経理職としてベンチャー企業が気になる、ベンチャーへの転職に成功したいと思っている人も近年増えてきました。
昔はベンチャーというとブラックなイメージを持つ方も多かったのですが、昨今むしろ働き方に柔軟性を持たせたベンチャーが多く、それでいて貴重な業務経験が積めることもあり、人気の転職先の一つとなっています。
ただし、当然すべての人が転職して良かった!と思っているわけではありませんので、失敗例についてもよく学んでおき、職場選びで成功できるように転職活動を進めていきましょう。
目次
経理でベンチャー企業への転職に向いている人の特徴は?
経理職が担当する業務内容と職場の雰囲気において、大手企業とベンチャー企業ではかなりの差があります。
ベンチャー企業で働くのに向いている経理職とはどんな人なのでしょうか。
このような点(主にマインド)が該当するなら適性があると考えられるポイントを六つ紹介するので、自分が該当するかを確認してみましょう。
成長・スキルアップを重視している
仕事をする上で何を重視しているかと聞かれたときに自分を成長させることや新しいスキルを習得すること、あるいは今までできなかった業務や他の人にはできない仕事を担えるようになることと答える人はベンチャー企業に向いています。
事業利益が安定しないので職を失うリスクもあり、給料もあまり高くないのが一般的です。
※ただし近年は大型資金調達等により財務基盤が安定しているベンチャーも多いです。また大手企業でも割とリストラ多いのでリスクと言う点ではあまり差はないかもしれません。
ただ、企業が伸びた際は大きな対価を得られる可能性があるほか、重要ポジションにつける可能性も多く、裁量をもって自分で会社を大きくしていく実感を持ちたいといった方や新しいスキル・経験を積んでいきたいという方にはかなりおすすめです。
ちなみにベンチャー企業は安定は確かにしていないのですが、働き方と言う視点では柔軟で、例えばリモートを取り入れるのもベンチャーが多いです。
昨今は副業される経理の方も多いのですが、ベンチャー企業では副業もウェルカムなところが多いので、経理の方がベンチャーで就業することはスキルUPの視点でも大いにありだと思います。
責任感のある重要な仕事をしたい
経理職として重要な仕事をして企業に貢献したいという気持ちが強い人もベンチャー企業に向いています。
大手企業と違って経理担当は一人だけということも多く、あらゆる経理業務を一手に引き受けて担当するのがむしろ普通です。
自分が正しく業務を遂行していかなければ経理が滅茶苦茶になってしまい、予算管理もできなければ経費精算も納税すらもできなくなるという状況になるでしょう。
このような重大な業務を任せてもらえる環境で精一杯頑張りたい人はベンチャー企業を目指すのが賢明です。
また、こうした経験は次の転職でも大きく活きますのでやっておいて損はありません。
また、既にCFOがいる企業では、優秀なCFOの下で業務を学ぶことが出来るので本当に力が付きます。
中長期的に見ても短期的に見ても良いキャリアになるでしょう。
なお、数年して企業が大きくなるとCFOは経営側業務に専念するケースが大半ですので経理実務の責任者としてのポジション等も目指すことも可能です。
いずれにせよ、責任ある仕事だけでなく、立場(役職)にも就きやすいです。
そうなってくると給与面も大手と違って年齢に関わらず高くなります。
将来的に起業することを考えている
経理職として働いた後は起業したいと考えている場合にはベンチャー企業で経験を積んでおくと役に立ちます。
大手企業のように予め業務フローが決まっていて、経理システムも運用されている状況で働くのとは違うからです。
csvファイルベースの経理管理を行っている現場が多く、業務フローはこれから組み立てなければならない場合も少なくありません。
経営状況に応じて予算を確保できたら経理システムを選定して導入することにもなるでしょう。
その担い手としての経験を積むと起業の際に生かすことが可能です。
また、経営に近いポジションでもあるので、経営するという視点でベンチャー企業を見ることができるのもご自身が独立する際に役立ちます。
出世意欲が強い
これから大きな成果を上げて出世したいという人もベンチャー企業で働くのに向いています。
年功序列の考え方はあまりなく、実力主義の現場が多いのはベンチャー企業の特徴です。
経理職として大きな活躍をすればCFOや部門長として抜擢されるケースもあるでしょう。
経理業務は人事評価が難しい職種なのは確かですが、他の職種を兼務することになる場合も珍しくありません。
その業務で数値化できる成果を上げ、本来の職能を考慮して経営陣に抜擢するといったキャリアパスも考えられます。
自分で考えて仕事ができる・仕事をしたい
マニュアル通りに仕事をしたり、上司の指示通りに業務をこなすよりも、主体的に働いていきたいという人もベンチャー企業でなら活躍できると考えられます。
ベンチャー企業では一つの業務に対して一人しかいないケースが多く、他の人も自分の業務以外の知識は持っていない場合がほとんどです。
経理職として採用されたら全て自分で考えてより良い形で業務を行えるようにしていくことが求められます。
つまり、むしろ自分で考えて仕事ができる能力を持っていないと成功するのは難しいでしょう。
トレンドに敏感
世の中のトレンドに敏感な人もベンチャー企業で成功を勝ち取れる可能性が高いでしょう。
ベンチャー企業は新しい価値を生み出して世の中に出していくことで大手企業も揺るがすような実績を生み出すことを目指しているのが一般的です。
トレンドを考慮して最適な方法を選び出して業務を行っていくのが当たり前となっている現場が多くなっています。
そのため、経理業務でも同じことを求められ、従来のやり方にとらわれずに働ける人が重宝されているのです。
大手企業の経理からベンチャーへ転職する人もいるの?
