IPOを経験したい公認会計士の転職と選択肢

ベンチャーのCFOとしてIPOを経験したい会計士の転職

将来ベンチャー企業のCFOとしてIPOを達成したいなど、自分が上場の当事者になりたいという公認会計士の方はそれなりに多くいらっしゃいます。

例えば、現在IPO支援を行うコンサルティングファームなどで働いている方もいらっしゃるかと思いますが、取引先企業を支援するにあたってそもそも自分自身がIPOの経験が無いということに対して疑問を感じるケースもあるようで、IPO支援コンサルからベンチャー企業へと転職し、内部からIPOを達成する経験を持とうとされる方もいらっしゃいます。

支援する立場でIPOに携わる会計士は多いのですが、自分自身が当事者になりたいといった考えを持つ方も比較的多いように感じます。

ここではそういったケースも含めてベンチャーへ転職してIPOを実現したいと考える会計士向けに、ベンチャー企業界隈の転職事情について見ていきたいと思います。

公認会計士の転職市場とベンチャー界隈の転職市況について見ておく

初めにここ数年のベンチャー領域の市況や転職マーケットについてザっと振り返っておきます。

新型コロナの影響で一時ベンチャー界隈の採用需要が落ち込むと同時にIPO件数も大きく減るのではないかと心配されましたが、現在はIPOマーケットは比較的順調であり、CFOを始めとする財務・経理系人材の採用需要は高いため、求人はたくさんある状況となっています。

コロナ後は世界情勢の混乱など様々な問題が起きていますが、それらを考慮しても会計士の転職市場は売り手有利な状況が続いている状況であり、良いIPOベンチャーへの転職は実現可能な状況が続いています。

現在は求人募集という意味ではベンチャー領域は好調であり、様々な選択肢があります。

こうした状況を踏まえてIPO界隈の転職に関してみていきたいと思います。

IPO準備企業に会計士が転職するのに必要な経験やスキル、マインド

経営企画や内部監査室など、求人募集時におけるポジション名は企業により異なりますが、IPO準備に関して中心的な役割を担うポジションとして転職するにあたって必要となる経験やスキルは、当該企業の置かれている状況や求められる業務内容により異なってきますが、基本的には内部体制の構築や監査法人対応も含めた守備面の業務が中心となることから、それらに関連した業務経験があれば転職が可能なケースが多くなっています。
財務諸表の作成やその他の書類の作成、業務フロー構築など含めて経験したことがないような業務が発生するかもしれませんが、財務会計の基本・原理原則をよく理解できている会計士であれば基本的にはなんとかなるものが多いかと思います。

そういった視点では公認会計士として監査法人の時に働いていた経験がそのまま活かせることからマッチしやすい傾向にあります。

CFOとしてIPO準備中のベンチャーへ転職する際はファイナンスの知識が必要となるケースが増加している

ただ、CFOというポジションでの転職を考える際は、守備面に関する業務だけでなく、攻めの領域である資金調達も含めたファイナンスの知見が求められるケースが多くなってくるので、監査経験プラスアルファのスキルが求められるケースが多くなっています。

数年前までは上場準備を中心に行う守備重視のCFOが求められるケースが多かったのですが、近年は積極的に資金調達を行い、M&Aも含めて拡大を模索する攻めの経営が多くなっているので、FASや投資銀行出身者など、ファイナンスに強い方を求める傾向が強くなっています。

そういったことを考えると、CFOを目指したいという希望がある場合は、監査法人の次に一度コンサルへ転職し、経験を積んでおくのが良いかなと個人的には思います。

ただ、これも企業のフェーズによるところがあり、IPOが全然見えていないアーリーステージであれば、ファイナンススキルよりも性格や志向性のマッチ度を重視するベンチャーが多く、一緒に成長していこうといった経営者も多いことから、監査法人で5、6年の経験の会計士がジョインしてCFOと名乗るケースもあります。

