一般企業の経理から会計事務所に移る方は多くいます。より専門性を求めて、もしくは将来資格を取得し独立を考える方など、その動機は様々ですが問題は会計事務所側がどういう人材を必要としているかということです。当たり前ですが会計事務所側のニーズに合わないと採用されません。今回は一般企業の経理からどうやって会計事務所に転職したら良いか解説します。
目次
会計事務所と一般企業経理のちがい
前置きとして、大手企業と中小企業でその業務内容に差があるように、会計事務所にも規模によって差はあります。その中でも比較的数の多い中小規模の会計事務所に焦点を当てて解説します。
まずは会計事務所職員が一日どういう動きで仕事をするか見ましょう。
会計事務所職員のスケジュール例 | |
9:00〜10:00 | メール確認 スケジュール確認 担当顧客の電話応対 |
10:00〜12:00 | 担当顧客の月次監査訪問 決算の打ち合わせ |
12:00〜13:00 | 昼休憩 |
13:00〜15:00 | 担当顧客の月次監査訪問 決算の打ち合わせ |
15:00〜16:30 | 事務所で月次入力 給与計算 申告書類の作成 |
16:30〜18:00 | 翌日の予定確認 翌日回る担当顧客へ提出する書類の作成 |
いわゆる閑散期ではこのような形で動くことが多いです。ここで中小会計事務所の特徴について言うと
※新型コロナウイルス以降、出かけていくことももちろん多いのですが、リモートでのコンサルティング機会も増えました。
また、完全分業制の事務所もありますが、基本的には担当顧客に関する処理は全て自分で行うことが多いです。特に新人のうちは覚えるためにも多くのことを一人でやることになるでしょう。
また、繁忙期に入ると年末調整、個人の確定申告、償却資産税の申告などいつもの処理と並行してすべき仕事も入ってくるのでさらに忙しくなります。
会計事務所で必要とされる能力
上記の会計事務所と経理の違いとして特に大事とされる能力は折衝能力です。顧客との会話、特に中小企業が多いのであれば社長と話す機会がたくさん出てきます。その時に戸惑わないように普段から折衝能力は磨いておくと良いでしょう。また、プレゼンテーションの能力も必要になります。
月に一度顧客の所へ足を運ぶ際、現状の確認や税務相談、今後の動向など話します。社長や経理部長と話をする際にきちんと事前準備をしていかないと顧客の知りたい情報が出ず、関係悪化に繋がります。そのため前もって最新の財務内容を頭に入れて、顧客に説明できるよう資料を作っておく必要があります。
経理職の人が会計事務所に転職するためにするべき2つのこと
上記でも挙げた折衝能力とプレゼンテーション能力は、あれば仕事をする上で円滑になる能力になります。次は転職をしようとしたときに予めしておいた方が良いことについて説明します。中には当たり前だと思うようなこともありますが、実際それが大切で現状できない人も多いです。今一度確認してみてください。
・転職活動時期を考慮
まず簿記二級程度の知識ですが、事務所によっては筆記試験をするところもありますのでそれに向けての勉強です。
具体的には給料に関する仕訳、減価償却やリース取引、消費税に関する仕訳は完璧にしておきましょう。
次に転職活動の時期についてですが、一般的に会計事務所は12月~5月は繁忙期です。そのためその時期に転職もできなくもないですが、入ったところで中は忙しくゆっくり教育などしている暇がありません。
どのような会計事務所に転職するのかにもよりますが、まずは仕事を落ち着いて覚えるためにも繁忙期を避けた6月以降あたりが入社時期のベストなタイミングと言えます。
6月に入社するためには、本当の意味での繁忙時期に突入する前段階の1月や2月あたりに面接を受けておくと良いと一つ考えられます。この時期は求人も増えます。
あるいは、5月、6月に入ったらすぐに動けるように転職エージェントサイト等に登録して準備だけ整えておくというのも手です。
会計事務所への転職であればレックスアドバイザーズの利用が業界的に最もおすすめというのが通説ですが、資格者向き(科目含)なので、簿記2級レベルであれば最速転職HUPROの利用もおすすめで、簿記2級レベルの方がステップアップするのに良い求人が見つかりやすいです。
ただ、昨今会計事務所側も人手不足が続いているという点と社内の教育体制の強化(繁忙期であろうとなかろうと体制が整っているから安心)、採用するにあたり税理士資格者でなくても構わないという路線に切り替わっており、この転職の時期という点はそれほど意識しなくても大丈夫ではないかと考えられます。
