仕事の効率を上げる為に、AIやRPAを導入する企業も増えてきています。
このままでは経理の仕事も人間が行う必要がなくなるかもしれません。
そこで、経理の転職や将来性について紹介します。今から考えておく事が必要なのです。
目次
AIとは何?
AIというのは、「Artificial intelligence」の略で、人工知能という名前の方が馴染みが多いという人もいるでしょう。
AIはビックデータをベースにして、言語の理解や問題に対する解決方法を自ら判断して実行する事ができます。与えられた物事に対する理解を深め人間と同じように考える事も可能なので、これまでのように人間が全てを操作する必要はありません。
AIは自らの意思で何かをするというのではありませんが、他のシステムと連携して物事を行う事ができます。
例えば、顧客からメールなどがきた場合にはAIは自分で判断をしてRPAなどに指示を出す事ができます。
これまで人間が行ってきた業務に関する事を、AIは与えられたプログラムに沿って自ら計算して最良の方法で処理をしていく事ができるのです。
RPAとは何?
RPAというのは、「Robotic Process Automatic」の略で、認知技術を活用した事務効率に秀でたツールです。
自ら判断したり考えたりという事はありませんが、人間が与えたルールや判断基準をただひたすらに覚えて、自動的に繰り返し行うという仕組みになっています。
例えば、見積書の作成などを人間があらかじめプログラムしておくと、後は同じ事を速く正確に繰り返し行ってくれるのです。
つまり、これまで人間が行ってきた手作業での単調な作業を効率よく行ってくれるツールなのです。
RPAとは事務や管理の業務に関して、人間だと時間がかかってしまう作業をバックアップしてくれて、仕事を能動的にこなす為のアシストをしてくれる存在なのです。
また、特別な知識がなくてもプログラムを行えるので、業務ごとに導入する事も可能です。
経理の仕事はAIやRPAで出来てしまう!?
経理の仕事はAIやRPAにもできてしまうようになると言われております。
現状は仕訳などにおいてもただの単純作業として処理するわけにはいかず、各方面への確認作業が必要になるケースも多いので、完全な自動化が行われているわけではありませんが、現状想定される進化のスピードであれば大半の作業的事務はAIなどにより自動化できることは容易に想像がつきます。
これからますますシステム化されていく可能性が高いと言えるでしょう。
AIなら人間が数時間かかる計算も数秒で終えてしまいますので、企業としては明らかにAIを活用する事を検討するでしょう。
AIは自ら判断し作業を行う事が可能なだけではなく、その事を自らの意思で計算しまとめRPAに指示を出す事もできるのです。
AIとRPAが連携する事により、更なる効率が期待されます。
また、AIは業務を効率的に行うというだけではなく、ミスの防止も行ってくれます。
AIは自ら考える事ができるので内容を素早く検索し、ミスがあれば修正してくれます。人間ならばうっかりミスをして会社に大損害を与える事があるかもしれませんが、AIならミスなく行う事ができます。
またそのAIの指示により動いているRPAも同じようにミスがありません。
企業が経理にAIやRPAを使いたいと考えるのはこうした正確性にも関係しているのです。
この経理の仕事はAIやRPAでは出来ない!優秀な経理になるためにはここを意識!
全ての経理業務をAIやRPAが行えるのかというと、そうではありません。
企業が経理に求めていることの一つに数字に対しての正確性があります。経営を大きく左右しますので当然と言えば当然です。この作業の正確性や正確さを保つためのチェック機能は機械の方が強いと言えるでしょう。
ですが、企業が求めているのは正確性だけではないのです。
例えば、ある企業の業績が赤字だったとして、その赤字が良い赤字なのか悪い赤字なのかなど各種判断をすることはAIにはまだ難しいです。
新しい事業の為に先行投資をする事は、企業にとって一時的なマイナスにはなっても将来的にはプラスになります。
AIやRPAは効率を上げてはくれますが、こうした将来的な利益に対しての考え方はマスターしていません。
企業の将来を考えて、今はたとえ損害を出しても後の利益を優先する事ができるのは人間だからできるのです。
数字を理解し、将来性まで含めた助言ができるのは現在のところ人間の経理だけですので、そういった意味では、数字の意味を理解し、分析し、適切な意思決定をするための判断材料を経営陣に説明・提供できるような経理を目指すことが重要でしょう。
経理としてのスキル・知識に加えてそうしたある種のコンサルティングに近い思考能力・アウトプット(コミュニケーション能力等含)を要する人材が求められるでしょう。
人間だからこそ、経理の面から会社が良い黒字を出しているのか、それとも悪い黒字を出しているのか判断する事ができるのです。
こうした判断ができなくては、企業の成長は成り立ちません。一見万能だと思われるAIやRPAにもできない事はあるのです。
これからの経理はAI時代を意識してAIを使う人になろう!
これからの時代、ますますAIを活用する企業が増えていく事でしょう。
効率を考えるなら、経理職の人材がAIなどのテクノロジーを使いこなす事が必要になってきます。
現在の転職市場においても、ITなどのテクノロジーを現場に導入し、業務フローを構築していくことができる人材は引手数多となっているので、ただの作業員としてのキャリアを目指すのではなく、上流工程的な立ち位置で業務ができるようにキャリアを積んでいくことで、経理職としてのキャリアアップを図っていくこともできるでしょう。
これからの時代はテクノロジーを経理に活用する事を想定して、どういった部分が簡略化され、逆にどこが今後不足してくるかを考えながらスキルアップをしていくと良いでしょう。
なお、現状お勤めの企業において、キャリア的にもスキル的にもステップアップが叶わないといった状況に置かれているケースも少なくありません。
そういった場合は、経理の転職に精通しているエージェントに相談することで、昨今の経理のキャリアに関するトレンドやマッチする転職先などに関する提案を受けることができます。
具体的に転職をお考えでないケースでも相談が可能なので利用を検討してみてはいかがでしょうか。
経理の転職や将来性を考えるならAIに使われる人じゃなく使う人になろう!
将来的には効率を上げる為にAIを活用する企業は更に増える事が想定されます。
経理への転職や将来性を考えているなら、AIに使われるのではなくAIを使う人になるという事が大切なのです。
ただAIが算出したデータを確認するだけではなく、AIに業務を任せる一方で空いた時間を他の人にしかできない業務に当てるなど有効的に使えるような知見・スキルを身に着けていきましょう。