公認会計士試験合格後、ほとんどの会計士が監査法人に勤務することと思いますが、監査法人入所後3年、長くても10年以内に半数以上の方が辞めていくことになります。
Big4監査法人に勤務していた知り合いの会計士に聞いた話でも、毎年次々に若手が辞めていく(退職メール)という話を聞くので、離職率はかなり高いのではないかと思います。
参考として、ジャスネットキャリアのサイトで公認会計士が執筆する記事でも10年以内に5から7割が監査法人を辞めていくとの記載があります。
※参考:監査法人の離職率は高い?監査法人や辞めたあとに広がる進路・転職先
理由は様々ですが、近年は若手の公認会計士が比較的早期に監査法人を辞めるケースが目立っており、監査の仕事に対する不満やマネジメントに対する不満、将来への不安、繁忙期における激務からの不満等により監査法人を辞めたいと考え転職するケースも増えております。また、ベンチャー企業のCFOを始めとして会計業界以外で活躍する会計士が増え、会計士のキャリアフィールドがとても広いことが認知されてきたことも監査法人を辞めたいと思う要因になっているでしょう。
きっかけ・理由は様々ですが、監査法人を辞めたいとお考えの潜在的な転職予備軍はかなり多くなっているのは間違いありません。
監査法人側の対策としては多様なキャリアパスの可能性や各種制度も含めた労働環境の見直し等は進んでおり、一時に比べれば環境は良くなっているもののそれでも監査法人から離職される方は多いのが現状です。
ここではそんな監査法人を辞めたいと思う理由や背景、辞めた後の転職先、キャリア、辞めなかった場合などについて見ていきたいと思います。
辞めたい理由によってマッチする転職先は変わってきますので、安易に転職するのは危ないですので、しっかり吟味しましょう。
目次
監査法人を辞めたいと感じる理由
監査法人を辞めたいと思う理由はたくさんありますが、代表的なものとしては「残業が多い(繁忙期の)」「将来不安」「監査に飽きた、つまらない」「キャリアパスの多様性」「マネジャーは激務な上に給料安いから」というものがあげられるでしょう。
監査法人の繁忙期での激務度で辞めたいと感じるなど、ワークライフバランスの意識
繁忙期での忙しさについていけず辞めたいと感じる方は多い印象です。
特に女性の公認会計士の方はこうした働き方をずっと続けていくことは難しいと感じる方は多いようで、安定した労働環境を求める方は少なくありません。
中には激務から心や身体を壊してしまう方もいらっしゃり、忙しさから逃れたいと考えて辞めたいなと思うようになる人もいらっしゃいます。
繁忙期の忙しさはかなりのもので、終電に間に合わずタクシー帰りが多くなり、休日出勤も当たり前という状況が長く続きます。
特にインチャージとして複数のプロジェクトを抱えていたりすると自分の時間はどんどんなくなっていくでしょう。
近年スタッフ層は残業時間が制限されていることもあり、環境は良くなっているという話も聞きます。ただ、マネジャー等の管理職層は業務カバーが必要となることから激務となるケースがあります。また、スタッフ層としてもマネジャー含めた管理層の捌き次第で忙しさが変わるため、上の方の能力によっても左右されるところはあるでしょう。
人手を増やそうにも公認会計士の人数自体が急に増えるわけではありませんし仮に採用できたとしても辞めていく人も多いので一向に人手不足がおさまる気配が無いと言えます。
AIやRPAの導入なども進められていますので先々監査業務は簡略化されるでしょうが、まだまだ具体的な実用化には時間がかかり、今すぐこうした業務全てが改善されるものでもありません。
そのため、監査法人にて一定度勤務してきた方は、ワークライフバランスを求め事業会社の経理等への転職を考え始める傾向にあります。
特に20代後半の女性に関しては、先のライフイベント見据えて福利厚生が充実している企業の経理部門への転職をされるケースも多いです。
ただ、ワークライフバランスを考えての事業会社への転職は方向性としては良いと思うのですが、事業会社へ転職したからといって必ずしもワークライフバランスや福利厚生が充実しているわけではありませんので、事前にしっかり情報収集を行っておきましょう。
転職先を見誤らなければ、事業会社の経理に関わらず、安定した労働時間を求める転職は比較的容易ですので、このワークライフバランスを保つための転職というのは可能かと思います。
マネジャーは激務でその割に給料安いから辞めたい
マネジャーになる前に退職する方が多いのですが、なってから辞める人もいらっしゃいます。
上記でスタッフ層の労働環境は良くなった、と記載しましたが、そのマシになった分のしわ寄せはマネジャーに来ています。