まだまだ何もない状態のところからジョインするのでその分IPOできる確率は下がりますが、何もないところから作っていく経験がしたい会計士にとっては良い転職先と言えます。

なお、この場合CFOという肩書になるのかそれともCFO候補なのか、経営企画なのか微妙なところですが、こうしたところからジョインしてCFOとなっているケースもあります。

そういった意味では監査法人での業務経験だけでもなんとかやっていけるケースはあります。

ただ、専門的な実務以外の業務の方が大変だったりしますので、むしろそっちを心配すべきとも言えます。

財務会計とは全く関係ない様々な業務への対応スキル(マインド)がないとスタートアップベンチャーのCFOは厳しい

上記で記載した段階のベンチャーへの転職の場合、管理部門体制・人員が整っていないケースが多いので、CFOが総務や労務、庶務を兼ねてやることも多くあります。

オフィスのレイアウト変更、新しいオフィスへの移転手続き、清掃業者の手配、社員のイザコザへの対応、採用業務、、、などさまざまな雑務が発生し、それをこなす必要性が出てくることも多いです。

一言でいうとバックオフィスの何でも屋になる覚悟も必要であると言えます。そして、いろんな人に協力してもらって進めていくことが多いのでコミュニケーションスキルが重要です。

入社するベンチャーにもよりますが、経理・財務・会計に関する事だけやっていたいという考え方だとうまくいかないケースが多いかと思います。

経営目線で見ていくことも重要なのですが、現実問題として管理部門の実務面で穴ができてしまうことも多いので、作業員としての対応覚悟も持っておきましょう。

こういった当初想定していなかった別業務の部分でのギャップなどで退職される会計士は多いので注意しておきたいところです。
※このあたりは転職先ベンチャーがどのフェーズにあるのかによって変わってきます。上場直前前期くらいで入社するケースともっと前段階で入社するのでも変わってきます。

採用されるには経営者との人柄のマッチ度が重要な要素

CFOは経営者の右腕的な存在ですので慎重に採用するケースが多いです。

ベンチャー経営者は若い方が多いので、CFOも比較的若い方を望まれる(実年齢あるいはマインド等)ケースが多くなっており、また、話しやすい、気が合うなどの感覚的な部分を重視する傾向にもあるので、実務的な能力が高い方が必ずしも採用されるとは限りません。

そのため、採用難易度は結構高めです。

ただ、気の合う経営者と出会えるとすんなり行くケースも多いです。

「公認会計士である」という事実からある程度実務やスキル、知識的なものは信用されているケースは多いので、一緒に頑張っていけそうかどうかといったポイントが見られる傾向にあります。

会計士の中には事業を他人事の目線で見る癖がついている方もいらっしゃり、一緒に頑張っていくような風に感じなかったと評されるケースもあるので、第三者としての目線だけでなく、自分事としてやっていく目線も入れていきましょう。

監査法人でIPO支援等を経験しておくことは前提

公認会計士は多くの方が監査法人からキャリアをスタートさせるかと思いますが、監査法人にいるときからIPO支援に関する業務をしっかり経験しておくことは当たり前ですがIPOベンチャーへ転職するにあたって大きくプラスに働きます。
早期(修了考査後など3年程度)に監査法人から転職してしまう会計士も多いのですが、IPOベンチャーへ転職するという明確な目標があるケースにおいては監査法人にいるうちに可能な範囲でIPO支援に関する業務は経験しておいた方が良いと言えることもあるため、転職は慎重に考えて頂きたいです。

監査法人のいちスタッフとしての業務経験だけでなく、証券会社等の金融機関とやりとりする場に入れるくらいまでやっておくと良いです。また、実際に上場させた経験を持っておくと尚の事良いでしょう。

