税理士の地方への転職 地方の会計事務所ではどのような仕事をやるの?

税理士が地方の会計事務所などに転職をする場合、仕事内容や転職後の収入が気になるでしょう。本記事では、地方で働く税理士の仕事内容や年収、転職するメリットなどについて解説していきます。

 

人手不足で地方は税理士ブーム?

さまざまな業界で地方ブームが見られるなか、地方の税理士を取り巻く環境にも少なからず変化が見られるようになっています。

これから地方で働く予定があるときは、現地の税理士の事情を把握しておくのがベストです。

地方の税理士は人手不足

地方で働く税理士は、人手不足に陥っている可能性があります。
日本税理士会連合会が公表しているデータによると、税理士登録者数は東京都がトップです。東京都に次いで多いのが、大阪府などがある近畿地方です。

北陸や四国、東北などの地方は、税理士の登録数が少ないです。

税理士試験受験者数も同様に減少傾向が続いており、地方では若手の税理士が特に不足しています。

高齢の税理士先生がいつまで現役という傾向は地方では特に強く、事務所の承継の問題も出てきている状況です。

地方はオフライン集客での新規開拓がしやすい

地方で働く税理士の場合、オフラインでの集客で手応えを得やすいものです。都市部でよく行われているインターネットを利用した税理士事務所探しは、地方ではまだ一般的ではありません。

地方の場合、事業者が税理士事務所を探す際にも、人づての紹介などが多いです。このように地域で新規顧客を開拓するときには、オフラインのほうが有利になることがあります。

地方企業のグローバル化が進めば税理士需要は増えていく

税理士の登録者数が少ない地方でも、税務の仕事のニーズは決して少ないわけではありません。有力企業や地方を拠点に規模を拡大している企業などがある地域では、税理士の需要も増えている状況です。

成長している地方企業は、国外に拠点を設けるケースも少なくありません。こういったグローバル化が進むと税務の問題も複雑になるため、税理士の需要は以後もどんどん増えていく可能性があります。

 

地方で働く税理士の仕事内容は?

地方と都市部は企業数などが違うことから、「仕事内容が変わるのではないか」と思っている人もいるでしょう。

どのような業務があるかは、転職する前にチェックしておきたいところです。ここからは、地方で働く税理士の仕事内容を解説します。

基本業務は都市部でも地方でも変わらない

税理士の仕事の内容は、地方でも都市部でも基本的に変わりません。税務調査に立ち会ったり、確定申告書の作成を代行したりといった仕事は地方の税理士も通常業務です。

都市部の税理士が多く手掛けている青色申告の承認申請や相続税の申告書作成なども、地方では税理士の仕事で多くなります。税金の問題は地域を問わず発生することから、依頼される業務内容も似ているでしょう。

また、中小企業の再生業務や相続などの業務も意外と多くあり、都市部に比べると案件規模は小さいものの、高度なスキルが求められる案件も少なからず存在していることから、都市部で付加価値の高い業務を行っていた税理士が地方へ転職するケースでは歓迎されることも多くなっています。

顧客とリアルに顔を合わせてコミュニケーションをとることも重要な仕事

地方の場合、顧客と直接顔を合わせてコミュニケーションをとる作業がとくに重要です。インターネットでの集客効果が都市部ほど期待できない地方では、相手とリアルに会ってコンタクトをとることが重要な意味を持ちます。

インターネットを通じた間接的なやり取りだけでは、今ひとつ信頼が得られないことがあります。税理士にも、都市部とは少し違った対応が求められてくるでしょう。

 

税理士が地方で働くメリットとは?

