監査法人へ転職 2018年以降の会計士と監査法人の転職マーケットについて

2014年から2017年にかけて、監査法人はかつてないほど採用を強化していた背景もあり、公認会計士の資格さえ持っていれば誰でも転職できてしまうのでは?と思えるほどの状況でした。
しかし、2017年の半ばあたりから少し状況は変わってきているように感じています。
そこで、簡単に監査法人の転職・採用状況について触れてみたいと思います。

Big4監査法人は転職のハードルが少し上がっている?

2017までと比べると、2018年は少し転職のハードルは上がっているように感じます。
業務過多からくる人手不足の問題は、昨年までの採用強化により、少しずつではありますが、解消されている傾向にあります。
依然として採用意欲は高いものの、監査業務経験、あるいはそれらに加えて金融機関やパブリックセクター、外資系企業、事業会社での業務経験がある方など、プラスアルファの何かを持っている方が採用されやすい傾向になってきています。以前と比べると、面接などの選考で不採用になる方の割合が増えている印象を受けます。
ただ、これはあくまで、超売り手市場だった2014年~2017年までと比較した場合であり、現在でも採用意欲はかなり高いと言ってもよいでしょう。
監査法人ではAIの活用も視野に入れており、ワークライフバランスへの取り組みも強化していることから、このままいくと、売り手市場ではなくなる可能性もあるかもしれません。
もしBig4への転職や出戻り等をお考えの方は、今のうちに転職エージェントや監査法人に勤務している友人などから情報を取得しておきましょう。

中堅監査法人の転職市況は依然として超売り手

中堅・中小の監査法人は相変わらず超売り手市場です。
顧客数を伸ばしている監査法人もあり、そうしたところでは、純粋に業務拡大による採用も増えています。
また、監査の品質管理が問題となっており、そうした面での体制強化という側面もあるかもしれません。
後は、マネージメントができる人材は相変わらず不足しているようですので、管理職クラスでの採用はまだ比較的多い印象があります。大手監査法人などと比べると、管理職の経験は早く積めると思いますので、今後のキャリアを俯瞰したうえで、中堅・中小監査法人への転職も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

公認会計士の転職マーケットはいつまで売り手有利が続くのか?

いつまで売り手市場は続きますか?とよく聞かれるのですが、こればっかりは誰にもわかりません。
例えば事業会社の管理部門、特に経理部門では、AIやITの発達により転職市場は落ち着いてくると言われていましたが、現在ではむしろより一層人手が足りない状況になっており、経理の転職マーケットは相変わらず超売り手市場です。

ただ、傾向として、事務系の転職マーケットは売り手市場ではなく、むしろ買い手市場になっているので、
経理の転職市場も1年以内で変わってくるのではないかという見方が多いです。

先ほど記載しましたが、昨今AIやIT技術の発達により、業務の効率化・自動化がビジネス現場活用されるようになってきているため、昔のように求人が全くないというようなことにはならないと思いますが、いつかはこの売り手市場は終わるでしょう。

ITやWeb関係の技術系職種は依然として需要が高く、売り手市場が続きますが、会計業界や管理部門系の職種に関しては、徐々にではありますが、採用が減ると思われます。

しかし、現在のところ減っているのはあくまで単純作業や事務作業が中心の職種であり、同じ経理や財務でも、企画系の仕事であれば需要が高く、そこにマッチする人材の一つは公認会計士となります。
そのため、会計の原理原則を理解している公認会計士の将来性は高く、その知識を活かして価値の高い何かを提供できるのであれば、相変わらず需要は大きく、比較的転職がしやすい状況は続くでしょう。
単純作業者として従事するのではなく、クリエイティブな業務ができるようになることを目指すことで、市場価値の高い人材として重宝されると考えられます。

監査法人のアドバイザリー部門への転職はどうか?

ここ数年各監査法人ではアドバイザリー部門の拡大がすすめられていたのはご存知のことかと思いますが、各社とも採用強化を継続しており、監査法人にいながら非監査業務を経験することができます。
公認会計士の場合、財務・会計アドバイザリーの分野での採用になりますが、
財務会計アドバイザリー業務は監査業務の経験が活かしやすい点と仮に監査の経験がなかったとしても、事業会社での経理・財務の経験などがあれば転職が可能なため人気の転職先となっています。

ただし、監査の経験しかない会計士の場合、年齢的に比較的若い方が採用される傾向にあるように感じます。
20代~30歳までのイメージがありますが、このあたりの年齢感は近年緩和されつつあるので、
もし30以上で監査法人のアドバイザリー部門へと転職をお考えの方がいましたら、転職エージェント等に相談してみてください。

監査法人へと出戻ってくる会計士の転職状況はどうか?

2014年~2016年にかけて、氷河期時代に監査法人に就職できず、事業会社などで就業していた方がBig4監査法人へと転職されるケースが目立ちました。
監査法人の人手不足がピークになった時期でもあり、ある程度年齢の高いかたでも、事業会社での勤務経験がある方は比較的転職は容易でした。

合わせて、監査法人から事業会社やコンサルティング会社へと転職したものの、どうもうまくいかないということで、監査法人へと出戻ってくる会計士の方の転職も増えた時期でした。

よく情報収集せずに、イメージだけで転職したものの、事業会社の雰囲気やコンサルの忙しさに耐え切れず出戻ってくる会計士は結構多かったです。

現在は少し状況は落ち着いているように感じていますが、ある程度スキルが想定できる出戻り会計士の転職を歓迎する監査法人は多いという点と、
外で身につけた感覚やスキルは重宝される傾向にあるため、現在でも監査法人への出戻り転職は比較的簡単であると考えられます。