ただ、Big4などの大手監査法人の場合は希望したように業務経験が積めない、あるいはスピード感的に経験できるまでに時間がかかるケースも多いため、そうした場合は中堅規模の監査法人やIPO支援を専門に行う監査法人へ転職して経験を積むのも良いでしょう。
中堅規模の監査法人の場合、大手監査法人より数年早くインチャージの経験やIPO支援業務のメインどころを担当することができます。実際にBig4監査法人から中堅監査法人に転職し、数年経験を積んだ後(※監査法人勤務の後にコンサルティングファームに行く方も多いです)、ベンチャー企業のCFOとして転職されるケースもあります。

監査法人から監査法人への転職ということであれば、今の市況であれば比較的容易なので自身で転職先を探しても問題なく転職できるでしょう。

ベンチャー企業のCFOとしてIPOに携わりたいとなると、どの監査法人あるいはファームへ転職するかの選択も重要であり、先のキャリアまで視野に入れた情報収集の必要がありますので、会計士に強い転職エージェントに相談しておくことをお勧めします。

どのような経験を積んでおくべきなのか?という視点で転職先・転職先部門を選ぶ必要がありますので、そうしたアドバイスをもとにキャリアプランの相談ができる転職エージェントを選択されるとよろしいかと思います。

会計業界のみならず、ベンチャー企業を始めとする事業会社やそのほかコンサルティングファーム等も視野に入れている場合は注意が必要です。

コンサルティングファームで経験を積んでおくのも有り

先程も記載しましたが、ベンチャー企業のCFOとしてIPOを狙う上で一番無難な経路が監査法人からコンサルティング会社などを経てベンチャー企業のCFOへと転職するケースです。

コンサルティングファームでは顧問先(投資先)の経営陣と密にコミュニケーションを取って業務を進めていくことになります。

また、経営状態がおもわしくない先があればハンズオンで顧問先(投資先)の経営を行っていくこともあり、非常に濃密な経験を積むことができるでしょう。

ファイナンスに関する知識などの具体的なスキル面に関してだけでない部分での経験も大きく、監査法人の時よりもビジネスに近い現場で仕事ができるため、多くのビジネスモデルに触れることができるのも魅力です。

このような経験を積んでいくことで、人脈を形成することもできますし、自身の会社や経営者の見る目も養われるため、自身がIPOに携わるときの助けになるのはもちろん、そもそもどの会社に入るべきか?という点でも見る目が養われます。

実際にベンチャーで実務をしていく際にはよくわからないことも出てきますが、ある程度人脈があると困ったときに質問しやすかったりするのでコンサルで経験積むのも悪くないでしょう。

実務面のスキルアップとしても当然有効なのですが、やはり監査よりも近い目線で実態を見ることができるため、企業を見る目が養われるのも転職する上で大きなポイントとなるでしょう。

こうした経路をたどっている方が一番失敗が少ないのではないかなと感じています。

公認会計士のコンサルティングファームへの転職

なお、監査法人からコンサルティングファーム等に転職するに際しては会計士の転職に精通したマイナビ会計士や金融系に強いコトラ等をうまく組み合わせて利用すると良いかと思います。

ベンチャーへ転職してみんなうまくいっているのか?

会計士を求めるベンチャー企業は多いので、転職すること自体はそれほど難しくありません。

ただし、転職した後もうまくいっているケースとなると半々ぐらいではないでしょうか。

スキル面でうまくいかないケースはあまりないが守備よりも攻めを重視する場合は不向きなケースもある

先程記載した事項と少し重なりますが、ベンチャーCFOとして求められる役割は企業により異なりますが、経理の業務フロー設計を始めとした管理部門体制の整備、証券会社・監査法人の対応など含めて守備面の業務は監査法人時代の経験がそのまま活かせるため、ここを重視して採用募集するケースでは活躍する傾向にあります。証券会社、監査法人側の指導の意図なども把握しているため、対応にそれほど苦労はしないかと思います。

スキルという点で見てみると、一概に年数で測れるものではありませんが監査法人で5~7年程度勤務されている方の場合は転職してうまくやれているように感じます。

実際に業務を行っていてよくわからないことというのは多数発生しているものと思いますが、調べたり聞いたりしてとにかくなんとかするという意味ではやれている人が多いかと思います。

