監査法人からコンサルティングファームへ転職したいと考える公認会計士の方は多い傾向にあります。
明確な志望理由がある方ばかりでなく、たとえばコンサル業界についてあまり詳しくない方の場合、監査のような単純作業的な仕事ではなく、知識や知見を活かしてアドバイスや提案を行う仕事をなんとなくやってみたい、と考えてとりあえず希望しているというケースも多い印象です。
若手の会計士の場合、FASなどの財務会計系のコンサルティングファームのみならず、戦略コンサルティングファームを含めて広く転職先を模索したいという方もいらっしゃいます。
ここでは、公認会計士のコンサルティングファームへの転職に関して広く見ていくとともに、市場動向や各コンサル領域の特徴、転職に当たっての注意点について説明していきたいと思います。
目次
- 1 公認会計士のコンサルティングファームへの転職市場動向は売り手有利ではあるがハードルはやや上がっている
- 2 公認会計士の転職先としてどのようなコンサルティングファームが考えられるのか
- 3 なぜコンサルティングファームなのか?失敗を避けるためにも転職の動機・理由は明確にしておいた方が良い
- 4 どのコンサルティングファームへ転職するかでその先の公認会計士としてのキャリアも変わってくる
- 5 コンサルへの転職適正の有無の重要性
- 6 コンサルティングファームへ転職するとワークライフバランスが取れない?
- 7 コンサルティングファームへ転職する良い点と悪い点
- 8 コンサルティングファームへと転職したい公認会計士が活用すべき転職エージェントや転職サービスについて
- 9 公認会計士はコンサルティング業務を経験することでキャリアの幅が広がる
- 10 公認会計士向けのコンサルティングファームの求人
公認会計士のコンサルティングファームへの転職市場動向は売り手有利ではあるがハードルはやや上がっている
ここ数年は、M&Aで拡大する企業が非常に多かったことから、M&Aに係わるコンサルティング分野で会計士の採用需要が高まっており、当該領域においては大手から独立系中小のファームまで広く選択肢がある状況です。
その他の領域においても採用需要は高く、各種領域で会計士の採用は増えており、転職マーケットが売り手市場だったことからもなかなか人材確保できないコンサルティングファームも多くなっていました。
そのため、多少経験が足りないと思われるケースでも、確かな会計スキルをお持ちの会計士資格者であれば戦力として見ることができるポジション・部隊もあることから会計士の採用は多少上向きであったことは間違いありません。
また、戦略コンサルティングファームにおいては依然として採用要件は高いものの、若干ハードルが下がっていた時期もあり、会計士の方で応募されるケースにおいても書類選考で門前払いというケースは少なくなり、チャレンジできるケースがありました。
財務会計以外のコンサルティング領域への転職を希望されている方にもチャンスが多くありました。
ただ、2024年以降は人手不足で売り手市場が続いているものの、採用を厳選する動きもあり、一概にこの転職のしやすい状況がずっと続くとは言い切れない要素も増えてきています。
会計士の転職市場を全体的に見れば売り手市場であることに変わりはないのですが、2020年頃までの超売り手市場と呼ばれていた時期よりも多少選考のハードルは上がっているという認識は持っておいた方が良いでしょう。
今後も売り手市場が続くことが予想されており、求人自体は多い状態が続くと考えられますが、採用要件の部分で少し状況が変わってきていることだけはご認識ください。
そのうえで会計士のコンサルへの転職について見ていきましょう。
公認会計士の転職先としてどのようなコンサルティングファームが考えられるのか
コンサルと言っても様々な領域がありますので、ジャンル分けをしていきたいと思います。
このページではコンサル領域を以下のように定義させていただきます。
なお、分類については人によって解釈が異なるケースもあろうとは思いますし、それぞれ明確に切り分けられるものではないのですが、説明の都合上という部分が大きいため、一定度認識に違いがあってもご了承ください。
- 財務・会計コンサル(FASなど)
- 事業再生系コンサル
- 戦略コンサル
- シンクタンク系コンサル
