税理士の事業会社(一般企業)への転職について【税理士の転職事情】

これまで、税理士は会計事務所や税理士法人への転職を希望される方が圧倒的に多かったのですが、最近は一般事業会社への転職を希望する税理士も増えています。税理士が事業会社で活躍している主なフィールドは、経理・財務、税務室等となりますが、特に増加しているのが、経理部門への転職となります。

そこで、今回は、税理士が事業会社の経理・財務部門へ転職する際のポイントを中心に紹介したいと思います。

税務室への転職に興味がある方は、税理士の一般企業の税務室への転職のページをご参考ください。

税理士が事業会社(一般企業)へ転職する理由はさまざま

税理士が事業会社へ転職する理由はさまざまですが、大枠をまとめると、以下のようなものが多い印象です。
「企業の外から支援するのではなく、中から一緒に作り上げていく立場で仕事をしたい」
「税務だけではなく、管理会計等の未来をつくっていく仕事がしたい」
「ワークライフバランスを実現したい」
「評価制度や福利厚生など、諸制度がしっかりしているところで働きたい」

こうした理由で転職する方が多いのですが、その際に気を付けていただきたいポイントが、
応募予定の企業の「規模・業種」、「募集ポジション・役職」の2つです。
例えば、ワークライフバランスや諸制度が整っているところで働きたいと考えた場合、企業規模や業種は大変重要なポイントとなります。よくある失敗例として、飲食業界の経理部門へ転職した場合、現場で働く方と同様に土日に出勤する必要があり、年間休日数が減ってしまい、結果的にワークライフバランスが取れないということも多々あります。求人広告サイトなどには、土日祝日休み、と記載してあるにも関わらず、いざ転職したら実態は違ったというケースもあるようなので、しっかり確認するようにしましょう。その他、上場企業、上場企業のグループ会社、外資系企業、未上場企業などの規模感にも注意しましょう。
企業規模により業務内容は大きく異なるため、しっかり内情を情報収集したうえで転職することをおすすめします。

ご自身で情報収集するのが苦手という方は、転職エージェントなどをうまく活用しましょう。

事業会社の経理・財務部門が税理士を募集する背景を知る

事業会社の経理職の募集要項に、会計事務所での勤務経験を歓迎する記載が少しずつではありますが増えてきています。昨今は経理業務が煩雑化するケースも企業によっては増えてきており、専門的な知識を持った人材を求めているケースも増えているからです。
ケースとしては、海外展開に伴う会計基準の国際化業務や海外企業との連結決算業務などのグローバル化に伴う専門知識を持った人間の需要であったり、IT企業におけるソフトウエア開発などにおける特殊な会計・税務処理に関して専門知識を必要としているというケースです。
また、以前であれば会計事務所での業務経験は、「経理経験」としてみなされず、書類選考で落ちてしまう方が比較的多かったように見受けられますが、最近では会計事務所での経験も考慮されるケースも増えてきており、事業会社への転職を成功させる税理士が増えています。
ただし、これまで勤務していた会計事務所の顧客の規模や業種も企業側はとても気にするため、転職しようとしている企業の業界や規模とこれまで自身が担当してきた企業を照らし合わせてみることが重要です。
例えば、小規模事業者のクライアントしか担当したことがない税理士の方が大手の事業会社へ転職しようとした場合、やはり経験としてみなされないケースも多いからです。
自身のこれまでのキャリアを振り返りながら転職先を検討していく必要があります。

税理士が事業会社へ転職すると年収が下がる可能性が高いことを知っておく

大手の税理士法人などから転職する場合、年収が下がるケースがほとんどです。
特に経理部門となると、管理職採用であったとしても年収が下がることが多く、賃金アップのスピードも遅いケースが多々あります。
また、大手上場企業の税務室等であっても、税理士法人時代よりも年収が下がるケースもあるため、年収を気にする方は注意が必要です。

ただし、会計事務所や税理士法人と比べて、福利厚生が手厚いケースや労働環境、人事評価制度がしっかり整えられている企業も少なくないので、総合的に判断するようにしましょう。