うまくいかないケースとしては、資金調達を始めとして攻めが重視されるCFOが求められるケースでしょう。

IPO後も見据えて資金調達等の攻めの部分やM&Aを重視されることもありますが、この場合仮に転職できたとしても監査法人経験だけですと弱いため、うまくいかないこともあります。

IPO準備を中心に行うことが目的で入社してこうなることはそんなにないとは思いますが、もしそうなるのであれば投資銀行やコンサル出身者の方が適合するポジションであり、会計士はどちらかというと守備力UP業務に向いているのでミスマッチとなることもあります。

役割はしっかり確認して入社しましょう。

創業者など他の経営陣との不仲、事業のとん挫などでIPOどころではなくなるケースも多い

うまくいかないケースで一番多いのが入社したベンチャーが傾いてしまうケースと人間関係です。

創業者との人間関係の構築でうまくいかないケース、業績等の悪化によりIPOを断念せざるをえなくなるケース、社内の人間関係で苦労するケース、そもそも会社を見る目がなかったなど様々です。

創業者との人間関係の悪化という点においては、経営方針の食い違いや価値観の相違など様々です。監査法人の経験しかない会計士の場合ですと第三者目線で物事を見る癖がついてしまっているケースもあり、冷静さを保つ意味で第三者目線でアドバイスをしているつもりだったのが、他人事のようにとられてしまい、経営者とうまくいかなくなるケースもあります。

また、癖のある経営者も多いので、そうした人間関係でうまくいかないケースが多いように感じます。IPOを果たすには、結局のところ、経営者・創業者のビジョンに共感できるかどうか、経営者との性格の相性が良いかどうかとなります。

スキルも大事ですが、ここが一番重要なように感じています。そのためヒューマンスキルやマインドセットも重要になるでしょう。

その他IPO関連の転職で失敗するケースとして考えられるのが、そもそもそれほど魅力的なビジネスをやっている企業ではなかったというケースもあります。

監査法人の経験しか無い場合、ビジネスモデルに触れてきた経験が圧倒的にかけており、そもそも企業選びに失敗してしまったというケースです。ベンチャー企業に入社する前段階では投資家目線での判断も重要になりますので、そうしたスキルを磨いてから転職しても遅くはないでしょう。
または、そのベンチャーがやっている事業を好きになれるかどうかという軸でもいいかと思います。

監査法人からベンチャーのCFOへと転職するケースでは、スキル不足でうまくいかないケースももちろんありますが、それよりも通常の転職と同様に人間関係がネックになるケースも多いため、経営陣の人柄含めた情報収集が重要となります。

なかなか自分で情報収集できないという方は、エージェントの活用も検討してみてください。内情の部分に加えてベンチャーでの具体的なキャリアパスや働き方、キャリア事例なんかも知ることができますので、個人的には転職エージェントに相談してみると良いと思っています。

この場合、ベンチャー企業への転職に強いというよりは、できれば会計士のキャリアに詳しいエージェントさんに話を聞いておいた方が良いかと思います。

公認会計士の転職エージェント・転職サイトを紹介!

どのような選択をとるにせよこの先のキャリアのことも考えて人脈構築なども忘れずにおこなうと良いでしょう。

最後に、公認会計士がベンチャーのCFOを目指す上で情報収集や転職先を探すのに良さそうな転職サービスをまとめておきますので、興味のある方はご覧ください。

マイナビ会計士
会計士が転職でベンチャーCFOやIPOを目指す際に利用できるマイナビ会計士
ベンチャー企業・CFOを目指す転職においてマイナビ会計士は押さえておきたいエージェントです。
CFOは公認会計士が必ずなるポジションというわけではありませんので、CFO職への転職に特別強いというわけではありませんが、「ハイクラス」+「会計士」という2軸での転職相談が可能であり、単なる求人の紹介ではなく、会計士がCFOとして転職する際に役立つ情報の提供や注意点まで頂けるので、他のサービスを活用するとしても、抑えで登録しておきたい転職エージェントです。

