20代公認会計士が転職の際に気をつけることは?早期退職とキャリアパスに注意

20代公認会計士の転職

監査法人勤務の20代会計士の中には現在の仕事に不満・不安があり転職を考えているという方も多いかと思います。

転職したくなるタイミングとしては、修了考査前後、30代が迫って来た20代後半あたりのタイミング、マネジャー昇格が見えてきた段階が多いと感じますが、いずれにせよ多くの会計士が監査業務経験だけでこの先大丈夫だろうか?といった形でキャリアに不安を感じたり、せっかく身に着けた会計スキルをもっと広くいかしたいと考え転職を検討し始めます。

監査業務の単調さが肌に合わずに転職をしたくなっている方もいるでしょう。

ただ、転職しても上手くいかないかもしれないという不安や自信の無さから具体的に行動に移せないといった方も多くいらっしゃいます。

加えて昨今は国際・社会情勢が不安定になっているのでリスクを避けるという意味合いで転職を先送りするケースも若干あります。

転職を促すわけではありませんが、現実的には転職は若い方が有利なケースが多く、選択肢が豊富にある20代のうちに転職しておいた方が良い場合が多いです。また新しいことにチャレンジするにあたっては吸収力の高い若いうちの方が良いケースもありますし、何より業務に対する失敗に関しても20代などの若手のうちの方が寛容的ですので、若いうちに行動しておいた方が良いと考えることもできます。

どのようなキャリアを目指すのかにもよるところはありますが、動き出しの時期を早めに見た方が良いこともあることは知っておきましょう。

現在は国際情勢から来る社会不安はあるものの、転職市況自体は良い状況ですのでチャレンジしやすい環境ですので様々な経験ができる20代のうちに動いておくこともおすすめしたいです。

20代会計士の転職マーケットは超絶売り手市場

会計士の転職マーケットは依然として売り手市場が続いています。特に若手が不足しているファーム・企業が多いので20代であれば尚のことです。

コロナ前と比べると採用のハードル(要件)が上がったところが増えましたが、求人募集が多い上に、採用意欲が高い傾向にあるので転職においてチャンスが多いことは間違いありません。

業界別に市況を簡単に見ていくと、監査法人への転職・就職は容易であり監査業務の複雑化等により手続き的な業務が煩雑になり人手が不足しがちな他、大手はもちろんのこと特に中小監査法人等では慢性的な人手不足であることから監査法人間の転職という点では難易度は低いです。

また、事業会社でも経理・財務を中心として会計士の採用需要は非常に高まっている他、株式上場を目指す上場準備会社ではCFO候補等で公認会計士を求めるケースも非常に多いですし、M&Aも活況であることから会計業界に関わらず事業会社などでも公認会計士の採用は多くなっており、転職という視点では恵まれていると言えるでしょう。

監査法人からの転職先としてスタンダードなFAS業界などの会計系コンサルでも同様に採用需要は高いです。

転職市場において会計士は人気の人材です。

そんな20代の公認会計士の転職について様々な角度で見ていきたいと思います。

20代会計士が転職にあたって注意すべきこと

転職すること自体は比較的簡単なのですが、失敗するケースも多いので注意が必要です。

キャリアパスについての情報収集は事前にしっかり行っておく

公認会計士は良くも悪くもキャリアの幅が非常に広いです。

既に将来の展望をお持ちの方もそうでない方も、まずは一般的な会計士のキャリアについて知り、会計士の資格・財務会計知識を活かしてどういった可能性があるのかということを知ることからスタートするのも悪くないと思っています。

ここのキャリアパスに関する情報収集を怠って後々後悔するケースもあるため、まずは可能性について探っておくと良いでしょう。

本サイトでも監査法人から転職したい会計士が活躍できる転職先は?というページで各種転職先について解説しているのでご参考ください。

会計士向けの転職エージェントに相談することで事例なども通じたキャリアパス例の情報提供を頂けますのでエージェント利用も検討してみてもいいでしょう。

キャリアパスについての情報を取得し、そのうえで転職はしたいがキャリアについては迷いが生じているというケースも多くありますが、迷っているケースでは汎用的なスキルが身につく会計系コンサルなどもありますので、様々な角度で情報を得るようにしていくと選択肢が絞れて来るかと思います。