- 総合コンサル
- ITコンサル
- リスク管理・セキュリティ系のコンサル
基本的に会計士が転職するコンサル領域としては、「FAS」「再生」の2つという印象です。
基本的にFASの中に再生部門があるので、それぞれ別々に考えるのもおかしいところが出てくるかもしれませんが、再生系のコンサルの場合、ハンズオン主体でガッツリ内部に絡んでいくケースが多いですので、FASのM&Aに係わるDD部門やバリュエーション部門などで働いているケースとは仕事の進め方や求められるものも大きく違う傾向がありますのでここでは分けて考えています。また、特殊なフォレンジックに係わる会計士も増えました。その場合も少し記載しております。
FASなど財務・会計系のコンサルティングファーム
他の記事でも記載しましたが、監査法人の経験しかない会計士の場合、FASに転職する方が多いです。
Big4系のFASが監査法人の次のキャリアとして最も一般的な転職先の一つとなります。
- デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
- KPMG FAS
- PwCアドバイザリー合同会社
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社
※EYは従来まではEYTASにてFASを行っていましたが、コンサルのEYACCが統合され、2020年10月にEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社となりました。
監査法人で3~6年勤務した会計士で「なんとなくコンサル系に興味がある」と言うような方はBig4FASへ転職するケースが多くなっています。
結局のところ、公認会計士としてのスキルを活かす・伸ばすという方向性で考えると、会計監査に関連したスキルが身につくコンサルティングファームへの転職が一番リスクが少ないと考えられます。
また、将来的なキャリアという視点で見た際に、現時点でやりたいことが決まっていない会計士でも汎用性のあるスキルが身につくことからFASで働いておくことでキャリア的なリスクヘッジにもなるかと思います。
待遇面を考えても、たとえば監査法人から事業会社へ転職する場合、年収が落ちてしまうことも多いのですが、年収を落とさず、尚且つこれまでの業務経験が活かせてその先のキャリアまで見据えてとなるとBig4FASが最もポピュラーなコンサルっぽい仕事ができる転職先となります。
特に監査法人からの転職であるならば監査と似通った業務プロセスである財務DD・バリュエーションなどの業務は経験を活かしてコンサル業界へと入っていくことができる業務内容となり、チャレンジしやすいのも要因としてあるでしょう。
先程記載した通り、その先のキャリアの汎用性も含めて考えると、財務・会計系のコンサルティング会社へと転職を決めるケースが多いです。
ここではBig4Fasが一般的であると記載しましたが、志向性によっては独立系の中小FASの方がマッチするケースもあるため、FASについて詳しく知りたいという方は以下の記事に記載しておりますのでこちらを読んでください。
同じFASでもファームごとで経験できる業務領域は大きく異なり、ずっと財務DDしかやっていないというような方もいらっしゃいます。
コンサルで何がやりたいのかにより転職先は大きく変わってくるのでしっかり情報収集を行いましょう。
また、ベンチャー企業を主ターゲットにして経営管理やIPO支援を行う会計ファームも近年は増加しており、伸びています。
Big4FAS以外にも会計・財務を軸にしたさまざまなコンサルティングサービスを提供するファームはありますので、広く転職先を探っていくのも良いかと思います。
再生系のコンサルティングファーム
大まかに記載すると、環境の変化などにより経営が悪化している企業に対してアドバイスや支援を行っていく業務となります。
近年は儲かっている企業も増えましたが、その一方で変革に対応できず経営状況が悪くなっている企業も増えており、需要は高いと言えます。
財務会計的な視点だけではなく、事業モデルなどの経営の根幹に係わる部分にも携わり、企業経営にメスを入れていくため、広い意味で経営に関するスキルが高くなります。
