公認会計士試験論文式に合格し監査法人に入所してからまだ1年しか経っていない状況です。
正直なところ既に転職したいと思っておりますが、周りからは修了考査終わってから考えればいいのでは?と反対されています。
少し迷っています。
ただ、転職するべきかどうかという問題以前に、そもそも会計士登録前の状態でも転職すること自体は可能でしょうか?
目次
会計士登録前でも転職は可能だが転職理由や動機についての整理が必要
転職すること自体は可能です。
ただし、その場合、監査法人に入所してから2年以内の転職となると思われますので、なぜ他の監査法人、あるいは監査法人以外のフィールドへと転職したいと思ったのか、その理由をしっかり深堀して分析し、説明を求められた際に論理展開できるよう準備する必要があります。
面接で理由を問われた際、例えば監査法人で3年以上働き、修了考査に合格したことをきっかけに転職するケースであれば、「監査ではなく新しい業務にチャレンジしたい」というようなことを軸に転職理由を説明することが可能であり、企業側にも納得感を持たせやすいです。
ただ、入所して日が浅い状態だと「新しいことにチャレンジしたい」という理由は説得力に欠け、不採用となる可能性は高くなります。
転職先にもよりますが、ネガティブな理由で転職するのだと思われると厳しい結果になることもありますので、転職動機についてはしっかり考えておくようにしましょう。
転職理由・動機については公認会計士に限らず、どの職種でも重要な要素となります。
ここを整理するのは意外と面倒なのでないがしろにする方もいるのですが、転職する時だけでなく転職後に長く働いていきたいとお考えのケースでも、あなたにマッチする転職先を探す上ではとても重要なのでしっかり考えていきましょう。
転職先企業が公認会計士実務要件を満たすかどうかも確認しておく
さらに、転職先の企業及び携わる業務が、公認会計士登録の実務要件を満たすかどうかも必ず確認しておきましょう。
修了考査前に転職する方でも会計士資格自体は取得しておきたいという方が多いので、転職前にきちんと調べておきましょう。
その他、監査法人であれば公認会計士登録の要件である、修了考査合格のために試験休暇が与えられます。
これを理由に修了考査合格までは監査法人に勤めていた方が良いという声も聞きます。
しかし、修了考査前の試験休暇があることを理由に、修了考査の勉強開始が遅れたり、勉強時間が少なかったとの理由で不合格となってしまう方もいらっしゃいます。
事業会社等であっても有給などを用いて修了考査前に休みを取ることも可能な場合がありますし、監査法人勤務のように2週間ほど休暇が取れなかったとしても、逆に余裕をもって合格に向けた勉強をするためのモチベーションにすることが出来ます。
会計士試験合格者はどこに転職するのか?
転職先は様々です。
コンサルティング会社へ転職する方もいらっしゃいますし、事業会社へ転職される方もいらっしゃいます。
このあたりに関しては、監査法人を早々に辞めようと思う方は基本的にある程度希望があるケースも多いです。
公認会計士資格を取得している場合と比べればもちろん範囲は狭まりますが、採用基準として「会計士試験合格者可」というような求人も多いですし実際に転職している方もいらっしゃるので、売り手市場が続く現在においてはある程度広い範囲で転職先を探すことはできるでしょう。
また、希望する転職先や業務によっては年齢が若い方が良いケースも多々ありますので、転職するしないに関わらず、転職エージェントにとりあえず相談してみるのも良いかと思います。
なお、稀に会計士という資格や会計士のスキルを活かした業務そのものに興味がなくなり、全く違う分野へと転職される場合がありますが、こうしたケースでは若い方が有利なことの方が多いです。
転職前によく考えて見ましょう
一般的な価値観だと、修了考査が終わってから転職した方がメリットが大きいと考えられます。
一時的な感情で転職してしまうと後悔することもありますので、今一度なぜ転職する必要があるのかを振り返ってみましょう。
中には今すぐ転職する必要はないだろうと思われるような方も一定数いらっしゃいます。
そのため、なぜ転職するのか、そもそも今転職する必要があるのかしっかり見極めた上で行動を起こすようにしてください。
なお、先々のために情報収集しておくのは悪いことではないと思いますので、転職に興味のある方や悩んでいる方はご相談いただければと思います。
なお、修了考査の合格発表を機に転職を考えているという方は修了考査に合格したらすぐに転職しても大丈夫でしょうか?【公認会計士転職Q&A】もご参考ください。