2015年に野村総研が、2030年にはAIが人の仕事の49%(およそ)を奪うと発表しました。
そこから3年程経ちましたが仕事がなくなるどころか、人手不足が加速しています。
今後も人手不足は続いていくことが予想されており、AI等ですぐに仕事がなくなるわけではないという考えが多い一方で、
それでも士業の仕事(一部)は2030年までになくなるという意見は多いです。
目次
営業したくないから税理士・会計士を目指したという文系が多いという事実
私の周りにも多いのですが、
営業や対人関係の仕事が苦手で、極力事務業務に徹したいということで、
会計士や税理士の資格を取得された方が結構多かったです。
コンサルティング等の新しい業務がやりたいという人も多い一方で、
人と関わらずに仕事がしたいという方も多いものでした。
これまで手に職をつければ安泰だと考える方は多かったのですが、これから先はこうした考えは危険でしょう。
というか現時点でもうダメになりつつありますよね。
公認会計士であれば、単純な監査業務、がなくなる(簡素化)のはなんとなく想像がつくと思いますし、
税理士であれば、記帳代行・一般的な税務申告業務などはなくなってしまう(簡素化)ことは容易に想像がつくかと思います。
一見知的労働に見えますが、作業部分だけを見れば、ぶっちゃけ誰でもできる単純業務です。
ルール(法律)を覚えるのが難しいだけであって、ルールさえ把握していれば誰でもできますし、
誰がやっても同じ結果になります。
ルールを覚えて正確に業務を行うのは機械の方が得意です。
また、AIが要因というわけではありませんが、
エストニア等では税制を簡素化した結果、難しいスキームやルールを覚える必要がなくなり、
国内の税務や会計業務はほとんどなくなってしまい、税理士や会計士がそれほど多く存在していません。
みんなボタンをポチポチ押して簡単に税務申告しています。
税理士はいりません。
※海外展開支援等のコンサルティング業務をやっている士業はもちろんいます。
ちょっとかなり大げさに書いてしまいましたが、こうした会社に引きこもって作業が完結するようなものをやっていたい方の仕事はなくなってしまうものと考えられます。
これは士業に限らず、その他の職種でも同様です。
ただ、誤解してはいけないのですが、会計士や税理士などの士業の仕事がなくなってしまうわけではありません。
対人折衝やクリエイティブな業務ができる人の仕事は増える
最近の傾向から見てもわかると思いますが、
対人折衝が得意な人はどんどん仕事を増やしているかと思います。
例えばあなたの周りで、税務や会計のスキルはたいしたことないのに、独立してどんどん仕事をとって事務所を大きくしている方って一人くらいいると思うんですよね。
そういう人って、ただ調子が良いだけって評価をされているケースも多く、業界内では嫌われていたりする可能性も高いのですが、
仕事をたくさんとってきているという事実はあります。
仕事を依頼する側からしたら、細かい職人的なスキルの良し悪しなんてわからないので、
対人で印象の良い人に仕事を頼む傾向は多くなると思います。
今後はAIやRPA等の活用で単純業務はどんどん簡素化されていくので、こうした人はさらに仕事を抱えていくことができるようになる可能性が高いです。
私も税理士に仕事(顧問)を依頼していますが、
正直スキルの良し悪しなんてわかりません。
要求した業務を完遂させてくれるのは当然のこととして、
常に役立つ情報を教えてくれたり、税務に関する面白い話を教えてくれる税理士の方を重宝しています。
それは対面だったりメールやチャット等様々なのですが、
絶えず私が抱える課題を把握して、いろいろ提案してくれるので助かっています。
作業なんか正直たいしたことやってないんでしょうけど、先々起こり得る問題や対策の提案、補助金やら助成金の活用などいろいろ助かってます。
結局お金がかかるので提案してもらったことをほとんど実行していなくて申し訳ないのですが(笑)。
クラウド会計の対応と各クラウドツールとのAPI連携なんかもやりたいと税理士に言ったのですが、最初は全く理解してもらえなかったものの、フットワークが軽く、いろいろ調べてすぐ勉強してくれて、似たような業種の事例など、いろいろ便利になる事例も持ってきてくれて助かった記憶があります。
クラウドやIT化は私の方が詳しかったのですが、結局実現したいことが法律上、作業上問題ないことなのかどうかわからなかったので、そこへの理解の速さと調査スキルはたいしたものでした。
とにかく人を楽しませたい、喜んでもらいたい、という考えで仕事をしていると言ってました。
こうした、人を喜ばせる、楽しませられる人(お笑い的な意味ではありませんよ)というのは仕事が増えていくでしょう。
逆に職人的にはすごいスキルを持っているのに対人スキルが弱すぎて仕事が取れない、長続きしない人というのは本当にもったいないことだと思います。
対人折衝もなく、職人的な働きを重宝されるケースもある