ハンズオンで支援するケースも多いため、クライアントとじっくり向き合って人と人とのコミュニケーションをとり、反応が見える仕事がしたいという方にはマッチする可能性のある転職先です。また、経営陣の一員としての参画であれば事業会社側の経営というポジションを取る経験もでき、先のキャリアという意味では良いものとなるでしょう。
会計士が転職を考え始めるきっかけの一つに、監査法人にいると人の顔が見えず、反応がわからないためイマイチやりがいにかけると感じている方も多いのですが、ハンズオンでみっちりクライアントと向き合うことで、自分自身がどれくらい役に立っているのか感じながら仕事を遂行することが出来るでしょう。
顧客の顔のみならず、良くも悪くもいろんな反応を感じ取ることができるのが再生であり、コンサル的な側面だけでなく、事業化・投資家側の視点で仕事ができるのも醍醐味と言えます。
こうしたコンサルティングファームの場合、担当者が一気通貫でクライアントとやりとりをするケースであれば、財務・会計・ファイナンスの知識だけでなく、その他の経営に関する知識、例えば法務やビジネスモデル、マーケティングに関する知見も身につき、かなりレベルアップできます。
監査法人から転職するケースにおいては、知識不足、経験不足により初めは苦労することも多いかと思います。
ただ、こうしたコンサルファームは様々なジャンルのプロフェッショナルの方が働いているので、仕事を進めながら刺激を受け、成長していけることは間違いありません。
経営に大きく関わるためその後のキャリアパスも多彩で、VCやベンチャーのCFOなど若手の会計士に人気の転職先へと移る方もいらっしゃいます。
- 経営共創基盤
- AGSコンサルティング
- 山田コンサルティング
- フロンティア・マネジメント
- アドバンスト・ビジネス・ダイレクションズ
※ジャンルの線引きが難しく、一部解釈の違いがある可能性があります。
ジャンルごとに代表的なコンサルティングファームも記載しましたが、同じ領域でもファームごとで内容は全然違いますので、エージェント等からしっかり各社の特徴を聞いて転職先選定を行うようにしてください。
マイナビ会計士とレックスアドバイザーズあたりで情報収集しておくと良いかと考えます。
財務会計系コンサル領域の求人はどちらも持っているのと、それなりにどちらも詳しいのですが、各ファームごとの違いや細かい内情の情報密度がエージェントごとに異なるため、複数から情報聞いておいた方が良いからです。
特に再生系は転職してから思ってたのと違ったというのも多いためです。
戦略系のコンサルティングファーム
戦略系のコンサルティングファームに興味を持たれる会計士の方もいらっしゃいます。
ただ、採用のハードルは高く、売り手市場とはいえ簡単ではありません。
コンサルティング業界において、先ほど記載したFASをはじめとして各コンサルティングファームでは専門知識を持った人材の需要は大きく、特に財務・会計のスキルをお持ちの会計士がすぐに活躍できるフィールドは多く存在していることから採用需要は基本的に高いのですが、戦略系コンサルの場合、どちらかというと専門領域のスキルは活かしにくくなっています。
財務分析に関するスキルは確かに有用なのですが、それらだけでは仕事になりません。高い論理的思考能力とビジネススキルが要求される業務であるため、財務やファイナンスのスキルに関するアピールだけでは足りません。
ビジネスセンスが要求されます。
そのため、監査法人での勤務の経験しかない会計士の場合この知識・マインドが大きく欠けているケースが大きく、不採用になるケースは多いでしょう。
ただ、これらの能力は面接で確認される事項なので、書類選考に突破できればチャンスはあると考えられます。
書類選考では、学歴・語学力・職歴が主に確認のポイントになるのですが、学歴は最低ラインが早慶・旧帝大卒となります。
語学力はファームによるためなんとも言えませんが、ビジネスレベルでの語学力が要求されるケースがほとんどです。
職歴に関しては、大手上場企業やグローバル企業等の大企業を相手に業務をしてきた経験が求められますが、Big4監査法人等での勤務経験があればこの要件はみたせているのではないかと考えられます。
いずれにせよ、多少足りない部分があったとしても書類審査で問答無用に落とされるということは少なくなってきているので、チャンスはあると言えます。
