経理の転職で繁忙期を避けた方が良い理由 繁忙期の転職活動はNG?

経理は会社の数字を取り扱う部署ですが、各数字の取りまとめを行う決算の時期が決まっているので、明確にいつが繁忙期なのかがわかりやすい職種です。

そして、この繁忙期はとても忙しくなります。

そのため、この繁忙期に転職活動をする時間を確保することは難しい傾向にあります。また、仮に時間があったとしても、求職者自身が採用側もきっと面接とかしている場合じゃないから求人募集もしていないだろう、と思っており、迷惑がかかるかもしれないから繁忙期は転職活動しない方が良いだろうといったことを思っているケースも多くなっています。

しかし、あなた自身が忙しくて転職活動ができないという事情を抜きにして考えれば、繁忙期でも求人募集は普通に行われているので、転職活動を行っても問題無い場合が多くなっています。3月決算でない会社も多数ありますし、人員体制がしっかりしている企業であれば、採用と実務をうまく平行できるケースが大半です。求人募集自体も、決算対応のある3月~5月頃でも普通に大量に出ています。

あなた自身が忙しく、応募書類の作成などのクオリティが下がってしまう心配がないなど、あなた自身の時間と転職活動の時間をうまくバランスが取れるのであれば、問題ないと考えます。

意外と応募者が少ない時期なので、採用されやすいこともあり、転職活動するのにおすすめの時期ではあります。

こうしたこともあり、繁忙期に転職活動を行うべきか悩む方も多いようでしたので、本記事では繁忙期の時間の使い方も含めた経理の転職のタイミングを解説します。ぜひ転職に活かしてください。

 

経理の繁忙期はいつ?

ご存じの通り経理部門には繁忙期があります。転職活動のスケジュール指標にもなりますので、年間のスケジュールや繁忙期を把握することは大切です。まずは、経理の年間スケジュールを確認し、転職計画の参考にしましょう。

一番忙しいのは年度末からの決算対応時期(一般的には3月~5月)

多くの企業が3月決算なので年度末を3月と想定すると、年度末である3月~5月は経理担当者が1年で一番忙しい時期です。1年の営業活動の成果を決算書でまとめる決算時期は、どこの企業の経理部門でも繁忙期になるでしょう。

法人税の納付や、株主に向けた決算書の作成など、年度末の経理部門の仕事負担が大きいのが一般的です。経理の仕事は毎日のルーティーンをこなしていれば、決算もスムーズというわけではありません。年度末はどうしても多忙になります。

この時期に辞めることは一般的に難しいのですが、転職活動そのものは行っても問題ありません。

繁忙期であっても良い求人があれば積極的に受けていきたいという方だけでなく、繁忙期明けにスムーズに転職活動を行えるように備えておきたいと考える人も多くいらっしゃり、繁忙期の間に転職エージェントに登録して情報収集や応募書類作成などを行い、繁忙期明けの求人募集が増えるタイミングでしっかり動けるように準備を行う方もいらっしゃいます。
繁忙期は面接を行う余裕が無いという人も多いですが、転職する意思が強いのであれば準備を可能な限り進めておくことは非常に良いと言えます。

上半期のスケジュール

経理部門の上半期(4月〜9月)のスケジュールは、新しい年度に対応するための社内体制の調整や、決算申請の準備、住民税の特別徴収への対応などです。新年度特有の業務が生じていきます。

会社が新しい年度を迎えたことに伴い、発生する業務と中間決算に向けた準備が業務の中心になる時期です。予定納税か中間申告をするかどうかを見極める時期でもあります。

求人募集、求職者どちらも比較的多い時期です。

下半期のスケジュール

経理部門の下半期(10月〜3月)は、中間決算を行う場合なら未収処理や未払い処理をする機関から始まるでしょう。それらの処理は10月に行います。11月に入ると年末調整の準備、12月になったら年末調整を完成させる流れです。

1月は各市町村に給与支払報告書を提出、2月からは決算に向けた準備をします。3月は決算ですので経理部門の下半期も忙しさはあるでしょう。業務の計画性が翌年度のスタートを円滑にします。

 

経理の閑散期はいつ?

