近年はベンチャー企業・IPO準備企業への転職が気になっているという経理職の方は増加傾向です。
数十年前などはベンチャーというとブラックなイメージを持つ方も多くて不人気の転職先でした。実際にとんでもない労働環境(待遇面・労働環境面双方において)のベンチャー企業が多かったのも事実であり、イメージが変わってきたのはここ十数年の間かと思います。
昨今のベンチャー企業の採用状況を見てみると、以前よりも資金調達が容易になった影響もあることから資金に余裕のあるメガベンチャー的なところも増えており、見かけ上は輝いて見える企業が多くなっており、採用募集の数自体はかなり多いです。働き方に関しても柔軟性を持って対応してくれるように見えるベンチャーが多くなっており、求職者からすると労働環境も良さそうに見え、それでいて貴重な業務経験が積めそうだと期待感が持てるため人気の転職先の一つとなっています。
ただ、これらはあくまで見かけ上そう見えるということであり、実態と乖離していることも多いので、当然すべての人が転職して良かった!と思っているわけではありません。失敗している事例も実際はあります。見極めが重要です。
また、IPOに興味があるということでIPO準備企業への転職を検討する経理職の方もいらっしゃいますが、結局IPOを断念せざるを得なくなるケースも多いため、転職にあたってはさまざまな角度での情報収集と見極めが重要となります。
ここではそんな経理のベンチャー転職失敗例についてもよく学んでおき、ベンチャー・IPO準備企業への転職活動を進めていくにあたって注意すべき点・押さえておくべき点などを考えていくとともに、転職を失敗してしまう例などを見ていきたいと思います。
目次
- 1 ベンチャー企業では経理の採用需要が高く転職はしやすい状況
- 2 経理を含めた管理部門を軽んじる経営者もベンチャー企業には多いので注意して求人を選ぶ
- 3 経理でベンチャー企業への転職に向いている人、向いていない人の特徴やメリット
- 4 大手企業の経理からベンチャーへ転職する人もいるの?
- 5 ベンチャー企業経理への転職ではエージェントを活用した方が良いか?
- 6 ベンチャーの経理へ転職して年収UPや待遇の安定は可能か?
- 7 ベンチャー企業へ転職したい理由がIPOしたいからというケースではIPO準備企業といっても様々な段階の企業があることを知っておく必要がある
- 8 とにかくIPOが経験したいということであれば経理経験が浅くてもIPO準備企業では採用される可能性がある
- 9 CFOや経理部長など要職としてIPOを主導する立場として転職は可能か?
- 10 IPOを目指しているが具体的にIPOに向けて何か準備が始まるわけではない会社へ転職するのは有りか?
- 11 IPOベンチャー経理職の求人はどうやって見つける?
- 12 IPOベンチャーの経理へ転職するメリット
- 13 経理がIPOベンチャーに転職するデメリットや注意点
- 14 IPOベンチャーの経理として経験を積んだ後のキャリアについて
- 15 IPO準備企業へ経理が転職するなら情報収集をしっかりと行いましょう
- 16 経理でベンチャー企業やIPO準備企業に転職して失敗してしまった人の例がこちら!
- 17 一度ベンチャー企業へ転職してしまうと大手の経理へは転職し難くなる?
- 18 経理職の方がベンチャー企業に転職する際は自分がベンチャー企業に向いているかしっかり考えよう!
- 19 ベンチャー企業の経理の転職・求人
ベンチャー企業では経理の採用需要が高く転職はしやすい状況
EYのIPOに関する調査や経済産業省の大学発ベンチャー実態等調査等を見ても分かる通り、ベンチャー企業の数は非常に増えており、また、IPOも活発だったことから採用需要が高いのはなんとなく想像がつくかと思います。
企業側の求人依頼などにおいて、ベンチャー企業で経理が採用できずに困っているといった相談はかなり多く、特にIPOに向けてマネジメント経験・IPO経験を持つ経理の採用に苦戦する企業が多かったことから一定度以上のスキル・経験がある方であれば引手数多と言える状況です。
求人数が大きく減少したコロナ禍の時でも経理の上位ポジションの求人は比較的多くあった状況です。
この先のIPO件数などはわからない部分もありますが、現状においてはIPOを目指すベンチャー企業そのものの数は多いことと、依然として一定の経験を有する経理人員が不足している状況に変わりはないので、ベンチャー経理への転職もしばらくは良い状況は続くものと考えられます。
ただ、誤解をしてはいけないのが、人手は不足しているものの採用要件を落としてまで採用したいと考えているわけではなく、少人数で運営していく関係上一定の業務を任せられるだけの経験を有しているなどスキル・経験面はかなり重要視される状況です。
ご年齢と募集ポジションにもよるところはありますが、売り手市場とはいえ良いベンチャー企業に関しては楽々入社できるということでもありませんのでしっかりとした準備は行って頂く必要があります。
とはいえ就職氷河期といった状況でもありませんので、ベンチャー企業に興味のある経理の方はしっかり情報収集しながら転職活動を行えば適切な職場を見つけることはそれほど難しくない状況と言えるでしょう。
なお、基本的に非公開で求人募集をするケースが多いので、管理部門とベンチャー企業の双方に強いエージェントの利用も検討してください。
IPO関係に興味があるのであれば、会計士の転職にも強みを持つエージェントなどを利用すると求人が見つけやすいでしょう。この辺りは後ほど解説します。
経理を含めた管理部門を軽んじる経営者もベンチャー企業には多いので注意して求人を選ぶ
ベンチャー企業には管理部門を軽んじている経営者も多いので、転職にあたって注意する必要があるということを最初に前提条件として記載しておきます。
管理部門の重要性を全く認識していない経営者のもとで働くと完全ブラック環境となりますので、絶対避けたい転職先となります。
IPOを検討しているケースでは、具体的に検討し始めたその段階で気づくケースもあるのですが、根本的にその重要性を認識しない方もいらっしゃるので、そういった価値観の経営者がいるベンチャーの経理へ転職すると痛い目を見る(実際にそういった方は多い)ケースも多いので、避けた方が良いベンチャー企業という事になります。
