現在M&A市場は活発であり、転職先候補としても人気となっています。
高年収が期待できる職種でインセンティブ要素が大きいことから、入社2年目には数千万から多いと数億円の給与を得ている方もいらっしゃり、こうした部分も人気の理由の一つとなっています。
ただ、転職を検討されている方がお持ちの不安事項として、激務、ノルマが厳しいといったものがあげられます。
また、M&Aがやりたいといっても漠然とした知識しかお持ちでない方も多く、どのようなポジションがあるのかわかっていない方も少なくありません。
そうした面も含めてM&Aコンサルタントとして転職するケースについて見ていきたいと思います。
また、それと同時に面接・書類選考のハードルが非常に高いため、転職活動のポイントやエージェントの活用の良し悪しについても触れていきたいと思います。
目次
M&A仲介会社のM&Aコンサルタントとして転職される方のバックボーンについて
まず、そもそもM&A会社が募集する要件について見ていきたいと思います。
M&Aというと、営業力や財務・会計・ファイナンスの知識がないと転職できないと思っている方もいらっしゃるようですが、必ずしもそうではありません。様々なバックボーンの方が働いています。
一般的には例えば公認会計士等の財務・会計プロフェッショナルや銀行で法人営業等を行っていて経営者との折衝やファイナンスの知識を持ち合わせている方などは比較的転職しやすい傾向にあります。
それ以外でいくと、例えばIT業界に特化したM&A会社では、元エンジニアやディレクターの方が活躍していたりしますし、その他の会社でもファイナンス等とは関係の無い領域において高い営業実績を残して来た方やコミュニケーション能力を活かして働いている方もいらっしゃいます。
仲介ではなくM&Aアドバイザリー業務を主として行っているような企業ですと財務・会計のバックボーンが重要視され、M&Aの戦略策定から財務DD、バリュエーション、合併後のPMI等の専門性を活かした業務のため公認会計士等のプロフェッショナルが求められることが多いのですが、M&A仲介を主とした業務の場合、売り手と買い手の経営者の間に入り、交渉を行うことから高い営業力や経営者とのコミュニケーション能力が求められます。
そのため、金融機関やその他領域で高い営業実績を出して来た方や経営者との折衝に長けている方はM&A仲介を行う企業での需要はとても高い傾向にあります。
銀行などの金融機関からの転職の場合、一般事業会社へ転職すると大きく年収が下がってしまうことからこれまでのキャリア・年収という双方の視点からうまく合致するM&A仲介という業種へと転職されるケースが増えている状況です。
M&Aコンサルタント(仲介)は激務なのか?
M&A仲介というと営業ノルマがきつく激務というイメージをお持ちの方も多いようですが必ずしもそうとは限りません。
個人に対してノルマが課せられる企業等では確かに人によっては大きく負担を感じることもあるかもしれません。
ただ、最近はチームで業務を行うM&A仲介企業も多く、チームで目標達成を目指していくケースではこの限りではありません。
チームで目標を達成し、インセンティブを得ていくのでワークライフバランスを保ちつつそれなりの高年収を得ることが可能な企業もございます。
あなた自身がどのようなものを望むかによって転職先は変わってくるかと思いますので、各M&A仲介会社の特徴を知る上でも、業界についての知識が浅いけどM&Aに興味のあるといった方は一度転職エージェントに相談してみると良いかと思います。
全くの未経験者でも20代~30代前半であればM&Aコンサルタントとして転職が可能なケースは多い
金融や会計、その他専門領域を持たない方であっても強い意欲があればM&A仲介企業へと転職することは現在のところ可能です。
基本的には20代ということが前提にはなりますが、営業力・コミュニケーション能力が優れており、営業職として高い実績が残せそうであると判断されるケースでは転職成功の可能性は割と高いです。
ただ、転職のハードルが低いというわけではなく、あくまで可能性は大きいということになりますので、面接に臨む際はなぜM&Aがやりたいのかといった動機や営業やコミュニケーション能力が優れていることをアピールできるようにしておきましょう。
M&A業界への転職で求められるもの
改めてM&A領域への転職で求められることについて見ておきたいと思います。
M&Aといっても、M&A仲介を行うコンサルタント職(営業)やファイナンシャル・アドバイザリーサービスを提供するコンサルティングファーム、事業会社内でのM&Aポジション等によって求められる能力・スキル・マインドは異なってきます。