結構多いです。
仕組みを作っていく部分を経験したい、ということで大手からベンチャー経理へ転職される方はそれなりにいます。
大手企業は業務が縦割りで、ベンチャー企業にはマッチしない、と思い込んでいる方も意外といるのですがそのようなことはありません。
むしろ大手上場企業などでの業務経験を求めているベンチャーも割と多いです。
大手からベンチャーへの転職ですと、マインドセットは少し入れ替える必要はありますが、基本的に管理体制(経理財務含め)構築・業務フローに課題を抱えているケースが多いので、上場企業の経理でのフローやきちんとした仕組みでの業務を理解している点は活かすことが出来ます。
ただ、経理の仕事に関わらず関連する付随業務はなんでもやらないといけないですし、人とのコミュニケーション機会(内部外部含め)も増えるので、それなりに大変な部分はありますが、得られるものも大きいです。
大手で5年程基本的な経理業務経験を積み、IPO準備企業へ転職してIPOを経験して、そのまま要職として就業される方もいますし、別のスタートアップにいきまたIPOを経験する人、投資側へと転職される方など様々です。
いずれにせよ、本気で取り組めば経験値は大きく活きます。
経理でベンチャー企業に転職して失敗してしまった人の例がこちら!
中小の機械メーカーの経理で働いてきた人が技術開発ベンチャー企業に転職して失敗してしまった例があります。
今まではっきりとした業務フローが決まっていて、それに従って忠実に、かつスピーディーに業務をこなせることが高い評価につながっていました。
しかし、ベンチャー企業に転職してみると経理業務のやり方が全く定まっていなかったのです。
まずは業務フローを作ることから始めなければならず、持ち前の迅速な経理処理を生かせないまま月日が経っていくことになってしまいました。
前職の業務フローを外挿してみようとしたものの、発生する経費の種類がかなり違っていて、精算申請の形も整っていないので頭を抱える状態になってしまったという失敗例があります。
創意工夫をして現場に合ったシステムを作ろうという気持ちが強い人には向いていたのかもしれませんが、この人の場合には業務を正確かつ迅速にこなすことに長けていました。
それなのにベンチャー企業を選んでしまったために転職に失敗したのです。
ベンチャー企業の中にも上場が目前になっていて経理フローが決まっているところもあります。
自分の適性に合わせて職場を選ぶという視点が欠けていたのが問題点だったと言えるでしょう。
一口にベンチャーと言っても各社ごとでフェーズが異なるため、いま自分が受けようとしているベンチャー企業がどのステージにいるのか、それらを確認しておくだけでも大きなミスマッチは防げるかと思います。
ベンチャー企業の経理に転職したいなら転職エージェントを活用しよう!
ベンチャー企業の経理に転職して自分の適性に合っている職場で活躍できるようになりたいと思ったら、どんな現場なのかを正確に把握した上で転職先を決めることが肝心です。
その情報網を広く持っていて、適切なマッチングが可能な転職エージェントを活用するのが成功への近道になります。
エージェントに相談して自分が今まで経理職としてどんな活躍をしてきたか、これからどのようにして仕事をしていきたいかを伝えると、その考え方にマッチしているベンチャー企業を探し出して紹介してくれるのが魅力です。
事業内容にこだわりがあるなら、それも加味した上で候補を絞り込んでくれるのもメリットなので積極的に活用しましょう。
経理職の方がベンチャー企業に転職する際は自分がベンチャー企業に向いているかしっかり考えよう!
ベンチャー企業での経理職の立場は大手企業とはかなり違いがあります。
今まで大手で成功してきた人もベンチャー企業に転職して失敗することもあれば、窓際族になりそうだった人もベンチャー企業で成功できることもあるのです。
自分に適性があるかどうかをよく分析し、転職エージェントを活用して最適な職場に転職するようにしましょう。