を希望する場合、基本的には経理経験者を募集している枠に応募するのが一般的です。

そもそも会計事務所での就業経験しか無いのに経理の経験者として応募できるのか?という疑問もあるとは思いますが、会計事務所での決算業務や各種税務申告、資金繰り等のコンサルティング業務は十分に経理経験があるという扱いで転職をすることが可能です。管理職での採用も視野に入れて活動することができるでしょう。

逆に、企業の経理部門で未経験者を募集する場合は、経理そのものではなく、銀行口座の管理や伝票整理など、経理に関する事務を担当する人員を希望している場合が多いため、応募の際によく求人票の業務内容の項目をチェックしたほうがよいでしょう。

決算や税務申告などの実務経験を培ってきた会計事務所出身者にとっては、せっかくの経験を活用することができず、スキルに見合った待遇も期待できません。

会計事務所出身者のキャリアを活用することができる募集内容としては、決算業務、銀行との折衝、経理スタッフの取りまとめ、などを主な業務内容とする経験者枠になります。

また、経験者枠の場合は経理分野における将来の幹部候補を募集するケースも少なくないため、自身のキャリアアップの観点からも有効な選択肢になります。
ただし、こうした求人は非公開求人として募集するケースも多く、一般の求人媒体などに掲載されないケースもあります。

そのため、実際に転職活動する際は、求人広告サイトをチェックするのはもちろん、企業の経理や会計分野に強い転職エージェントの活用も視野に入れた方がよいでしょう。

会計事務所から一般企業の経理へ転職するにはどうすれば?

最近の転職市況であれば、中小規模の会計事務所の勤務経験しか無くても転職が可能ですが、特に20代や30代前半などの若手であれば経理・財務部門への転職も叶えやすいです。

一般企業の経理部門は人手不足が続いており、転職のハードルは以前と比べるとかなり下がっています。

ただ、会計事務所と企業とでは社内の雰囲気も全く異なるケースも多いですし、ひとくちに一般企業の経理といっても、様々な企業があり、求められる経験や待遇、身につくスキルも企業ごとで大きく異なってきますので、企業の内情をしるためにも一度は会計事務所と経理の転職に事情に詳しい転職エージェント等から情報を仕入れておくと良いでしょう。

会計事務所業界と企業の経理の転職の両方に精通した転職エージェントを使うことで、あなたが会計事務所で培ったスキルが活かしやすい企業の求人の紹介が受けられるなど、あなたにピッタリ合う転職先が見つけやすくなります。

会計・税務・経理等の職種で最も有名な転職エージェントは、MS-Japanになろうかと思います。

ほとんどの方がご存じなのでそれほど説明はいらないと思いますが、一般企業の経理等の管理部門と会計事務所等の士業事務所に強みを持った転職エージェントです。

最近こそ企業の管理部門への転職が目立つようになってきてはいますが、古くから会計事務所の転職サポートも行っており、会計事務所に勤務する方のキャリアやスキルに関しても詳しいので、会計事務所から経理へ転職する際にはあなたに合った求人を提示してくれる可能性はとても高いです。

MS-Japanは求人の数がとにかく豊富なため、幅広い選択肢の中から最適な求人先を選ぶことができます。

会計事務所から一般企業の経理職への転職事例もたくさん持っており、とにかくたくさんの求人を見たいという方や、多くの転職者の事例を聞いてみたいという方におすすめです。

ただ、どちらかというと求人がたくさん見られるというところに利点があるので、会計事務所から企業経理へ転職したいけど不安があるからいろいろ質問したり相談したりしながら転職活動をしたいというケースではレックスアドバイザーズを利用しましょう。
こちらは経理の求人はMSほど多くはありませんが、ご存じの通り会計事務所業界・税理士のキャリアに精通しており、事業会社経理へ転職した際のメリット・デメリットも鑑みながらしっかりとした提案などを行ってくれます。

また、2022年以降利用者が急増しているのが、最速転職HUPROです。
膨大なデータと大学との共同研究による独自開発のアルゴリズムを活用して、あなたの希望にマッチしたあなただけの求人を提案してもらえる転職サービスです。
テクノロジーを活用した求人の提案だけではなく、多くの税理士や会計事務所スタッフ・経理の転職支援実績のある専門エージェントに電話やメール等で気軽に相談することができるため、転職相談も重視したいとお考えの方にも良いでしょう。

先ほど記載した通り、会計事務所と一般企業とでは働く環境も雰囲気も仕事の進め方も全く異なりますし、求められるスキル(コミュニケーションスキル等)も大きく変わってきます。

転職してから思っていたのと違ったということで後悔されるケースも多々あるため、イメージだけで転職するのではなく、しっかり情報収集してから転職されることをおすすめしますので、いくつか登録して意見を聞いておくことをおすすめします。

