税理士試験に理解のある会計事務所へ転職するなら税理士試験後の動き出しが良い?科目合格数は影響する?

税理士試験と転職について

税理士を目指している方にとって、税理士試験は1年に1回のビックイベントですね。

税理士試験後は転職活動が活発になることから、求人側も採用活動に力を入れる時期です。業務経験が浅い方やもっと税理士試験勉強に理解のある会計事務所に転職したい方、将来を見据えて実務経験を重要視していきたい方にとっては環境を変える絶好の時期です。

しかし、昨今の転職市場はこれまでとは少し違ってきているのが現実です。
そこで今回は税理士試験後の転職活動の進め方について解説していきたいと思います。

コロナ禍以降で税理士科目合格者など税理士試験勉強中・受験者向けの求人や転職の状況は変わっているのか?

税理士科目合格者や試験勉強中の方向けの求人推移

はじめに、コロナ禍以降の状況も鑑みながら税理士試験後の転職について見ておきたいと思います。

コロナ禍では多くの資格試験が延期や中止となる中、2020年8月の税理士試験は無事行われました。

2021年も税理士試験そのものは行われましたし、それ以降も試験自体の実施に問題は無さそうと言えます。

会計事務所の採用意欲は高い傾向は続いている

転職マーケットを見ても、税理士試験受験者の転職先である会計事務所業界に限定して転職の状況を見ると、依然として採用意欲は高いところが多く、採用は活発です。

コロナや世界情勢の影響によるダメージが甚大な業界をメインに取り扱っている事務所は少し採用を控える動きもありますが、それ以外も含めると現在転職が難しいという状況ではなく、むしろ税理士を目指す人が減っていることから特に若手に関しては超売り手市場といえます。

また、喜ばしい事態ではありませんがコロナの影響から始まり世界情勢の不安定化で経済状況が悪くなるとそれはそれで税理士の業務は発生することから会計事務所の仕事自体はそれほど減っていない状況です。

中小・零細企業を多く抱える税理士事務所では、補助金や助成金対応、資金繰り等様々な業務が発生していると言えるでしょう。

また、再生業務を行う税理士法人等も同様です。

そうした中において現在も税理士試験合格を目指す受験生を支援してくれる会計事務所の採用は多い状況ですので、転職をお考えの方は現在であれば今であれば良い事務所へ転職することも問題無いかと思います。

コロナ禍以降デジタル化対応により働きやすい会計事務所が増えた

コロナの影響で一つ良かったことがあるとすれば、各会計事務所のIT・デジタル化対応が進んだことでしょう。

各種ツールを取り入れフルリモートワークまでいかずとも、リモート勤務体制を整ている会計事務所は増え、また、顧問先とのやりとりもオンラインで行う会計事務所が増えました。

データのやりとりから記帳業務もデジタルを取り入れ半自動化のような形で単純作業を減らし、時間を有効活用できるようになってきた会計事務所も多いです。

移動時間のロスも含めて労働時間・残業時間削減につながっており、そうしたことが税理士試験勉強時間の確保にもつながっていきます。

税理士試験勉強を確保する上でも業務の効率化は重要であり、また、今後を考えてもテクノロジーの活用は不可欠です。

各種環境がそろっている会計事務所で働くことで、キャリア的にも時間的にも良いものが手に入れられる時代となっています。

なお、補足として、希望者は少ないのですが、会計業界ではなく事業会社の採用状況を見てみると、一般企業における会計・税務・経理などの職種を見ると、求人は減少しており、これまでと比べると少し厳しい状況となっています。

ただ、一定度以上のスキルを持つ方の採用需要は高く、どちらかといえばただの作業員(単純作業を行う事務員的ポジション)の求人が減っているだけのように感じます。

そうしたことを見ても、税理士業界でも同じことは言えるようになるでしょうから、税理士試験勉強を頑張るのはもちろんですが、その先に資格を持っているということだけではない強みも身に着けていくことを意識した転職も考えたいものです。

少し前置きが長くなりましたが、税理士試験前後の転職活動について見ていきましょう。

税理士試験前から転職の準備が必要?