年収に関してもそれなりに考慮したものを提示してくれる傾向にあるようです。

監査法人ではシステム監査やITリスクコンサルタントの需要が大きい

システム監査やITリスクコンサルタントの採用にも監査法人は力を入れています。
このあたりは会計士の方にはあまり関係ない領域かも知れませんが、昨今IT化やシステムの活用は避けては通れないため、
IT・AI・RPA・セキュリティリスク等の知識は頭に入れておいた方が良いでしょう。

ITコンサルやベンダー等でシステムエンジニアとして勤務していた方が監査法人へと転職されるケースは増えており、
IT知識のみならず内部統制や経営に関する知識も身につけられるということで、
人気、とまでは言えませんが、システムエンジニアのキャリアパスとして認知され始めております。

ワークライフバランスを求めて中小監査法人へ転職

Big4監査法人では業務フローの見直しなどにより、一時よりは激務ではなくなっているようです。ただ、一方で不正防止に伴う手続きの煩雑化により、ある種どうでもいい業務というのは増えているようで、相変わらず世間一般に比べれば忙しいようです。
そのため、ワークライフバランスを求めて転職される方はかなり多いです。

一般的に事業会社を志向される会計士の方が多いのですが、中小監査法人へと目を向ける方もいらっしゃいます。

監査に飽きたという方が多い中で、監査がやりたいという方もいらっしゃいます。
そうした方は中小監査法人に目を向けることで、ワークライフバランスを保ちながら監査法人で働くことができるでしょう。
また、中小ではアドバイザリーと監査の両方が経験できるところもあるため、転職先として一定の人気はあります。

こうした監査法人に転職したい場合は転職エージェント等を活用した方が良いでしょう。

希望の監査法人へ転職するには

ここからは公認会計士や監査法人の転職マーケットに詳しい転職エージェントの紹介をさせていただきます。
監査法人といっても様々あり、Big4監査法人の中でも雰囲気に違いはあります。
トーマツが体育会系だとしたらEYは昭和のマッタリ感があるといったように、風土にも違いがあります。

また、Big4以外の監査法人にも目を向けたいという方は、転職する監査法人によって経験できる業務が大きく違ってきますので、
しっかり情報収集してから転職しましょう。

現在の市況であれば転職エージェントに頼らずとも監査法人への転職であればそれほど難しくありませんが、
情報収集や監査法人を軸にどのような転職先があるのか興味のある方が利用するのが良いでしょう。
以下におすすめの転職会社を紹介しますので、興味のある方はご覧ください。

ジャスネットキャリア
監査法人の転職動向についてはもちろんですが、企業の経理・財務部門への転職についてもかなりノウハウを持っています。
とても丁寧に転職相談を受けてくれるので、いろいろと相談がしやすい転職エージェントです。
半年後、1年後をめどに転職を考えていて、じっくり情報収集しながら長期的に転職活動をしたいという方もいるかと思いますが、こちらの転職エージェントは長期フォローも手厚いので、そうした方にもおすすめです。
また、アカウンタンツマガジンという冊子を登録者向けに発行していますが、ここでは、様々な公認会計士のキャリアに焦点をあててキャリアを紹介しているので、今後のキャリアを模索するという点において、とても参考になります。
これを読むだけでも登録する価値がありますし、登録すると無料で読むことができるので、興味のある方は登録してみましょう。



マイナビ会計士
監査法人のみならず事業会社やコンサルティングファームも含めて幅広く次のキャリアを模索したい方にはおすすめの転職サイトです。Big4監査法人、事業会社、コンサル業界への転職であればかなり強いでしょう。
規模の小さな監査法人や会計事務所への転職ということであれば、別の転職エージェントの方が良いかも知れませんが、コンサルや事業会社も視野に入れたいということであれば、マイナビ会計士が良いでしょう。

MS-Japan
監査法人はもちろんのこと、事業会社への転職も視野に入れているという公認会計士に特におすすめの転職エージェントです。
資格者(税理士なども含めます)向けの管理部門の求人数は恐らくトップクラスなのではないでしょうか。たくさんの求人を見ながらいろいろ見て検討したいという方にはおすすめです。転職事例も豊富で様々なケースの転職を支援していることから、相談することでいろいろな気づきがあるかもしれません。
中小規模の監査法人の情報にも詳しいため、こちらの転職エージェントであれば監査法人への転職という点では間違いはないでしょう。



doda
総合型の転職エージェントですが、公認会計士向けの求人もたくさん持っています。
Big4監査法人の求人はどこの転職エージェントでもありますので、Big4への転職ということであれば、正直どこの転職エージェントも構いません。こちらを利用するメリットとしては、やはり事業会社への転職を視野に入れているケース。
必ずしも公認会計士でなければならないという求人が多いわけではありませんが、公認会計士の資格を活かすのではなく、会計士としてのスキルを活かして幅広く転職先・求人を探したいのであれば、こちらのエージェントも利用してみると良いでしょう。

転職をご検討中の方へ

転職をお考えの士業の方や管理部門で勤務されている方に向けて、おすすめの転職サイトや転職エージェントに関する情報を紹介しています。 特に士業の方や士業事務所にて勤務されている方の場合、キャリアは独特な方も多いので、転職先の業界や職種ごとに転職エージェントは使い分けた方が良いでしょう。 そうした情報を紹介していますので是非ご覧ください。

資格取得を目指している方へ

公認会計士や税理士、社会保険労務士、司法書士、弁理士などの資格を目指している方、もしくはこれから目指そうとしている方向けに、資格取得に役立つ情報やおすすめの勉強サイト・サービスなどを紹介していますので、是非ご覧ください。