地方で働く税理士には、都市部で働くときには得られなメリットがあります。具体的にどのようなメリットがあるかを把握していると、転職に向けてのモチベーションがアップするでしょう。ここでは3つのメリットをまとめました。

開業の場合、固定費が安い

地方で開業する場合、事務所の維持にかかる固定費が安く抑えられるでしょう。地方は、都市部に比べるとテナントの賃料や土地代などが安いことが多いです。

都市部で事務所を開業するときには、事務所の固定費がかさみます。地方では車を使って移動することも多いため、公共交通機関を利用するときの交通費が都市部ほどかからないのもメリットになってきます。

ストレス発散がしやすい

ストレスが発散しやすいことも、地方で税理士が働くメリットです。地方には、緑が豊富でのどかな環境に恵まれているところがたくさんあります。こういった環境で仕事をする場合、いろいろな方法で日々のストレスを癒すことができます。

休日などを利用してアウトドアやレジャーを楽しんだり、自然のなかをウォーキングしたりすれば、忙しい時期でも気分をリフレッシュできるでしょう。

良い口コミが広まると一気に顧客が増える

評判が顧客獲得にダイレクトにつながる地方では、良い口コミが広まると事務所に依頼が集中することもあります。実際に事務所を利用した人が知人や同業者に評判を伝えたことがきっかけで、顧客数が増えるケースも地方では少なくありません。

そのような環境で税理士として仕事をする場合、顧客とのコミュニケーションに少し気を配ることで業績向上につながるでしょう。

 

地方で働く税理士の年収は?

転職を考えている場合、年収の違いも気になるところです。税理士には、自分で事務所を構えて開業するスタイルと税務署や企業などに勤務をして働くスタイルがあります。

勤務税理士の平均年収や地方で働く税理士の年収を紹介します。

一般的な勤務税理士の平均年収は700万円前後

規模や業態によるため一概には言えませんが、会計事務所や企業などの組織に雇用されて働く勤務税理士は、500万~700万円前後が平均年収です。年収500万円前後の税理士もいるため、勤務税理士の収入は雇用されている組織や勤務形態などで違いがあります。

ちなみに、独立開業した税理士は年収アップの可能性があります。開業している税理士の平均年収は3,000万円前後となっており、勤務税理士よりも収入の点では大幅に高い傾向です。
ただし、開業の場合、収入が0に近い税理士もいれば、億を超えている税理士もいるため、顧客が開拓できるかがカギとなるでしょう。

ちなみに税務署勤めの税理士の推定年収は730万円程度

税務署で働く税理士の場合は、住宅手当などの各種手当が手厚いのが特徴です。税務署勤めの税理士の推定年収は730万円前後であり、勤務税理士の平均年収よりもやや金額が高くなっています。

税務署に勤務する税理士は、月々の給与と合わせて定期的にボーナスが支給されます。業績にかかわらず安定した収入が得られることなどは、税務署勤めの税理士のメリットでしょう。

地方で働く税理士の年収は490万程度

地方で仕事をしている税理士全体の平均年収は、490万円前後です。一般的な勤務税理士や開業している税理士の平均年収と比べると、490万円という金額は少ないのがわかります。

ちなみに、東京の税理士の平均年収は680万円前後と言われています。税理士の年収は、どのような顧客の仕事を受けるかによっても変わってくるため、平均年収はあくまでも参考程度に留めておきましょう。

 

地方で働く税理士はコミュニケーションも大事!

地方で働く税理士の仕事内容は、都市部とほとんど同じです。ただ、顧客の話をじっくりと聞くコミュニケーション能力は、都市部で働くときよりも求められてくることが多いです。

転職の準備をするときは、地方の事情をしっかりと心得ておきましょう。

都心からの地方へのUターン・Iターン転職をお考えのケースでは転職エージェント等に相談してみるのも良いかと思いますので、転職をお考えのケースでは転職エージェントの利用も検討してみてはいかがでしょうか。

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樋口 智大株式会社インテグラルベース 代表取締役
公認会計士・税理士・経理などの士業・管理部門の人材紹介を行う株式会社レックスアドバイザーズで勤務し、転職エージェントや会計専門メディアの事業の立ち上げを経験。その後、株式会社インテグラルベース(厚生労働省特定募集情報等提供事業者51-募-000806)を創業。現在は転職・採用・人事に係わるコンサルティングや求人サイトの運営を行っています。 士業JOBでは、これまで培った人脈と10年弱に及ぶ転職や採用に関する業務経験・実績を活かして転職に役立つ情報の配信を行っている他、多数の人材紹介会社とも協業し、最新の情報をブラッシュアップしながら配信を行っています。また、行政書士として事務所を開設しており、自身も士業として活動しております。 執筆者・監修者・編集者情報へ