一般論的な会計士のスタンダードな転職先とあなたの状況という2軸でしっかりと情報をもらうようにしてください。

どのような方法で情報収集するにしても、このキャリアパスについての情報収集は広い視野で見てみることをおすすめします。

修了考査合格まで待ってから転職をした方が良い

多くの方が20代前半でBig4監査法人へ入所し、20歳代半ばで修了考査に合格して公認会計士登録をし、そこから各人の希望に合わせて各業界へ散らばっていくような形となります。近年は20代のうちに1回から2回程度転職される会計士の方が多いと感じます。

公認会計士登録は公認会計士試験(論文)を合格し、業務補助や実務補習を経て修了考査に合格しなければ登録できません。なので当初から転職を考えているケースであっても公認会計士登録を済ませた後に転職する方が多く、20代中盤から後半あたりで初めての転職といった傾向にあります。

中には修了考査合格まで転職を待てないという人もいらっしゃり、監査業務をやっていても単調で飽きる、つまらないなど早くいろいろ経験したいとお考えになって修了考査前に転職活動される方もいらっしゃいますが、基本的には修了考査が終わるまでは転職しない方が良いです。

今の市況であれば確かに会計士試験合格者という状態でも転職先はあるのですが、監査法人であれば修了考査のための試験休みも取りやすいですし、選択肢も多いですので余程明確な理由がない限りは辞めた方が良いでしょう。

監査業務自体もしっかり目的意識を持って取り組むことで身につくものも大きいですし評価もされるのでまずは焦らずに監査経験をしっかり積むことを基本的にはおすすめします。

その方が結果的に転職先の幅が広がり、キャリアアップにもつなげやすいので良い転職ができる可能性が高まると言えます。

ちなみに、コロナ前の2020年頃までは会計士登録前(修了考査受験前)の方々も転職市場で高い需要があり(人手不足だから囲っておきたい)、会計系コンサルファームなどでは監査法人にいる方に対して修了考査1年以上前に面接を受けてもらって、修了考査合格後に転職(1年待ってもらう)するといった形も可能など、かなり簡単に転職先の確保ができていたのですが、現在は監査経験が活かせる転職先であっても一定の監査経験(勘定科目一巡しているかどうか等)が求められる傾向にあるため、こうした採用要件の高まりなどの面からしてもまずは監査法人で最低3年程度(会計士登録まで)は勤務しておくことをおすすめします。

冒頭に会計士の転職市況はそれなりに恵まれているといった記載をしましたが、この転職先の幅を広げるためには会計士登録できる状態までは転職せずに監査法人で頑張ることをおすすめします。

ただし、例外もあります。

20代前半~中盤(25,6歳)の会計士はポテンシャルが重視される!?投資銀行など特殊な領域へ転職などキャリアによっては早いうちに転職する必要がある

希望する転職先が会計士の資格の有無が重要視される職場でないのであれば、ポテンシャルの高さが評価される年齢のうちに転職してしまった方が良いケースもあります。

例えば投資銀行へ転職したいといった希望を持つ会計士も稀にいらっしゃいますが、こうした領域への転職はまさにポテンシャルが評価される20代前半から中盤あたりまでに実現しておかないとかなり厳しくなってくるので、場合によっては修了考査を待たずに転職した方が良いことも考えられます。

経験を積んでからと考える方もいるのですが、こうした領域で求められる経験値を監査法人では積めませんので、ポテンシャルが評価される年齢のうちに転職してしまう必要があります。20代中盤ぐらいまでは経験値ではなくポテンシャルの高さが重視されるので、投資銀行などの難度の高い職場へもぐりこむチャンスがあると言えます(市況等にもよるところがあります)。

これは会計士に限った話ではなく、多くの職業に言えることです。ポテンシャルは若ければ若いほど高いとされるので、会計士資格が必要となる領域以外での転職は若いほど有利ですので、あなたの思い描くキャリアが会計士とはまた違ったところになってしまっているのであれば早く動いた方が良いでしょう。

