公認会計士の仕事内容 会計士になりたい方に向けて会計士の仕事内容やキャリアについて解説

手に職をつけたいから公認会計士になりたい、
大学で簿記や財務・会計の勉強をして会計士に興味を持った、
営業をやりたくないから会計士になりたい、
親が公認会計士だからなんとなく、
将来CFOや起業に興味がある、
など、公認会計士を目指す理由は様々ですが、多くの方に共通している事項として、会計士の具体的な仕事内容を知らないということです。

公認会計士の資格を取れば将来安堵と思っている方も多いのですが、実際のところそこまで楽ではありません。
もちろん、高い年収が貰えるということやつぶしが聞くという点では確かに安定した資格ではありますが、
公認会計士の資格を取ることもさることながら、公認会計士になってから仕事をしていくのは大変です。
とても責任重大な仕事なのです。

そこで、ここでは、公認会計士の資格を取るというところから会計士になったあとの具体的な仕事内容、キャリアについて見ていきたいと思います。

公認会計士の仕事内容:公認会計士試験に合格したら、ほとんどの人が監査法人というところで監査という仕事を行います

公認会計士試験に合格したら、監査法人で監査業務を行うのですが、ミスが許されない仕事で、それでいて業務量も多いことから苦労している方が多いです。しかし、その分年収も高いです。
この監査という仕事は、公認会計士だけに許された独占業務と呼ばれるものなので、どんなにスキルが高くても、公認会計士の資格を持っていないとできないうえに、監査の需要は性質上とても大きいので、公認会計士になれば仕事量は多いですがそれなりの年収をもらうことができます。

ここからは、監査業務の仕事内容を具体的に見ていきますが、
公認会計士法の第一章の第一条には,公認会計士の役割について以下のように記述しています。

「公認会計士は,監査及び会計の専門家として,独立した立場において,財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより,会社等の公正な事業活動,投資者及び債権者の保護を図り,もって国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする」

要するに、企業が作成した財務諸表が適正かどうかを第三者の立場から精査し、投資家(株主)や融資を行う金融機関が間違った情報を基に判断してしまうことがないように、企業の財務書類が正しいかどうかを証明するのが公認会計士の監査の目的です。

このように企業の財務書類が適正かどうかを証明することが大きな役割となるのですが、
公認会計士が、監査報告書という形で、この企業の財務諸表は正しく、粉飾は行われていないことを明らかにすることで、
投資家や銀行、更には労働者に対して、この会社はこうです、と各々が判断するための材料が適正であることにお墨付きを与えることになるのです。

逆に言うと、公認会計士が企業の粉飾を見抜けなかったり、大きなミスがあった場合には大きな責任が生まれます。
昨今、企業の不正会計や粉飾決算等の問題がニュースで取り上げられ、株価や経済に大きな影響を与えていることはご存知のことと思いますが、日本経済を根底から支える、責任のある仕事であることがよくわかると思います。

このことから、公認会計士の存在意義・重要性・必要性はよくわかることと思います。

具体的に会計士が行う監査とはどのような仕事内容なの?何か専門的なスキルが身につくの?

公認会計士は、監査業務を通じて、財務・会計に関する原則論を身につけると同時に、様々な企業の事例を見ることができます。
そのため、監査の仕事を通じて財務会計に関するスキルを高め、将来的に企業のCFOや財務責任者、M&A、IPOなど様々な仕事にチャレンジすることもできます。
まずは、監査の仕事内容について簡単に見ていきたいと思います。

上記で記載したように、公認会計士の監査という業務が無ければ、健全な経済活動、現在の資本主義社会は成り立たないことは説明しましたね。
そんな公認会計士の監査業務ですが、財務書類の数字の根拠となる資料など、重要なものを端からチェックする仕事になります。

たとえば、売上の架空計上なんて話を聞いたことがあるかと思いますが、こうしたものは不正の典型です。
売上を計上するまでの流れを確認したり、請求書や見積書を見て一つひとつ確認していきます。
また、取引先にも状況を問い合わせたり、銀行などの金融機関から資料を手配したりもします。

このように、様々な資料を確認していき、不正や間違いがないかをチェックしていきます。

また、こうした監査業務の他に、監査法人では、M&Aに係わるアドバイスやIPOに関する支援業務等も行っており、
こうした業務を通じて様々な企業でのモデルケースを見ていくことができるので、
監査法人の次のキャリアとして人気になっているのが、こうした経験を活かせるコンサルティング業務を行う方が多いです。

