税理士試験合格発表後は求人募集をする会計事務所が増えることから転職をお考えの方にとっては一つのチャンスの時期といえます。
社会情勢・世界情勢が不安定な状況が続く中で、自身のキャリアも含めた将来について真剣に考える方は多く、税理士試験の結果を機に現在の職場を見直す方もそれなりにいそうだと感じます。
なんとか目標の科目を合格された方、官報合格された方、1科目も合格できなかった方など人により状況はさまざまですが、それぞれの立場ごとで税理士試験合格発表後の転職活動の悩みは変わってくるようです。
例えば思わしくない結果が出てしまった方は現在よりも税理士試験勉強がしやすい職場を求めて動く方も多くいらっしゃいますし、逆に合格されたケースでは新たなスキルを身に着けるために必要な業務経験が積める会計事務所への転職を検討し始める方もいらっしゃいます。
すぐに転職するかどうかは各人の状況次第ですが、この合格発表の時期から改めて転職のための情報収集を開始される方は多くいらっしゃり、税理士試験後や税理士試験の合格発表後は比較的会計事務所の求人が増えるタイミングなので、それぞれ抱えた悩みを解消しやすい時期でもあります。
そこで、税理士試験合格発表後の転職について、ケースごとに記載してみたいと思います。
目次
税理士試験勉強と実務の両立がしやすいと会計事務所への転職を検討される税理士科目合格者は多い
税理士試験を複数回受験しているものの、なかなか合格の目途が立たない状況が続いているという方は非常に多くいらっしゃいます。
複数年税理士試験受験生をやっていると、試験に合格することも重要なのですが、一方で年齢を考えると一定以上の業務経験も積んでいないと危ないため、様々な面で危機感を感じている方が少なくないです。30代を超えてくるといろいろと不安になるようです。
もっと勉強に専念したいけど実務経験も積んでおかないといけない。お金も潤沢にあるわけでは無いし、、、どこかバランスよくできる良い会計事務所はないものかと悩む方もいらっしゃいます。
近年は税理士試験勉強に理解のある会計事務所はかなり増えましたが、それでも事務所によっては所員の税理士試験合格なんてしったこっちゃない、と考えているところも多く存在していますので、もし試験勉強に理解を示してくれない事務所で現在働いているのであれば転職を検討しても良いでしょう。
資格学校の授業のある日は17時に仕事を切り上げることができる会計事務所もありますし、資格取得を応援している会計事務所では試験前の休暇が長い事務所もあり、業務の振り分けもきっちり行ってくれるので安心して働きながら勉強をできる会計事務所も存在しています。
このような事務所では、税理士試験合格に向けて勉強中のスタッフも多いため、お互いに切磋琢磨しながら働くことができるのでモチベーションの維持にもつながるでしょう。
自分が現在勤めている事務所が試験勉強への理解がある方なのかどうかわからないという方もいるかもしれませんので、そうした方は一緒に勉強する仲間から情報収集したり、転職エージェント等から情報収集したりしてみても良いでしょう。
昔と比べれば随分と働きながら資格取得を目指しやすい会計事務所は増えたと感じます。リモートワークOKの会計事務所もありますので、そのような場合は勉強に専念しやすいと言えるでしょう。
※参考記事:リモートワーク可能な会計事務所・税理士法人は増えているが転職において注意が必要
働きながら勉強するというのは頭の切り替えも必要なのでとても大変なことだと思いますので、少しでも環境の良いところを選ぶべきと言えます。
ただ、そうした事務所は人気があり、応募者も多いので、競争になるのでしっかり準備をして転職活動に臨みたいところです。
税理士試験に合格された方は年収UPの転職も可能
税理士有資格者となると一般的に年収が大幅にUPする傾向にあります。
資格者かそうでないかで任せられる業務が違ってくるものです。
顧問先に対しても、名刺に税理士と入っているかどうかで信用も大きく変わってくるため、どうしても差がでてしまうのです。
そのため、現在お勤めの事務所でも一つ上の業務を任されることになり、年収も上がることがほとんどです。
※給与改定時期のタイミングにもよりますので、すぐに上がるとは限りません。
ただ、事務所によってはたいして変わらないというところもあります。
そもそも安い給料で働いてほしいから税理士試験に受かってほしくない、と考えている会計事務所も残念ながらあります。
なので、あなたが勤務する会計事務所にもしこのような傾向があるのであれば転職を考えても良いでしょう。
なお、税理士科目合格者と税理士の年収の差などを解説した記事もありますので、興味のある方は以下も参考にしてみてください。
