近年はベンチャー企業への転職が気になっているという経理職の方は意外と多いです。
数十年前などはベンチャーというとブラックなイメージを持つ方も多くて不人気の転職先でした。実際にとんでもない労働環境(待遇面・労働環境面双方において)のベンチャー企業が多かったのが事実であり、イメージが変わってきたのはここ十数年の間かと思います。
昨今のベンチャー企業の採用状況を見てみると、以前よりも資金調達が容易になった影響もあることから資金に余裕のあるメガベンチャーのようなところも増えており、見かけ上は輝いて見える企業が多くなっており、働き方に関しても柔軟性を持たせたように見えるベンチャーが多いことから労働環境も良さそうに見え、それでいて貴重な業務経験が積めそうだと期待感が持てることから人気の転職先の一つとなっています。
ただ、これらはあくまで見かけ上そう見えるということであり、実態と乖離していることも多いので当然すべての人が転職して良かった!と思っているわけではありません。失敗している例もあります。見極めが重要です。
ここではそんな経理のベンチャー転職失敗例についてもよく学んでおき、ベンチャーへの転職活動を進めていくにあたって注意すべき点・押さえておくべき点などを考えていくとともに、転職を失敗してしまう例などを見ていきたいと思います。
目次
ベンチャー企業では経理の採用需要が高く転職はしやすい状況
EYのIPOに関する調査や経済産業省の大学発ベンチャー実態等調査等を見ても分かる通り、ベンチャー企業の数は非常に増えており、また、IPOも活発だったことから採用需要が高いのはなんとなく想像がつくかと思います。
企業側の求人依頼などにおいて、ベンチャー企業で経理が採用できずに困っているといった相談はかなり多く、特にIPOに向けてマネジメント経験・IPO経験を持つ経理の採用に苦戦する企業が多かったことから、一定度以上のスキル・経験がある方であれば引手数多と言える状況です。
求人数が大きく減少したコロナ禍の時でも経理の上位ポジションの求人は比較的多くあった状況です。
2023年以降のIPO状況は不安定な部分もありますが、現状においてはIPOを目指すベンチャー企業そのものの数は多いことと、依然として一定の経験を有する経理人員が不足している状況に変わりはないので、ベンチャー経理への転職もしばらくは良い状況は続くものと考えられます。
ただ、誤解をしてはいけないのが、人手は不足しているものの採用要件を落としてまで採用したいと考えているわけではなく、少人数で運営していく関係上一定の業務を任せられるだけの経験を有しているなどスキル・経験面はかなり重要視される状況です。
ご年齢と募集ポジションにもよるところはありますが、売り手市場とはいえ良いベンチャー企業に関しては楽々入社できるということでもありませんのでしっかりとした準備は行って頂く必要があります。
とはいえ就職氷河期といった状況でもありませんので、ベンチャー企業に興味のある経理の方はしっかり情報収集しながら転職活動を行えば適切な職場を見つけることはそれほど難しくない状況と言えるでしょう。
なお、基本的に非公開で求人募集をするケースが多いので、管理部門とベンチャー企業の双方に強いエージェントの利用も検討してください。
IPO関係に興味があるのであれば、会計士の転職にも強みを持つエージェントなどを利用すると求人が見つけやすいでしょう。この辺りは後ほど解説します。
経理でベンチャー企業への転職に向いている人の特徴は?