書類選考に突破した後では、一般の企業の面接とは異なり、ケース面接が行われますので、専用の対策が必要になることから、転職エージェントやヘッドハンターなどから詳細な情報を入手しておくことをおすすめします。
ハードルは確かに高いのですが、チャンスはあるのでご年齢によってはこの機会にチャレンジしてみても良いでしょう。
- ボストンコンサルティンググループ
- マッキンゼー
- ATカーニー
IT監査やFASでフォレンジックを経験した公認会計士はリスクマネジメント系のコンサルへキャリアを進める方も
サンプル数としてはかなり少ないため、あくまで一例としてのご案内になりますが、近年は監査法人→FAS(フォレンジック)というキャリアを選択される方もいらっしゃいます。
フォレンジックで不正調査などの業務を経験した後、別のリスクマネジメント系のコンサルへ転職されるケースがあります。
会計士の王道的なキャリアではありませんが、フォレンジックで財務会計+ITのスキルを高め、一般的な会計士とは違ったポジションを確立していく方も増えています。
フォレンジックに興味がある方は以下の記事もご参考ください。
会計士のフォレンジック(不正調査)への転職とその後のキャリアパス
なぜコンサルティングファームなのか?失敗を避けるためにも転職の動機・理由は明確にしておいた方が良い
コンサルと一口にいっても関わる領域、仕事の進め方はファームごとでさまざまです。同じ領域のファームでも仕事の進め方やクライアントの性質が異なるので身につくスキルも変わってきます。
先ほど記載した通りハンズオンで経営者と膝を突き合わせて難題の解決策を探っていく重たいコンサルもありますし、どちらかと言えば分析主体であまり経営者等とガッツリ絡まないポジションのコンサル求人もあります。
何がしたいのか、なぜコンサルなのかを今一度自分に問い、どういったコンサルティングファームがマッチしやすいのか整理しておかないと早期退職も有り得るので注意しておきたいところです。
監査法人に勤務しているとクライアントの顔や全体像が見え難いという悩みをお持ちの方は多いため、監査法人から転職するならクライアントの顔が見えるコンサルという仕事が良いということでコンサルを希望されるケースもあるのですが、そうしたケースにおいてコンサルティングファームの中で財務DDばかりやるポジションに就いてしまうとそれはそれでミスマッチとなります。
また、なんとなくコンサルっぽいことをやってみたいぐらいの感覚のケースで顧客先へ常駐しガッツリ二人三脚でやっていく見たいなコンサルの案件のところへ転職すると、それもやはりミスマッチとなります。
業務内容・経験できる内容なども重要なのですが、あなたの性格的な部分も含めてコンサルに合うかどうか、なぜコンサルなのか、その辺をしっかりまとめてマッチするコンサルティングファームへ転職するようにしましょう。
コンサルといってもいろいろあります。
定まっていないのであれば、それに合いそうなところもやっぱりあったりするものです。
どのコンサルティングファームへ転職するかでその先の公認会計士としてのキャリアも変わってくる
コンサルといっても何をコンサルするのかによって経験値は変わってきますし、同じようなジャンルのコンサルでもクライアントの業種や規模などによっても変わってきます。
また、業務の遂行方法もファームごとで異なり、キッチリ分業で行っていくところもあれば一人の担当者が全体を見ながら進めていくケースもあります。
そのため、コンサルへ転職する前に、その後どうなっていたいのか、ちょっとでもいいので考えておくと良いと思います。
例えば、会計士の場合であれば将来ベンチャー企業のCFOになりたいという希望を持つ方もいらっしゃるのですが、そうした方が積んでおいた方が良い経験(ファイナンス)というのもありますので、それに即したコンサルティングファームというのもあります。
そうした具体的にどのようなキャリアパスがあるのかといったことは転職エージェント等に相談すると様々な事例をもとに参考意見をもらうことができ、どこのコンサルティングファームへ転職すると叶えやすいのかなどの情報を知ることができます。
コンサルへの転職適正の有無の重要性
コンサルティングファームへ転職したものの、早期退職される会計士の方も少なくありません。