税理士としてのキャリアを考え始める人も
税理士試験に合格された方や5科目合格が近くなってくると、この先のキャリアについて考え始める方も多いです。
これまで一般的な仕訳や記帳業務などを中心に行ってきたが、もう少しスキルを高めてコンサルティングよりの業務ができるようになりたいとか、業務をするなかで資産税への興味が出てきた等人により様々ですが、当初と価値観や考え方が変わってきたことにより、自身のキャリアについて疑問を持つ方も少なくありません。
このようなケースにおいて、勤務する会計事務所の規模やジャンルにより経験できる業務は大きく異なってきますので、転職するにしてもしないにしても慎重に勤務先は選んだ方が良いでしょう。
あなたがこれまで経験したきた業務とお持ちのスキルを整理するとともに、今後どのようなことにチャレンジしたいのか、それをするにはどのようなスキルが必要になるのか、まとめてみると良いです。
そうしてまとめた結果、今の事務所では難しそうだということであれば転職を考えても良いと思います。
逆にいまの事務所で経験できることがあるのであれば、上司や所長と相談の上チャレンジさせてもらうのも良いでしょう。
あなたがチャレンジしてみたいと思う業務について、どのようなスキルや経験が必要になるのかイマイチわからないという方は、
会計事務所に強い転職エージェントに相談すると良いでしょう。彼らはそのようなケースにおける転職相談をよく受けているので非常に詳しく解説してくれます。
税理士試験合格発表後のみならず1年中どのタイミングでも転職しやすい
税理士試験に合格した人もできなかった人も、それぞれの立場で悩みがあるものです。
特に勉強中の方であれば早く合格したいと焦る気持ちから、勉強に専念するために完全に退職し、無職の状態を選択される方もいますが、その決断は慎重にした方が良いでしょう。
実務経験が非常に重要視される業界でもあるので、大変ではありますが、極力働きながらの合格を目指すことをおすすめします。
働きながらでも十分勉強時間を確保することができる事務所はありますので、しっかり情報収集を行い転職活動を行ってください。
税理士試験後は求人を掲載する会計事務所は増加するので、こうした希望を比較的叶えやすい時期でもあります。
※ここ数年は1年中希望を叶える転職がしやすい状況ではあります。
いずれにせよ、税理士試験後のみならず、少し余裕があるときに転職情報に関しては調べておくと良いでしょう。
転職を考えているという方は、一度情報収集してみてはいかがでしょうか?
会計事務所に強い転職エージェントをもう少し詳しくまとめた記事もありますので、興味のある方は以下も参考にしてみてください。
ちなみに、合格発表後にすぐに動き出したいという方は、なるべく早めにエージェントに登録しておいた方がいいでしょう。
登録が増える時期でもあるため、ライバルが動き出す前に、早めの動き出しも重要です。
※情報収集や転職相談で評判が高いため、税理士試験勉強を重要視する、キャリアや経験を重要視するなど転職目的や悩みに応じてしっかりとしたアドバイスが得られるためおすすめできると考えます。古くから会計業界での転職支援を行っているので、各事務所の特徴などもしっかり把握しており、参考になる情報が得られる可能性が高い傾向にあると考えます。
※なかなか違いがわかり難い各会計事務所のポイントなどもしっかり押さえてくれているので、税理士試験合格発表を機にスキルアップできる環境へ転職したいなど各希望に合わせた求人の紹介が受けられます。
・HUPRO(ヒュープロ)
※税理士試験勉強に理解のある会計事務所、試験勉強を応援してくれる会計事務所の求人を収集したい方におすすめです。
登録をすることでAIとたくさんのデータを用いた転職診断が受けられたり、希望に合う求人先の提案をスピーディーに行ってくれます。
日々仕事と勉強で忙しくてなかなか転職活動をする余裕が無いという方もいるかと思いますが、求人サーチや情報収集など、転職活動にかかる手間をAIを用いて削減してくれるので、忙しくてなかなか転職活動できないという方におすすめです。
また、税理士試験に合格して、現時点でどのようなところに転職できるのか?など自身の市場価値を見てみたいという場合の利用でもおすすめです。手軽に利用できるのが良いでしょう。求人をたくさん見たい方におすすめです。
・MS-Japan
※会計業界で最も有名な転職エージェントかと思います。
古くから転職支援を行っているので会計事務所業界についても詳しく、税理士試験勉強するのに良い環境の会計事務所や税理士試験合格後のキャリアについて情報収集するには良いでしょう。また、求人数が多いのも非常にポイントです。