転職支援や採用支援の現場にいると、元々勤務していた会社の不正や誠意のない処理に巻き込まれて退職している経理の方も結構いらっしゃるので、そういった企業へ転職しないように経営者の人となりや人間性、経営方針などはしっかり把握したうえで入社するようにしましょう。
面接の場では必ず経営者と話をする場面がありますので、そうしたところで管理体制の重要性や人柄などは把握するようにしてください。
ベンチャーへの転職ではこうした経営陣の人間性の見極めが重要となってきます。
この辺りの詳細は後ほど記載させていただきますが、一つの方法としてMS-Japanなどのエージェント活用というものが考えられます。
経理でベンチャー企業への転職に向いている人、向いていない人の特徴やメリット
ベンチャー企業の経理と大手企業の経理とでは仕事内容はもちろん仕事の進め方、労働環境、必要とされるマインドセットなどあらゆる面で違いがあります。
ベンチャー企業に向いていない方はとことん向いていませんので、やめておいた方がいいケースも正直なところかなり多いです。
ただ、ベンチャーといっても様々なタイプのベンチャーがあり、一概に定義できない部分もあるため、あくまで以下は一つの傾向としてご覧いただきたいと思います。
高い報酬が得られる将来的な可能性にかけて頑張れるタイプの人
ベンチャー企業は入社時点では給与・福利厚生が高いというケースはそこまで多くありませんが、会社が大きく成長することで得られるリターンというものが存在しています。
高い役職が得られ、待遇がよくなる可能性
ベンチャー企業では上位のポジションに就ける「機会」が多い傾向にあります。
経理職はなかなか転職しない傾向にあるので、上位ポジションの方々が何十年もずっと留まり続け、あなたもずっとスタッフ職という感じになる傾向にあります。
そうなると年収もなかなか上がりません。
そうした方々がポジションや年収UPを求めてベンチャーへ転職し、良いポジションを掴むことがあります。
ベンチャー企業の良い点としては、会社が成長することで新たにポジションが生まれるというもの、経営陣に近いのでやる気や努力が認められて良いポジションに抜擢される可能性が高くなるケースがあること、IPOを実現することで入社時期によっては高いリターン(ストックオプション等)が期待できる点にあります。
特にポジションがあるというのは重要で、経理が年収を上げていこうとおもったら役職者になるしかありません。
そのため、年収を上げていきたい、高い待遇を得たいという志向性がある方はベンチャーへの転職に大きなメリットがあると考えられます。
ただ、メリットばかりではありませんし、現在大手企業にお勤めの場合は失うものがある可能性もあります。
こうした双方の良い点悪い点を知るには、ベンチャーから大手企業の経理まで転職支援を行っているMS-Japanなどの管理部門に強いエージェントには一度話を聞いておいた方が良いでしょう。
同社は会計士の転職支援にも強いので、専門家を必要とする大手上場企業からIPOベンチャーまで求人があり、大手とベンチャーの違い、双方のメリット・デメリットまで含めて相談が可能であるといえます。
成長・スキルアップ意欲が高い
転職する上で何を重視するかということを考えてみたときに、例えば自分を成長させることや新しいスキルを習得すること、今までできなかった業務や他の人にはできない仕事を担えるようになること、付加価値の高い人材になっていきたいといったようなチャレンジ精神や成長意欲が高い内容を思い浮かべる方はベンチャー企業に向いていると言えるでしょう。
良くも悪くも会社の成長が安定しない(急成長したり等)ので、随時変化する状況に合わせて取り組むべき仕事の内容・領域が大きく変わっていきますし、優先順位もコロコロ変わります。
業務内容という側面で見ると、例えば入社当初は日常経理を中心に行えば良いといったような環境だったが、企業のステージが変わると、例えば資金調達をする能力が求められるフェーズであればファイナンスに関連した業務を行う必要性が生じたり、あるいはM&Aを実行するなど投資的な目線で数字が見られる人材が求められたりなど状況により必要なスキルや仕事内容などに変化が出てくる可能性もあります。
当然企業の変化に合わせて最適な人材の採用も行っていくのであなたの仕事・立場がどのように変わるかは一概に言えませんが、いずれにせよ変化していくことを前提に入社しておかないとミスマッチが起こると言えます。
また、そうした状況変化に合わせた新しい業務への取り組み意欲やスキルアップ意欲などが無いとやっていくのが厳しいケースが多いので、こうしたマインドをお持ちの場合はどちらかと言えば向いていると言えるかなと思います。
いろいろ求められる割に入社当初の給与は低いケースが多いのですが、入社後企業が伸びた際は大きな対価を得られる可能性があるほか、重要ポジションにつける可能性も多く、裁量をもって自分で会社を大きくしていく実感を持ちたいといった方や新しいスキル・経験を積んでいきたいという方にはかなりおすすめです。
なお、昨今のベンチャーは働き方という視点では柔軟な企業がかなり多くなっており、管理部門でもフルリモート勤務可といったことを取り入れるベンチャー企業も多いので、業務内容・スキルに関しては広くいろいろ求められますが、自由度も高く、副業される経理の方も昨今は多いのですが、ベンチャー企業では副業もウェルカムなところが多いので、経理の方がベンチャーで就業することはスキルUPの視点でも大いにありだと思います。
責任感のある重要な仕事をしたい、ゼロベースで経理業務の土台や体制を構築から携わりたい
経理職として重要な仕事をして企業に貢献したいという気持ちが強い人もベンチャー企業に向いています。
大手企業と違って経理担当は一人だけということも多く、あらゆる経理業務を一手に引き受けて担当するのがむしろ普通です。
自分が正しく業務を遂行していかなければ経理(会社の数字)が滅茶苦茶になってしまい、予算管理もできなければ経費精算も納税すらもできなくなるという状況になるでしょう。