先々ベンチャー企業のCFOとして転職したいという方においても、どのようなスキルが必要になるのかなど情報収集するのにいいでしょう。
コンサルティング会社への転職実績も豊富なので、どのようなファームに行くのがベンチャー企業への転職に良いかなど事例を交えた情報がもらえるかと思います。

若手(20代後半~30代前半)公認会計士が転職するケースにおいては、勢いはあるものの、スキル不足が露呈するケースもあるため、必ず会計士の転職事情に詳しくて尚且つハイクラスな転職に対応できるマイナビ会計士に一度は相談しておきましょう。

SYNCA(WARCエージェント)
warcエージェント

大手コンサルやベンチャーのCFOを経験した方々が始めた管理部門向けの転職サービスで、会計士のベンチャーへの転職には強いと考えられます。
同社メンバーがベンチャーとの結びつきもあるので、他のエージェントには無い求人もあり、これからIPOを目指すにあたり社内体制を構築していくにあたって会計士を求める求人やSeed段階の企業まで幅広く転職先をお持ちです。

ベンチャーCFOに興味があるケースでは登録しておきたい転職サービスの一つです。

BIZREACH(ビズリーチ)
CFOやIPO準備責任者等の会計士として上のクラスで転職するならビズリーチ
ハイクラス案件が多い転職サイトで、ベンチャー企業などからもスカウトが届きます。
コンサルティングファームを始めとして、上のレベルで転職をするなら必ず利用したいサイトの一つです。
たとえ転職できなかったとしても、レベルの高いヘッドハンターからスカウトが届くので、
こちらのヘッドハンターから話を聞いてみるのも面白いです。
彼らは面白い企業とのコネクションもたくさん持っており、どのような人材が求められているのか、足りないものは何なのか、
一般のエージェントからはなかなかもらいにくいアドバイスをくれることもあるため、登録しておくのも有りでしょう。
HUPRO(ヒュープロ)
hupro
大学との共同研究による独自開発の「AI」を用いた転職診断が行えます。

10,000件以上のデータに基づいた解析を行っており、
有給消化率や残業時間等のデータも踏まえているので、「CFO」を目指すキャリア志向の公認会計士の方にはもちろん「ワークライフバランスが実現できる企業でキャリアアップしていきたい」とお考えの方などそれぞれの希望に合った求人が見つかります。

特にベンチャー企業のCFOを目指すケースにおいて、多くのベンチャー企業ではAIを始めとするテクノロジーを活用したサービスや業務フロー改善を行っているため、転職においてこうしたサービスに触れておくのも良いでしょう。

たった5分のAI転職診断であなたにぴったりの転職先を見つけることができるので、この機会に転職診断を試してみてはいかがでしょうか。

昨今はIPO支援や企業向けに経営管理支援を行うファーム(WARCエージェント等[)が人材紹介を行っているケースもあり、当該領域においてはこうしたところを利用するのも一つの手段です。

ベンチャー企業への転職に関する情報をもっと知りたいという方や監査法人に現在勤務していてベンチャー以外のキャリアにも興味があるという方は以下の記事もご参照ください。

監査法人から転職したい会計士が活躍できる転職先は?
ベンチャー企業に転職する公認会計士が増えているのはなぜ?

