税理士資格は転職で有利になるのか?

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これから税理士を目指すという方の中には「手に職をつけたいから」とお考えの方もいらっしゃいますが、中には税理士試験に合格し、税理士登録できるようになることで転職などに有利になるからといった動機で目指される方もいらっしゃいます。

税理士を目指す理由は人それぞれでいいのですが、実際のところ転職市場で有利になるのか?様々な角度で見ていきたいと思います。

税理士資格を持っていると転職に有利になる。理由はこの5つ!

まずは税理士資格を持っているだけ転職で有利になるかどうかというと、基本的には有利になると言えます。

なぜ税理士資格があるだけで、『是非とも採用したい!』という求人先が多くなるのでしょうか。

主な理由として3つあるので、その詳細を確認しておきましょう。

転職先候補が広がるから

税理士資格者の主な転職先としては、会計事務所・税理士法人、コンサルティングファーム、一般事業会社、金融機関があります。

専門知識を活かして働けるフィールドが広がるという意味では転職で有利になると言えるでしょう。また、各フィールドにおいて全く同じようなスキル・経験・年齢の方がいた場合、何も資格がない人よりは税理士資格をお持ちの方の方が転職で有利になることは間違いありません。

特に会計業界は常に人材を欲しているので税理士試験に突破しているという事実だけでも食いっぱぐれる心配はかなり少なくなると言えます(大きく稼げるかどうかはまた別問題ですが)。

こうしたキャリアパスなどについて興味のある方は税理士・税理士科目合格者の転職先はどんなところがある?もご参照ください。

会計業界で転職しやすい

税理士資格を持っていて会計事務所業界で職を得ることができないということは基本的に考えられないので、そういった意味ではかなり転職で有利と言えるでしょう。

もちろん資格を持っているだけでなく実務経験も重要なのですが、仮に税理士試験に合格して実務の経験は全くなかったとしても、同じ条件で何も合格していない人と比べれば当然税理士試験合格者の方が就職先候補の幅は広がります(現実的に実務経験0の税理士試験合格者がいるとは考えにくいですが)。

先程記載したように税理士はかなり不足しており、特に近年は税理士を目指す方が減少傾向だったことから税理士試験に突破しているという状況だけでもかなり有利ではないかと考えられます。

一般企業への転職においては税務のみならず経理や財務に関する高い専門性を持っていると思われるから有利になる傾向

税理士の資格があると税務に関するプロだと認識されます。

税理士資格を取るためには各種税法についての知識を勉強しますので、それに基づいて適正な税対策を行える人として認識され、企業内部での税務や税務調査対応など各種税に関連した業務に就きやすい傾向にはあります。

企業では正確かつ無駄を減らして経理や財務関連の業務を遂行していくことが重要とされている状況があり、税理士はその知識と実務力を兼ね備えている人材として期待されているのです。

経理職や財務職の経験だけがあるだけの人とは違い、税務に関するノウハウも持っていると期待されています。

近年グローバル化や事業の複雑化、法制度の改正等により税務・会計に関する高い専門性を有する処理業務が増えていることもあるので、専門的な知識を有する税理士が企業へと転職し活躍するケースも増えています。

その力を発揮して企業に貢献してくれる貴重な人材と考えられているのです。

ただし、専門的な税務知識、高度な処理が理解できる知識人を必要とする一般企業はある程度規模の大きな会社である傾向にあるので、どのような企業でも税理士などの専門家が求められているわけではないことに注意は必要です。

努力できる人だとアピールできるから

税理士国家試験について少しでも知識を持っている人なら、資格を持っている人は努力家だと考えてくれるのも転職で有利になる理由です。

税理士試験はかなり難関で取得までに長い年月がかかる傾向にあり、税理士資格を取得するまでに10年以上費やす方もいらっしゃいます。

企業の経理で働く方の中には税理士試験を諦めた方も意外と多くいらっしゃり、税理士試験を突破したという事実はポテンシャルとして評価されるでしょう。

最後までやり遂げる人だとアピールできるから

最近は一部科目免除税理士も多くなっており、5科目合格している人もあまりいないのが実態ですが、それでも資格を取るためには相応の勉強が必要です。

何度も不合格になりながらも努力を続けてついには資格を手にいれることができたという人も多いのが実態です。

不合格になってもくじけずに自己分析を行い、問題が何かを明確して具体的な解決策を考案しなければなりません。

企業現場で必要とされる問題解決力を国家試験を通して育んでいる有望な人材と捉えてもらえるのです。

年齢によって違いはあるか?30代・40代の税理士と20代の税理士は転職動向が違う!?