ベンチャー企業の経理と大手企業の経理とでは仕事内容はもちろん仕事の進め方、労働環境、必要とされるマインドセットなどあらゆる面で違いがあります。
これらの点をメインにベンチャー企業で働くのに向いている経理職の特徴について見ていきたいと思います。
※ベンチャーといっても様々なタイプのベンチャーがあり、一概に定義できない部分もあるため、あくまで以下は一般論としてご覧ください。
成長・スキルアップ意欲が高い
転職する上で何を重視するかということを考えてみたときに、例えば自分を成長させることや新しいスキルを習得すること、今までできなかった業務や他の人にはできない仕事を担えるようになること、付加価値の高い人材になっていきたいといったようなチャレンジ精神や成長意欲が高い内容を思い浮かべる方はベンチャー企業に向いていると言えるでしょう。
良くも悪くも会社の成長が安定しない(急成長したり等)ので、随時変化する状況に合わせて取り組むべき仕事の内容・領域が大きく変わっていきますし、優先順位もコロコロ変わります。
業務内容という側面で見ると、例えば入社当初は日常経理を中心に行えば良いといったような環境だったが、企業のステージが変わると、例えば資金調達をする能力が求められるフェーズであればファイナンスに関連した業務を行う必要性が生じたり、あるいはM&Aを実行するなど投資的な目線で数字が見られる人材が求められたりなど状況により必要なスキルや仕事内容などに変化が出てくる可能性もあります。
当然企業の変化に合わせて最適な人材の採用も行っていくのであなたの仕事・立場がどのように変わるかは一概に言えませんが、いずれにせよ変化していくことを前提に入社しておかないとミスマッチが起こると言えます。
また、そうした状況変化に合わせた新しい業務への取り組み意欲やスキルアップ意欲などが無いとやっていくのが厳しいケースが多いので、こうしたマインドをお持ちの場合はどちらかと言えば向いていると言えるかなと思います。
いろいろ求められる割に入社当初の給与は低いケースが多いのですが、入社後企業が伸びた際は大きな対価を得られる可能性があるほか、重要ポジションにつける可能性も多く、裁量をもって自分で会社を大きくしていく実感を持ちたいといった方や新しいスキル・経験を積んでいきたいという方にはかなりおすすめです。
なお、昨今のベンチャーは働き方という視点では柔軟な企業がかなり多くなっており、管理部門でもフルリモート勤務可といったことを取り入れるベンチャー企業も多いので、業務内容・スキルに関しては広くいろいろ求められますが、自由度も高く、副業される経理の方も昨今は多いのですが、ベンチャー企業では副業もウェルカムなところが多いので、経理の方がベンチャーで就業することはスキルUPの視点でも大いにありだと思います。
責任感のある重要な仕事をしたい、体制を構築したい
経理職として重要な仕事をして企業に貢献したいという気持ちが強い人もベンチャー企業に向いています。
大手企業と違って経理担当は一人だけということも多く、あらゆる経理業務を一手に引き受けて担当するのがむしろ普通です。
自分が正しく業務を遂行していかなければ経理(会社の数字)が滅茶苦茶になってしまい、予算管理もできなければ経費精算も納税すらもできなくなるという状況になるでしょう。
このような重大な業務を任せてもらえる環境で精一杯頑張りたい人はベンチャー企業を目指すのが賢明です。
また、経理部門や管理部門の体制構築から任されるケースもありますので、大きな裁量を持って土台を作り上げていくところからやりたい人にとっては面白い職場であると言えるでしょう。
CFOあるいは管理部門長といった形で入社されるケースも多くありますが、自身がトップとなりゼロベースから組織を作り上げていくことをやり遂げることができる方はかなり需要が高いと言えるかと思います。
こうした経験は次の転職でも大きく活きますのでやっておくことでキャリアが広がります。
逆を言うと、オペレーション業務に特化して従事したい方にはベンチャーは向かないと言えます。
20代・30代の若手であればCFOなどプロフェッショナル直下で成長できる環境も
上場を目指しているベンチャー企業での採用においては、既にCFOなどの経理責任者がいるケースが多いのですが、そうした優秀なCFOの下で業務を学ぶことが出来るので勉強になることも多いです。
中長期的に見ても短期的に見ても良いキャリアになるでしょう。
なお、数年して企業が大きくなるとCFOは経営側業務に専念するケースが大半ですので、後任として経理部門実務の責任者(部長等)としてのポジション等も目指すことも可能です。
いずれにせよ、責任ある仕事だけでなく、その立場(役職)にも就きやすいです。
そうなってくると給与面も大手と違って年齢に関わらず高くなります。