そのため、ここではそれぞれごとについて簡単に見ていきたいと思います。
M&Aコンサルタント(営業)へと転職するにあたって求められること
M&Aコンサルタントに求められるスキルとしては、新規顧客(売り手・買い手)を開拓する営業力、経営者との折衝に必要なコミュニケーション能力、加えて様々ある資料をしっかり読み解き要点をまとめる事務職能力が求められるため、ビジネスマンとして高いスキルが求められます。
特に一番見られる要素としては、新規開拓営業力となり、自身で発掘する能力は必須と言えるでしょう。
M&A経験者のみならず、未経験者の採用も積極的に行っており、銀行や証券会社での法人営業経験を持つ営業の方は、経営者との折衝経験や財務・ファイナンス等の知識も備えていることが多いため、比較的未経験でも採用されやすい傾向にあります。
また、その他の領域においても、高い営業実績とコミュニケーション能力を有する方であれば、十分転職のチャンスはあります。ただし、未経験者の場合は30歳を過ぎるとよほどのポテンシャル・実績が無いとなかなか選考に通過するのは難しいのが実情です(不可能ではありません)。
このポジションは比較的一定の人気がありますが、理由としては高い営業成績を収めることで多額の報酬(年収)が得られるというメリットがあります。
短期間で多くの収入が得られるチャンスがあることから、営業力に自身のある方がチャレンジすることは多いです。
ただし、面接のハードルは比較的高く、これまでの実績をしっかり伝えるとともにM&Aに関する意気込みをしっかり伝えられるように準備しておきましょう。
FASやアドバイザリーサービスを提供するM&Aコンサルティング会社への転職で求められるもの
公認会計士や財務・会計コンサル経験者の方が転職する先としてM&Aのアドバイザリーサービスを中心に提供するファームの求人案件となります。
M&Aアドバイザリー経験者は比較的転職がしやすいですが、未経験者の場合、バックボーンとして、公認会計士・税理士の資格者(監査法人での監査経験や大手税理士法人での経験)や事業会社で財務・経営企画を行っていたような方となります。
財務・会計・税務・ファイナンス等における強みを活かした転職となりますが、これらを経験することで、先のキャリアにも幅が出来るので人気となっています。
なお、M&Aにおいては大手Big4FAS等では業務が縦割りなので、一気通貫で広く経験したいという方は中小のファームや大手でも独立系のファームへの転職も視野に入れると良いでしょう。
事業会社内のM&A担当として転職する際に求められること
企業によりかなり異なりますが、M&A企画を行うにあたり、ファイナンスを重視するポジションがあるケースやM&Aソーシング、ディーリングハンドリングが求められるポジションまで様々なため、バックボーン・求められるスキルも様々です。
いずれのケースにせよ、自社がM&Aを実施するにあたりどのようなシナジーを生み出すのか等の検討が必要となることから、単に財務やファイナンスの知識があればよいということもなく、ビジネス視点での判断能力も求められます。
未経験者が採用されるケースはほとんどありませんが、企業によっては若手で財務・会計バックボーンの方を育てていく前提で採用するケースもありますので、こうしたポジションを狙っている方は当社のような転職エージェントサービスに登録し、機会を待つのも良いでしょう。
求人情報そのものも非公開のケースが大半なので、求人サイトを見ていてもなかなか情報は得られませんので一度ご相談いただければと思います。
M&A業界で働く魅力
上記で記載しましたが、M&Aコンサルタントの場合、大きな報酬を得られつつ、ビジネススキル全般が高く身につき、開拓力も養われることから、将来起業しようと思っているといった方や早く大きなお金を稼ぎたいといった人まで様々なメリットがあります。
注意点としては、転職のハードルもそれなりに高く、仕事も楽ではありません。
対価は大きいですが、その分結果を出す必要がありますので、高い営業マインド・スキル・コミュニケーション力は必須条件となります。
一方で、M&Aアドバイザリーの方で行くと、多くの企業の財務やビジネスモデルに触れる機会があり、ファイナンススキルのみならず経営企画・経営管理的なスキルが身につきます。
どのようなコンサルティングファームへ転職するかにより、業務範囲が異なるので一概に言えませんが、将来CFOを目指しているといった方はFASや財務アドバイザリーを経験しておくと大きなプラスとなります。