確かにコンサルでの経験は有用ではありますが、向き不向きもあります。
ある程度のハードワークに耐えられるタフさ
ファームにもよりますが、結構忙しいので、ある程度のタフさは求められます。
Big4FASを例にとると、FA部門ではなく、DD部門やバリュエーションであってもかなり忙しくなります。
監査法人の時のように特定の時期が繁忙期というわけではなく、抱えている案件ベースになりますが、基本的に年間を通して労働時間、スピード感ともに忙しさを感じるかと思います。
プレッシャーもかかりますので、向いていない人にはとことん向いていない領域です。
キャリアの幅が広がるのでおすすめできる転職先ではありますが、一方で全く向かない人が転職すると鬱などの症状もでるので慎重に検討しましょう。
特に監査法人での働き方についていけないなどがあるようでしたら、基本的に適性がない可能性があるので注意が必要です。
アウトプット能力や語学力など言語スキル
コミュニケーションスキル・アウトプットする能力が必要です。
ポジションによっては案件担当者として顧客と直接接する機会も多いかと思いますが、そうではないポジションであってもコミュニケーション、アウトプット能力は必要です。
会計士の場合、コンサルと言っても財務DDを担当するケースが多いのですが、DDでも監査とは異なり短期間で質の高いアウトプットが求められるので、監査法人の時よりもコミュニケーションと調整力が求められます。
ここまでで記載したとおり、コンサルと言ってもさまざまなファームがあり、その中でさまざまな役割がありますが、どの領域でもコミュニケーションスキルと質の高いアウトプット能力が求められるものと思っておいて間違いはないかと思います。
また、基本的に語学力が求められる場面が多いため、英語は必須かと思います。
※再生などでは使わない場合もありますが。
思考する能力
ロジカルシンキングとかいろいろな言い方があるかもしれませんが、考えて導き出す能力が必要かと思います。
答えが決まっていない業務が多くなりますので、適切な根拠を集め、それらを基に分析し、クライアントに提示していくことが必要です。
監査の仕事の場合、意外と思考力は使わないので、このあたりは要注意と言えます。
コンサルでも、会計士の場合は作業屋的なポジションに置かれてそのままというケースがあるので、本当に意味でコンサルタントになりたい場合は注意しましょう。
コンサルティングファームへ転職するとワークライフバランスが取れない?
コンサルには興味があるが残業の多さが気になるという会計士の方は意外と多いです。
先程タフさが必要であることは記載しましたが、全てのコンサルが激務ということではありません。
コンサルに転職するとワークライフバランスはとれないものと思えと言われることも多いのですが、近年は必ずしもそのようなことはありません。
もちろん案件にもよりますし基本的には忙しいファームが多いのは間違いありませんが、働き方に柔軟性を持たせるファームも増えており、例えば在宅OKなコンサルもありますし、時間に縛られずに働くことができるコンサルもあります(担当する案件や部門等によるところもあります)。
会計系のコンサル案件(DD等)はリモートで対応できるものも増えているので、時間の確保という意味では昔と比べると融通が利くようになり、自分の時間は持ちやすくなったと言えます。離職率もどちらかといえばDD部門は低い印象で女性で長く働いている方も多いかと思います。
どのようなコンサルになりたいのかにもよるので一概には言えないものの、働きやすい環境を整えているコンサル会社もありますので、コンサル経験を積みつつしっかり自分の時間も欲しいといった方は以下の求人等を参考にしてみたり、転職エージェント等に相談してみると良いでしょう。
コンサルを経験することでワークライフバランスが結果的に取りやすくなる傾向
また、コンサルを経験することで将来的に働きやすい環境へ身を置きやすくなる可能性が高まりますので、今現在だけを考えるのではなく、将来的なところも含めてワークライフバランスを検討してみると良いでしょう。
たとえばワークライフバランスを考えた際は事業会社への転職を最終的に考える方が多いのですが、その際はコンサルでファイナンス領域の経験を積んでおいた方がキャリアパスが広がり、待遇面も良い方向に行く可能性が高まります。
