社会保険労務士になるには?受験資格も必要?

社会保険労務士の仕事内容

社会保険労務士は全国で約42,000名、毎年8月に実施される試験に合格した上で人事・労務や年金のプロフェッショナルとして活躍しています。

社会保険労務士試験の受験資格や合格までの勉強時間、合格後の登録方法などについて解説します。

社会保険労務士になるためには社会保険労務士に合格する必要あり!その前に受験資格がある?

司法試験合格者を除き、社会保険労務士になるためには必ず国家試験に合格しなければなりません。

受験資格は主に3つで、いずれか1つに該当すれば受験可能です。具体的な受験資格について、説明します。

学歴

4年制大学や専門職大学の卒業生であれば、専攻の学部・学科にかかわらず受験資格を得られます。

また、在学中・中退者であっても、一般教養科目の履修を終了している人や卒業認定単位のうち62単位以上を修得済の人であれば大丈夫です。

高卒の人でも、通信制大学の全科履修生として入学し、62単位を修得した時点で受験資格が発生します。

さらに、短期大学や高等専門学校(本科)、厚生労働大臣が認めた88種類の学校・養成施設等の卒業生も受験可能です。

なお、平成7年以降に専門学校の卒業生の場合は、専門士・高度専門士いずれかの称号を得られていれば受験可能です。

実務経験

まず、通算3年以上、社会保険労務士事務所又は弁護士事務所の補助者として勤務していれば、受験資格が発生します。

この場合、社労士会・弁護士会に補助者登録をしていなくても、事務所の代表者が補助者だと認定していれば問題ありません。

次に、一般企業で、通算3年以上労務や社会保険関係の業務に携わっている人も受験できます。

ただし、定型的な事務に従事する人は対象外で、就業規則の作成など難易度が高い業務にフルタイムで携わる人が前提であることに留意が必要です。

そして、国や地方自治体の公務員も、通算3年以上行政事務(公権力の行使を伴う職種)に携わっていれば受験できます。

その他の国家資格合格

厚生労働大臣が認めた自衛官採用試験など79種類の国家試験のうち、どれか1つに合格していれば、実務経験や学歴にかかわらず社会保険労務士試験を受験可能です。

なお、国家試験の名称が変更されている場合があるので、合格歴がある国家試験名が受験案内に記載されていない場合は、試験実施先に確認すると良いでしょう。

また、行政書士への登録が可能な人も、社会保険労務士試験を受験できます。

行政書士として登録済の人や、税理士・公認会計士・弁理士の各試験に合格済の人も対象です。

さらに、司法試験予備試験又は旧司法試験の第1次試験に合格した人も、年齢に関係なく受験資格が得られます。

社会保険労務士になるためには必要なのは試験合格だけじゃない!2年以上の実務経験も必要?

社会保険労務士試験に合格後、都道府県の社労士会に会員登録を行うためには、2年以上の実務経験を積む必要があります。

実務経験と認定される主な内容は、社会保険・雇用保険・労災保険に関する手続きや就業規則の作成・変更に関する事務で、一般企業の総務・人事部門で携わることができます。

また、会社で実務経験を積めない場合は、毎年1回実施される事務指定講習を受講して実務経験に代えることも可能です。

4か月間の通信教育課程を受けた後、7~9月に全国4か所で開催されるスクーリングに4日間参加して修了で、受講料は70,000円+消費税です。

社会保険労務士になるために必要な勉強時間は800〜1000時間!?

社会保険労務士試験に合格するためには、約800~1000時間の勉強が必要だと言われています。

1日3時間の勉強だと、約9か月~1年かかる計算です。資格試験予備校でも、試験の1年前から試験対策講座が開講されているのが現実です。

勉強する科目は労働基準法や健康保険法など全8科目、テキスト約1,000ページ相当の知識が必要となります。

試験区分(択一式・選択式)や科目ごとに合格基準点(満点の約6割)が設定されており、基準点に到達しない項目があれば不合格となることから全科目まんべんなく得点できる力が要求されます。

そのため、問題集や模試での演習と共に、空いた時間に数ページ単位でテキストを何度も読み返すことが効率的に知識を定着させる上では大切です。

合格率約6%の難関ですが、合格者の約8割が有職者なので、仕事と両立しながら合格を目指せる試験だと言えます。

社会保険労務士の年収はいくら?

社会保険労務士の平均年収は男性約534万円、女性459万円で(厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」)、大企業に勤務する人の年収には届かないものの全国平均の年収よりは高い水準です。

自分で事務所を運営する開業社労士の場合、コンサルティングや講演を積極的に手がけ年収1,000万円以上を実現する人がいます。

一方、開業間もない人や休日の副業として数件の顧問先を受け持つ人では年収100万円以下というケースもみられます。

助成金申請や年金請求手続きなどスポット業務も多いため、業務量によって年収が大幅に変動する可能性があるのが実態です。

また、特定の企業に所属する勤務社労士の場合は、企業本体や所属部署の給与水準に沿った給与が支給されます。

ただし、高度専門職として位置づけられていることから職務手当や資格手当がプラスされたり、専用の役職を用意されたりして相場より高い年収を手にできる可能性もあります。

総務・法務など管理部門に所属するケースが多く、定期昇給やボーナス以外では大きな給与変動はないようです。

社会保険労務士の大変なことは法律を勉強し続けなければいけないこと?

社会保険労務士は、労働関係や社会保険の各種法令を熟知した上で業務を進めるため、日頃から最新情報の収集が必要となります。

したがって、会員制の有料サイトや複数の本・雑誌に目を通したり、社労士会主催の研修会やe-ラーニングを受講したり等、1日勉強し続ける時もあるくらいです。

例えば、2019年4月の労働基準法改正で有給休暇の一部取得義務化が開始されるなど、人の動きにかかわる法改正が繰り返し行われるため、古い法令と対比しながら最新の法令チェックも欠かせません。

社会保険労務士としての仕事を続ける限り、勉強も続くわけです。

また、業務を進める中で高い緊張感を持ち続けていることも、社会保険労務士として大変なことの一つです。

年金や社会保険の受給手続きなど人の生活や権利に大きな影響を及ぼす業務も多いため、確実な情報提供を行うために言葉遣いや相手の理解度チェックにも気を遣います。

賃金台帳や就業規則案など細かな書類チェックを行う場面もあり、集中力も要求されます。

社会保険労務士になるために社会保険労務士への理解を深めよう!

社会保険労務士になるためには、国家試験に合格した後に2年以上の実務経験を積むか、実務経験に代えて事務指定講習を受講した後に都道府県の社労士会に会員登録する必要があります。

試験勉強の内容の多くが実務に直結しますが、勉強期間が長期にわたるため通信教育や予備校を活用して早期合格を目指すのがおすすめです。

社会保険労務士の資格取得を目指す方は以下の記事もご参照ください。

社会保険労務士の資格取得は独学と学校(オンライン・通信含む)のどちらがいい?

2019年9月19日
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