このような重大な業務を任せてもらえる環境で精一杯頑張りたい人はベンチャー企業を目指すのが賢明です。
また、経理部門や管理部門の体制構築から任されるケースもありますので、大きな裁量を持って土台を作り上げていくところからやりたい人にとっては面白い職場であると言えるでしょう。
CFOあるいは管理部門長といった形で入社されるケースも多くありますが、自身がトップとなりゼロベースから組織を作り上げていくことをやり遂げることができる方はかなり需要が高いと言えるかと思います。
こうした経験は次の転職でも大きく活きますのでやっておくことでキャリアが広がります。
逆を言うと、オペレーション業務に特化して従事したい方にはベンチャーは向かないと言えます。
20代などの若手であればCFOなどプロフェッショナル直下で成長できる環境も
上場を目指しているベンチャー企業での採用においては、既にCFOなどの経理責任者がいるケースが多いのですが、そうした優秀なCFOの下で業務を学ぶことが出来るので勉強になることも多いです。
中長期的に見ても短期的に見ても良いキャリアになるでしょう。
なお、数年して企業が大きくなるとCFOは経営側業務に専念するケースが大半ですので、後任として経理部門実務の責任者(部長等)としてのポジション等も目指すことも可能です。
いずれにせよ、責任ある仕事だけでなく、その立場(役職)にも就きやすいです。
そうなってくると給与面も大手と違って年齢に関わらず高くなります。
一般的な大手企業に勤務してしまうと、実力があっても20代・30代のうちはたいしたポジションには就けませんので、早期に大きな経験をしたいケースではベンチャーへの転職は有りでしょう。
将来的に起業することを考えている
経理職として働いた後は起業したい・独立したいと考えている場合にはベンチャー企業内部で経験を積んでおくと役に立ちます。
大手企業のように予め業務フローが決まっていて、経理システムも運用されている状況で働くのとは違うからです。
csvファイルベースの経理管理を行っている現場が多く、業務フローはこれから組み立てなければならない場合も少なくありません。
経営状況に応じて予算を確保できたら経理システムを選定して導入することにもなるでしょう。
その担い手としての経験を積むと起業の際に生かすことが可能です。
また、経営に近いポジションでもあるので、経営するという視点でベンチャー企業を見ることができるのもご自身が独立する際に役立ちます。
意欲が強い
これから大きな成果を上げて出世したいという人もベンチャー企業で働くのに向いています。
年功序列の考え方はあまりなく、実力主義の現場が多いのはベンチャー企業の特徴です。
経理職として大きな活躍をすればCFOや部門長として抜擢されるケースもあるでしょう。
経理業務は人事評価が難しい職種なのは確かですが、他の職種を兼務することになる場合も珍しくありません。
その業務で数値化できる成果を上げ、本来の職能を考慮して経営陣に抜擢するといったキャリアパスも考えられます。
自分で考えて仕事ができる・仕事をしたい
マニュアル通りに仕事をしたり、上司の指示通りに業務をこなすよりも、主体的に働いていきたいという人もベンチャー企業でなら活躍できると考えられます。
ベンチャー企業では一つの業務に対して一人しかいないケースが多く、他の人も自分の業務以外の知識は持っていない場合がほとんどです。
経理職として採用されたら全て自分で考えてより良い形で業務を行えるようにしていくことが求められます。
つまり、むしろ自分で考えて仕事ができる能力を持っていないと成功するのは難しいでしょう。
トレンドに敏感
世の中のトレンドに敏感な人もベンチャー企業で成功を勝ち取れる可能性が高いでしょう。
ベンチャー企業は新しい価値を生み出して世の中に出していくことで大手企業も揺るがすような実績を生み出すことを目指しているのが一般的です。
トレンドを考慮して最適な方法を選び出して業務を行っていくのが当たり前となっている現場が多くなっています。
そのため、経理業務でも同じことを求められ、従来のやり方にとらわれずに働ける人が重宝されているのです。
大手企業の経理からベンチャーへ転職する人もいるの?
結構多いです。
仕組みをいちから作っていく部分を経験したいということで大手からベンチャー経理へ転職される方はそれなりにいます。
大手企業は業務が縦割りで決められた範囲の業務しかやってきていない人が多いからベンチャー企業にはマッチしないと思い込んでいる方も意外といるのですが、必ずしもそうであるとは限りません。
むしろ大手上場企業などでの業務経験を求めているベンチャーも割と多いです。
大手経理からベンチャー経理への転職する場合、先ほどまでで記載した通りマインドセットは入れ替える必要はありますが、ベンチャー企業が抱える大きな課題の1つである管理部門体制の構築と業務フローに課題を抱えているケースが多いので、上場企業の経理として知り得た管理部門体制の仕組みや業務フローの仕組みを理解している点は活かすことが出来ます。
IPOを目指すケースなどにおいては上場企業としての体制構築が求められるので、上場企業で相応の経験を有している場合は重宝されるでしょう。
ただ、経理の仕事に関わらず、関連する付随業務(管理部門全般)はなんでもやらないといけないですし、人とのコミュニケーション機会(内部外部含め)も増えるので、それなりに大変な部分はあります。
ちなみに、大手企業からベンチャー経理へ転職した後のキャリアパスとしては、IPOを経験してそのまま要職として就業し続ける方もいますし、別のスタートアップに行きまたIPOを経験する人、投資側へと転職される方など様々です。
しかしながら注意点としては、大手とベンチャーで身につくスキルが異なるので、大手企業には戻り難くなります。
とはいえベンチャーでの業務経験は様々なところで行かせますので、キャリアの幅が狭まるわけでは無く、むしろ広がると言えるため、そこまで心配する必要もないです。
ベンチャー企業へ転職した後のキャリアまで含めて模索したいケースではエージェントなどを頼って各種事例を確かめておくと良いでしょう。
ベンチャー企業経理への転職ではエージェントを活用した方が良いか?