ワークライフバランスに加えてポジションを獲得するという意味でも若手のうちにコンサルで経験を積んでおくのは悪くないでしょう。
ワークライフバランスを主軸にお考えの会計士の方は以下も合わせてご参考ください。
コンサルティングファームへ転職する良い点と悪い点
会計士が転職することになるであろう主なコンサル領域について説明しましたが、コンサルティングファームと一括りにして考えた場合の転職するメリット・デメリットをまとめておきましょう。
キャリアの幅が広がるのがメリット
コンサルティング業務を経験することで、キャリアの幅が広がるのは大きな利点です。
会計士のFASへの転職のページでも細かく記載していますが、会計監査を軸にプラスアルファのスキルを身につけることで、あらゆる領域で活躍ができるようになります。
会計監査+ファイナンス+提案スキルが身につくと経営企画やCFOというキャリアが生まれます。
その他の領域でも同様です。
年収が高く、その先の年収アップにも効果があるのはメリット
基本的にコンサルティングファームは年収が高い傾向にあります。
Big4FASや再生系のコンサルティングファームも残業の多さはあるものの、額面年収は会計士が所属する領域としてはトップクラスだと考えます。
更に、コンサルの先のキャリアを考えた際に、会計士であれば事業会社へ転職されるケースも多いかと思いますが、事業会社で高い年収を得るための職位の上昇やポジション(経営企画等)を取っていこうと思ったら、コンサルで深く広く経験を積んでおくと可能性は高くなる傾向にあります。
将来的な目線で考えるとメリットは大きいと言えます。
忙しいのがデメリット
メリットは大きいのですが、ここまでで記載したとおり、コンサルは残業が多く、ワークライフバランスはどちらかというと取りにくいです。もちろん一概には言えませんが、事業会社等と比較すると心身に異常をきたす可能性は高いと感じますので、向き不向きが出やすい領域です。
身体を壊してしまっては元も子もありませんので、注意は必要です。
コンサルティングファームへと転職したい公認会計士が活用すべき転職エージェントや転職サービスについて
コンサルティング会社の採用選考では特殊な面接が組まれるケースもあるため、自己応募ではなく転職エージェント経由で応募することをお勧めします。
特に戦略コンサルなどでは専用の対策が必要になるケースがあるためしっかりと面接準備ができるような体制で臨みましょう。
また、公認会計士がコンサルティングファームへ転職する際に関しては、そもそもコンサル業界についての知識があまりないというケースも多くなっていますので、求められるスキルセットや具体的な仕事内容、各ファームの特徴など全体像を把握することも必要となってくるでしょう。
そうした方の場合は転職エージェントに相談してみると良いです。
会計士がコンサルへ転職するという視点においての各コンサルティングファームの特徴やファームごとの差異等も詳細に聞くことができます。
以下に公認会計士がコンサルティング業界の転職する際に良さそうな転職エージェントを記載しておきますので興味のある方はご参考ください。
会計士のコンサルへの転職においては大手コンサルファームの方が良いとは限らず、経験したい業務や希望によっては中小独立系のファームも検討すべきであり、状況により転職すべきファームは異なってきますので、会計士のコンサル業界への転職支援実績が豊富で会計士のキャリアと業界情報に精通しているRexに相談してみると良いでしょう。
大手ばかりでなく、少数精鋭のコンサルファームなどへの転職実績も豊富で、会計士として良いキャリアを構築するための転職が実現できる可能性が高まります。
公認会計士の事業会社への転職に強みを持つ同社ですが、財務会計系のコンサルティングファームへの転職実績ももちろん豊富にあり、転職を検討するうえでは利用しておきたいエージェントの一つです。
最終的に事業会社を目指す会計士が多いので、監査法人→コンサル→事業会社というキャリアを見据えているのであれば、事業会社にも強いエージェントから話を聞いておくのもよろしいかと思います。
エージェントサービスではありませんが、ハイクラスの求人を多数保有している転職サービスです。
企業や上質なヘッドハンターからスカウトが届く転職サービスとなっています。
