人事の研修担当者が転職で成功するためには何が必要でしょうか。
研修業務と他の人事業務との違いや役立つ資格について解説します。また、転職活動に入る前に決めておくべきことや、有効なアピールポイントも紹介しているので参考にしてください。
目次
人事の研修業務は他の人事の業務とどう違う?
人事業務には「採用」「教育・育成」「評価」「適材適所の配置」「労務」などがあります。
研修業務も社員を「教育・育成」する、企業に欠かせない人事業務の一つです。
研修業務は、社員のスキルアップや能力開発のために存在し、組織能力や生産性向上に貢献する業務です。
効果的な研修によって、社員の不足したスキルや能力の標準化やさらなる向上を図ります。将来的視点で進めていく業務です。
他の業務は、事実や過去の実績に対峙するものが多くなります。
「労務」は、社員が安心・安定的に働ける環境を提供する業務です。ルールや規定の策定のほか、保険や年金に関わる事務処理や勤怠管理などを行います。
「採用」「評価」「適材適所の配置」などは、査定・選定・選抜という判断を下していきます。
人事の研修担当者が転職する際に決めておくべき希望はこの3つ!
転職に際し、あらかじめ基準となる希望条件を決めておくことをおすすめします。
人事の研修担当者が着目しておきたいポイントは3つです。
希望年収
給与や年収については、希望する範囲をきっちり決めてから転職活動に入ったほうがいいです。
その上で、できるだけ妥協をしない企業選択をおすすめします。
仕事内容ややりがいも大切ですが、少ない給与のために基本的な生活に不安や不満が生じてしまっては本末転倒になりやすいです。
仕事内容ややりがいどころではなくなってしまいます。
雇用形態
雇用形態は、働き方に大きく影響する要素です。
正社員だけでなく、契約や派遣、パートやアルバイトなどもあります。
自分の理想とするライフスタイルが保ちやすい形態を選択することも大切です。形態ごとに条件や待遇が大きく異なるケースも少なくありません。
企業を比較検討する際に混乱しないためにも、転職開始時にしっかり決めておくのが賢明です。
管理職的業務があるかどうか
人事の研修担当をしていく中で、管理職業務を希望するか否かを決めておきましょう。
希望するのであれば、管理職としての待遇や制度が整っているかもチェックしておくことが大切です。
また、転職の時期は、自分の理想とする将来的なキャリアを考える機会でもあります。
今でなくても将来的に管理職業務を希望するというような場合には、その道が開けている企業かどうかも確認しておくことをおすすめします
人事の研修担当者が転職で有利になる資格はこの5つ!
人事の研修担当者の転職で有利になると考えられる5つの資格をご紹介します。
難易度の高い資格もありますが、在職中にチャレンジしておくのもおすすめです。
メンタルヘルスマネジメント検定2種
職場のメンタルヘルスについては社会的に注目されている項目です。
社員と常に接する人事にとって、社員のメンタルヘルス対策や対処も任務の範疇となります。
知識の証明には、メンタルヘルスマネジメント検定です。できれば2種まで取得しておくと転職にも有利に働きやすくなります。
ビジネス・キャリア検定
ビジネス・キャリア検定には、8分野43試験が用意されています。
該当する職種に合わせて選択して受験することが可能です。
人事領域の2、3級は、「人事・人材開発」と「労務管理」に分かれており、各分野に必要とされる体系的な知識が範囲となります。
1級は、経営やリスク管理などマネジメント領域を含めた「人事・人材開発・労務管理」が範囲です。
組織の人員計画や福利厚生制度、労使関係についてや人材育成などの専門知識も得られるため、研修業務にも活かせる資格といえます。
社会保険労務士
難易度の高い国家資格として知られる社会保険労務士の資格も、人事領域の転職には有効と考えられます。
人事の労務的な業務と密接に関わり合いを持つ資格です。中小企業の中には、社会保険労務士の業務を内製できることでコスト削減を図りたいと考える企業も少なくありません。
外部委託に頼ったとしても、社内に専門知識を持つ人材がいることはメリットといえます。
研修業務には直結しませんが、国家資格でもあるため、取得や記載が損になることはありません。
キャリアコンサルタント
2016年に新しく国家資格として創設されたキャリアコンサルタントも転職に役立つ資格です。
職種を知り、必要とされる個性や適性について深い造形が求められます。
一定の経験値と講習受講も必要です。その知識を持って企画・運営する研修についても専門知識を得ることができる資格です。
人材不足や人材の能力向上などの課題を抱える企業に、貴重な人事戦力人材として認めてもらえる可能性が高くなります。
マイナンバー検定2級
人事の仕事では、社員のマイナンバーを管理することになります。
マイナンバーは重要な個人情報であり、扱いに関する法律に沿って徹底管理する必要があります。
マイナンバーについての基本的な知識はもちろん、実務での管理スキルを証明できる資格です。
マイナンバー検定には3級から1級がありますが、実務でマイナンバーを扱う者としては2級以上の取得が望まれます。
これはいらない!?人事の研修担当者の転職で必要ない資格はこの2つ!
人事の研修担当者の転職では、難易度の高い資格でも役に立たないものもあります。
ここでは、不要な2つの資格をご紹介します。
中小企業診断士
取得して無駄になる資格はないとは言え、中小企業診断士の資格は人事の仕事にはあまり関係がありません。
経営に関する専門知識を証明する資格であるため、将来的に起業や独立を考えている(=辞めてしまう)人材では?という懸念を持たせてしまうこともあるので注意が必要です。
日商簿記
簿記は、会計や財務など企業の経理に関わる資格です。
人事との関係性は薄く、人事職としての転職に踏み切るときにも、効力の低い資格といえます。
2級以上を取得していて、他に資格がないという場合は履歴書に記載してもいいですが、他に関連性の高い資格がある場合には省くのが賢明です。
人事の研修担当者が転職の際にアピールすべきことはこちら!
研修を実施した経験があれば、積極的にアピールしてください。
どのような問題があったのかという研修企画の経緯や、研修によってどのような結果や効果が出せたのかを伝えることが大切です。
できれば具体的な数値の変化を提示できると説得力が増します。
実施したというだけでなく、工夫をしたり、提案したりした経験もアピールとして有効です。
人事の研修担当者が転職するなら転職に有利になる資格やアピールするポイントを押さえよう!
研修担当と他の人事業務の特徴の違いを理解して、転職活動を進めていきましょう。
人事の研修担当者の転職では、ご紹介したような資格があると有利になる可能性が高まります。研修の実務経験のある人は積極的にアピールしてください。
実施に至るまでの経緯や成果を交えながら、具体的にアピールすることが印象度を上げるポイントです。