なお、エージェントに登録したからといって転職を急かされることはなく、転職時期を見た転職活動スケジュールを提案してもらえるので、安心できるかと思います。
いずれにせよ、会計業界は今、売り手市場と言われており、転職するには最適な状況です。準備をきちんとすることで良い転職ができるはずです。まずは今回お話しした内容を十分に理解するところから始めてください。きっと今よりステップアップできるはずです。
また、企業の経理から会計事務所への転職を検討されている方は、下記の記事も参考にしてみてください。
企業での経理経験がどのように会計事務所で活かされるのか具体的に解説しています。
会計事務所への転職は事務所選びが難しい
本記事では一般的な中小会計事務所へ転職した際の仕事内容やポイントを中心に紹介させていただきましたが、会計事務所は全国に3万事務所存在しており、やっている業務も経験できる業務も大きく異なります。
一見するとどこの会計事務所も似たようなことをやっているように感じるかと思いますが、事務所ごとにクライアントの特性や規模が違ったりするため、仕事内容はもちろんのこと身につくスキル、待遇も大きく変わってきます。
そのため、転職する際には会計事務所選びがとても重要です。
会計事務所の情報というのはなかなかとり難いので、経理から会計事務所へと転職される際には、
必ず会計事務所業界に詳しい転職エージェントを使ってください。
また、会計事務所のみならず、経理の転職にも詳しいエージェントを活用することで、
あなたが持っている経験・スキルに対して合致する会計事務所の求人の紹介が受けられるでしょう。
会計事務所・企業の経理の双方に詳しい転職エージェントの紹介

大学との共同研究による独自開発の「AI」を用いた転職診断が行えます。
10,000件以上のデータに基づいた解析を行っており、
簿記2級程度の知識で経験の浅い方でも転職できる求人先から公認会計士や税理士等のプロフェッショナル向けの求人先まであなたにピッタリマッチした転職先を膨大なデータとAIを活用して素早く提案してもらうことができます。
有給消化率や残業時間に関するデータも踏まえているので、「仕事と自分の時間の両立」を重視している方にもおすすめです。
一般の転職エージェントの場合、大量に求人が送られてきて求人選びに困ってしまうというケースもあるかと思いますが、
こちらの転職サービスではAIと膨大なデータを活用して最適な求人の提案が受けられるので、転職にかかる手間も大きく削減できます。
サービスに登録することで、本来エージェントに相談しないと得られないような求人先の深い情報等が見れるため、
かなりおすすめの転職サービスです。
AIによる転職診断だけではなく、
多くの経理や会計人材の転職支援実績のある専門のエージェントにLINEやメール、電話で24時間相談ができるので、転職相談を重視したい方にもおすすめです。
テクノロジーと人の双方の良い部分を活かした転職サービスとなっており、会計業界での転職においてはかなり実績が高いのでこの機会に是非利用してみてください。

税理士・公認会計士をはじめとする会計のプロフェッショナルの転職支援と一般企業で働く経理の転職に特化しているエージェントです。
会計事務所・一般企業のどちらの転職にも精通しており、一人ひとりの経験と希望に合わせた最適な求人先の提案が受けられるでしょう。
会計事務所の転職マーケットに詳しいのはもちろん、キャリアに関する相談にも定評があるため、求人の紹介のみならず、今後のキャリアも見据えた転職相談・求人の紹介を受けたいという方にはとても良いエージェントです。
会計事務所の内情というのはなかなか入手するのが難しいのですが、こちらの転職エージェントは、公認会計士の方が創業したということもあり、会計業界の転職マーケットには非常に詳しいので、是非相談してみましょう。
こちらの転職エージェントの場合、経験の浅い方向けというよりは、経理や会計事務所での実務経験が3年以上ある方向けになりますので、どこかしらで3年以上の勤務経験がある方におすすめです。
以下の記事でも会計事務所と経理の転職に詳しい転職エージェントについても紹介しておりますので、こちらもご参考ください。
最近は会計事務所の転職支援を行っている転職会社も増えておりますので、いろいろ見比べてみると良いでしょう。
・月次処理から決算まで一人完結の場合が多い