会計士であればヘッドハンターから多数のスカウトが届くので、それぞれから情報を仕入れることで役立つかと思います。
無料プランの場合は、スカウトを待つという、待ちの姿勢での転職活動になります。
普通に登録すると無料での利用になるので、まずは無料登録を行い、スカウトを待つのが良いと思います。
その間に転職エージェント等から情報収集を行い、エージェントとビズリーチを併用して活動するのが良いでしょう。
準備が整い、本格的に活動することになった際に有料プランに移行することで効率よく転職活動が行えるでしょう。
ヘッドハンターの方は多くのハイクラス人材の方と接点を持っており、役に立つ情報をたくさん保持しているため、かなり勉強になります。
そのため、こちらも登録しておくと将来的に役に立ちますのでおすすめです。
ただ、絶対的に利用した方がいいかというとそうでもないので、参考程度にご覧ください。どっちかというとまずは会計士向けのエージェントから話を聞いておき、その後に付随して必要ならばという感じがよろしいかと思います。
一部ですが会計士がコンサルへと転職する際に利用するエージェントについて記載させていただきました。
エージェントに関する情報は以下で記載しておりますので、詳しく見たい方はこちらをご覧ください。
なお、公認会計士の転職先はコンサルティングファームのみならず、事業会社や会計事務所など幅広いため、コンサルティングファームに興味はあるけどまだどこに転職するか決められていないという方は以下の記事も参考にしてみてください。
今は転職マーケットも売り手有利で希望をかなえやすい状況であるため、思い切って自身の目標に向かってチャレンジしてみる良い機会が到来していると言えるでしょう。
公認会計士はコンサルティング業務を経験することでキャリアの幅が広がる
このページでは会計士がコンサルへ転職するという視点で記載をさせていただきました。また、監査法人からの転職先としてのコンサルティングファームという視点と、一部FAS(フォレンジック)の次に特殊なコンサル領域があることなども説明させていただきました。
基本的にはFAS領域への転職がメインになるものの、戦略コンサル含めてその他の領域へ行かれる方もいますので、志向性と能力次第では選択肢は豊富です。
また、会計監査のスキルに加えてファイナンスのスキルを身につけることでキャリアの幅がぐーんと広がりますので、やりたいことが決まっていない会計士の方はFASなどでスキルアップを図るためにコンサルへいくのも悪くないと考えます。
将来的なワークライフバランスも取りやすくなる傾向にありますので、会計士としてのキャリアアップを目指すならコンサルティングファームへの転職は個人的にはおすすめです。
公認会計士向けのコンサルティングファームの求人
会計系コンサルティング会社など会計士向けのコンサルティング求人をお探しの方は以下のページもご参考ください。
公認会計士のコンサルティングファームへの転職実績が近年高まっています。
特に20代から30代前半の方の転職実績が豊富で、コンサルにチャレンジしてみたいという方は必ず登録しておくべきでしょう。
Big4系FASをはじめとして、監査法人から会計スキルを活かしたファームを探すケースでは良いのではないかと思います。
コンサルティングファームの先のキャリアとしては事業会社を希望するケースが多いかと思いますが、そうした各種ファームでの経験の後どのようなキャリアを歩んでいるのかといったところまでしっかり把握しているので、キャリアに悩んでいる方が相談するのにも良いでしょう。
書類や面接対策等の転職サポートも手厚いのですが、業界動向や転職に関するお役立ち情報の提供などにも力を入れているため、はじめに利用する転職サービスとしてもお勧めできます。
FAS以外への転職に興味のある方も、現在のスキルや経験で内定の可能性はあるのか、公認会計士としてのスキルがどの程度有効なのか、そうしたものを確認する上ではとても良いでしょう。
コンサルへの転職にあたっては会計士の転職に強いエージェントを使わなければならないわけではありませんが、他の公認会計士がどのように転職していったのか確認する上でも一度は相談しておくべきでしょう。
公認会計士のコンサルティング関連の企業への転職実績は豊富なので、コンサルへの転職を考えているのであれば登録しておくのも良いでしょう。