経理部門は年間を通じて忙しい時期が続くわけでもありません。月次や年次のタイミングで閑散期は訪れます。経理職へ転職を考える方は閑散期を狙って動きたいところです。

以下に、月次と年次における閑散期の時期を解説します。

月次の閑散期

月次における経理部門の閑散期は、月の中旬です。月初の作業が落ち着き、月末の締め作業まで時間的な余裕が生まれるタイミングとなります。

月の中旬の経理担当者の作業時間は少なめで、定時で帰れることも増えるでしょう。プライベートを充実させることもできますので、時間を有効に使ってください。

年次の閑散期

年次でみる経理部門の閑散期は、8月から10月頃になります。年度始めの決算申請や、住民税納付、社会保険関係の業務が一段落したタイミングです。

また、会社の夏休みもあり、経理部門で働く方にも余裕が生まれてくる時期です。夏場に経理部門への転職を行えば、受け入れる企業側にも余裕が生じている状態です。満足のいく教育を受けることも可能になり、会社に馴染みやすくもなるのです。

 

経理の転職は繁忙期を避けた方がいい理由とは?

経理の方が転職をする際に繁忙期を避けた方が良い理由としては、繁忙期に入社しても企業側も教育に時間が取りにくい等の問題があり、また、あなた自身も忙しい時に転職して周りに気を遣うことも多くなり、居心地が悪かったりするなどの問題が考えられるからです。

また、会社の雰囲気に馴染めないまま、一定期間を過ごすことにもなるでしょう。なので、基本的には他社の経理部門へ転職を考えるのであれば、閑散期の転職(入社)を考えましょう。

転職活動そのものは繁忙期の中でもできるのであれば行って問題無い

ただ、あくまで避けた方が良いのは入社のタイミングが繁忙期と重なるタイミングなので、転職活動自体は2月や3月頃から行っても問題ありません。

繁忙期だから採用募集を行っていないとも限らず、むしろ繁忙期明けの入社を目論んで転職活動を行っている方を狙って求人を出すケースも多くあり、丁度1月~4月あたりで面接・内定出しを行い、4月下旬から5月頃に入社して、といった形をとることも多いです。

なので、転職活動をする時期としては、あなたの状況を見て、という形で良く、あくまで入社のタイミングという部分が重要となります。

事業会社の内情と経理職の特徴をしっかり熟知している経理職の転職エージェントなども上手に活用することでこうした「タイミング」に関する悩みの解消ができるケースもあるので利用を検討しても良いでしょう。

求人そのものが繁忙期明けの方が多い傾向もある

断定はできませんが、基本的に求人の数そのものは繁忙期明け(あるいは繁忙期前)の方が多い傾向にあるので、選択肢を増やすという意味では繁忙期明けの方が良いと言えます。

ただ、決算時期は必ずしも3月と決まっているわけではありませんので、一般的な繁忙期に転職活動をすることで思いがけない企業の求人と出会う可能性もあります。

そのため、あなた自身が動けるのであれば、今が繁忙期だから、閑散期だからといったことを理由とするのではなく、転職に興味があるなと思ったときに情報収集を始めてみるのが良いでしょう。

一般的に退職は1ヶ月ほど前に申し出れば可能

転職を決意した時に悩むのは、退職意思を申し出るタイミングでしょう。

一般的には退職の1ヶ月前に退職の意思表示を行い、業務の引き継ぎをします。法的には退職したい日から2週間前に退職届を提出で構いません。しかし、業務の引き継ぎ等を円滑にするには1ヶ月くらい前からもう出るのが望ましいです。

経理は退職に時間がかかる

会社の金銭を管理する経理部門の担当者は、一般的に退職するまで時間がかかります。企業規模や、経理部門の人数によっても違いますが、引き継ぎを完了させるのに3ヶ月程度の期間がかかることもあります。

退職が決定した際には、余裕を持って引き継ぎを進めることが必要です。後継者に業務を問題なく引き継ぐことができないと、後で問題に発展する可能性もあります。退職が決まった際には、早めの引き継ぎを意識しましょう。

経理が転職を考えたら入社は閑散期を狙うのが良さそう

経理職の方が転職を考えたら、基本的には転職先企業の閑散期を狙いましょう。転職先の企業も閑散期であれば、新たな人材への教育を積極的に行えます。

会社の雰囲気になれるためにも、業務が忙しくない閑散期の入社を検討しましょう。転職した時期が繁忙期であれば、業務にうまく適応できない可能性があります。

 

経理の転職の流れは?