会計事務所経験者が派遣で企業の経理へと転職するケースも

転職ではなく家庭の都合やライフイベントを機に派遣という選択をとる方もいます。
その際に、会計事務所で派遣をするよりも企業に派遣で行った方が条件が良いこともあり、派遣も人気となっています。

一般企業の経理や会計事務所への派遣という双方の選択肢を考えた場合、ジャスネットスタッフが良いのかなと思います。

私自身実は派遣としての経験はないのですが、こちらはジャスネットコミュニケーションズ株式会社という公認会計士が創業した企業が運営しているサービスです。

公認会計士が創業したということもあり、経理・会計事務所双方の事情に詳しいので、あなたの悩みに合わせた最適な派遣先が提案いただけるのではないかと想定されます。
大手人材派遣等も経理の求人はたくさん扱っていますが、経理や会計に絞って動くのであればジャスネットスタッフはかなり良さそうです。

大手・準大手税理士法人・会計事務所に勤務していた方であれば経理経験がなくても大手上場企業へ転職も可能

クライアント規模の大きい業務を行っていた場合やグローバル企業のクライアント(国際税務)を担当していたようなケースでは、大手上場企業の経理への転職は可能です。

税理士法人時代の業務も大きく活かすことができます。

ただ、経理経験がないケースだと書類選考の段階で落ちるケースも多いため、相応の対策をして臨む必要があります。

一般的な転職エージェント利用だと企業での経験がないから無理です、と言われてしまう可能性があるため、税理士等の特性に詳しい担当がいるエージェントに相談をして転職準備を行ってください。

求人募集の際に表向きは経理経験〇年以上などとなっていますが、大手税理士法人でどういった業務をやっていたかしっかりと理解できる人が間に入ってくれれば選考通過の可能性は高まります。

また、書類選考は人事が行うケースが多いのですが、人事は機械的に書類選考を行っていくケースも多いので、募集要件に当てはまらないとそのまま弾かれてしまうケースもあるため、経営者と直で繋がっているようなエージェントだと尚良いでしょう。

ベンチャー企業で会計事務所経験者を求める求人も増加

会計事務所勤務者の場合、性格的な側面からそもそもベンチャー企業の風土に合わないというケースが多いのですが、一定数ベンチャー経理ポジションへと転職されるケースも出て来ています。

ベンチャーの場合、経理職が採用できずに困っている企業が多いのですが、その一方で月次・年次決算まである程度一人でこなせる方を募集するケースが多いため、応募はあってもスキル不足ということで採用に至らないというケースが多いのです。

その点、会計事務所経験者であればたとえ経理としての勤務経験が無くても知識・スキルとしては基本的に問題無く業務に入っていけるケースも多いため、採用候補に乗ることは多々あります。

ただ、ベンチャーの場合若手を好む傾向がある(そもそも社長が20代・30代)ため、20代・30代中盤まででないとカルチャーに合わないということで不採用になるケースが多い他、少数精鋭で事業を行っているので、マインド面もしっかり見られます。

上記はあくまで傾向の話なので、そうではな企業も多々ありますが、ベンチャーという選択肢も有りだなと思っている方は転職エージェントに相談してみたり、ウォンテッドリー等のサービスで話を聞いてみるのも良いかと思います。

会計事務所から経理への転職まとめ

会計事務所から一般企業経理へ転職したいという方は少数派ですが、近年は徐々にそうした方も増えています。

ただ、情報収集不足による会計事務所への出戻り転職も多いので、後悔が無いようにしっかり準備してから転職してください。

会計事務所からの転職まとめ
  • 一般的な会計事務所勤務者の場合は扱うクライアント規模と同じような企業への転職がフィットしやすい
  • 一般企業といっても多種多様で社内の雰囲気や仕事の進め方などそれぞれごとに違うため情報収集をしっかり行う必要がある
  • 転職エージェントを利用するなら会計事務所(税理士)と企業双方に熟知しているMS-Japanレックスアドバイザーズ等を利用すると良いが、最速転職HUPROの利用実績も高まっているので好きなところを利用すると良いです。一つに絞るなら事業会社の転職に一番強いと想定されるMS-Japanが良いでしょう。
  • 時代の流れにより採用状況は変わっているが、2022年現在であれば大手からベンチャーまで広く転職チャンスはある
  • コロナ禍以降も経理転職市場は人手不足で売り手市場が続いている

本ページでは中小規模の会計事務所勤務の方を対象としましたので、冒頭で記載した通り大手会計事務所から企業経理などへの転職を検討するケースでは以下記事もご参考ください。

Big4税理士法人から転職したいが年収で折り合いがつかない税理士の転職について

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