ただ、マネジャーになっても言うほど給料も上がらないですし、働きたい放題プラン見たいな感じなので割に合わないと感じる方は多いかと思います。
また、スタッフ層も、マネジャーを見ていてその前に転職してしっかりとしたキャリア作っておいた方が良さそうだ、と感じる方も多いのが辞める人が多い要因の1つでしょう。
なお、マネジャーの管理に不満を抱えるスタッフの方もいらっしゃいますが、案件のマネジメント者によって大変さが変わるという意味で下からの声のストレスもあるでしょう。マネジャーの立場は大変です。
監査以外のことが経験できないから辞めたい
監査業務経験だけでこの先大丈夫だろうか?多くの方が心配に思うことかと思います。
監査業務はいろんな会社の数字と関わることができますので、汎用性のある知見は得られますが、実務として見た際は特殊な傾向にあるため、キャリアという視点で見た際はずっとやってても広がりにくい傾向にあります。
監査経験は役に立たないという意味ではありませんが、その知見を活かして早い段階でさまざまなことに応用していく経験を積むのが良いと考える方が多くなり、監査法人を辞める会計士が増えるのは、必然かなとも思います。
若いうちであれば、実務経験ばかりでなく、知見が評価されます。
若手会計士には広い可能性がある状況と言えます。
人間関係がよくない、ついていけない、干されるなど
監査法人では人間関係が要因で退職をされる方もいらっしゃいます。人間関係に関してはいろいろと内部で働いている方が感じやすい部分もあるかと思いますので、これが転職要因になるのはイメージが付きやすいのではないでしょうか。
仕事のスピード感・効率・正確性などのテクニカルな面で監査の仕事についていけないという方が内部でうまくやっていけないケースはもちろんのこと、コミュニケーション能力の問題や集団の中での立ち居振舞が苦手で干される方もいらっしゃいます。
監査法人はチームで仕事を進めていくわけですので、所内・チームでの関係性が重要となります。あなた自身のコミュニケーションの仕方や行動にもよるところが原因でアサインされず干されてしまう方もそれなりにいらっしゃいます。
仕事ができなくて嫌われるケースであれば監査法人以外ではうまくやれることも多いのですが、コミュニケーションや性格などの面だと転職を繰り返す傾向にあります。
いずれにせよ干されてしまうと居心地は悪いですので辞めたくなるケースは多いでしょう。
あくまで一例ですが、同僚・上司・パートナー含めて人間関係が要因となった転職というのは多くなっています。
また、クライアントとの相性やクライアントとのコミュニケーションがうまくできずそれが要因となり所内での人間関係が悪くなるケースもあります。
ただ、人間関係含めて、監査法人でうまくいってなかったからと言って、他の領域でもダメかというとそのようなことはありません。
むしろ、どちらかというと監査法人が特殊な職場であることを考えると、意外と外に出た方がうまくやっていける可能性もあります。
クライアントとしっかりとしたコミュニケーション取れる仕事がしたいから辞めたい
クライアントの顔(全体像含め)が見えないということで、もっと顧客に寄り添った仕事がしたいという理由で大手監査法人を辞めるケースもあります。
一気通貫で顧客に関わりたいという気質をお持ちのケースでは大手監査法人は合わないケースもあるでしょう。
先程記載した人間関係含め、コミュニケーションや人との関わりが要因での退職は多くあります。
将来への不安から監査法人を辞めたい
AIやRPAの台頭により会計・監査業務がなくなってしまうのではないか?監査業務は単純作業も多いしつぶしがきかず将来のキャリアが心配、、、といった漠然とした不安から監査法人を辞めたいなと感じるようになる人もいらっしゃいます。
テクノロジーの進化がどう影響するかは不透明な部分も大きいのですが、現時点において、実際問題監査経験しかない公認会計士は年齢が上がるにつれて転職市場では会計業界以外においてはそれほど求められなくなっていきます。
例えば30代中盤以降になり、監査経験しかない公認会計士が転職を考え始めた際、年齢と経験値との比較から不採用になるケースはかなり増えてきます。
会計士として持っている知識・経験が全く活きないというわけではありませんが、会計士のよくある転職先である経理・財務にしても、実務をしていくにあたっては新たに覚えてもらうことも多くなりますので、戦力として見た時に年収と30代中盤として求められる能力とのバランスが悪く、採用に至らないケースは増えます。
