司法書士の仕事内容 商業登記ってどのようなことをするの?

商業登記とは

商業登記とは、株式会社などの会社に関して、重要な事項を登録して、広く一般に公開することによって、取引の安全と円滑化を図ることを目的としたものです。会社は、設立の登記を完了することによって正式に成立したことになります。商業登記には、個人商人が行う商号登記などもありますが、ここでは、株式会社登記について説明します。

株式会社の登記事項

株式会社の登記事項には必ず登記しなければならない事項と、定款などで定めているときに登記しなければならない事項とがあります。すべての株式会社が必ず登記しなければならない事項は次のとおりです。

① 目的
② 商号 
③ 本店及び支店の所在場所
④ 資本金の額
⑤ 発行可能株式総数
⑥ 発行済株式の総数並びにその種類及び種類ごとの数
⑦ 取締役の氏名
⑧ 代表取締役の氏名及び住所
⑨ 広告をする方法
上記の登記事項のほか、会社によって、株式会社の存続期間または解散の事由についての定款の定めがあるときのその定めや、取締役会設置会社であるときはその旨など、会社法で定められた登記事項に当てはまる場合は、それらの事項も登記しなければなりません。
  

株式会社の設立登記の手続

株式会社の設立の登記は、本店の所在地において行います。株式会社の設立登記申請書には次のような添付書類が必要となります。

① 定款
 定款は、会社の組織や運営に関する基本的なルールを定めたものです。定款は本店所在地の公証人役場で認証を受けなければなりません。定款の内容は何十条にわたる場合もありますが、絶対記載しなければならない事項は次の五つです。
・目的
・商号
・本店の所在地
・設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
・発起人の氏名又は名称及び住所 
② 発起人の決定書
 発起人が、本店の所在場所及び払込金を振り込むべき金融機関を決定した旨の書面です。
③ 就任承諾書
 設立時の取締役、監査役全員の承諾書です。代表取締役を選任する場合には、代表取締役の就任承諾書が必要です。
④ 印鑑証明書
 設立時取締役全員の個人の印鑑証明書が必要です。取締役会を置く場合は代表取締役の印鑑証明書のみでかまいません。
⑤ 本人確認証明書
 実在しない人や他人の氏名を勝手に使うなどして取締役の登記をされたりすることのないよう、取締役及び監査役全員分の本人確認書類を添付しなければならないことになっています。具体的には、運転免許証や個人番号カードの写し、住民票、戸籍の附表の写しなどです。印鑑証明書でもかまわないので、印鑑証明書を提出している取締役については必要ありません。
⑥ 出資の払い込みを証する証明書
 銀行の株式払込金保管証明書若しくは、振込みがされた口座の通帳の写しまたは銀行の銀行取引明細書に会社代表者の証明書を添付します。
⑦ 印鑑届出書
 印鑑届出書は会社の実印である代表者印を届け出る書類です。
 
登記申請はオンラインで行うこともできます。ただし、印鑑の届出等はオンラインで行うことができないので、直接窓口に出向くか、郵送する必要があります。

変更の登記




登記事項に変更が生じた場合は変更登記をしなければなりません。商号が変わったり、本店の
所在地が変わったりした場合などです。どの会社も必ず行わなければならないのは、役員の変
更登記です。

取締役の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総
の終結の時までとなっています。したがって、2年に一度は役員の変更登記をしなければなり
ません。
 
公開会社(株式会社が発行する株式の全部または一部につき、株式の譲渡について、株式会社の承認を要する旨の定款の定めのない会社)以外の会社は、定款により、取締役の任期を10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することができます。

役員の変更登記をしないまま、最後に登記をした時から12年を経過した場合は、休眠会社の整理作業の対象となります。その後も登記または事業を廃止しない旨の届出をしない場合には、解散したものとみなされ、登記官の職権により解散の登記がされることになります。

司法書士として株式会社の設立登記申請にかかわった場合は、設立後もその会社の変更登記すべき事項について、遺漏のないようフォローしてあげることが大切です。