一般的な大手企業に勤務してしまうと、実力があっても20代・30代のうちはたいしたポジションには就けませんので、早期に大きな経験をしたいケースではベンチャーへの転職は有りでしょう。
将来的に起業することを考えている
経理職として働いた後は起業したい・独立したいと考えている場合にはベンチャー企業内部で経験を積んでおくと役に立ちます。
大手企業のように予め業務フローが決まっていて、経理システムも運用されている状況で働くのとは違うからです。
csvファイルベースの経理管理を行っている現場が多く、業務フローはこれから組み立てなければならない場合も少なくありません。
経営状況に応じて予算を確保できたら経理システムを選定して導入することにもなるでしょう。
その担い手としての経験を積むと起業の際に生かすことが可能です。
また、経営に近いポジションでもあるので、経営するという視点でベンチャー企業を見ることができるのもご自身が独立する際に役立ちます。
意欲が強い
これから大きな成果を上げて出世したいという人もベンチャー企業で働くのに向いています。
年功序列の考え方はあまりなく、実力主義の現場が多いのはベンチャー企業の特徴です。
経理職として大きな活躍をすればCFOや部門長として抜擢されるケースもあるでしょう。
経理業務は人事評価が難しい職種なのは確かですが、他の職種を兼務することになる場合も珍しくありません。
その業務で数値化できる成果を上げ、本来の職能を考慮して経営陣に抜擢するといったキャリアパスも考えられます。
自分で考えて仕事ができる・仕事をしたい
マニュアル通りに仕事をしたり、上司の指示通りに業務をこなすよりも、主体的に働いていきたいという人もベンチャー企業でなら活躍できると考えられます。
ベンチャー企業では一つの業務に対して一人しかいないケースが多く、他の人も自分の業務以外の知識は持っていない場合がほとんどです。
経理職として採用されたら全て自分で考えてより良い形で業務を行えるようにしていくことが求められます。
つまり、むしろ自分で考えて仕事ができる能力を持っていないと成功するのは難しいでしょう。
トレンドに敏感
世の中のトレンドに敏感な人もベンチャー企業で成功を勝ち取れる可能性が高いでしょう。
ベンチャー企業は新しい価値を生み出して世の中に出していくことで大手企業も揺るがすような実績を生み出すことを目指しているのが一般的です。
トレンドを考慮して最適な方法を選び出して業務を行っていくのが当たり前となっている現場が多くなっています。
そのため、経理業務でも同じことを求められ、従来のやり方にとらわれずに働ける人が重宝されているのです。
大手企業の経理からベンチャーへ転職する人もいるの?
結構多いです。
仕組みをいちから作っていく部分を経験したいということで大手からベンチャー経理へ転職される方はそれなりにいます。
大手企業は業務が縦割りで決められた範囲の業務しかやってきていない人が多いからベンチャー企業にはマッチしないと思い込んでいる方も意外といるのですが、必ずしもそうであるとは限りません。
むしろ大手上場企業などでの業務経験を求めているベンチャーも割と多いです。
大手経理からベンチャー経理への転職する場合、先ほどまでで記載した通りマインドセットは入れ替える必要はありますが、ベンチャー企業が抱える大きな課題の1つである管理部門体制の構築と業務フローに課題を抱えているケースが多いので、上場企業の経理として知り得た管理部門体制の仕組みや業務フローの仕組みを理解している点は活かすことが出来ます。
IPOを目指すケースなどにおいては上場企業としての体制構築が求められるので、上場企業で相応の経験を有している場合は重宝されるでしょう。
ただ、経理の仕事に関わらず、関連する付随業務(管理部門全般)はなんでもやらないといけないですし、人とのコミュニケーション機会(内部外部含め)も増えるので、それなりに大変な部分はあります。
ちなみに、大手企業からベンチャー経理へ転職した後のキャリアパスとしては、IPOを経験してそのまま要職として就業し続ける方もいますし、別のスタートアップに行きまたIPOを経験する人、投資側へと転職される方など様々です。
しかしながら注意点としては、大手とベンチャーで身につくスキルが異なるので、大手企業には戻り難くなります。
とはいえベンチャーでの業務経験は様々なところで行かせますので、キャリアの幅が狭まるわけでは無く、むしろ広がると言えるため、そこまで心配する必要もないです。
ベンチャー企業へ転職した後のキャリアまで含めて模索したいケースではエージェントなどを頼って各種事例を確かめておくと良いでしょう。
ベンチャー企業経理への転職ではエージェントを活用した方が良いか?