ポテンシャル以外には態度・コミュニケーション能力・メンタルの強さなどが評価されますが、それはポテンシャルありきでの評価になってきます。

会計士としてのキャリアとして早めに転職した方が良い領域

特殊な領域ではなく、会計士としてのキャリアという視点で20代のうちに転職してしまった方が良い領域について見ていきたいと思います。

監査法人以外の領域でキャリアを積んでいく方が大半だと思いますので、そういった意味ではほぼ全ての領域で修了考査が終わって公認会計士登録ができる状態になったのであれば過度に恐れず転職活動をしてみることをおすすめします。

監査法人から転職してしまうと多くのケースで一時的に年収が下がるので多少のリスクはありますが、もっと先のキャリアまで考えると、むしろ監査法人での仕事経験しかない方の方がリスクは高い傾向もあり、ある程度外の世界を知っておく方が良いです。

特にベンチャーCFO等に興味がある場合は、20代のうちに会計系のコンサルに転職し経験を積んで、20代後半から30代前半・中盤頃までにベンチャーCFOといった流れが良いかと思います。
ベンチャーは比較的若い人を好む傾向にありますが、IPO準備企業においても最近は監査経験しかない会計士を敬遠する動きもあるので、コンサル等で経験を積むかもしくはCFOの下で学びながら経験できる事業会社ポジション等で修業し、経験を積んで再度転職というケース等を検討すると良いかと思います。

上記はあくまで一例となりますが、どのような企業、キャリアを志向しているかによりどのぐらい早めに転職した方が良いのか、逆に監査法人でもう少し長く頑張っても問題が無いのか等が変わってくる部分もあるので、会計士に強い転職エージェント等に相談してみることをおすすめします。

監査法人内でも最近はいろいろとチャレンジできる環境は整っていたりしますので、転職する前に積極的に手をあげて経験を積んでおくことがプラスに作用することもあるので総合的に判断していくようにしてください。

以下の記事にて監査法人にいるうちにやっておいた方が良いことに関する質問に回答しておりますので興味のある方はご覧ください。

監査法人での業務経験しかないと今後は転職市場で厳しくなっていく?

年齢が上がっていくにつれて、「経験」「スキル」が重要視されるようになります。20代のうちであればそれほど心配する必要はないのですが、30代以上になってくると社会人としての経験が重要な要素となり、ポテンシャルではなくスキル・経験が問われるようになってきます。30代中盤になると一気に採用のハードルが上がり、経験値・能力が重要視されてくるので、20代のうちに経験が積める環境へ身を置き、腕を磨いておいた方が良いです。
30代になってから経験しようと思って転職活動をしても採用され難くなるので大変です。

監査法人に就業する前に経理・財務やコンサルに従事した経験があればそうした経験は評価されますので事情は変わってきますが、監査法人での勤務経験しかない場合、今後年齢を重ねるにつれて監査法人以外の勤務先での転職は厳しくなっていくと考えられますので、20代のうちに次のキャリアについては目星をつけておくのが良いです。

どこに転職するにしても、財務・会計に関わる仕事をするのであれば監査法人での経験が評価されないということにはならないのですが、5年程度の監査業務経験を積んでいれば十分といった形の評価がされますので、それであればポテンシャルが評価される若いうちにコンサルティング会社や事業会社等への転職を目指してみるのが効率的で楽だと思いますし、リスクは低いと言えます。

なお、監査法人は20代でもそれなりに高い給与がもらえる職場なので、転職先のフィールドによっては一時的に年収が大きくダウンしてしまう可能性が高いです。それがために転職を躊躇するケースもあるのですが、一時的な年収ダウンを気にするのではなく、長い目で見た際のトータル面で見ると監査法人の外での経験は大きなプラスになり、結果的に生涯収入で見ればプラスになるかと思いますので経験の方を重視すべきでしょう。将来的に何かのきっかけで監査法人で働くことになったとしても、外での経験は活きます。

いずれにせよ、20代後半であれば、コンサルティングファームや事業会社、金融機関(投資銀行除く)、ベンチャーキャピタル、ファンド等様々な転職先へと転身できる可能性がありますので、チャレンジをしたい方はできれば20代後半から遅くとも30代前半までには転職しておきたいところです。