税理士試験直前は最後の追い込みの時期のため、転職活動に時間を割くのは難しいですよね。

転職活動どころか、転職やキャリアについて考えている余裕もない方が多いでしょう。

従来、税理士試験が終わった直後から各専門学校では就職合同説明会が開催されるなど、転職市場が活発になり、求人数、転職希望者共に最も多い時期となるのが通例です。

そのため、税理士試験が終わってからじっくり転職について考えればいいというのがこれまでの一般的な考え方でした。

ただ、ここ数年は少し状況が変わってきています。

税理士試験後に転職マーケットが活発になることに変わりありませんが、採用側の会計事務所の動きは少し変化しており、1年中転職チャンスに溢れているというのが実情です。

最近の税理士法人・会計事務所の採用状況

昨今、会計事務所は人手不足が続いており、転職マーケットは売り手市場となっています。

これまで採用要件が税理士試験科目3科目以上など条件を厳しく設定していた会計事務所などでも、1科目、あるいは合格科目無しでも採用する傾向になっています(同じ税理士試験受験生でも年齢などによりこのあたりの要件は変わってきます)。

これは、税理士を目指す若者が減っていることにより、ポテンシャルがありそうな若手を早めに囲っておきたいという理由や仕事の依頼はたくさん来るが、人手が足りないため依頼を断らなければならないといった事態が発生しているなど、人材不足による転職者有利の状況が続いているからです。

そのため、会計事務所側は、年間を通して「良い人がいたら採用する」という方針をとっているところも少なくなく、必ずしも税理士試験後に「良い求人」がたくさん出てくるわけではなく、1年の中で求人が動いているというところは押さえておいた方がいいでしょう。

税理士試験合格発表後など合格科目増えてからの方が良いのか?

転職理由と転職先にもよるため一概に言えません。

例えば、税理士試験勉強に集中できてキャリアも一定度つめる事務所へ転職したいといった理由であれば基本的には合格科目数をあまり気にせず早めに動き出した方が良いでしょう。

昨今は税理士試験科目合格数の要件の緩和や受験生向けにしっかり環境を整えている会計事務所が増えましたので、少しでも早く環境の良いところに身を置いて勉強した方がキャリア的にも合格のスピード的にも良い可能性が高まるからです。

ただ、この辺りは年齢とのバランスもあり、どちらかと言えば若手向けの内容になり、個々人の状況により変わる部分もあるので、個別の具体的な内容についてはエージェント等に相談するのが良いかと思います。

その他、ある特定の事務所にどうしても入所したいというケースがあれば、その事務所の入所ハードルが高い可能性はあるので、どの科目に合格している必要があるかなどサーチしてから行動を起こすようにしましょう。この辺りはエージェントに聞くのが手っ取り早いです。

基本的に現在の市況的には、税理士試験勉強中で試験勉強の時間確保と実務のバランスを目指したいという意味での転職ということでしたら、税理士試験後、あるいは税理士試験合格発表後といったことは考えなくても大丈夫ではあります。

働きやすい会計事務所や税理士試験勉強をサポートする会計事務所は増えている

上記で述べたように、売り手市場が続いていることから、税理士資格取得を目指している段階の人の採用も強化しており、会計事務所側も福利厚生や労働環境を徐々に整えているところも多くなってきています。

例えば、税理士試験受験のサポートを手厚くしている会計事務所も増えており、必ず定時での帰宅ができたり、税理士試験勉強のための専門学校費用の負担をしてくれる会計事務所があったりなど、良い環境を整えようとしているところは増加傾向です。

こうした会計事務所は税理士試験後はもちろんですが、年間通して比較的人気の転職先となるため、定期的に情報収集していないとなかなか巡りあうことのできない求人先だったりします。

また、リモートワークが推奨されていた期間も長かったので、事務所によってはかなりIT化・テクノロジー化がすすみ、より一層働きやすい環境というのは出来つつあるように感じます(事務所間で差が広がっているとも言えます)。