ベンチャー企業の経理に転職して自分の適性に合っている職場で活躍できるようになりたいと思ったら、どんな現場なのかを正確に把握した上で転職先を決めることが肝心です。
その情報網を広く持っていて、適切なマッチングが可能な転職エージェントを活用するのが成功への近道になると言えるかと思いますので、エージェントは利用した方が良いと言えます。また、近年は多数の転職補助ツールがあるので、エージェントだけでなく、基本的に使えるものは極力有効活用していく方向で考えると良いかと思います。
エージェント利用という面を補足すると、ベンチャー企業だけでなく他の領域も選択肢に入れて広くキャリアを考えているケースでの転職においては個々の企業に関する情報はもちろんですが、大手の経理とベンチャーの経理との違いや業種・業界ごとの違いなど、ミスマッチが起こらないようにいろいろと情報を取得してから転職を決定していきたい方が多いかと思いますので、様々な企業への転職支援を行っているエージェントであればそうした多数の疑問も解消してくれます。
エージェントに相談して自分が今まで経理職としてどんな活躍をしてきたか、これからどのようにして仕事をしていきたいかを伝えると、その考え方にマッチしているベンチャー企業を探し出して紹介してくれるのが魅力です。
事業内容にこだわりがあるなら、それも加味した上で候補を絞り込んでくれるのもメリットなので積極的に活用しましょう。
なお、転職エージェントは多数あるのでどこを利用するか迷うところもあるかと思いますが、例えばMS-Japanは管理部門と士業に特化した転職エージェントとして多数の実績があり、また、会計士などの財務会計のプロフェッショナルの転職支援も行っているので、会計士を必要とするIPOベンチャー求人なども多数保有しているので、大手企業だけでなくベンチャーを希望している経理の方の転職にも合うことから参考としてご案内しておきます。
また、士業と管理部門の転職というところだとWARCエージェントの利用も良いでしょう。同社自身がベンチャー含めてハンズオンで経営管理のコンサルや支援を行っていますのでベンチャー界隈での転職に強みがあります。
特にIPOを経験したいということでベンチャー経理を志望される場合はこうしたベンチャー界隈と深いつながりを持つエージェントも利用しておくと選択肢が広がるかと思います。
後は、先程記載した通りエージェント以外にも転職で使えるツールというのは多数あり、エージェントを使わずに求人先と出会うケースが最近では増えております。知り合いからの誘い、SNS経由での誘いなど転職ルートは多岐に亘っているので広く求人との出会いの可能性を探っていくのが良いでしょう(この場合客観的な情報収集が難しいこともあるので注意は必要ですが、機会創出という意味では有効です)。
エージェントに関する情報を希望されるケースでは以下のページをご参考ください。
友人経由でベンチャー企業へ転職する場合は注意も必要<デメリットもある>
ベンチャー企業Aに所属する友人Aに誘われてジョインするといったケースがありますが、こうした友人・知り合い経由の転職で人間関係に傷がつき、トラブルになってしまうケースというのも存在しています。
例えば、Aの部下的ポジションに留まることとなってしまうケース、友達として絡むには良かったが仕事で絡んでみたら価値観なども全く合わなくて居心地が悪くなった、、、など友人に対して良い思いを抱けなくなってしまうケースや入社してみたけど自分には合わないからやっぱりやめたいなと思ったけど友人の手前辞めると言い難いと感じたり、逆に友人があなたのことを過大評価していて思いのほか仕事ができないあなたにガッカリされるケースなど様々なパターンがありますが、知り合いだからこそ気になってしまう部分が出て来て喧嘩をしたりうまくいかなくなったりする事例がありますので注意したいです。
いろいろと後腐れのある状況になるケースはありますので、転職に関してはあまり友人関係を頼らない方が良いのかなとも思うこともあるので、慎重に検討してみましょう。
ベンチャーの経理へ転職して年収UPや待遇の安定は可能か?
ベンチャー企業へ転職して年収をUPさせた方も多くいらっしゃいますが、現時点でどの程度年収を得ているか次第かと思います。
例えば、一般的な中小企業の経理からベンチャー企業へ転職できた場合ですと、転職時点では年収が上がるケースが多いです。
資金調達をしっかり行っていてIPOを目指しているベンチャーでは経理などの管理部門の体制構築が急務であるケースが多いので、条件に当てはまる経理の方から応募があれば多少の年収UPは許容して受け入れてくれるケースが多いです。
ただ、その後年収が伸びていくかどうかは企業の成長とあなたの成長次第となります。
上記までで記載しましたが、ベンチャー企業の場合は新たなポジションを得やすい傾向にあるので、会社が成長すれば将来的に良いポジション・良い待遇を得ることは可能です。ただ、要職は外から招聘されるケースも多いですし、また、あなた以外にもやる気に満ち溢れた同僚はいるかと思いますので、ある程度の競争はあるでしょう。
しかしながら、いずれにせよ前提として会社の成長が無ければ分配もありませんので、待遇面まで意識した転職をするのであればどのベンチャーに所属するかということも重要です。
個人的なことを記載すると、私もベンチャー企業へ転職したことがありますが、社員10名くらいの頃に入社し、数年で社員数が100名近くにまで成長する会社へ転職したおかげで、大した実力も無いのに、一定のポジションと年収はそこそこ頂けるようになりました。
今は退職していますが、リスクを取ってベンチャーへ転職してうまくいくと、結構楽なポジションに就けることがあるのは事実です。
待遇を気にするならどのベンチャーへ転職するかという見極めが重要
パッと見イケイケのベンチャー企業は多いのですが、2年、3年で衰退しているところは非常に多いです。
結局のところ、そのベンチャーが伸びれば待遇は上がっていき、若いうちからそれなりのポジションに就くこともできますが、衰退してしまえばまた転職せざるを得ないといった状況にもなります。
正直なところ、どのベンチャーが絶対的に伸びるかということを見極める確実な方法はありませんが、最低限以下の点には注意したいところです。
ビジネスモデルなどの収益体制
ビジネスモデルの見極めは非常に難しく、何が良くて何がダメかを一概に判断することはできないのですが、どんな事業をしており、そのビジネスに共感できるかどうかは最低限チェックしておきましょう。
伸びそうだからという視点ではなく、この事業をやっている会社は良さそうだという価値観的な部分です。
具体例は記載しませんが、その事業本当にやる意味あるの?と思うようなビジネスが各人によってあるかと思いますが、そういった部分の見極めと、後は収益構造を確認し、肌感覚的に心配だなと思うところは仮に勤務してもあなたに合わない可能性があるため注意した方が良いでしょう。
なお、こうしたビジネスなどに関する話は転職エージェントからの情報だけでなく、面接の場でもしっかり確認しておきましょう。