20代の会計士は早期退職も多いので注意

早期退職を繰り返す人もいるので注意したいところです。

例えば監査法人から経理へ転職したケースでは、思っていたよりも仕事がつまらない、残業は少ないが成長している実感が得られないなど、思っていたのと違ったという形で早期に再び転職をされる会計士の方もいらっしゃいます。

監査法人に不満があり、それ以外の領域が良く見えすぎてしまっているケースもあるので客観的な視点でしっかりとした情報を得ることも重要です。

20代のうちに転職して他の領域の経験をした方が良いとは思っているのですが、しっかりとした情報収集をせずに転職活動を行い、早期退職・転職を繰り返してもキャリア的にはプラスにならない可能性が高いですし、結局何も身につくけることができなかったということもあるので、キャリア的な視点と労働条件、当該企業の内情等の希望条件の双方の視点での情報収集をしっかり行った上で転職をする必要があります。

転職したいという気持ちだけで動くのも危ないです。

20代の会計士が転職を考える理由として、スキルアップしたい、クリエイティブな仕事がしたい(監査つまらなくて飽きた)など人によって様々ですが、転職することで何を得たいのか、実現したいのか、根本的なところはしっかりと押さえた転職を実現するようにしてください。

転職をしたい(監査以外のことがやりたい)という気持ちが先行し過ぎてしまっている方の場合は早期退職する傾向にあるので、情報収集をしっかり行い、自分に合ったキャリアと職場を見つけるような行動をするようにしてください。

20代の会計士で実際に転職に成功した事例がこちら!

ここからは、実際に20代の会計士で転職に成功した人の事例を見ていきましょう。

20代後半で監査法人からマザーズ上場(現グロース市場上場)の経理へ転職し着実にスキルアップ

監査法人で4年弱働き、一般事業会社へ転職を希望したKさんのケースを紹介します。

Kさんは大学卒業後に公認会計士試験に合格し、大手監査法人に就職しました。

仕事をしているうちに外部の立場ではなく内部の立場から仕事に関わりたいと思ったそうです。

監査法人では外部の人間としてクライアントと関わっていくことになりますが、内部で実際自身で数字を作り企業成長に直接貢献できる仕事をやりたいと思っていたKさんには監査法人での業務は徐々に合わなくなっていきました。

転職当時は20代後半で、主査・インチャージといった経験していない状態で転職を決意しました。
会計士の転職市場では一般的に主査経験者の方が評価が高い傾向にあるということを聞いていたようなので少し迷ったようなのですが、時間がもったいないということで思い切って転職活動を始めました。

いくつか事業会社の経理・財務部門の面接を受けていく中で、会計士の方が多く在籍するベンチャーの財務・経理部門と出会い、会計士が事業会社でどのようなキャリアを描いていくのかイメージが掴めたこと、また、他の会計士がいることにより安心感があったことから転職を決めました。

大手上場企業の経理・財務では会計士が在籍していることも珍しくありませんが、ベンチャー等への転職のケースでは、あなたが最初の1人目ということが多いです。

そうした環境へ転職すると周囲に仕事について質問することができず、うまく立ち回れずに早期退職に繋がるケースがあります。こうした環境に合う人と合わない人で大きく傾向がわかれてくるので最も注意したいところと言えます。

一方で会計士が他にも在籍している環境へ転職すれば不足していることを補いながら新しい業務に入っていける傾向にあり、新しい知識も学びやすく、体系的な知識・スキルが身につくのでキャリアアップという視点では良い傾向にあります。勉強が得意な方が多いので、こうした教わることが可能な環境へ転職した方が結果的にキャリアアップがしやすい傾向にあるように感じます。

会計士という資格を保持しているケースでは周囲の期待も大きくなりがちなので、あなた自身が裁量を持ってリードしていけるマインドを持っているかどうかなどもしっかり見つつ、どのようなバックボーンの方が在籍しているのか確認すると良いでしょう。