20代や30代前半までであれば監査法人での経験+他の一般的な経理人材が持ち合わせない専門知識などが評価され比較的容易に転職できるのですが、30代後半あたりになってくると一気にハードルが上がり、これまでの経験が重要視されてくることになるのでご注意ください。
そういった様々な要因から20代中盤~30代前半くらいまでの方が将来を考えた結果監査法人を辞めて新しい経験を積むために転職をします。
なお、誤解してはいけないのが、監査経験が無意味ということではありません。
また、監査の仕事を続けていきたいと考える方は、それはそれでキャリアはあるものですので、絶対的に監査経験しかないと将来が危ないという意味ではありませんのでご注意ください。
監査に飽きたから辞めたい
監査法人を辞める際の理由として、監査に飽きたというものが最も多いかなという印象です。
監査法人入所当初は覚えることも多いため、新鮮な部分もあるかと思いますが、4,5年程度経ってくるとルーティン業務が多くなり、作業をしている感覚に近くなってくるため飽きが来るのです。
そうしたこともあり、最近はアドバイザリー業務へと移る方も多くなっています。
監査法人でもキャリアの多様性ということが言われているので、以前に比べるといろんなことが経験しやすくなったのかなと感じます。
ただ、監査法人以外のキャリアも気になるという方が多いため、アドバイザリーも視野に入れつつ外部のコンサルティング会社や事業会社へ転職した場合とキャリアパスはどう異なってくるのか、といったことも気になる方は多くなっています。
そうしたことから会計士としてのキャリア全般をまずは把握するという意味合いも含めて会計士のキャリアに詳しい転職エージェントに相談される方も多くなっています。
全体像や一般的な会計士のキャリアを知ることであなた自身のキャリアも見えてくることもありますので、まずはそうしたものをその先のキャリアも含めた事例も交えて情報を得ることも重要であると考えます。
会計士試験に合格される方は優秀な方が多く、ポテンシャルも高いので監査だけということではなく、様々なことにチャレンジするのも良いかと思います。
会計のスキルをクリエイティブに活かすことは可能なので、広くキャリアを見ることも検討してみましょう。
監査法人から転職したい会計士が活躍できる転職先は?のページで各フィールドについて説明しているのでこちらのページも合わせてご確認ください。
監査法人を辞めた後のキャリアとしてどのような転職先があるのか?辞めたい理由によって選択は変わる
監査法人を辞めたい、、、と思ったら、先ほど記載したようにまずは会計士にはどのようなキャリアがあるのか知っておくことが重要かと思います。具体的な転職先としては、会計監査に関する知見に加えてプラスアルファのスキルを身につけるべく、FASなどのコンサルティングファームやIPO準備中のベンチャー企業も含めた事業会社の経理・財務・経営企画への転職を検討する会計士が多くなっています。
監査法人を辞めたい理由によってはマッチしないところも多いですし、そもそも監査経験だけだと転職しにくい領域もありますので、そのあたりも加味しながら記載させていただきます。
事業会社(大手上場企業等)は監査法人の忙しさに耐えられない、仕事の量についていけない、福利厚生重視などのケースでは一定度おすすめできる
昨今の傾向としては監査法人の次のキャリアとして事業会社の経理・財務を選択する方が非常に多くなっています。
理由としては、残業の少なさやワークライフバランス、安定を期待してというものが多いです。
監査法人の繁忙期明けの転職の場合、ワークライフバランスに意識がいきがちなので、事業会社人気が高くなります。
全ての事業会社に当てはまるわけではありませんが、大手企業であれば実際に残業時間はそれほど多くありません。
労働時間も比較的安定していて決算などの繁忙期でも監査法人ほど忙しくなく、休みは取りやすい傾向にあることからワークライフバランスを求めて転職されるケースが多くなっています。
特に上場企業であればコンプライアンス意識の高さからしっかりと体制が整備されており、公認会計士も社内に数名既にいるケースが大半ですので、業務にも入っていきやすい傾向です。
ただ、事業会社と一口に言っても多くの企業があるので、しっかりと情報収集を行うようにしましょう。
公認会計士の事業会社の経理への転職は失敗も多いのページで会計士の事業会社への転職に関しての失敗などにも触れていますのでご参考ください。
ベンチャー企業は監査に飽きたという場合におすすめできる場合がある
監査に飽きたとかIPOやりたいとか人によりマチマチですが、アグレッシブな性格の会計士がベンチャーへ転職します。