税理士試験の前後だけではなく、定期的に転職や求人に関する情報の収集をした方が良い

上記で述べたように、定期的に会計業界の転職情報を仕入れることで、良い求人先に巡り合うことができる可能性が高くなることがおわかりいただけたかと思います。

転職活動を行う前の事前の情報収集で差がつくことが多いため、極力転職や求人に関する情報収集は事前にじっくり行っておくことをおすすめします。

しかし、税理士試験の勉強をしながらこうした情報を集めるのは至難の業です。

そこでうまく活用したいのが、会計業界に強い転職エージェントの存在です。

転職エージェントは日々求人先と情報交換を行っており、最新の情報を持っているため、転職サービスに登録することで、日々情報が送られてきます。会計業界に詳しい転職エージェントであれば、業界特有の事情も熟知しているため、転職を急かされたりすることも無いので安心して使えるでしょう。

転職エージェントの利用は避けたいという方は、勉強仲間や先輩などから情報収集を行うのも良いでしょう。

そうは言っても日々の仕事や勉強で忙しいので、税理士試験後でないと転職について考えられない

ただ、やはりまずは税理士試験に突破するのが第一の目標かと思いますので、転職マーケットの情報収集に関して事前に情報収集をしようという考えに至る余裕は無いという方もいらっしゃるかと思います。

もちろん、税理士試験後からの動き出しでも問題なく転職先は見つけられますが、以下の点に注意しながら転職活動を行うと良いでしょう。

各専門学校の就職合同説明会での注意点
専門学校での就職合同説明会は、多くの会計事務所がブースを出展し、税理士試験受験者に事務所の魅力や特徴をアピールする場となっています。一見、転職先を見つけやすそうなのですが、多くの事務所の中から自分に合った求人先を見つけるのは結構難しいです。出展している事務所全てを見て回ることは到底不可能ですし、事務所側も事務所の良い部分しかアピールしないため、見極めるのは非常に難しいです。そのため、合同説明会に行く前にある程度アタリをつけてまわるのが良いでしょう。また、合同説明会の前日、あるいは後でも良いのですが、ここでもやはり転職エージェントをうまく使うのも良いです。彼らから該当する会計事務所の情報を収集してから参加しても良いでしょう。
合同説明会の当日、あるいは翌日すぐに面接を実施してくれる事務所も多いため、もし合同説明会でピッタリ合う事務所が見つけられたら、かなりラッキーです。
就職・転職した後のキャリアパスや給与、実際の業務がどうなのか気になる
求人先である会計事務所の雰囲気や組織体制、想定される業務内容、年収、残業時間など、実際に転職活動を始めると細かい情報まで気になるものです。これらの情報を個人で集めるのはかなり難しいです。勉強仲間や先に転職している先輩などから情報収集するのも良いのですが、ここもやはり転職エージェントをうまく活用してみるのも良いでしょう。説明会やパンフレットには良いことが書いてあっても、実態と異なるケースも残念ながらあります。多くの会計事務所への転職実績を持つ転職エージェントをとにかくうまく利用して、効率的に転職活動をすることをおすすめします。
税理士試験後に転職活動を行う場合は、上記の注意点を含めて、やはり転職エージェントを使うのが個人的にはおすすめです。転職エージェントというと無理やり転職させそうなイメージを持っている方も多くおり、あまり良いイメージを持っていない方もいるかと思いますが、そのようなことはありません。一部ではそのようなところもありますが、多くの転職エージェントは、しっかりと個人にあったプランを提案してくれます。各会計事務所ごとの比較や面接対策など親身になって行ってくれるでしょう。

転職は必ずしも税理士試験後がベストというわけではない

結局のところ、税理士科目合格者の転職活動のポイントは、情報収集と自身の希望・志向の整理、転職するタイミングを見誤らないことです。
少し長くなってしまったので、要点をおさらいすると、

  • 税理士試験後は転職マーケットは活発になるので、この時期に備えて事前の情報収集は重要である。
  • 一方で、会計事務所業界は売り手市場が続いており、年間を通して「良い人がいたら採用する」という事務所も多いことから、求人情報等をキャッチアップしながら、年間の中で転職を検討することで、他者と転職時期が被らず、有利に進められる可能性もある。
  • 情報収集の仕方がわからない方や、忙しくて時間が無いという方は、会計事務所に精通している転職エージェントの利用も検討してみる。転職エージェントが代わりに情報収集してくるため、効率的に動くことができる。
  • 自身の志向を固めておく必要がある。
上記のような状況であるため、必ずしも税理士試験後の転職がベストであるとは言えない状況ではあります。