20代中盤でFA業務を経験した後事業会社の財務・経理へ転職したNさん

事業会社へ転職したいと考えていたものの、現在のスキルでは力不足な部分も多いと感じていたNさんは、財務・会計系のコンサル会社で経験とスキルを身につけてから事業会社へ転職することを検討しました。
CFOになりたいと考えていたこともあり、特にファイナンス部分の経験を積んでおきたいと考えたからです。

Nさんは大手監査法人に3年半勤務しておりましたが、ファイナンス部分を強化するにあたり、大手の財務コンサル会社だと業務が縦割りで、特定ジャンルの経験しか積めないと感じたことから、中小規模のコンサルへと転職し、自身が中心となって一気通貫でプロジェクトに参加する経験を得た後、事業会社の財務・経理責任者候補として転職しました。

転職時は29歳と20代後半での転職となりましたが、監査法人での経験とコンサル会社でのFA(M&Aにおけるデューデリやバリュエーション、その他財務経理指導等)の経験が活き、現在も活躍中です。

監査法人から直接事業会社に転職する人は多いのですが、先のキャリアを考えるとコンサルティングファームでの経験も大きくプラスになります。

多くの方がBig4fas等の大手コンサルを志向される傾向にありますが、先のことも考えると中小の良いクライアントを抱えたコンサルティングファームの方が経験値としては良い物が得られるケースもあるので、あなたの目指すキャリアによって大手コンサルに限らず、中小も検討すると良いかと思います。

転職事例をもとにした会計士の転職先やキャリアについて記載している記事もございますので以下もご参照ください。

監査法人から転職したい会計士が活躍できる転職先は?

20代の会計士に人気の転職先はこの3つ!

20代の会計士の転職先としては、大手事業会社・外資企業・ベンチャー・コンサルティングファームなどがあります。

スキルアップしてより上へ行きたい人、目先の給与よりも長い目でみて安定する職場に行きたい人など、人によって転職先に求めるものが違います。

ここではおすすめの転職先を3つ紹介しますが、自分が何を求めているのか熟考した上で、転職先を決めましょう。

ベンチャー企業

IPOを経験したいという若い会計士は多いです。CFO候補などのポジションに就きたいと考え転職活動を始める方も多く見ました。

昔はベンチャーというと給与が安くて組織も安定しないところが多かったのですが、昨今は大型資金調達を実現するベンチャー企業は多くあり、資金が潤沢にあるベンチャーが多くなっています。そのため転職当初の給与の面でも割と悪くない金額が貰えるケースも多くなっているのもベンチャーにチャレンジしやすい要因となっています。

また、万一転職したベンチャー企業と相性が悪かったとしても、監査法人は人手不足のため、いつでも出戻りできるという安心感もあり(監査法人に出戻りたいという人はもちろん少ないのですが一定数いらっしゃいます)、また、その他財務会計コンサルへの転職も十分可能な状況であることから、ベンチャーへの転職にチャレンジする会計士は増えています。

しかし、これは現状の話です。いつまで潤沢な資金を保てるか不明ですし、ベンチャー界隈の採用ブームもいつまで続くかわかりませんので、ベンチャーに興味があるのであれば若いうちにチャレンジしておくと良いでしょう。

ただ、ベンチャー企業をおすすめしておいてなんですが、個人的な考えとしては、コンサル→ベンチャーの順番の方がキャリア的なリスクは少ないので、このあたりの順番も考えてみてください。

なお、先ほど出戻り転職は容易と記載しましたが、それでも短期離職の回数が増えると会計士といえど転職市場で不利になることがあるので注意はするようにしてください。

ベンチャー企業への転職に興味のある方は、会計士のベンチャー企業への転職に関する記事と、ベンチャー企業でCFOとしてIPOを経験した会計士の転職の記事をしっかりご覧ください。

コンサルティングファーム

上昇志向が強い人にはコンサルティングファームがおすすめです。

以前はコンサルティングファームには即戦力になる人しか転職できませんでしたが、現在は人材確保を優先している場合が多いので転職しやすいです。

そのため、コンサル未経験の20代会計士でも転職が可能です。

一般的なコンサルは学歴フィルターがあるので一定度以上の学歴が求められますが、会計士の主な転職先である会計系のコンサルファームということであればそこまで気にする必要はありません。