公認会計士は財務・会計の知識を活かしてコンサルティング業務を行うことができる

監査法人で働く公認会計士が多いのですが、それ以外の道として、公認会計士は、会計・財務等の専門知識を有しているので、財務・会計に関するコンサルティングファームで活躍している方もたくさんいらっしゃいます。ただし、監査業務と違い、会計士資格を保有するものしかできない独占業務ではありませんので、資格がなくてもスキルが高ければ会計士でなくてもできる業務です。そのため、コンサルティングファームでは、自身の生き残りをかけた戦いも生まれます。

公認会計士の監査の仕事内容は、企業の財務諸表が適正かどうかを判断することでしたが、コンサルティング業務の場合は、財務諸表も含め、企業が行っている事業の課題を見つけ、経営者にアドバイスをしていくことが求められます。そのため、財務・会計に関する高い知識以外に、ビジネスに対する理解や世の中の動きなどにも目を配り、財務書類が適正に作られているかどうかという点だけではなく、そこから企業の経営状態を読み取り、どのように事業運営を行っていくのが良いのか適切なアドバイスをしていくことが重要です。

公認会計士が他の方と比べて有利な点は、監査を通じて様々な企業の事業体を見てきたという経験と確かな財務・会計に関する知識があるというところです。この財務会計の知識を活かして、様々なコンサルティング業務をおこなっていくことができるのです。企業運営を行う上で、財務・会計・経理に関する悩みがなくなることはなく、こうした分野において公認会計士は有利に働くことができます。

コンサルティング業務は自身の腕次第で大きく年収を稼ぐことができるという点と大きくスキルを伸ばしていくことができるという点において人気のキャリアとなっています。
また、このコンサルティング業務で培った経験を活かして、今度は、自身が起業するというキャリアや企業のCFO等の経営陣として企業経営に参画するという道も生まれてきます。

ベンチャー企業のCFOとしてIPOを実現

ベンチャー企業では資金調達や企業の財務・経理体制の構築、内部統制などが大きな課題になりますが、
こうしたものを整えていくにあたり、監査法人での経験は大きく活かせるため、ベンチャー企業のCFOとしてキャリアを構築していく方もすくなくありません。
M&Aを行うことも多く、多岐にわたる分野で活躍することができます。

ベンチャー企業のCFOとしてIPOまで実現できれば、大きな収入を得ることもできるため、そうした点でも夢のある仕事と言えるでしょう。

公認会計士はやろうと思えばなんでもできる

ここで記載した以外にも、公認会計士は様々な仕事があります。
基本的には、監査法人にて監査業務を行うところからキャリアをスタートさせる方が大半ですが、
その後のキャリアは人それぞれです。

資格を取るのは大変ですが、公認会計士の資格を取り、業務経験を積んでいくことで、社会的信用も生まれることから、様々なことにチャレンジしやすくなるのです。そのため、現時点で、将来何がやりたいかわからないけど、何かやりたいんだ、とフワッとした願望をお持ちの方もいるかと思いますが、そうした方も公認会計士資格にチャレンジする価値はあるでしょう。
実際に、公認会計士になった方の中にも、将来像を具体的に描いていなかったという方は多いです。業務を通じて、夢ができ、チャレンジしている方も少なくありません。
会計・財務の知識は何をやるにも活かせるのです。

なお、公認会計士の資格を取るまでの道のりや税理士との違いなどについても気になると思いますので、そういう方は以下の記事をご覧ください。

また、専門学校のパンフレットなどにも、公認会計士の資格取得までの道のりや流れについては記載されていますので、
以下の大原さんのHP等から資料請求してみるのが良いでしょう。
会計士試験といえば、やはり大原の利用者は多いです。
資格の大原公認会計士講座

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樋口 智大株式会社インテグラルベース 代表取締役
公認会計士・税理士・経理などの士業・管理部門の人材紹介を行う株式会社レックスアドバイザーズで勤務し、転職エージェントや会計専門メディアの事業の立ち上げを経験。その後、株式会社インテグラルベース(厚生労働省特定募集情報等提供事業者51-募-000806)を創業。現在は転職・採用・人事に係わるコンサルティングや求人サイトの運営を行っています。 士業JOBでは、これまで培った人脈と10年弱に及ぶ転職や採用に関する業務経験・実績を活かして転職に役立つ情報の配信を行っている他、多数の人材紹介会社とも協業し、最新の情報をブラッシュアップしながら配信を行っています。また、行政書士として事務所を開設しており、自身も士業として活動しております。 執筆者・監修者・編集者情報へ