ベンチャー企業の経理に転職して自分の適性に合っている職場で活躍できるようになりたいと思ったら、どんな現場なのかを正確に把握した上で転職先を決めることが肝心です。
その情報網を広く持っていて、適切なマッチングが可能な転職エージェントを活用するのが成功への近道になると言えるかと思いますので、エージェントは利用した方が良いと言えます。
また、ベンチャー企業だけでなく、他の領域も選択肢に入れている場合での転職においては、個々の企業に関する情報はもちろんですが、大手の経理とベンチャーの経理との違いや業種・業界ごとの違いなど、ミスマッチが起こらないようにいろいろと情報を取得してから転職を決定していきたい方が多いかと思いますので、そうした多数の疑問にも解消してくれます。
エージェントに相談して自分が今まで経理職としてどんな活躍をしてきたか、これからどのようにして仕事をしていきたいかを伝えると、その考え方にマッチしているベンチャー企業を探し出して紹介してくれるのが魅力です。
事業内容にこだわりがあるなら、それも加味した上で候補を絞り込んでくれるのもメリットなので積極的に活用しましょう。
なお、転職エージェントは多数あるのでどこを利用するか迷うところもあるかと思いますが、例えばMS-Japanは管理部門と士業に特化した転職エージェントとして多数の実績があり、また、会計士などの財務会計のプロフェッショナルの転職支援も行っているので、会計士を必要とするIPOベンチャー求人なども多数保有しているので、大手企業だけでなくベンチャーを希望している経理の方の転職にも合うことから参考としてご案内しておきます。
また、士業と管理部門の転職というところだとヒュープロ利用も良いでしょう。同社自身が資金調達を受けて人材関連の事業展開するベンチャー企業ということもあり、ベンチャー界隈での転職にも強みがあります。
世の中にはベンチャー企業に特化した転職サービスもありますのでそれらの利用を検討しても良いとは思いますが、ベンチャーと他の規模の企業との違いなども含めて情報収集したり求人先を探ったりしたいケースでは情報が少なくなるので、基本的には総合的に対応できるところを利用した方が無難だなと思うことが多いです。
後は、エージェントを使わなくても良いケースも最近では増えており、知り合いからの誘い、SNS経由での誘いなど転職ルートは多岐に亘っているので広く可能性を探っていくのが良いでしょう(この場合客観的な情報収集が難しいこともあるので注意は必要ですが)。
エージェントに関する情報を希望されるケースでは以下のページをご参考ください。
友人経由でベンチャー企業へ転職する場合は注意も必要
ベンチャー企業Aに所属する友人Aに誘われてジョインするといったケースがありますが、こうした友人・知り合い経由の転職で人間関係に傷がつき、トラブルになってしまうケースというのも存在しています。
例えば、Aの部下的ポジションに留まることとなってしまうケース、友達として絡むには良かったが仕事で絡んでみたら価値観なども全く合わなくて居心地が悪くなった、、、など友人に対して良い思いを抱けなくなってしまうケースや入社してみたけど自分には合わないからやっぱりやめたいなと思ったけど友人の手前辞めると言い難いと感じたり、逆に友人があなたのことを過大評価していて思いのほか仕事ができないあなたにガッカリされるケースなど様々なパターンがありますが、知り合いだからこそ気になってしまう部分が出て来て喧嘩をしたりうまくいかなくなったりする事例がありますので注意したいです。
いろいろと後腐れのある状況になるケースはありますので、転職に関してはあまり友人関係を頼らない方が良いのかなとも思うこともあるので、慎重に検討してみましょう。
ベンチャーの経理へ転職して年収UPや待遇の安定は可能か?
ベンチャー企業へ転職して年収をUPさせた方も多くいらっしゃいますが、現時点でどの程度年収を得ているか次第かと思います。
例えば、一般的な中小企業の経理からベンチャー企業へ転職できた場合ですと、転職時点では年収が上がるケースが多いです。
資金調達をしっかり行っていてIPOを目指しているベンチャーでは経理などの管理部門の体制構築が急務であるケースが多いので、条件に当てはまる経理の方から応募があれば多少の年収UPは許容して受け入れてくれるケースが多いです。
ただ、その後年収が伸びていくかどうかは企業の成長とあなたの成長次第となります。
上記までで記載しましたが、ベンチャー企業の場合は新たなポジションを得やすい傾向にあるので、会社が成長すれば将来的に良いポジション・良い待遇を得ることは可能です。ただ、要職は外から招聘されるケースも多いですし、また、あなた以外にもやる気に満ち溢れた同僚はいるかと思いますので、ある程度の競争はあるでしょう。
しかしながら、いずれにせよ前提として会社の成長が無ければ分配もありませんので、待遇面まで意識した転職をするのであればどのベンチャーに所属するかということも重要です。
