公認会計士の事業会社の経理への転職|転職失敗する人が多い?

監査法人からの転職を検討する若手の公認会計士は増えていますが、ここ数年特に多かったのが、事業会社の経理・財務部門への転職を検討する20代、30代前半の公認会計士です。
「監査法人は激務だからとりあえず転職したい」「事業会社の経理ならワークライフバランスがとれそう」「将来的に事業会社の経営企画にいきたいから」「監査以外のスキルを身につけたい」など前向きな理由、後ろ向きな理由人それぞれ様々あります。
いずれのケースにしても、事業会社とひとくちに言ってもその内情は企業により異なるため、事前の情報収集が転職失敗回避への近道でしょう。

事業会社の経理は残業が少ないと思い込んで転職に失敗する公認会計士は意外と多い

転職希望の公認会計士の方のお話を聞いていて、事業会社の経理であればワークライフバランスがとりやすい、と思い込んでいる方が非常に多かったです。
もちろん、企業によってはワークライフバランスに優れたところもたくさんありますが、その企業がおかれているステージや募集の背景、企業風土、直属の上司・同僚など様々な要因で変わってきます。
事業会社の経理へ転職したものの1年足らずで辞めてしまう公認会計士の方が結構多いのですが、「監査法人時代より忙しい」と言って辞めてしまう方も一定数いらっしゃいます。よくある要因として、「募集背景として実は企業側で複数名退職する人が決まっていたため補充のために採用したケース」、「会社のことをよく知ってもらうために、という名目で、経理部門以外の仕事も兼任させられてつぶれていくケース」などがあげられます。いずれも、自己応募の際には見抜きにくい事項ではありますが、企業の内情に詳しい転職エージェントなどから情報を仕入れていれば、防げた失敗だったかもしれません。
※転職エージェント側も、付き合いの薄い企業などの場合、内情をそれほど知らないケースもあります。

社風が合わずに早期退職となる公認会計士も多い

監査法人との風土の違いや、体育会系のノリについていけず辞めてしまう方も多くいらっしゃいます。監査法人時代は、出勤時間やお昼休憩など、繁忙期は別にして比較的自分のペースで取れていた方も多いのではないでしょうか?しかし企業の場合、出勤する時間はもちろんですが、毎朝必ず朝礼が行われていて出席が必須であったり、お昼の時間が決められていたり、そもそもお昼はチームのメンバーと食べる習慣があるなど、企業によって独特の習慣があったりします。
こうした企業の風土や習慣に馴染むことができず、辞めてしまうケースも多いです。

想定していた業務イメージとのギャップによる転職失敗

「監査法人時代に培った財務会計スキルを活かして、企業内部から数字を作る仕事がしたい!」「会社全体の数字を俯瞰・管理し、企業の中から会社の成長に貢献する仕事がしたい!」と意気込んで転職する公認会計士の人ほど実際の業務とのギャップに苦しんで早期退職してしまうケースが多いです。入社していざ仕事が始まってみたら、細分化された一部の業務しか任せてもらえないケース、ルーティンワークばかりでクリエイティブな業務がほとんどない、というケースは結構多いです。
こうした場合、ワークライフバランスはとりやすい傾向にあるのですが、「成長」という点では、自身のスキルが伸びている実感が得にくいようで、結局再度転職活動を始める会計士も少なくありません。

公認会計士の転職では転職エージェントを使った方がいいのか?

上記のような失敗談が会計士同士で共有されているからなのかわかりませんが、「事業会社に転職したいのですが転職エージェントに登録したほうがいいですか?」と会計士の方から質問されることが時々あります。必ずしも転職エージェントに登録する必要はありませんが、情報収集という点では、無料で登録もできることから、登録して損はないのではないでしょうか?と回答しています。特に、忙しかったりして自分で情報収集できない方は登録して損はないかも知れません。
冒頭にも述べましたが、転職では事前の情報収集が非常に重要です。転職すること自体は今の市況であればできると思いますが、転職した後の方が大事であると考えますので、自分で情報収集ができないのであれば登録したほうがよいでしょう。