税理士試験後の就職・転職活動に出遅れてしまったとしても、1年間を通してご自身の志向の整理と情報収集を行いながら活動することで、希望に合った会計事務所への転職は叶えられますので、安心して転職活動を行いましょう。

情報収集などで心配な方は、下記に会計事務所業界に詳しい転職エージェントを紹介しますので、気になる方は転職エージェントの利用も検討してみましょう。

最速転職HUPRO(ヒュープロ)

大学との共同研究による独自開発の「AI」を用いた転職診断が行えます。

税理士試験勉強に理解のある会計事務所に転職したいといった要望やスキルアップできる環境で働きたいといった個別の要望に対する求人をAIを用いてスピーディーに提案してくれます。

良い求人が見つかりやすいという利点以外に、転職活動そのものの負担も軽減でき、求人のサーチ等の転職活動にかかる手間を大きく削減できるため、税理士試験勉強と仕事で日々忙しい方や、子育てや家事で忙しいママさん税理士の転職にもよく利用されています。

また、AIによる転職診断だけではなく、会計事務所への転職支援実績の豊富な専門のエージェントにLINEやメール、電話で24時間相談ができるので、ミスマッチが起こる可能性が他のエージェントより低く、安心して転職できるでしょう。

面接や応募書類作成に不安のある方もいらっしゃるかと思いますが、そういった対策もしっかり行ってくれるので安心です。

たった5分のAIによる最速転職診断であなたにぴったりの転職先を見つけることができるので、この機会に転職診断をしてみてはいかがでしょうか。
※転職診断等のサービスは会員登録後に利用可能となります。

Rex(レックスアドバイザーズ)

Rex
税理士業界で歴史の長い転職エージェントのレックスアドバイザーズ

税理士事務所業界での転職支援実績はとても高く、各事務所でどういった業務経験がつめるのか、内情はどうなっているのか、税理士試験勉強サポート体制が整っていて理解のある事務所なのか、キャリアパスの視点ではどうかなどしっかりとしたアドバイスをもらうことができる会計業界特化型のエージェントです。

評判も比較的良いものが多く、サポート力・情報提供力が高いので税理士試験を機に転職されるという方が利用するのにとてもマッチしたエージェントです。


MS-Japan
ms japan税理士転職決定率ナンバーワン
昔から税理士業界の転職支援を行っている転職エージェントで税理士試験勉強に理解のある会計事務所の求人と情報は豊富に持ち合わせています。

同じ税理士試験勉強仲間がいる会計事務所で働きたい、税理士試験勉強できる環境ではなく困っている、専門学校の時間が確保できる事務所で働きたい、税理士試験だけではなく実務経験もしっかり積みたいからバランスよく経験できるところで働きたい等様々な要望があるかと思いますが、各会計事務所に詳しいのでそうした要望にもしっかり応えてくれるエージェントです。

実績は業界内でもトップクラスなので税理士業界で転職をするなら必ず登録しておきたいです。

情報提供だけでなく、求人の数がとにかく豊富なため幅広い選択肢の中から最適な求人先を選ぶことができるのも良いでしょう。

また、税理士法人・会計事務所への転職にも強いのですが、会計事務所経験者が事業会社の経理や財務部門などへ転職する際の実績も豊富なので、先々思い描くキャリアの中に事業会社も含まれているケースではより一層おすすめの転職エージェントです。

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ABOUT US
樋口 智大株式会社インテグラルベース 代表取締役
2014年4月から公認会計士・税理士の人材紹介を行う株式会社レックスアドバイザーズに勤務し会計士の職業紹介事業や会計専門メディアの立ち上げに携わる。2018年5月に独立し、株式会社インテグラルベースを創業、現在は採用人事に係わるコンサルティングなどを行っています。 士業JOBでは、公認会計士や税理士の人材紹介事業で培った経験や人脈なども活用し、転職に際して役立つ情報の配信を行っている他、多くの人材紹介会社とも協業し、最新の情報をブラッシュアップしながら配信を行っています。