経営陣の性格とビジョンの確認
一番重要なのは、経営陣がどんな人たちなのかという部分のチェックです。
社内環境や方針、組織などベンチャー企業は変化していくものですが、そうした変化は経営陣の性格・方針によるところも大きいため、面接時に話をしてみて、感覚的な部分が合いそうかどうかをしっかり重視しておくことが良いでしょう。
また、最近は儲かれば何でもOKと考えている経営者や早々にM&Aして逃げ切りを図りたいと思っている経営陣も多く、そうしたベンチャー企業に入社してしまうと、従業員的にはあまり良いことは無いケースが多いので、話を聞きながら、当該企業はどこを目指しているのかしっかり見極めましょう。
後は、経理職の場合は既にCFOが存在しているベンチャー経理への転職であれば、CFOともしっかり面談させてもらい、人柄をチェックしておきましょう。一緒に仕事をしていく重要人物になるので、この人と合わないと大変です。
こうした経営陣がどこを目指していてどういった人柄か、ビジョンは何なのかをしっかり質問をしながら探っていきましょう。
自分がそのポジションの1人目などを狙うのも有り
経理の場合なかなか難しいかもしれませんが、そのポジションの1人目という形で入社すると責任は付きまといますが、かなり自由に仕事を遂行することができるので、むしろ楽といったケースが多いです。
ある程度一人で仕事が進められるくらいのスキルを持っていることが前提になりますが、この場合上のポジションにも活きやすいので、将来的な待遇面もある程度期待できるでしょう。
上記において一番確認しておきたいのが、やはり経営陣に関することになりますので、面接では積極的に質問しておきましょう。
ベンチャー企業へ転職したい理由がIPOしたいからというケースではIPO準備企業といっても様々な段階の企業があることを知っておく必要がある
IPO準備企業といっても様々な企業があります。
もう既にIPOをすることが視野に入っており、N-3期、N-2期(上場申請を行う期をN期と呼び、申請の2期前をN-2期等と表記します)といったことが記載されている企業もあれば、特にIPOに向けて何か準備が進んでいるわけではないけどIPOを目指している(意識だけ)という企業まで様々あります。
IPOを目指すベンチャーといっても様々なフェーズの会社があり、あなたが経理としてなぜIPO準備企業へ転職したいのかというその動機によってどのフェーズの企業へ転職するのか変わってくると言えるでしょう。
また、各フェーズによって人材採用に掛けられるコストも異なってきますので、利用すべき転職サービスなども異なってくる可能性があります。
そのため、まずはなぜIPO準備企業なのか?IPO準備企業で何が経験したいのかを整理しておくと良いでしょう。
永遠にIPO準備をし続けている企業というのも結構多くあり、具体的にIPOに向けたフローを経験したいのにIPO準備が何も進んでいない会社へ転職しても希望が叶えられないケースもあるためです。
IPOにおける各フェーズの補足
念のため各フェーズについて簡単に補足しておきます。
N-3期(直前々々期)というのは上場の申請を行う期の3期前のことで、監査法人によるショートレビューを受け、改善事項の明確化やコーポレートガバナンス・コンプライアンス体制などの内部管理体制の整備を進めていく段階です。監査法人との契約も行います。
N-2期(直前々期)は具体的にIPOに向けた会計監査も始まり、主幹事証券会社の選定・契約、J-SOX対応への着手など各種業務フローの整備・構築等を行っていく段階です。
N-1期(直前期)は上場申請書類の作成が始まっていく段階です。
N期(申請期)は株式上場に向けた申請の時期です。
各フェーズでIPOに向けて不足する人材を採用するケースが多いため、具体的にIPOに関する業務を経験したい場合はこうしたフェーズにある会社への転職を検討する必要があることもあります。一方で、こうした企業は既にある程度成長している状況なので、ゼロベースからIPOできるぐらいまでの企業成長をする段階から見たいというケースではもっと小さいところへ転職する必要があります。
本記事の本筋の内容ではないのでかなりザックリ書きました。詳しく知りたい方は以下のIPO支援コンサル会社のHPなどでしっかりと確認するようにしてください。
参考文献:響きパートナーズ株式会社HP
とにかくIPOが経験したいということであれば経理経験が浅くてもIPO準備企業では採用される可能性がある
上記の各フェーズで記載したように、IPO準備企業では内部管理体制をしっかり整備していかなければなりませんので人材採用を積極的に行っている傾向にあります。
各部門の長(経理であればCFO、経理部長あるいは管理部門長等)として転職するには相応の経験が必要となるため転職は容易ではありませんが、その下に就くスタッフ層としての転職であれば経験値が浅くてもチャンスはあります。特に20代若手はかなり転職がしやすいです。
20代で簿記2級をお持ちで経理経験が1年か2年程度ある方であれば積極的に採用してくれるところが多いので、単純にIPOを経験したいということであれば意外とチャンスは多くあります。
このフェーズでは日常経理業務だけでなく、上場企業としての体制整備が求められているので、経理部門を一から作っていく過程を経験でき、この先のキャリアでも大きく活きる経験となります。
IPOを検討している会社の数は多いですし、そうでなくても経理体制を整備したい会社は多くありますので、しっかりとこうした経験をしている経理職の方は需要が高いです。
なお、経営者が財務会計にバックボーンがある方のケースだと最初から既にかなり整っているというケースもあるため、一から作っていくところからやりたい場合は確認しておく必要があります。
CFOや経理部長など要職としてIPOを主導する立場として転職は可能か?
スタッフとしてIPO経験したいということではなく、CFOやそれに準ずる立場で入社し、IPOを進めていきたいという方もいらっしゃるかもしれません。
この場合は過去に既にIPO経験(一定の立場として)のある経理の方や公認会計士など財務・会計に関する原理原則を理解し、構築していくことが可能なスキルを持っていることが前提となるため、
特に上場フェーズにおけるCFOは守備面(体制構築)の強化や手続きに強い方が求められる傾向にあることから会計士がフィットしやすく、会計士を求めるケースが多くなっています。
そのため、通常の経理としての転職とは求められるものが変わってくるため、転職時にこうした要職ポジションを検討している際は以下の記事などをご参考ください。
なお、こうしたCFOの補佐ポジションとしての転職であれば経験が浅くても可能であるため、そういったポジションで転職し、ノウハウを学び、経験を積むのも悪くないと考えます。
また、スタッフとして転職して将来的にCFOや経理部門長を目指せるか?という疑問をお持ちの方もいるかもしれませんが、そのあたりは後ほど記載します。
IPOを目指しているが具体的にIPOに向けて何か準備が始まるわけではない会社へ転職するのは有りか?