また、事業会社といってもベンチャー企業から超大手の上場企業まで様々ありますが、大手や中小企業への転職ということであれば、転職エージェントを使うのもよいでしょう。というのも、比較的転職エージェント側に情報が蓄積されているケースが多いため、社内の雰囲気や、入社後に誰が上司になるのか?その企業独特のルールなどの気を付けた方がよいポイントなどを把握しているケースが多いです。
一方でベンチャー企業の経理や財務、CFO候補などで転職する場合は注意が必要です。ベンチャー企業の場合、数か月で社内の状況が一気に変わってしまうからです。
私の周りでベンチャー企業へ転職してうまくいっているケースというのは、知り合いや先輩会計士からの紹介などで転職しているケースです。こうしたケースでは転職後も楽しく働いているケースが多いように見受けられます。

公認会計士の転職と事業会社の経理の内情に詳しい転職エージェントを使えば失敗は少ないのか?

大手の総合型の転職エージェントの場合、経理の求人はたくさん持っていますが、公認会計士の職務についての知識が無かったり、会計士のキャリアについて理解の無い方が多い印象です。そのため、もし転職エージェントを使おうとお考えの方がいましたら、公認会計士と企業の経理などの双方に強い転職エージェントに登録するのが良いように感じます。
もちろん、転職エージェントを使えば絶対にうまくいくというわけではありませんが、情報が多くなる分、失敗のリスクは少なくなります。
ここでは、会計士、事業会社の経理の両方に強い転職エージェントをいくつか紹介したいと思います。

ジャスネットキャリア
公認会計士の方が創業したということもあり、会計士の転職には非常に強いです。特に、企業の経理・財務部門への転職実績はかなり多い方なのではないでしょうか。一人ひとりのキャリアステージや状況に応じてレベルの高い転職相談が受けられるのが特徴です。また、面接対策や書類の書き方等に関する指導はもちろん、資格者向けの実務に関するお役立ちセミナーなど様々な取り組みを行っており、転職ありきではなく、キャリア全体を俯瞰したサポートが受けられます。



マイナビ会計士
マイナビブランドということもあるのか、圧倒的な求人数を保有している印象があります。事業会社やコンサルティングファームも含めて幅広く次のキャリアを模索したい方にはおすすめの転職サイトです。ただし、少数精鋭の小さな会計事務所などの、会計事務所業界の転職という点では、話を聞く限りではその他の転職エージェントの方が強そうなイメージです(2018年4月現在)。
ただ、大手ということもあり、事業会社の求人数は多かったです。転職に役立つ情報もたくさん保持しており、応募書類の書き方から面接で聞かれるポイント、面接官の特徴まで丁寧に解説してくれるため、はじめての転職でも安心です。

MS-Japan
会計業界はもちろんのこと、事業会社への転職も視野に入れているという公認会計士に特におすすめの転職エージェントです。
資格者(税理士なども含めます)向けの管理部門の求人数は恐らくトップクラスなのではないでしょうか?たくさんの求人を見ながらいろいろ見て検討したいという方にはおすすめです。転職事例も豊富で様々なケースの転職を支援していることから、相談することでいろいろな気づきがあるかもしれません。

DODA
総合型の転職エージェントですが、最近DODAを使って転職したという会計士の話もチラホラ聞くようになりました。公認会計士の転職実績も豊富のようで、特化型の転職エージェントには無い非公開求人も多数保有しているようです。DODAさんについてはそれほど詳しいわけではないのですが、大手ということもあり面接対策等のノウハウもしっかりしてそうなイメージがあるので、一度転職相談してみるのも良いかもしれません。

転職エージェントといっても、それぞれごとに得意・不得意があるので、もし転職エージェントに興味のあるという方は、2,3社程度登録してもよいでしょう。無料で登録できるので損することはないでしょう。また、上記に記載した転職エージェントさんは、しつこい勧誘もそれほど無いらしく(これは利用者から聞いた意見のため、私の体験ではありません)、最初に登録した段階では電話などがかかってくるようですが、ちゃんと状況などを説明すれば、しつこく転職を斡旋されることもないので、大丈夫そうです。
以上となります。この記事が転職成功の役にたてば幸いです。