2019年4月5日、平成30年度の公認会計士試験修了考査の合格発表が行われ、合格者数は838名となりました。
これはここ数年では最も少ない数字で、修了考査の合格者は年々減少傾向にあります。
昨年度の合格者数は1,065名でしたので、今年の合格者数838名は昨年から2割近く合格者数が減ったことになりますが、
一方で受験者数は昨年は1,536名、今回は1,495名と多少減少しているものの、受験者数の減少を大きく上回る数合格者が減っていることになります。
今回は合格率が極めて低いという結果になりました。
なお、受験者数や合格者数、合格率の公開されているデータは以下の通りとなります。
【受験願書提出者数】1,618名
【受験者】1,495名
【合格者】838名
【対受験願書提出者数合格率】51.8%
【対受験者数合格率】56.1%
修了考査の合格率は56.1%と過去最低水準
これまで合格率の推移は概ね70%前後でしたが、
今年に関しては「対受験者数合格率」で56.1%と昨年の69.3%を大きく下回る結果となり、大幅減となっています。
初年度は情報が開示されていないので確認できなかったのですが、それを除いて過去の合格率から見ても最低水準の数値となっています。
合格率の大幅減少に関する要因は定かではありませんが、
近年企業の不正会計に関する事案は増えており、
そうした社会的な影響から来る試験難易度の上昇等が考えられています。
日々忙しく働いている方にとって、試験難易度が高くなるのは良いニュースとは言えませんが、
来年以降受験される方は修了考査の事前準備はしっかり時間をとって対策しておく必要が出てくるでしょう。
修了考査合格者が転職を考えるには良い時期である
晴て公認会計士試験を突破し、公認会計士としてのキャリアを模索しているという方は転職を考え始めても良い時期でしょう。
今すぐの転職をすすめているわけではなく、将来公認会計士としての経験を活かしてどのようなキャリアがあるのか、どのようなステージがあるのか、情報収集しておくことで、現在行っている監査業務にも大きな意味を持たせることができ、成長することができるからです。
公認会計士の資格を持っているからといって簡単に転職できるわけではなく、公認会計士としてどのようなスキル・経験を持っているかが評価対象となりますので、各キャリアフィールドでどのようなスキルが評価されるのか今の段階でしっかり調べておくと良いかと思います。
特に近年は監査法人から事業会社やコンサルティング会社への転職を希望される会計士は増加傾向にありますが、
このようなケースでは財務・会計に関するスキルのみならずビジネスセンスや年齢も重要な要素となってくることもあります。
身近な先輩や転職エージェント等からしっかり情報収集しておきましょう。
転職相談においては以下の記事も是非ご参考ください。
転職マーケットは確かに売り手市場が続いておりますが、採用要件は徐々に厳しくなってきている傾向も見え始めておりますので、
転職をお考えの公認会計士の方は早めに情報収集を済ませておくことをおすすめします。