CFOという肩書に興味がある方は多いため、一定の人気があります。
職種にかかわらず、日々変化する環境で試行錯誤しながら業務を進めていくため、飽きは来ません。
キャリアとしても、何もないところから作り上げていく過程は大きな評価をされるので、悪くないです。
ただ、早期退職も多くなっています。
悪いことを書こうと思うといくらでも記載できる領域です。1つ言えるのは、IPOフェーズがN-3期以降に入ってからの転職だと旨みが少ないので、IPOフェーズによってはかなり微妙かなと思います。
あとは、経営陣の性格や方向性と考えが合わず、居づらくなってやめるケースも多いです。
アタリの職場を見つける難易度は上場企業と比べるとかなり高いので、しっかりと情報収集を行いましょう。
ベンチャー企業に転職する公認会計士が増えているのはなぜ?などもご参考ください。
ベンチャー経営者の中には管理部門を軽視する方も多く、監査法人の時とは違った変なストレスを受けることもあります。
ベンチャーCFOというとなんかカッコいい響きがありますが、実態はそうでもないことが多いです。
会計士は真面目で育ちが良い方も多いので、イメージだけで転職するのはやめておきましょう。
ベンチャーに興味がある方は、個人的にはIPOが見えている企業よりかは、スタートアップで早期のジョインが可能なところを狙っていくとキャリアという面も含めて面白いかなと思います。
コンサルは監査に飽きた、スキルアップ、ステータス、キャリアの広がりを目指す場合におすすめ
FAS等の会計系コンサルへ転職される方も多く、このあたりが会計士の一般的な転職先となっています。
監査法人からの転職だと、なんとなくコンサルティング業務の経験をしてみたい、という理由で転職を検討する方が多いですが、汎用的なスキルが身につくので、キャリアの選択肢が広がるという意味ではスキルアップ志向の方にもマッチします。
大手Big4系FAS、独立系中小FASなどファームにより仕事の進め方から得られる経験値までことなりますので会計ファームに詳しいエージェントから話を聞いておいた方が良いでしょう。
言うまでもありませんが、コンサルの方が監査法人の時よりも忙しいというケースが大半ですので、ワークライフバランス重視の方は要注意です。
また、コンサルと言っても監査法人同様に大手であれば分業制となっているので、思ったような経験が積めない場合もあります。
なぜコンサルなのかなど転職動機を整理したうえで転職先を決定していきましょう。
なお、コンサルの定義として、会計に関するコンサルティング業務を経験したい、という形でコンサルティングファームの意味合いを広く見ているのであれば、税理士法人系のコンサルティング会社などでワークライフバランスを実現できるケースもあります。
後は補足として、FASなどは確かに忙しいのですが、FASで4,5年頑張ると、事業会社の経営企画などの道も増えるので、転職する将来的なリターンは大きいかなと思います。
FASへの転職をお考えのケースでは公認会計士の転職で人気のFAS業界とは?のページもご覧ください。
会計事務所は将来独立を目指す場合の転職先としては有りな場合がある
あまり多くはいらっしゃらないのですが、会計事務所あるいは別の中小監査法人への転職を検討される方もいらっしゃいます。
会計事務所という選択を取るケースでは独立が視野に入っているケースが多いです。
この場合は税務に興味がある会計士の会計事務所への転職に関するページも合わせてご覧ください。
ワークライフバランスだけを考えるのであれば、良い会計事務所もあります。
ただ、キャリア的な目線で見るとマッチしないケースも多いです。
中小監査法人は監査自体は好きだがワークライフバランスがBig4だと取れないと感じるケースでおすすめできる
中小監査法人へ転職というケースもあります。
監査は好きだけど大手だと自由度が無い、労働時間もキツイということで、中小のそれほどきつくない監査法人への転職を考える方もいらっしゃいます。
ただ、中小監査法人にもいろいろありますので良い環境の中小監査法人を目指したい場合は会計士特化の転職エージェントに相談してください。会計業界での転職であればどちらかというと老舗のエージェントが情報が濃いです。
後は、副業がしたいという公認会計士も多いのですが、Big4監査法人だと制限があるため、中小監査法人へ転職されるケースも多いです。
個人的に、将来独立考えているのであれば、中小監査法人もいいかなと思います。
監査法人、会計コンサルなど含めた会計業界で大手だけでなく中小も視野にということであれば、レックスアドバイザーズが情報量が多い傾向にあるため、相談してみるのも良いでしょう。