IPO準備中のベンチャー企業のCFOの求人【会計士】

IPO準備中のベンチャー企業・CFOへの転職をお考えの方向けに、提携するエルキャリのエージェントサービスから掲載依頼を頂いた一部の求人をご紹介します。

ここまで記載してきた通り、IPOはまだまだ活発なことから、会計士を求める求人先企業はたくさんあり、不足している状況です。
ベンチャー企業側の状況にもよりますが、監査法人5年前後の経験(できればIPO関連業務を行っていた方)があれば転職可能なものも多いので、IPOを経験したい公認会計士にとってはまだまだ良い状況が続いていると言えるでしょう。

また、要件は少したかめで難しいのですが、ベンチャーではない一般事業会社でCFOを求める求人案件もございます。

基本的に完全非公開の求人が多くありますので、詳しくはエージェントへお繋ぎ致します。

求人募集案件名
IPO準備企業の経理財務責任者候補 IPOを経験したい公認会計士向けの求人
事業所名
非公開
勤務地
東京都23区
事業内容
完全非公開のためお問い合わせください。
業績は好調でキャッシュも潤沢な状況であり、IPOを確実に経験したい会計士にとっては良い転職先となります。
職種
経理財務部門の責任者候補
雇用形態
正社員
給与
<想定年収>
年俸 8,000,000円~11,000,000円(要相談)
<手当>
交通費、残業代別途別途
<給与補足>
能力やご経験により決定します。
休日
年間休日120人以上
土日祝日
夏季休暇(5日)
年末年始休暇(5日)  
有給休暇
就業場所
東京都
採用人数
1人
仕事の内容
IPOに向けてCFOと共に体制構築を行っていただきます。
マネジメント要素もありますが、開示資料等を手を動かして作成頂く業務もございます。

経理部門のプレイングマネージャーとして、IPO実現に向けてリード頂くとともに上場会社としての強固な経理チーム構築、育成指導にも貢献頂きます。
・各種決算業務、税務の実務及びマネジメント
・有価証券報告書・決算短信等開示関連業務
・子会社管理(含む決算業務)・連結決算業務
・業務フロー整備、効率化等
・管理会計、経営関連資料作成等
・IPOに関わる資料作成、外部機関の対応
・監査法人、証券会社対応
・経営層への財務経理面からの提案、相談対応
・メンバーの育成、指導
など その他グループ会社の経理指導等も発生する可能性があります。

具体的にIPOに興味がある会計士にとってはかなり良い求人かと思いますので詳細お問い合わせ頂ければと思います。

必要な経験・応募資格
<以下のような条件に該当する方>
・事業会社での経理経験をお持ちの公認会計士有資格者(日本のCPA資格がmust)
・IPO達成企業や上場会社での経理事務責任者やマネジメントのご経験者
・原価計算の経験のある方

※詳細はお問い合わせください。

求人募集案件名
【CFO/CFO候補】大手グルメサイトのWEB予約を一元管理する飲食店向けのサービスを提供する注目企業のCFOの求人
事業所名
非公開
勤務地
東京都港区
事業内容
大手グルメサイトのWeb予約を一元管理し、飲食店の業務効率を大きく改善できることから近年注目を集めています。
単に業務効率化するだけでなく、お店の予約を最大化し、予約数の改善にも大きく役立っていることから、同社のサービスを利用するレストランは上昇中です。

財務状況は安定しており、IPOに向けた管理体制の整備に伴い、CFO候補募集の求人案内となります。

自由度が非常に高く、こうしたい!といった希望や想いを重視してくれる社風なため、やりがいを持って働くことが出来ます。

職種
CFO候補
雇用形態
正社員
給与
<想定年収>
年俸 6,000,000円~7,000,000円
<手当>
交通費、残業代別途別途
<給与補足>
上記給与は参考となります。給与体系はスキルや経験により調整致します。
また、本求人はSO(ストックオプション)付与想定となります。
休日
年間休日120人以上
土日祝日
夏季休暇(5日)
年末年始休暇(5日)  
有給休暇
就業場所
東京都港区
採用人数
1人
仕事の内容
現在、財務・経理部はなく外部の会計事務所に委託していますが、IPOに向けて内製化する必要があります。
その立ち上げ責任者の募集になります。
経理機能の構築のみならず、内部統制構築などもお願いする予定です。
ゼロから立ち上げる難しさはありますが、その分自由に提案してもらい構築することができる環境です。
現状のビジネス以外に、新しい領域に進出することも考えているため、本人の希望次第で経営企画などにも将来的に携わっていただくこともできます。

