未経験でも会計事務所へ転職できる?税理士を目指している方必見!

税理士を目指すにあたって会計事務所への転職を考えているものの、業界未経験ですと転職できるかどうか不安かと思います。

ただ、ここ数年会計事務所業界は超売り手市場が続いておりこれから税理士を目指す未経験者の受け入れも多くなっており、チャンスは多くなっています。
 

なお、本記事は総論的内容となっており、浅いものになっていますので、併せて簿記2級で会計事務所へ転職できますか?できます!未経験でも会計事務所へ転職しやすくなっているの記事や20代税理士は転職市場で引手数多!20代であれば無資格者や未経験者でも採用需要が高いもご参照ください。

会計事務所と一口に言ってもさまざまある

まずは会計事務所と一口にいってもどのような種類のものがあるのか知るところから始めましょう。

どんな種類があるのかを事前に詳しく知ることで、転職先の選択肢が広がります。

個人会計事務所

税理士の資格を活かして個人事業主として開業しているスタイルの事務所です。コンサルティング業を行うこともできますし、地域密着型にこだわったりと自分に合った規模の事務所を経営することも可能です。

自分のペースで仕事を行うことができて、弁護士や司法書士など他の士業と共同で事務所を開くことも可能です。個人会計事務所は自宅兼事務所として開設する人もいます。

求職者側の視点で個人会計事務所を見てみますと、個人事務所へ転職するケースにおいては、所長先生との相性や事務所の運営方針が特に重要となりますので、面接時にしっかりと事務所の運営方針や所長の人柄、どのような業務を取り扱っているのかしっかり確認しておくことをおすすめします。

ピッタリハマるととても働きやすいのですが、反対に所長との相性が合わないと逃げ場がなく苦労することになります。

これから税理士を目指すにあたっては税理士試験勉強に集中しやすいように配慮してくれる先生の元へ転職できると税理士への道が近づきますので、所長との相性はしっかり面接時に見極めましょう。

税理士に限りませんが、士業事務所はこうした個人事務所が多い傾向にありますので、働きやすさは所長との相性次第という側面が強くなります。

税理士法人

会計事務所を法人化し税理士法人として運営している形態の事務所も多くなっています。
2名以上の税理士を社員とした税理士法によって決められた特別法人のことをいいます。
一般的な職業の独立も同じように個人事業主としてスタートしてうまくいったら法人化するケースがあるかと思いますが、税理士も事務所経営を拡大していくにあたって法人化したりします。

転職するという側面で見てみると、法人化しているので個人事務所よりは正式に各種制度が整っていてあからさまなハズレ事務所を引く可能性は低くなります。
ただ、税理士業界の場合は規模が大きい事務所への転職が必ずしも良いとは限らないので、個人事務所よりも税理士法人の方が働きやすくて良いということにはなりませんので注意が必要です。

また、大きな規模の事務所になればなるほど業務が縦割りとなり経験できる業務範囲が狭くなったり、ルーティン化しやすいといったケースもあるので、未経験で転職するなら個人の会計事務所の方が良かったりするケースもあります。

このあたりはケースバイケースとなってきます。

税理士法人で大手というとBig4税理士法人があり、次いで準大手と呼ばれる山田グループなどがあります。

規模が大きくなればなるほど基本的には大手企業の税務やコンサルを行っているケースが多くなりますので、経験できる業務の内容も各会計事務所の規模によって違ってきます。

あなたがどのような税理士を目指したいかによってどこに転職するか考えていく必要があると言えるでしょう。

特化型の会計事務所

飲食店や歯科、クリニック等の業種に専門特化した会計事務所や、資産税(相続・事業承継)、国際税務等の業務に特化している特化型の会計事務所があります。

特化型の会計事務所へ転職するメリットとしては、その道のプロフェッショナル・スペシャリストになれるということです。

例えば飲食業に特化している会計事務所であれば、単に税務や会計の支援を行うだけでなく、開業支援から顧客獲得ノウハウ、資金繰り・資金調達のサポート等トータル支援を行っています。