プロフェッショナルとしての業務以外の仕事が増えることを知っておく

会社の業種や状況に合わせて、企業として適切な会計処理を行えるよう、その業界・あるいは企業独特の関連知識の習得を求められるケースが多くあります。
また、経理部門での通常業務というと、月次決算、年次決算、有価証券報告書の作成、連結決算対応等の主計業務が大半であり、税理士でなくとも出来る業務が多くなるため、プロフェッショナルとしてのキャリアというよりは、ゼネラリストとしてのキャリア形成が求められるケースが多いことも知っておいたほうがよいでしょう。

転職の際には事前の情報収集が重要

事業会社に限らず、転職の際は事前の情報収集が重要です。いざ転職したものの、実情は想像していたものと違ったということも多々あり、早期退職をしてしまうケースが多いからです。
そうならないためにも事前にしっかり下調べをしてから転職活動に臨みましょう。
情報収集が苦手という税理士の方は、転職エージェントなども活用してみましょう。
以下に税理士の事業会社への転職に詳しい転職エージェントをご紹介します。

MS-Japan
税理士・会計事務所業界の転職に精通した東証プライム上場企業の転職エージェントのMS-Japan

会計業界での転職はもちろんのこと、事業会社の経理や財務部門に特に強みを持った転職エージェントです。
求人の数がとにかく豊富なため、幅広い選択肢の中から最適な求人先を選ぶことができます。
会計事務所から事業会社の経理職への転職事例もたくさん持っており、事業会社へ転職したいとお考えの方には特におすすめの転職エージェントです。
事業会社への転職の場合、会計事務所と違って企業ごとで業務内容も大きく異なってくるので、そういう意味ではたくさんの求人とたくさんの情報、実績を持っていることからしっかりとしたアドバイスがもらえ、とても参考になります。

税理士や会計事務所スタッフが一般企業へ転職するにあたっては、キャリアの面、待遇の面、その後のキャリアパスなども含めて総合的に見ていかないと後悔するケースも多いので、双方の領域に詳しいエージェントを利用するメリットは高いと言えるでしょう。

HUPRO(ヒュープロ)

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AI転職診断サービスを使えば、効率的にあなたにあった求人を見つけることができるでしょう。

あなたのスキル・経験を加味した求人の提案が受けられるのはもちろんのこと、
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キャリアもワークライフバランスも両方大事にしたい人にとってもとてもおすすめできる転職サービスです。

また、AIによる転職診断だけではなく、
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ジャスネットキャリア
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会計事務所や事業会社の経理部門への転職に強いエージェントです。
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転職ありきではなく、キャリアについて真剣に考えてくれるため、おすすめの転職エージェントの一つです。
そのため、転職相談を重視したいという方にはおすすめです。
また、今すぐの転職ではなく1年後をめどに転職したいなど、長期的な転職活動をお考えの方にもおすすめです。
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税理士が活躍できるフィールドは事業会社の経理にとどまらず様々な場所があります。
どのようなところへ転職できるのか気になるという方は以下の記事も参考にしてみてください。

参考関連記事税理士が転職して活躍できるフィールドは?税理士の転職先と転職事情を考える

参考関連記事会計事務所・税理士に強い転職エージェント・転職サイトを紹介!

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樋口 智大株式会社インテグラルベース 代表取締役
公認会計士・税理士・経理などの士業・管理部門の人材紹介を行う株式会社レックスアドバイザーズで勤務し、転職エージェントや会計専門メディアの事業の立ち上げを経験。その後、株式会社インテグラルベース(厚生労働省特定募集情報等提供事業者51-募-000806)を創業。現在は転職・採用・人事に係わるコンサルティングや求人サイトの運営を行っています。 士業JOBでは、これまで培った人脈と10年弱に及ぶ転職や採用に関する業務経験・実績を活かして転職に役立つ情報の配信を行っている他、多数の人材紹介会社とも協業し、最新の情報をブラッシュアップしながら配信を行っています。また、行政書士として事務所を開設しており、自身も士業として活動しております。 執筆者・監修者・編集者情報へ