会計事務所への転職に際して事業会社での経理経験は活きますか?

一般企業の経理から会計事務所への転職の際、経理経験は評価されます。

ただ、経理と会計事務所の仕事は皆様が思っているくらいに似ていますが、思っている以上に違います。転職にあたって経理の経験が評価されることはあっても、それだけでOKというわけにはいきません。

ここでは、会計事務所への転職において経理経験がどう評価されるのか、また、転職後にどう活かすことができるのかについて記します。

そもそも会計事務所は何をするところなのか

これをパッと答えられる人はそう多くありません。大まかに列挙していくと、以下の通りです。

会計事務所での業務一例
①記帳代行、決算書の作成
②税務代理(申告書の作成、税務署対応など)
③経営・税務・会計に関するコンサルティング
④相続対策
①と②は全員が思いつくことでしょう。付随業務として、給与関係も請け負っているところもあります。ただ、最近は税理士間の競争が激化しているので、付加価値をつけるために③や④に取り組んでいるところが増えています。助成金申請や銀行対応の手伝いから、経営会議のファシリテーション、事業再編やM&Aまで様々です。
厳しい言い方をすると、この先記帳代行や申告書作成業務しか行っていない事務所は、この先大きく伸びて行く可能性は低いため、キャリアアップをお考えの方の場合、転職先候補から外した方がいいかもしれません。逆に、パート・アルバイトとして、定型業務を行って行きたい方は、①や②を中心に行っている事務所ですと、比較的働きやすいかもしれません。

経理だけできる人の仕事はなくなる

では、事業会社の経理から会計事務所に転職するメリットは何でしょうか。

それは、自分で食べていける力を身につけて行くことに他なりません。

上記の通り、将来の生き残りを考えている会計事務所ではコンサルティング業務に力を入れています。先ほどは理由として競争の激化を挙げましたが、実はもう一つ理由があります。それは、来るAI時代の到来です。
クラウド会計ソフトが記帳業務を自動化したことに代表されるように、会計事務所の仕事がAIに取って代わられる日もそう遠くないと言われています。
その取って代わられる仕事こそ、先ほどの①や②の仕事であり、現在の経理ができる仕事なのです。事実、野村総合研究所が発表した資料(*1)によると、人工知能やロボットによる代替可能性が高い職種に会計監査係員、経理事務員が挙げられている一方で、経営コンサルタントは代替可能性が低い職種に挙げられています。

経理にいたことが最大のポイント

そんな時代の中で、記帳ができます、財務諸表が読めます、というアピールが転職時に大きなプラスにならないことは明らかでしょう。

実は、一般企業の経理にいた経験そのものが、1番のアピールポイントなのです。

会計事務所・会計系コンサルティングファームのメインのお客様は事業会社です。また、これはあまり認識されていない重要なことですが、会計事務所はサービス業です。全てはお客様ありきです。
一方で、会計事務所でしか働いたことがないという職員も少なくありません。そういった職員達にとって、お客様の内部事情を見聞きすることはあっても、実際に会社とはどういったものなのかは未知の世界なのです。
だから、実際に会社に所属していて、会社という組織はどうなっているのかを身をもって知っている人は、お客様のことをお客様の立場に立って考えられるという意味で貴重な存在になります。
業界特有の事情に精通している場合は尚更重宝されるでしょう。

経理経験は活きるのではなく、活かすことができる

経理だったころ、来月の資金繰りはどうなっているのか、先月は何でこんなに経費が多かったのか、などと上司や社長から質問にあったことはないでしょうか。その時は単に調べて報告しただけで終わったかもしれませんが、これを先回りして提案できる人こそ、会計事務所が、そして会計事務所のお客様が求める、コンサルティングができる人なのです。
このくらいの現預金がないと危ないな、今月は在庫が多すぎるな、などといった経理が持つ肌感覚は、机上の数字で知っているだけの職員にはない大きな武器です。
また、対内的にも一般企業にいた経験が求められています。会計事務所の多くは組織としては未熟なところがほとんどです。税理士法人として法人化しているところもありますが、職員数が多くても数十人足らずだと考えれば不思議ではないでしょう。その中で、皆様が転職されるような成長著しい会計事務所は、組織として体制を整えることが急務となっています。組織にいたことの経験が、組織作りの面でも活かされるのです。

会計事務所の仕事は決して楽ではありません。ただ、経理の仕事に少し物足りなさを感じている人であれば、お客様の喜ぶ姿にきっと楽しさや誇りを感じることでしょう。
この記事が皆様の自信となり、ステップアップの一助になれば幸いです。

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