ただし、ファームごとで対応クライアントも異なりますし、財務DD要員として採用されてしまうとDDしか出来ないなどの問題も出てくるため、転職の際はしっかり先のキャリアも見据えておくと良いでしょう。
M&Aの流れについて
求人票を見ると、「ソーシングからエグゼキューションまで一気通貫で行っていただきます」等と書かれているケースがあると思いますが、ソーシングとは案件の開拓から交渉までのことを指しており、また、エグゼキューションとは契約の締結などのクロージングまでを指します。
未経験の方向けにM&Aにおける一連の流れについて簡単に見ておきたいと思います。
基本的にM&A仲介としては案件を開拓することが課題となることが多いですので、営業力や経営者とのコミュニケーション能力がとても重要な要素となります。
M&A業界は基本的に転職のハードルが高いため相応の対策が必要
例えばM&A仲介のコンサルタント職を例に見てみます。
まず、書類選考・面接突破のハードルが基本的にはかなり高いです。
書類選考においては、高い営業実績とその根拠をしっかり書類に落とし込み提示する必要があるのですが、具体的に何をどう記載すると先方に響きやすいのか意識しながら書類作成を行う必要があります。
単に数字目標を達成したと言ったような曖昧な記載ではなく、あなたの成績が全体のどの程度に位置しているのか、より上位に入るために何が足りなかったのか等各種要因が分析できているか等が伝わるような内容である必要があります。
また、書類選考の後にSPI的な自頭力を見るテストが実施されることも多いのですが、足きりにあう人も少なくありませんので、最低限の対策は取っておく必要があります。
各先行のフェーズのハードルは高く、入社するのが難しい傾向にありますので、
そのため、基本的には転職エージェントに登録し、対策を受けながら内定を目指すのが良いでしょう。
転職エージェントについて
ここではM&A仲介のコンサルタント(フロント・営業サイド)として転職を考えるにあたってという前提で転職エージェントについて見ていきたいと思います。
なお、基本的にここまでで記載した通り、選考のハードルの高さという側面から過去選考事例を知る意味でもエージェント利用は必須である他、求人そのものも非公開で募集しているケースも多いので、基本的には利用をおすすめします。
なお、会計士など財務・会計・ファイナンス系職種でM&Aに興味のある方はM&A業務がやりたい公認会計士の転職についてのページもご参照ください。
求人数トップクラスのリクルートエージェント
リクルートエージェントはM&A仲介の転職に特別強いことをアピールしているエージェントではありませんが、それでも登録しておいた方が良いと言えます。
まず、M&A仲介営業の経験者・未経験者に関わらずM&Aに係わる求人案件の量がトップクラスに多いということが登録する意義として挙げられます。
たまにM&A未経験で尚且つそれほど営業実績も高くないのに最大手のM&A仲介会社を希望される方もいるのですが、基本的にそういった方は選考の対象とならないため、もう少し規模を落としたところで経験を積む必要があるケースが大半なのですが、そうした別の選択肢も考えなければならない状況になった際も該当する求人を多く保有していることと、なんだかんだ転職実績が豊富なので各種事例(入社後のこと、選考に関する事等)が豊富なので、役に立つ基本情報を多数仕入れることができます。
キャリアの相談という意味ではそこまで凄い内容のカウンセリングが行われるわけでは無いのですが、情報が豊富なので個人的には良いと感じます。
良い出会いの確率を高めるためにも豊富に求人企業を保有するリクルートは外せないと言えます。
その他転職エージェントに関する情報は随時更新して参ります。
M&A業界へ転職するなら基本的にエージェントから情報を取得しましょう
M&A仲介のコンサルタントといっても、各社ごとで求められる経験や働き方は大きく異なります。
当然報酬体系も異なり、成功報酬として受け取れる割合に違いも出てきます。
あなたが何を重視するかによりマッチする会社は異なりますのでしっかり情報を取得し、尚且つ選考においてもハードルの高さがあるのでしっかり対策の上転職活動に臨むようにしてください。
→かなり重要な部分で、これができるかどうかで大きく成果が変わってきます。
ただ、見込み客の獲得方法に関しては企業ごとで手法が大きく異なり、紹介やインバウンド中心のところもあります。どのようなことを求めているのかによって転職先は変わってきます。
・分析・準備(資料収集・分析、戦略・スケジュール策定など)
・マッチング
・合意書、契約書の作成代行、助言
・デューデリの実施
・クロージング、フォロー