個人的なことを記載すると、私もベンチャー企業へ転職したことがありますが、社員10名くらいの頃に入社し、数年で社員数が100名近くにまで成長する会社へ転職したおかげで、大した実力も無いのに、一定のポジションと年収はそこそこ頂けるようになりました。
今は退職していますが、リスクを取ってベンチャーへ転職してうまくいくと、結構楽なポジションに就けることがあるのは事実です。
待遇を気にするならどのベンチャーへ転職するかという見極めが重要
パッと見イケイケのベンチャー企業は多いのですが、2年、3年で衰退しているところは非常に多いです。
結局のところ、そのベンチャーが伸びれば待遇は上がっていき、若いうちからそれなりのポジションに就くこともできますが、衰退してしまえばまた転職せざるを得ないといった状況にもなります。
正直なところ、どのベンチャーが絶対的に伸びるかということを見極める確実な方法はありませんが、最低限以下の点には注意したいところです。
ビジネスモデルなどの収益体制
ビジネスモデルの見極めは非常に難しく、何が良くて何がダメかを一概に判断することはできないのですが、どんな事業をしており、そのビジネスに共感できるかどうかは最低限チェックしておきましょう。
伸びそうだからという視点ではなく、この事業をやっている会社は良さそうだという価値観的な部分です。
具体例は記載しませんが、その事業本当にやる意味あるの?と思うようなビジネスが各人によってあるかと思いますが、そういった部分の見極めと、後は収益構造を確認し、肌感覚的に心配だなと思うところは仮に勤務してもあなたに合わない可能性があるため注意した方が良いでしょう。
なお、こうしたビジネスなどに関する話は転職エージェントからの情報だけでなく、面接の場でもしっかり確認しておきましょう。
経営陣の性格とビジョンの確認
一番重要なのは、経営陣がどんな人たちなのかという部分のチェックです。
社内環境や方針、組織などベンチャー企業は変化していくものですが、そうした変化は経営陣の性格・方針によるところも大きいため、面接時に話をしてみて、感覚的な部分が合いそうかどうかをしっかり重視しておくことが良いでしょう。
また、最近は儲かれば何でもOKと考えている経営者や早々にM&Aして逃げ切りを図りたいと思っている経営陣も多く、そうしたベンチャー企業に入社してしまうと、従業員的にはあまり良いことは無いケースが多いので、話を聞きながら、当該企業はどこを目指しているのかしっかり見極めましょう。
後は、経理職の場合は既にCFOが存在しているベンチャー経理への転職であれば、CFOともしっかり面談させてもらい、人柄をチェックしておきましょう。一緒に仕事をしていく重要人物になるので、この人と合わないと大変です。
こうした経営陣がどこを目指していてどういった人柄か、ビジョンは何なのかをしっかり質問をしながら探っていきましょう。
自分がそのポジションの1人目などを狙うのも有り
経理の場合なかなか難しいかもしれませんが、そのポジションの1人目という形で入社すると責任は付きまといますが、かなり自由に仕事を遂行することができるので、むしろ楽といったケースが多いです。
ある程度一人で仕事が進められるくらいのスキルを持っていることが前提になりますが、この場合上のポジションにも活きやすいので、将来的な待遇面もある程度期待できるでしょう。
上記において一番確認しておきたいのが、やはり経営陣に関することになりますので、面接では積極的に質問しておきましょう。
経理でベンチャー企業に転職して失敗してしまった人の例がこちら!
ベンチャー転職に失敗はつきものですが、どういったケースがあるのでしょうか?
フローを確立するポジションに向いていなかった転職失敗例
機械メーカーの経理で働いてきた人が技術開発ベンチャー企業に転職して失敗してしまった例があります。
新技術等にも興味があり、ベンチャーに興味があったことから転職をされたケースです。
今まではっきりとした業務フローが決まっていて、それに従って忠実に且つスピーディーに業務をこなせることが高い評価につながっていました。
しかし、ベンチャー企業に実際に転職してみると経理業務のやり方が思っていた以上に定まっておらず、グチャグチャの状況になっていました。
まずは業務フローを作ることから始めなければならず、持ち前の迅速な経理処理を生かせないまま月日が経っていくことになってしまいました。
前職の業務フローを外挿してみようとしたものの、発生する経費の種類がかなり違っていて、精算申請の形も整っていないので頭を抱える状態になってしまい、また、その他の面でも状況変化が激しく、管理部門全般的に不安定な状況であり、経営陣も開発寄りの人材が多いことから理解も少なく、ストレスから割と早期に退職をしてしまいました。
面接時に聞いていた内容よりも酷い状況だったのですが、そもそも前任者がすぐやめてしまったことは聞いていたので、もう少し怪しんで深く突っ込んで聞いておけば良かったと後悔しました。