独自のノウハウがつくため、スキルとして他の税理士との差別化を図ることができます。

ただ、特化しているが故に税理士として一般的に必要とされる法人業務経験があまり積めなかったりといったデメリットもあり、税理士としての汎用的なスキルが身につかないというリスクもあることから、特化型の会計事務所へ転職される際は今後のキャリアまで含めしっかり考えた方が良いでしょう。

特化型会計事務所へ転職した方がどのようなキャリアを歩んでいるのかといった情報は転職エージェント等に相談すると詳しく教えてもらうことができるので、転職エージェント等に相談してみるのも良いでしょう。

アウトソーシング会社

会計に関するデータ入力や月次・年次の決算などの経理業務、給与や社会保険に関する人事業務をクライアントから受けてサービスを展開します。

経理業務をクライアントから受注して、業務を代行すると考えるとイメージしやすいでしょう。最近は外資系に強みを持つアウトソーシング会社が増えているなど、それぞれの特徴を活かした展開がなされています。

 

会計事務所の役割や仕事内容は?

会計事務所の役割や仕事内容は多岐に渡ります。

ここでは会計事務所の役割や仕事内容を解説します。転職する前に、大まかな内容を理解しましょう。

会計事務所の役割の一つは企業の健康診断を行うこと

会計事務所の役割の一つは企業の健康診断を行うことです。

会社の健康診断を行うのは、日々変化する自社の状況・社会の状況を見ながらしっかり経営の舵取りができているかを確認するためです。経営状況や資金繰りについてもしっかり検証を行い、企業が成長していくお手伝いをしていきます。

仕事内容は多岐にわたる

会計事務所では、企業のお金の動きを通帳会計ソフトに入力したり、決算申告業務、個人の確定申告を行ったりと多岐にわたります。

経営や財務に関するコンサルティング業務や融資、税金に対する相談やサポートも行っています。
未経験で転職する場合にはそれぞれの違いを学習して自分に合った内容を選択することが必要です。

 

税理士を目指す未経験者が会計事務所に転職する5つポイント

未経験者が転職を成功させる為には5つのポイントがあります。

簿記3級か2級に合格しておく。税理士試験で1〜2科目合格があればかなり有利

まず、可能であれば最低でも簿記3級程度は合格しておきたいところです。

というのも、なぜ会計事務所で働きたいのか?税理士を目指したいのか?などの質問を面接時にされた際に簿記すら合格していないとその理由に説得力を持たせにくいといったことが背景としてあるからです。

未経験でも他の方は簿記2級程度は合格して面接に臨んでいるケースも多いので、そうした他者との比較という意味でも簿記は合格しておきたいところです。特に3級程度であれば1ヵ月もあれば合格可能ですのでぜひやってみてください。

後は、未経験で転職するにあたって税理士試験に科目合格していればかなり有利に進められるでしょう。
科目合格をしていると、資格に対してとても意欲的だと捉えられます。

「簿記論」「財務諸表論」の2科目に合格していると、会計事務所で仕事をするうえでの基礎知識はあると判断されやすいです。

ただ、これは結果論として既に合格しているならば良い程度であり、科目合格してから転職活動をした方が良いというわけではありません。

最近は無資格者を受け入れる会計事務所は多いので、今後会計業界で活躍していきたいんだという意欲のある方であれば簿記レベルでも採用される傾向にあります。まだ科目合格していない状況でも働きながら資格取得を目指せる環境はありますので、できれば早いうちに会計業界での業務経験を積んでおくと良いです。