税理士の転職動向は年齢層によってかなり違いがあります。

20代の場合にはまだ税理士資格を取れていない科目合格者の段階か、税理士登録が可能になり、改めて次のステップへ行くための転職先を探す時期というのが一般的です。

会計事務所などで働きながら資格を取れるので、簡単な実務経験は積むことができるものの責任のある仕事を単独で担うことはあまりありません。

その状況から脱却して成長を遂げるのが目的となるケースが多く、若さを生かして未経験の仕事や今までの職場とは関連のない業界への転職にチャレンジする人も多くなっています。

30代以降になると税理士資格を取得してから数年のキャリアを積んでいるケースが増えてきます。

これまで培ってきたキャリアを生かすという視点で次の職場を選ぶのが一般的になっています。

即戦力としての採用を前提として転職になり、類似した職場での実務経験を少なくとも3年は持っていることが要求されます。

キャリアアップを目指すためにはプラスアルファのアピールポイントが必要で、コンサルティングスキルや、英語力を高めたりすることで高待遇の採用を受けられるのが通例です。

40代になると一般的な職種では転職がかなり難しくなりますが、税理士の場合、転職は可能です。

税理士の場合には専門職としての資格があるので、年齢に見合った能力を実績によって証明できれば高待遇で迎え入れてくれる転職先を見つけることは可能です。

ある分野のスペシャリストとして実績を上げているか、広範囲をカバーできるジェネラリストとして多様な経歴を持っていると有利になります。

マネジメントやコンサルティングのスキルも求められる傾向が強く、管理職採用の求人への応募も検討することが重要になるのが40代の転職です。

税理士の場合、30代でも若手に分類されるので一概に年齢でどうこう言えない部分もありますが、こうした年齢による違いも多少はあります。税理士の転職と年齢について 30代どころか40代、50代以上と何歳まででも転職できるの記事もご参照ください。

税理士資格は転職において有利に働くが、一番重要なのは実務経験

会計業界で転職するにしても、一般企業へ転職するにしても、税理士資格の有無は一定の効果があります。

ただ、一番見られるのはご年齢にもよりますが実務経験となります。

税理士として会計事務所へ勤務していた経験があっても、担当していた顧問先が小規模企業ばかりだった場合、税理士資格を保持していても大手上場企業への転職は難しくなる可能性はあります。
もちろん現在20代で税理士資格を取得しているケースなどはポテンシャルが評価されますので、転職は可能ですが、30代を超えてくるようですと経験値も少なからず重要となりますので、資格の有無だけではなく、ご年齢・経験・スキルのバランスを見ながら転職先を考えていくようにしましょう。

税理士資格を活かした転職をするなら自分の年齢を考えて将来を見据えよう!

税理士は資格を持っているだけで有利ですが、実績を築き上げていき関連する資格や業務経験を積んでいくことで更に有利に転職活動を進めることができます。

年齢層によって転職の動向にも大きな違いがあるため、転職希望時期と自分の年齢と照らし合わせながらキャリアプランを立てる必要があります。

その計画をしっかりと立てられていれば税理士資格を活かして転職に成功できるでしょう。

先々のキャリアや現在のお持ちの資格・経験を活かしてどのようなところに転職できるのか知りたいという方は転職エージェントを活用してみるのも良いでしょう。

今すぐの転職をお考えでなかったとしても、エージェントに相談することで、転職するにあたり足りないスキルや経験が見えてきて、これからやるべきことが見つかるケースは多いものです。

一度転職相談してみることも視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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樋口 智大株式会社インテグラルベース 代表取締役
公認会計士・税理士・経理などの士業・管理部門の人材紹介を行う株式会社レックスアドバイザーズで勤務し、転職エージェントや会計専門メディアの事業の立ち上げを経験。その後、株式会社インテグラルベース(厚生労働省特定募集情報等提供事業者51-募-000806)を創業。現在は転職・採用・人事に係わるコンサルティングや求人サイトの運営を行っています。 士業JOBでは、これまで培った人脈と10年弱に及ぶ転職や採用に関する業務経験・実績を活かして転職に役立つ情報の配信を行っている他、多数の人材紹介会社とも協業し、最新の情報をブラッシュアップしながら配信を行っています。また、行政書士として事務所を開設しており、自身も士業として活動しております。 執筆者・監修者・編集者情報へ