転職に失敗した要因として情報収集不足というのもありますが、そもそも職場環境的にマッチする性格ではなかったのも大きな要因であり、創意工夫をして現場に合ったシステムを作ろうという気持ちが強い人には向いていたのかもしれませんが、この人の場合は新しい産業・技術に興味はあったが性格面では正確かつ迅速にこなすことに長けているという部分が長所だったので、ゼロベースから環境を作っていくことに向いておらず、そもそも向いてなかったと言えます。
ベンチャーに転職するにしてもCFOなどがしっかりいて指示がちゃんと下りてくる環境へ転職するのが良かったのではないかと考えられます。
それなのに経理人員がほぼ0のベンチャー企業を選んでしまったために転職に失敗したのです。
ベンチャー企業の中にも上場が目前になっていて経理フローが決まっているところもあります。
自分の適性に合わせて職場を選ぶという視点が欠けていたのが問題点だったと言えるでしょう。
一口にベンチャーと言っても各社ごとでフェーズが異なるため、いま自分が受けようとしているベンチャー企業がどのステージにいるのか、それらを確認しておくだけでも大きなミスマッチは防げるかと思います。
家族に黙ってベンチャーへ転職して家庭問題になってしまったケース
男性の方に多いのですが、奥さんに黙って転職先を決定してしまうケースがあります。
まず、それだけでも大きな問題になることが多いのですが、更に安定企業からベンチャーへ転職してしまうケースだと奥さんがかなり怒るケースが多いです。
今後の生活設計(子供が生まれたりなんなり等)を奥さんなりに考えているでしょうし、また、共同で活きていくわけですから何の相談も無しに勝手に転職を決めてくるというのはある意味裏切り行為と言えるでしょう。
黙って転職するケースでは問題になるケースがかなり多いので、必ず相談をしてから転職を決めるようにしてください。
一般的にベンチャー企業よりは大手企業や安定した中堅企業に勤務していてくれた方がありがたい、と考える人も多いので、自分の価値観やビジョンだけで突き進むのではなく、しっかり説明し、話し合い、家族の理解も得るようにしましょう。
一度ベンチャー企業へ転職してしまうと大手の経理へは転職し難くなる?
大手からベンチャーへ転職される経理の方はそれなりに多いのですが注意点もあります。
それは、ベンチャーから大手へはどちらかというと転職が難しい傾向にあるからです(不可能ではありませんし、スキル・経験・年齢など総合的に判断する必要はありますが)。
ここまでで記載した通り大手とベンチャーとでは求められるスキルが大きく異なりますし、仕事の進め方も規模も異なり、ベンチャーでの経験がそこまで評価されない傾向にあるため、一定のリスクがあることは理解した上でベンチャーへの転職を決めましょう。
迷いがある方はベンチャーから大手企業まで双方の転職実績が高いエージェントに相談しておくことをおすすめします。
経理職の方がベンチャー企業に転職する際は自分がベンチャー企業に向いているかしっかり考えよう!
ベンチャー企業での経理職の立場は大手企業とはかなり違いがあります。
今まで大手で成功してきた人もベンチャー企業に転職して失敗することもあれば、窓際族になりそうだった人もベンチャー企業で成功できることもあるのです。
自分に適性があるかどうかをよく分析し、転職エージェントを活用して最適な職場に転職するようにしましょう。
当サイトでも経理の転職サイト・転職エージェントのおすすめはどこ?にてベンチャー経理の転職に強いエージェントなどの紹介は行っているので参考にしてみてください。
なお、登録しておきたいのが上記でも記載したMS-Japanとなりますが、理由としては管理部門転職支援実績が高く、経理の転職に強いというものももちろんあるのですが、同社では加えて公認会計士の転職支援も得意としており、ベンチャーではCFO候補などを求める求人も多いのですが会計士採用に強いエージェントに求人を出す傾向も多く、その繋がりから多くのベンチャー経理の求人も保持しています。また、会計士は大手上場企業にも勤務するため、ベンチャーから大手まで広い経理の転職支援実績があるので転職相談をするにも良いでしょう。
そのため、ベンチャー経理への転職においても登録しておくことをおすすめします。
また、近年という視点で見ると東京都心部限定になりますが、最速転職ヒュープロが経理の転職でも台頭してきており、同社自体がVCなどから資金調達を行っているベンチャー企業ということもあり、界隈との繋がりもあるのかIPOベンチャー経理責任者候補などの求人も多数あり、また、AIなど活かした転職支援サービスなど目新しい部分も多く、実績の高まりとともに期待も持てるサービスとなって来ていることから利用を検討してみても良いでしょう。
ベンチャー企業の経理の転職・求人
当サイトに掲載しているベンチャー経理求人の一部をご紹介します。
※現在求人情報の掲載は一時停止しています。