PE/VCなど投資ファンドはファイナンス系に行きたい方や将来CFOを目指す方
ファンドへ転職される方もゼロではありません。
ファイナンス方向のキャリアに興味があるという方もいらっしゃり、その場合は若いうちにポテンシャル採用を行っているファームへ移るのが得策だと言えます。
また、自分自身が投資する側へ回りたいと考える会計士もいらっしゃり、PE/VCになんとなく興味を持つ方がいらっしゃいます。
ただ、転職のハードルが高いですし、激務ですし、なかなか厳しいです。
投資ポジションへ転職できたとしても、ファイナンスの知見だけでなく、コミュニケーション能力が案外求められるので、合わない会計士が多い傾向です。
エージェントに登録し、ファンドに興味があるという話をすると、それならバックオフィスはどうですか?と提案されることもあるかと思います。
ファンド経理という特殊な道があります。
経理としては給料が高く、人によってはマッチすると思います。
ただ、キャピタリスト的なポジションはもちろん、ファンド経理も監査法人の仕事についていけないとか、激務で辞めたいとか思っている層には向かない転職先な傾向にあるので、慎重に選びましょう。
いずれにせよ、入社までのハードル、入社後のハードルが高いので、会計士に加え、こうした領域に強いエージェントにも相談しておきましょう。
辞めたいと思ったらすぐに転職して問題無いのか?監査法人からの転職のタイミング
冒頭で少し記載しましたが、キャリアによっては早々(3年程度)に監査法人を辞めてしまっても問題ありません。
ただ、会計士として仕事をするのであればどんなに早くても修了考査合格までは監査法人で頑張るべきでしょう。
3~5年程度の監査経験はしておいた方が良いケースもあります。
やめたいと思い始めた時の求人市況にもよるところはありますし、場合によってはもう少し監査法人で経験した方が良いケースもあります。
その時の状況次第というところもあることからエージェントなどに相談しておくことをおすすめします。
監査法人からの転職先の記事でも、それぞれの領域におけるタイミングをキャリアの視点から解説しているので、こちらの記事もあわせてご確認ください。
とりあえず転職活動をしてみるのは有り
漠然となんとなく将来が不安だから辞めたいなと思っている会計士の方は転職活動をすることで自分が何がしたいのか見えてくるケースもあります。
先ほど記載したように会計士としてのキャリア・スキルを活かしてどのようなキャリアパスがあるのか知らないから希望が見えてこないというケースも多くあります。
なので、具体的に転職活動をしてみることでそれらを知ることができ、前に進むことができるかもしれません。
なお、転職活動をするといっても必ず求人に応募したりしなければならないこともなく、まずは職務経歴書を作って見たりエージェントに相談してみたりといったところから始めれば良いかと思います。
「絶対に今すぐ転職ということではないが、良いところがあれば転職したいと思っている」と伝えれば求人の案内は受けられます。
監査法人を辞めたいという場合、転職活動はエージェントやヘッドハンティングサービスを活用することをおすすめします。
彼らはたくさんの会計士のキャリアを見てきているので、あなたの監査法人を辞めたいという理由に対してどういったアプローチが最適か、どういった選択をするとどうなるかなど事例を交えて情報提供してくれます。
また、具体的に転職をする段階になった際にも、公認会計士を対象とした求人は非公開のものが多いという点と、そもそも監査法人に勤務する会計士が転職活動に不慣れという方が多く、書類応募や面接等で失敗し不採用となってしまうケースも多いので、そういった意味でもとりあえず登録しておいた方が良いかなと感じます。
そのような失敗を避けるべく、特に初めて転職される方に関しては、求人情報の提供から応募書類・面接対策等をしっかり行ってくれる転職エージェントを活用すると良いでしょう。
いずれにせよ、監査法人を辞めたいと思っているが監査法人以外でどのようなキャリアがあるのか情報収集しておくのがよろしいかと思いますので、いろいろと話を聞いてみると良いです。すぐに転職しないケースにおいても、情報収集しておくことで、監査法人にいるうちにやっておくべきことなども見えてくるでしょう。
その他、キャリア以外の視点を重視する公認会計士も多いのですが、例えば自分の時間を確保するために転職したい、結婚や出産を機に制度がしっかりしている事業会社に転職したいという方もいらっしゃるかと思います。
そうしたことも含め、キャリア情報や転職エージェントに関する情報をまとめた記事もありますのでご参考ください。