必要な経験・応募資格
<以下のいずれかに該当する方>
・公認会計士資格者(会計士試験合格者も可)
・上場準備に伴い監査法人対応や証券会社対応が出来る方

※会計士の場合、監査法人の勤務経験だけでも問題ございません。監査法人でIPOをに携わった経験があれば良いですが、なくても可能です。

<求める人物像>
・課題解決に向けた提案をしていきたい方
・コミュニケーションが取れる方

求人募集案件名
建設×IoTで急成長中の企業の財務コントローラー(CFO/管理部長候補)の求人
事業所名
非公開
勤務地
東京近郊
事業内容
モノとインターネットを接続するIoT技術を用いて、建設現場等の生産性向上・労働時間の削減を実現するサービスを提供し、大きく成長しています。
職種
CFO/CFO候補/管理部門長候補
雇用形態
正社員
給与
<想定年収>
お問い合わせください
<手当>
交通費別途
<給与補足>
給与は経験・スキル・ご希望に応じて決定となります。
※ボードメンバーとして株式を保有していただき勤務していただく可能性有
※ストックオプション
※事業が伸びた際は大きな対価が受け取れる可能性がございます。
詳細につきましてはお問い合わせください。
休日
土 日 祝※詳細はお問い合わせください。
就業場所
東京・埼玉※リモート、在宅可
採用人数
1人
仕事の内容
<業務内容の一例>
・資金調達に関する業務
・財務関連業務全般(財務資料作成、管理会計、予実、資金繰り管理等)
・内部統制構築
※IPOに向けた資金調達や調達後の資金管理、管理体制構築等がミッションとなります。
※詳細はお問い合わせください

必要な経験・応募資格
<以下いずれかに該当する方>
・公認会計士資格者
・税理士資格者
・財務実務経験のある方
・資金調達のご経験
・金融機関等での実務経験をお持ちの方

※多少経験が足りなくてもやる気がある方なら応募可能です。お気軽にお問い合わせください。
※外部の金融機関や社内調整業務等も発生することから、コミュニケーションを取りながら仕事をしていきたいとお考えの方にマッチします。

求人募集案件名
株式公開準備(IPO)におけるCFOの求人!監査法人での勤務経験が活かせるポジション
事業所名
非公開(上場準備企業のCFO案件は多数ありますが非公開のためお問い合わせください)
勤務地
東京都内
事業内容
IoT等の最新テクノロジー系の事業を行っている企業やバイオ系等幅広くIPO確度の高い転職先を多数保持しています。
職種
CFO/CFO候補
雇用形態
正社員
給与
<想定年収>
7,000,000円~
<手当>
交通費別途
<給与補足>
給与は経験・スキルに応じて決定となります。上記は参考値となります。詳細お問い合わせください。
休日
土 日 祝※詳細はお問い合わせください。
就業場所
東京都内
採用人数
1人
仕事の内容
◎監査法人やコンサルファームでの勤務経験がある会計士向けのCFO求人。
<業務内容の一例>
・監査法人対応、主幹事証券会社対応
・経理、財務部門の構築
・内部統制
・管理会計
・その他上場準備業務全般

詳細はお問い合わせください。

必要な経験・応募資格
<以下いずれかに該当する方>
・公認会計士資格者
・監査法人での経験3~5年以上程度
・コンサルティングファームでのFA業務

監査法人勤務経験だけでも可能ですが、監査法人から事業会社の経理・財務ポジションへ転職して勤務されている方にもマッチする求人です。
また、FASに勤務しておりIPOやCFOに興味のある方も歓迎です。