士業の方の事例ではないのですが、
例えばエンジニア等は外向きのコミュニケーション能力を要求されないことが多いです。
※外向きというのは飲み会で盛り上がるトーク術だったり、営業マン的なスキルの事です。
webサービス等を運用している企業においては、プロダクトの完成度が売上に直結するため、
エンジニアの職人的なスキルの高さがそのまま業績に繋がります。
このようなケースにおいては、コミュニケーションスキルとかそういうものではなく、いかに高い技術力を保持しているか、という点が重要視されます。
そのため、対人折衝力がなくても、人からどんどん仕事を頼まれたり依頼されたりします。
要するにこのような方々は職人的にクリエイティブな仕事ができるということです。
税理士や会計士の場合、いわゆる士業としての業務を行うケースにおいては、
企業の売上や業績に直結するようなことはなく、
むしろ法律で決まってるからしょうがないから頼む、というケースが結構多いかと思います。
経営コンサルや指導などは違うのかと思う方もいるかと思いますが、
これらはあくまで補助的なものになるので、事業を加速度的に伸ばすという点においては弱く、
エンジニアのように職人に走ってしまっては稼げなくなるでしょう。
また、そもそもコンサルするにあたっては対人折衝が必要になるので、このあたりの能力は必須となります。
今のところ思い当たるものがないのですが、
エンジニアのように、企業の売上に直結するようなクリエイティブな業務に税理士や会計士としての職人的な仕事が活かせるものがあれば、職人芸に走っても大丈夫かと思います。
こういうものを見つけられたとしたら、それはとても強いでしょう。
ただ、個人的にはやはり対人折衝能力を磨くことをおすすめします。
税理士や会計士の人と話をしていて思うのは、彼らはとても優秀で勉強熱心で、いろんなことを知っています。
彼らも心の中ではもしかしたら、この経営者なんでこんな無駄なことやっているんだろう、とか思っているのかもしれませんが、
そうした、もっとこうしたらよくなるのに、を上手にアウトプットして提案してあげるだけでもかなり違ってくると思います。
どんなに税務や会計の仕事が単純化されても、日本の税制が複雑なのは変わらないので、結局心配事はたくさん抱えています。
そういうものを汲み取るヒアリング能力とそれらを解決するための提案力や告知力をちょっと身につけるだけで結構仕事とれると思います。
もったいないなといつも思ってます。
スキル等が身につかない職場にいるのであれば転職も視野に入れても良い
現在の転職市況は売り手市場であることはご存知かと思います。
未経験の分野に新たに飛び込むのも良いですし、
スキルアップやキャリアアップを目指して新たな業務が経験できる転職先へと移ることも可能です。
何か変えたいとお考えであれば今はかなり良い時期です。
こうした市況の時にチャレンジしておくことで、万が一失敗してしまった場合でも、
リカバリーが可能です。
転職を繰り返すのはもちろんよくないのですが、万が一転職で後悔してしまったとしても、何とかなるという精神的な安心感がある状況で転職活動を行うことで、
冷静な目で求人選びができます。
後がない状況で焦って転職をすると、失敗のリスクは高まるものです。
また、転職するにあたっては、転職エージェントの活用もおすすめします。
自身では気づかなかった新たなキャリアの可能性やあなたが現在お持ちのスキルと希望する将来像や働き方を照らし合わせ最適な求人先の提案が受けられるでしょう。
こうした状況におけるおすすめの転職エージェントを紹介しますので、参考にしてみてください。
また、本記事と似たような内容で以下のような記事もありますので参考ください。
転職サイト・転職支援会社の紹介
士業や管理部門で働く人向けの求人数がとにかく豊富なので、たくさんの可能性・選択肢の中から転職先を選んでいきたいという方には良いでしょう。
税理士・会計士の方は多くの方が既にこちらのエージェントを利用しているかもしれませんが、紹介させていただきました。
公認会計士が創業したということもあり、安心できるエージェントです。
転職相談に力を入れているため、今後のキャリアについて悩んでいたり、
少し行き詰っていると感じている方はこちらのエージェントに相談してみると良いでしょう。
監査法人などに勤務している方で、次のキャリアに悩んでいる方におすすめの転職エージェントです。
監査法人の求人は当然保有していますが、それ以外にコンサル・事業会社の求人をたくさん保有しており、転職実績もここ最近ではトップクラスだと思われます。
監査法人の次のキャリアでお悩みの方に特におすすめです。
人気記事税理士が転職して活躍できるフィールドは?税理士の転職先と転職事情を考える
こちらはAI等のテクノロジーも活かしている士業向けの転職サイトです。
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