上記では既にIPOが視野に入っている企業への転職という視点で記載しておりますが、そうではなく、IPOが視野に入っているわけでは無いが将来的にはしたいと思っている企業やシード段階の企業なども多数経理を募集しています。
そういった企業へ転職するのも個人的にはありだと考えています。
本当の意味での初期メンバーに近い形でジョインできるので入社のタイミングによっては株式が持てたりすることもありますし、うまくいけば高い地位・収入が得られるポジションに就ける可能性もあると言えます。
私自身もベンチャー企業での就業経験がありますし、知り合いでも多いのですが、社員10名未満の時に入社し、会社が大きくなることで良いポジションへ就いた方は結構います。上場を果たすことで、何もない本当の意味でのまっさらなところから進め、IPO、そして拡大といった形で経験していくことは先のキャリアでも大きく役立ちます。
苦労はありますが、大企業で出世争いするよりも楽しみややりがいがあると言えます。
ただ、良い面ばかりではなく、そういった段階の企業の場合は財務状況が良いとは言えない企業も多いので、早期に解散してしまったり、資金調達もうまく行かず事業がスケール出来ずIPOどころではなくなってしまったりなど、大変な思いばかりで良い経験が積めないリスクもあります。
給与も当初は決して良いとは言えない設定になるケースも多いです。
いずれにせよ、転職活動をするにあたってはその企業がどのフェーズにいるのか確認し、あなたの目的に合わせて入社すべき会社を選んでいきましょう。
IPOベンチャー経理職の求人はどうやって見つける?
IPOベンチャーに興味があってもなかなか求人が見つけられないというケースは多いかと思います。
というのも、IPOを検討している企業は採用募集を大っぴらにしないことが多いからです。
特に財務経理に関するポジションはその傾向にあります。
そのため、求人広告サイトを見ていても求人が思ったほど見つからないというケースも多いことから、経理向けの転職エージェントサービスに登録し、非公開求人を紹介してもらうというのが一つの手段となります。
また、スカウトサービス経由でIPO準備企業へ転職される方も多いため、そうしたサービスの利用も検討してみてください。
当サイトでも経理の転職サイト・転職エージェントのおすすめはどこ?のページでご案内しておりますので気になる方は参考にしてみてください。
会計士などIPOをする上で必要となる人材の転職支援に強い転職サービスを利用するのも手
上記まででIPOをするにあたってはCFOなどのポジションで公認会計士を求める傾向にあるということを記載させていただきましたが、そういった会計士の転職支援を行っている会社には会計士を求めるIPO準備企業の求人がいくつか集まっている傾向にあり、会計士が必要となる段階となってくると具体的にIPOが見えているケースになってくるので、それなりに良い求人が見つかりやすい傾向にもあります。
こうした会計士領域ではMS-Japanが有名であり、同時に経理などの管理部門転職支援実績も豊富なので、IPOベンチャーへの転職を考えるにあたって利用を検討するサービスの一つと考えることができます。
また、同様に会計士などの士業転職に強いWARCエージェントもIPOベンチャー経理転職支援実績が高く、利用メリットがあると考えられます。
一つの意見として参考にしてみてください。
SNS経由での誘いもあるが注意が必要
近年はSNS経由で直接採用やスカウトが届くこともあります。
この場合、ヘッドハンターからの連絡なのか、企業側からの直接の連絡なのかでも変わってきますが、ヘッドハンター経由での連絡であれば各種調整や情報収集、各種希望条件の整理などをヘッドハンター側で調整して折り合いをつけてくれますが、企業側からの連絡の場合、情報収集が疎かになり転職後に後悔されるケースも少なくないので、企業直での連絡の場合はしっかりと情報収集を行うとともに、不明点は企業側にしっかりと確認するようにしましょう。
ベンチャー企業の場合、表向きな綺麗でクリーンな会社に見えても実態はそうではないケースも多々あるためです。
IPOベンチャーの経理へ転職するメリット
ベンチャー企業の転職の項目で記載したところと重なる部分もありますが、IPOベンチャーの良い面・悪い面を見てみましょう。
若いうちに上位ポジションに就ける可能性が高い
どのタイミング、どのポジションで入社するのかにもよりますが、上位の役職に就ける可能性は一般的な大きな規模の会社に就職するよりも高いと言えます。
IPO準備を行っている段階ではスタッフ層だったとしても、IPOを果たすころにはマネジャーぐらいに昇格しているケースというのはそれなりに多くあります。場合によっては経理部長ぐらいまでは行ける可能性も高いと思います(あなたにやる気とスキルアップ志向がしっかりあることが前提ですが)。
ただ、CFOや管理部門長を狙えるかどうかは微妙なところです。IPO後は事業をドライブさせていくことが必要となり、守備面よりは攻めのスキルが重要視される傾向にあるため、資金調達を始めとするファイナンスに強い方が好まれることも多いため、通常の経理職から上位のポジションに就くのは難しいケースは多いです。
また、CFOや管理部門長は外部から招聘するケースも多いです。しかしながら経理業務だけを行う部門の長という立場になることはできるかと思いますので、そういう意味では上のポジションを狙いやすいというメリットがあると言えるでしょう。
若いうちに高年収が狙える可能性がある
上記で記載したように、上場を果たした後に経理部長クラスであれば早期(入社から5,6年程度)になれる可能性があります。
スタッフとしてIPO実務に携わり、3年目あたりに上場し、IPO後3年程度で部長になると年収ベースで1000万円近くなることもあります。
IPO準備中に上にいた方々はIPOが終わったらまた次の別の会社のIPO準備企業へ行ってしまうケースもあり、ポジションが空くこともあり、チャンスそのものは多いと言えます。
もちろんあなた以外にも頑張っている社員はいるかと思いますし、新たに外部から入ってくる経理職の方もいるので競争が無いわけではありませんが、可能性があるというだけでもやる気がでるものです。
裁量がある、貴重な経験が積める
IPOの経験そのものが貴重であり、部門を一から作っていく経験というのはそれだけでも貴重ですが、それ以外にも様々な経験が積めます。
人によってはデメリットと受け取るかもしれませんが、例えば労務などの給与計算など経理とは少し外れた業務など管理部門のその他の業務経験(見る等)をすることもできます。
経理に近しいところですと内部統制、IRなどでしょうか。
将来的に管理部門長・CFOを目指したいといったケースではどこか一つの部門だけわかっていれば良いというものでもないので、幅広く経験ができるというのはキャリアとして貴重です。