英語が得意などアピールポイントがあると転職できる確率がグッと上がるでしょう。

また、CFOを目指したいという公認会計士の方は多いのですが、ファイナンスやビジネススキルが足りないという理由で不採用になるケースは非常に多いです。

そのような方の場合、コンサルティングファームにて業務経験を積むことで、経営・ビジネススキルを磨くことができるので、CFOや企業の経営企画等の要職としての転職も可能となります。

なお、会計士の場合は会計系コンサルへ転職するのが一般的で、戦略コンサルなどは大半の方が不採用となります。もし戦略コンサルを目指すのであれば、相応の準備が必要です。

公認会計士のコンサルティングファームへの転職
公認会計士のFAS業界への転職

大手事業会社の経理

ワークライフバランスや安定を重視する公認会計士の方は非常に多くなっており、そうした方が事業会社の経理を志望することもあり、人気の転職先の一つとなっています。

上場企業などでは経理部門で会計士を複数抱えるケースも多く、監査法人での経験しかない会計士でも業務に入っていきやすい環境が整っているケースは多いので、監査法人から事業会社へ転職といったパターンは多いです。

ただ、事業会社経理も思いのほか忙しいので、もしワークライフバランスを目的としているのであれば注意すべき点もあります。

そのため、事業会社の経理への転職に興味のある方は以下の記事もご参考ください。

会計士の事業会社の経理への転職

20代の会計士の需要は高く、転職市場では最強レベルである

20代の会計士で転職を成功させている人は珍しくありません。というより、他の多くの職種と比べても転職がかなり簡単にできる職業であると言えるでしょう。

監査法人から転職して活躍している若手の会計士は本当に近年増えており、様々なロールモデルが生まれています。こうした会計士の持つ可能性について知りたいというケースではネット上でも調べれば出てくるかと思いますし、エージェントなども多数事例を持ち合わせているので相談してみると良いでしょう。

そのため、会計士のキャリアに少しでも興味があるなら、転職活動を始めてみるとよいかと思います。

転職は若ければ若いほど多くの選択肢・可能性があるので、ためらわずに活動してみると思いがけないキャリアと出会えたりするものです。

それに今後はいかに多くの経験・体験をしているかということが重要な要素となってきますので、様々なチャレンジを行っていくと良いかと思います。

転職活動をしたら必ず転職をしないといけないということはありませんので、まずは自身にどのような可能性があるのか知る意味でも転職活動をやってみても良いでしょう。

なお、20代公認会計士の転職ではマイナビ会計士レックスアドバイザーズを活用して転職を実現される方が非常に多くなっています。

先々転職を検討しているという方はキャリア事例等の情報も参考になるかと思いますので、情報収集も兼ねて相談してみると良いでしょう。

その他転職においては、成功体験のみならず失敗体験等も参考になりますので以下の記事なんかもご覧ください。

また、ワークライフバランスに優れた20代会計士におすすめの求人も合わせてご覧ください。

会計士が転職でワークライフバランスを実現するポイント
公認会計士の転職エージェント・転職サイトを紹介!

20代公認会計士におすすめの転職・求人情報

20代の会計士にマッチしそうな求人をいくつかピックアップいたしますので興味のある方は是非ご覧ください。

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なお、20代の会計士の場合、監査法人勤務で初めての転職という方が大半かと思いますので、以下も参考にしてください。

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樋口 智大株式会社インテグラルベース 代表取締役
公認会計士・税理士・経理などの士業・管理部門の人材紹介を行う株式会社レックスアドバイザーズで勤務し、転職エージェントや会計専門メディアの事業の立ち上げを経験。その後、株式会社インテグラルベース(厚生労働省特定募集情報等提供事業者51-募-000806)を創業。現在は転職・採用・人事に係わるコンサルティングや求人サイトの運営を行っています。 士業JOBでは、これまで培った人脈と10年弱に及ぶ転職や採用に関する業務経験・実績を活かして転職に役立つ情報の配信を行っている他、多数の人材紹介会社とも協業し、最新の情報をブラッシュアップしながら配信を行っています。また、行政書士試験に合格しており、士業としての活動にも力を入れていく予定です。 執筆者・監修者・編集者情報へ