経理職の方が転職を行なうにも、在職中か退職した後かにより、転職活動の進め方は違っていきます。以下に、経理の方が転職を進める際の流れと注意するポイントを記載していきます。

在職中か退職後かで行動は変わる

転職は在職中か退職後かで行動は変わります。在職中は生活の不安を感じることなく、落ち着いた転職先選びを進めることができます。

しかし、面接などの転職活動に必要な時間を割くのが難しい場合があります。退職後の転職活動は、時間的な余裕はありますが生活に対する金銭的な不安が出ることが考えられます。早く転職先を決めたいと思い、条件などを妥協してしまうことには注意が必要です。

昨今は最終面接まではオンライン面接を取り入れてくれる企業も多いので時間的な余裕は作りやすくなったことから、在職中でも転職活動がしやすくなってきていると言えます。

企業への応募から選考結果までは時間がかかる

企業規模にもよりますが、応募してから書類選考など時間がかかることが多いです。大手企業ならば、自社の経理部門にマッチするかを慎重に判断することがあります。

場合により、選考結果が出るまで1ヶ月以上かかかるでしょう。特に退職後に転職を検討するのであれば、ブランク期間を生じさせることが無いように、早い段階から動きましょう。

現職の退職交渉

経理部門の方が退職を認めてもらうためには、それなりの期間を要することが多いです。

会社の金銭を扱う重要な部門である経理の仕事ですから引き継ぎを円滑に進めることができなければ、円滑に退職できない可能性もあります。転職を考える際には、現職の退職交渉に余裕を持って進めていきましょう。

 

経理の転職は引き継ぎを考えて長期的な視点で考える!

経理の方が転職をするには、繁忙期を避けて閑散期に動きましょう。忙しい時に転職をすると、転職先も自分も余裕のない業務開始となってしまうでしょう。

現職の引き継ぎに時間を要することも踏まえ、余裕を持って転職活動を進めてください。

なお、転職にあたっては、面接スケジュール調整等志望企業との調整を行ってくれる転職エージェントの利用等も視野に入れると良いでしょう。

最低限登録しておきたいのが、多くの方がご存じかと思いますがMS-Japanは利用しておきたいところです。

中小規模から大手上場企業、ベンチャーまで広く経理の求人を有しており、経理職の転職事情に対する理解、管理部門の採用に関する各種事情を熟知しているので、適切な転職活動の実現が可能です。繁忙期に動くべきかどうかのアドバイスから含めていろいろ意見をもらうことができるので、もしまだ利用していない人は検討してみてください。

経理の繁忙期における転職のまとめ

ここでは、経理職は繁忙期での転職は避けた方が良いかどうかというテーマで記載させていただきました。

繁忙期を避けた方が良い理由を記載するとともに、皆様方にマッチする経理求人がいつ出ているかは正直わからないという事情も説明させていただきましたが、結論としては、転職活動そのものは繁忙期に行っても問題無いが、会社になじむという意味でも入社は繁忙期明け(入社先企業の繁忙期を避ける)になるように調整した方が良いというところです。

決算月が3月ではない優良企業も多数あるので、あなた自身が自身の繁忙期に情報収集のために動けるのであれば積極的に動いて損はありません。

良い求人と出会う確率を高めるためにも転職エージェントを利用した方が良いかと思いますので、定期的に希望等に合致する求人の案内がいただけるよう準備をしておくことも検討してみても良いでしょう。

具体的に転職を検討されるフェーズにきている経理パーソンの方は以下の記事もご参考頂けましたら幸いです。

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