また、裁量を持って業務にあたることができるケースが多く、自分で考えて実行していくことができるのも魅力でしょう。
なお、全てのベンチャーが必ずしもこうであるとは限らず、あくまで傾向の話となります。
経営者と距離が近い
経営陣と直接一緒に働く機会も多くなります。
経営者の物事の考え方、仕事の進め方など勉強になることが多いです。
また、自分の意見が直接経営者に言えて反映されていくというのも思っている以上にやりがいに繋がります。
こうした経験値を得られること自体にメリットがあると言えます。
経理がIPOベンチャーに転職するデメリットや注意点
残念ながら良いことばかりでは無いです。
忙しすぎて、人が足りなさすぎて絶望することがある
大手企業と違って人員体制が不足しており、バックアップ要因が圧倒的に不足していることから業務負荷が凄いことになることがあります。
そもそもの人数が少ないので日ごろから忙しい傾向にある上に、上場準備などは期限までに間に合わせないといけない業務も多いため、帰宅が遅くなることも多々あります。
また、IPOベンチャーへ転職したいと考える経理職は確かにそれなりに多いのですが、一方で辞める人も結構います。ここで記載しているように忙しいという理由であったり人間関係であったりと理由は様々ですが、離職もそれなりに多くあります。
様々な要因で忙しくなる可能性を秘めているので、本当に大変なことになることもあります。
こうしたリスクは通常の企業に勤務するより高いので、ハードワークを多少覚悟しておくことが必要です(近年は昔ほど激務じゃないケースが増えました)。
IPOできないケースも多い
IPO準備している企業の全部がIPOしているわけではありません。
理由は会社により様々ですが、経営者がやっぱりIPOを辞めるというケースもいくつかありましたし、その他の利用によってIPOを辞めてしまうケースがあります。IPOをやめるのではなく断念せざるを得ないというケースもあります。
IPOを経験したくてその会社に勤務しているケースではそのまま勤務を続ける意味がなくなってしまうこともあり、大した経験も積めずにまた転職を余儀なくされるリスクはゼロではありません。
こうしたリスクがあることは承知の上で転職する必要はあります。
良くも悪くも能力次第な側面があり、給与もポジションも安定しない可能性がある
メリットのところで上位のポジションに就ける可能性があることや高い給与が得られる可能性があることを記載しましたが、それとは逆に安い給与のままというリスクもあります。
これは会社が成長せずに給与が上がらないリスクだけでなく、あなたの実力的な面も含んでいます。
ベンチャーでは結果・成果が出せる人をどんどん出世させていく傾向にありますので、後から来た人に抜かれていくというリスクはあります。
思っていた以上に他の人の方が仕事ができるということもあり、給与が上がらないだけでなく自信を失うこともあります。
手厚い教育制度などは無いことが大半
大手企業などでは研修制度がしっかり整っていて更にOJTもじっくりやってくれるケースが多いかと思いますが、ベンチャーではそうしたことは無いと思った方が良いです。
皆さん本当に忙しくてわからないことを質問し難いなと感じることも多くなる可能性があります(いじわるなわけではなく、本当に忙しくて余裕がないケースも多いです)。
基本的に自分で学んでレベルアップしていけるマインドがある人でないとうまくいかない可能性が高いと言えます。また、気を使いつつも忙しそうにしている中でしっかりと質問して自分から動けるマインドも必要です。
経理など管理部門職の方に多いのですが、待ちの姿勢の方には合わない可能性があります。
メリットもデメリットもあくまで傾向の話であり、全てのIPO準備企業に当てはまるわけではありませんので、実際に転職する際は個別具体的にその企業求人に詳しいエージェントなりヘッドハンターなりに確認するか、面接でしっかり見極めていくようにしましょう。
IPOベンチャーの経理として経験を積んだ後のキャリアについて
経理としてIPO経験をした後もずっと当該企業で勤務するケースばかりではなく、何かしらの理由で転職が必要になるケースも多くあります。
そのため、IPO経験を活かしてどういったところへ転職できるのかというのは非常に重要になってきますが、まず、IPOを経験しているというその経験があれば再び別のIPO準備企業へ転職することは比較的容易であると言えます。
ただ、IPOベンチャーではないところへ転職したいと考える方もいらっしゃるかと思いますが、他の選択も可能です。
少し場合分けをしてキャリアを見ていきましょう。
再びIPOを目指すベンチャー企業の経理へ転職
IPO準備企業にN-2期などのIPOが見えている段階で経理として転職し、IPOを経験すると、もっと前の本当の意味で会社を作っていく段階から参画してみたいと思う方もいらっしゃいます。
そうした方が再びアーリーフェーズのベンチャーへ転職されるケースも増えていますし、IPO準備に入っていないIPO時期未定の段階のベンチャーを探して転職されるケースもあります。
IPOを経験しているので自身でもベンチャーの目利きができるようになり、面白い企業を発掘できるようになっている人もいらっしゃいました。
上場企業の子会社や上場企業そのものの経理
別の上場企業へ転職するケースも多くなっています。
上場ベンチャーの経理は積極的に採用を行っており、条件UPでの転職が実現できるケースが多いので、IPOを果たしたものの、そこまで待遇・ポジションに満足していないケースでは別の上場ベンチャー経理へ転職するケースもあります。
コンサル・経営企画など他業種・多職種へ転職
年齢が若い方の場合、キャリアをステップさせる方もいらっしゃいます。
勉強や資格(会計士等)が必要になりますので少数ですがIPOコンサルを行う会社へその後転職し、コンサル経験を経てまた別の事業会社のCFOや経営企画などへ転職される方もいらっしゃいます。
また、経理から経営企画へステップされる方もいらっしゃいます。
IPOを通じて様々な経験が積め、それによりスキルアップも可能ですが別のところへ興味をもつ方も多くいらっしゃいます。
ここに記載したのは一例になりますが、様々な選択肢があります。
IPO準備企業へ経理が転職するなら情報収集をしっかりと行いましょう
経理がIPO準備企業へ転職することに関して、求人の探し方から転職することに関するメリット・デメリットなどを紹介させていただきました。
IPO準備企業といっても内情は様々ですので、あなたの希望が叶いやすいところへ転職するためにも情報収集はしっかり行うようにしてください。
情報収集にあたっては経理に強い転職エージェントの活用を検討するとともに、会計士の転職に強い転職サービスを検討することでIPO準備企業の求人が見つかりやすくなりますので検討してみてください(例えばMS-JapanやWARCエージェント)等)。
経理でベンチャー企業やIPO準備企業に転職して失敗してしまった人の例がこちら!