また、科目合格するのに1,2年かかってしまうケースが大半なので働きながら税理士試験勉強ができるところへ就職し、合格を目指しましょう。

実務において、資格の有無ももちろん重要なのですが、それよりも経験が重視されることも多くなっていますので、まずは何かしら実務経験を積んでおくことも重要です。

できるだけ若いうち(20代から30代前半)に転職する

未経験の場合は事務所で育成することを前提としています。年齢が若い方が学ぶことも多いので、転職の時に採用されやすくなります。

30代中盤や40代の方を採用する際は経験を重視してきますので少しでも年齢が若いうちにトライするようにしてください。

なお、30代中盤以降でもハローワークなどで中年の未経験者の採用をする事例もありましたので、一定以上の年齢の方はハロワの利用も検討してみてください。

会計・税務・経理に関する何かしらの経験がある

転職の際は自分のスキルを具体的にアピールする必要があります。その為には税務・会計・経理に関する仕事を経験していると、有利になります。

業務経験がアルバイトでもこうした経験をしていれば、採用する側も一定の仕事はできると判断できます。

税理士試験の勉強をしながら会計事務所業務経験を積みたいとお考えの方は、何かしら関係のある業務の経験がないか棚卸をしてみましょう。

社会人経験がある

会計事務所への転職の時に、社会人経験があると多少有利です。なぜなら、税理士の仕事はクライアントとのコミュニケーションも必要になるからです。会計事務所への転職を考えている時には、社会人としてのマナーが役立つ場面も多いです。
ビジネスマナー、電話の応対など意外とできない方も多いので、事業会社などでしっかりと一般的な礼節・ビジネスマナーを学べているというだけでも有利になる傾向にあります。

転職理由は明確にする

未経験で会計事務所へ転職する時には、転職理由を明確にすることが必要です。経験があるかないかより、転職をしたいという意欲で採用が決まる場合があります。

大切なのは、これまでの経歴を分かりやすくまとめて、自分には何ができるのか伝えることです。まずは転職に対する意欲を伝えて好印象を与えていきましょう。

 

会計事務所に転職した後の仕事内容や求められるスキルは?

会計事務所に転職する時は、様々なスキルが求められます。未経験者が会計事務所に転職した時は、初めは税理士の補助的な立場になります。

ここからは、未経験者が会計事務所に転職した時の仕事内容と求められるスキルや能力を解説します。

税理士のサポートがメイン業務

未経験で会計事務所に転職した後は、税理士をサポートする税理士補助の仕事がメインです。税理士としての資格は必要ではありませんが、資格取得を考えているなら税理士のサポートと並行して勉強しましょう。

求められる能力やスキル

税理士補助の仕事は書類作成やそれらにミスがないかをチェックします。資料を用意するなど税理士が仕事をしやすいようにサポートをする必要があります。

パソコンのスキルや経理の知識などがあれば、有利です。また、電話対応や来客が来たら応対するのも税理士補助の仕事ですので、マナーについて詳しいとポイントが高いでしょう。

 

税理士を目指している人はポイントを押さえて転職をしよう!

税理士を目指している人が未経験でも会計事務所への転職は可能です。

税理士検定試験での科目合格や税務や会計・経理に関係する業務の経験など転職に有利なポイントを押さえておくことが大切です。

転職においては転職エージェントを活用することで、業界動向やキャリアに関する情報をもらうこともできますので、転職をお考えの方は転職エージェントの利用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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樋口 智大株式会社インテグラルベース 代表取締役
公認会計士・税理士・経理などの士業・管理部門の人材紹介を行う株式会社レックスアドバイザーズで勤務し、転職エージェントや会計専門メディアの事業の立ち上げを経験。その後、株式会社インテグラルベース(厚生労働省特定募集情報等提供事業者51-募-000806)を創業。現在は転職・採用・人事に係わるコンサルティングや求人サイトの運営を行っています。 士業JOBでは、これまで培った人脈と10年弱に及ぶ転職や採用に関する業務経験・実績を活かして転職に役立つ情報の配信を行っている他、多数の人材紹介会社とも協業し、最新の情報をブラッシュアップしながら配信を行っています。また、行政書士として事務所を開設しており、自身も士業として活動しております。 執筆者・監修者・編集者情報へ