求人募集案件名
CFOに興味のある公認会計士や会計財務、ファイナンスのプロフェッショナル向けの求人
事業所名
非公開(求人先多数。再生中企業のCFO等含む)
勤務地
東京
事業内容
ファンド投資先の事業会社等におけるCFO/管理業
職種
CFO/CFO候補
雇用形態
正社員
給与
<想定年収>
8,000,000~
<手当>
交通費別途
<給与補足>
給与は経験・スキルに応じて決定となります。上記は参考値となります。詳細お問い合わせください。
休日
土 日 祝※詳細はお問い合わせください。
就業場所
東京都内
採用人数
1人
仕事の内容
◎監査法人やコンサルファームでの勤務経験がある会計士向けのCFO求人。
<業務内容の一例>
・監査法人対応、主幹事証券会社対応
・資金調達、資本政策の立案及び実行
・管理部門体制の構築
・管理会計
・経営計画策定
・上場準備業務全般
・グループの経営管理に関するインフラ整備

※上記は一例となるため詳しくはお問い合わせください。

必要な経験・応募資格
<当てはまる方のご経験一例>
・公認会計士資格者、監査法人での勤務経験
・コンサルティングファームでの経験(FA業務の経験等)
・デットファイナンスやエクイティファイナンスでの資金調達の経験
・IPO準備実務に携わった経験

※上記は一例となります。

上記は一例となりますが、その他の公認会計士の求人情報を見る場合は以下よりお願いします。

会計士の求人情報

公認会計士のIPO準備企業のCFOへの転職事例

最後に、上場準備企業のCFOへ転職した会計士の事例についていくつか紹介させていただきたいと思います。

29歳公認会計士/監査法人からIPO準備企業のCFO(候補)へ転職

転職時の年齢等 29歳
性別 男性
転職前・転職後の業界 監査法人からIPO準備企業へ転職
転職理由 監査法人でのIPO支援がきっかけでベンチャー企業への転職に興味を持ちました
<転職のポイント>
大手監査法人でIPO支援を含め5年の経験をお持ちでした。
公認会計士の転職理由としては多いものとなりますが、監査法人側からでは支援できる内容に限界がある、監査法人のように外部から問題事項を指摘するだけではなく、内部に入って事業に関わる業務がしたい、改善や構築を行いたいという気持ちをお持ちだったことから、IPO支援等を行うコンサルという立場ではなく、企業内部のCFO/CFO候補を求めるベンチャー企業の求人案件を中心に面接に臨みました。
会計士としてのスキルを磨いていくのであれば、コンサルティング会社での経験も視野に入れるべきかと思いましたが、今後は自身で事業を作っていくことも視野に入れていたこともあり、IPOベンチャー内部のCFO候補として転職を決めました。
マインドが高い方でしたので、ベンチャーとの相性もよく、複数の企業から内定を頂くことが出来ました。
入社を決めた企業では、上場に伴う手続的な業務が中心となる求人案件でしたが、そこを理解した上で転職し、上場後は上記のようなマインドが評価されていたこともあり、単に財務・会計や経理、内部統制周りの業務を行うだけでなく、事業展開のコアとなる分野にも携わっており、充実した日々を送っているようでした。

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樋口 智大株式会社インテグラルベース 代表取締役
公認会計士・税理士・経理などの士業・管理部門の人材紹介を行う株式会社レックスアドバイザーズで勤務し、転職エージェントや会計専門メディアの事業の立ち上げを経験。その後、株式会社インテグラルベース(厚生労働省特定募集情報等提供事業者51-募-000806)を創業。現在は転職・採用・人事に係わるコンサルティングや求人サイトの運営を行っています。 士業JOBでは、これまで培った人脈と10年弱に及ぶ転職や採用に関する業務経験・実績を活かして転職に役立つ情報の配信を行っている他、多数の人材紹介会社とも協業し、最新の情報をブラッシュアップしながら配信を行っています。また、行政書士として事務所を開設しており、自身も士業として活動しております。 執筆者・監修者・編集者情報へ