ベンチャー転職に失敗はつきものですが、どういったケースがあるのでしょうか?
フローを確立するポジションに向いていなかった転職失敗例
機械メーカーの経理で働いてきた人が技術開発ベンチャー企業に転職して失敗してしまった例があります。
新技術等にも興味があり、ベンチャーに興味があったことから転職をされたケースです。
今まではっきりとした業務フローが決まっていて、それに従って忠実に且つスピーディーに業務をこなせることが高い評価につながっていました。
しかし、ベンチャー企業に実際に転職してみると経理業務のやり方が思っていた以上に定まっておらず、グチャグチャの状況になっていました。
まずは業務フローを作ることから始めなければならず、持ち前の迅速な経理処理を生かせないまま月日が経っていくことになってしまいました。
前職の業務フローを外挿してみようとしたものの、発生する経費の種類がかなり違っていて、精算申請の形も整っていないので頭を抱える状態になってしまい、また、その他の面でも状況変化が激しく、管理部門全般的に不安定な状況であり、経営陣も開発寄りの人材が多いことから理解も少なく、ストレスから割と早期に退職をしてしまいました。
面接時に聞いていた内容よりも酷い状況だったのですが、そもそも前任者がすぐやめてしまったことは聞いていたので、もう少し怪しんで深く突っ込んで聞いておけば良かったと後悔しました。
転職に失敗した要因として情報収集不足というのもありますが、そもそも職場環境的にマッチする性格ではなかったのも大きな要因であり、創意工夫をして現場に合ったシステムを作ろうという気持ちが強い人には向いていたのかもしれませんが、この人の場合は新しい産業・技術に興味はあったが性格面では正確かつ迅速にこなすことに長けているという部分が長所だったので、ゼロベースから環境を作っていくことに向いておらず、そもそも向いてなかったと言えます。
ベンチャーに転職するにしてもCFOなどがしっかりいて指示がちゃんと下りてくる環境へ転職するのが良かったのではないかと考えられます。
それなのに経理人員がほぼ0のベンチャー企業を選んでしまったために転職に失敗したのです。
ベンチャー企業の中にも上場が目前になっていて経理フローが決まっているところもあります。
自分の適性に合わせて職場を選ぶという視点が欠けていたのが問題点だったと言えるでしょう。
一口にベンチャーと言っても各社ごとでフェーズが異なるため、いま自分が受けようとしているベンチャー企業がどのステージにいるのか、それらを確認しておくだけでも大きなミスマッチは防げるかと思います。
家族に黙ってベンチャーへ転職して家庭問題になってしまったケース
男性の方に多いのですが、奥さんに黙って転職先を決定してしまうケースがあります。
まず、それだけでも大きな問題になることが多いのですが、更に安定企業からベンチャーへ転職してしまうケースだと奥さんがかなり怒るケースが多いです。
今後の生活設計(子供が生まれたりなんなり等)を奥さんなりに考えているでしょうし、また、共同で活きていくわけですから何の相談も無しに勝手に転職を決めてくるというのはある意味裏切り行為と言えるでしょう。
黙って転職するケースでは問題になるケースがかなり多いので、必ず相談をしてから転職を決めるようにしてください。
一般的にベンチャー企業よりは大手企業や安定した中堅企業に勤務していてくれた方がありがたい、と考える人も多いので、自分の価値観やビジョンだけで突き進むのではなく、しっかり説明し、話し合い、家族の理解も得るようにしましょう。
一度ベンチャー企業へ転職してしまうと大手の経理へは転職し難くなる?
大手からベンチャーへ転職される経理の方はそれなりに多いのですが注意点もあります。
それは、ベンチャーから大手へはどちらかというと転職が難しい傾向にあるからです(不可能ではありませんし、スキル・経験・年齢など総合的に判断する必要はありますが)。
ここまでで記載した通り大手とベンチャーとでは求められるスキルが大きく異なりますし、仕事の進め方も規模も異なり、ベンチャーでの経験がそこまで評価されない傾向にあるため、一定のリスクがあることは理解した上でベンチャーへの転職を決めましょう。
迷いがある方はベンチャーから大手企業まで双方の転職実績が高いエージェントに相談しておくことをおすすめします。
経理職の方がベンチャー企業に転職する際は自分がベンチャー企業に向いているかしっかり考えよう!
ベンチャー企業での経理職の立場は大手企業とはかなり違いがあります。
今まで大手で成功してきた人もベンチャー企業に転職して失敗することもあれば、窓際族になりそうだった人もベンチャー企業で成功できることもあるのです。
自分に適性があるかどうかをよく分析し、転職エージェントを活用して最適な職場に転職するようにしましょう。
当サイトでも経理の転職サイト・転職エージェントのおすすめはどこ?にてベンチャー経理の転職に強いエージェントなどの紹介は行っているので参考にしてみてください。
なお、登録しておきたいのが上記でも記載したMS-Japanとなりますが、理由としては管理部門転職支援実績が高く、経理の転職に強いというものももちろんあるのですが、同社では加えて公認会計士の転職支援も得意としており、ベンチャーではCFO候補などを求める求人も多いのですが会計士採用に強いエージェントに求人を出す傾向も多く、その繋がりから多くのベンチャー経理の求人も保持しています。また、会計士は大手上場企業にも勤務するため、ベンチャーから大手まで広い経理の転職支援実績があるので転職相談をするにも良いでしょう。
そのため、ベンチャー経理への転職においても登録しておくことをおすすめします。
また、近年という視点で見るとWARCエージェントなどのコンサルが母体となっているエージェントサービスの利用も実績が高くなっており、多くの企業を支援している立場から様々な情報を得ることができます。
ベンチャー企業の経理の転職・求人
当サイトに掲載しているベンチャー経理求人の一部をご紹介します。
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