女性会計士の転職先をケースごとに考える

転職にあたっての諸条件を確認すると、女性会計士の多くがワークライフバランスをあげていたように思います。

ワークライフバランスといっても人により定義は様々で、結婚等のライフイベントを機に労働環境(残業の有無や各種出産後等の支援や制度等含)を変えるために転職を考える方や、仕事に追われてスキルアップのための勉強時間が取れないからそういった時間を取るために転職したいなどその言葉の定義は様々です。

ただ、ワークライフバランスという言葉を使う方は共通して多かったように感じます。

十数年前であればワークライフバランスが叶えられる職場はそこまで多くなく、なかなか希望を叶える転職というのは難しかったのですが、ここ数年に関していえばワークとライフのバランスが取りやすい職場が増えており、以前までと比べれば非常に希望を叶えやすい環境が整ってきています。

キャリアもライフも大事にしたい女性会計士にとっては良い状況となりつつあります。

家庭やプライベートの時間を増やすための転職について

女性会計士が家庭の時間を増やすための転職

会計士の主な就業先である監査法人を始めとして多くの業界で昔と比べると労働環境は改善傾向にあります。

ただ、細かい福利厚生まで見ていくと、監査法人よりは事業会社の方が整っているケースが多くなっています。

ケースごとに見て見ましょう。

福利厚生などの充実から事業会社への転職を考える女性会計士は多い

結婚などのライフイベントを機に仕事以外の時間を増やしていきたいと考え転職相談にいらっしゃる会計士の方は多いです。

Big4監査法人に勤務されている方に特に多く、昔に比べて労働環境がよくなったとはいえそれでもやはり残業時間は多く、特に繁忙期の働き方を考えると転職せざるを得ないとお考えの方が多かったように感じます。

その際に、事業会社の経理ならワークライフバランスが取れそうとお考えになる方が多いらっしゃいます。

産休・育休制度や時短勤務、そこからの復帰、リモートワーク等各種制度が整っている企業も多いため間違いではありません。

ただ、すべての企業がそうした制度がしっかり活用されていてうまく運用できているわけではありません。

監査法人などでもそうですが、形式的には様々な制度はあるけど現実問題として使い難いという制度は多くあり、ほとんど活用されておらず形骸化しているといったケースもあるので、実際のところどうなのかというところまで調べた上で転職されると良いでしょう。

東証プライムなどの大手上場企業の場合は問題無いケースが多いですが、その他のケースだと意外と会計業界より酷いこもあるので注意が必要です。

また、労働時間という軸で見ても、昨今は事業会社の経理職も人手が足りず、常に人材を募集している企業も結構多くなっています。大手上場企業でも経理が採用できず困っているところは多いです。そうなると必然的に残業時間が増える傾向にあります。

大手企業の場合は開示業務も含めて一定の期限までに対応しなければならないものも多く、そこで人手が足りていない場合は残業も多くなり、年中忙しいといったこともあり得ます。

監査法人の繁忙期ほど残業が多くなるということはまずないとは思いますが、年中そこそこ残業があって忙しいという場合ですと、トータルの労働時間が監査法人のときより長いという可能性もゼロではなく、メリハリがつかないといった悩みを抱える方も少なくないため、どういった状況になれば希望が叶うのかを整理しつつ転職先企業の内情も確認しながら転職活動を行いましょう。

そのためには企業の内情等に詳しい転職エージェント等から情報を取得しておくことをおすすめします。

また、労働環境が良くて働きやすい企業というのは人気があり、すぐに転職者が決まってしまうケースも多いので、早いうちから情報収集を行い、動き出すための準備はしっかりしておくことをお勧めします。

その他の注意点として、事業会社の経理職は業務が単調で監査以上につまらないというケースもあるため、事業会社に転職する際には働きやすさの視点だけでなく、業務内容、求められている役割についてはよく確認しておくことが重要です。

一般的に女性会計士が事業会社へ転職するケースではマイナビ会計士にて情報収集されることを一つおすすめします。というのも事業会社の求人バリエーションが豊富でワークライフバランスに優れた転職先を多く保有しているからです。大手グループ人材会社ということで、やはり企業の求人は豊富です。相談重視の姿勢があるのも理由の一つです。事業会社への転職実績は高くなっています。

会計士向けのエージェントで相談に定評のあるところはその他にもあるのですが、事業会社の求人をそんなに持っていないところが多いため、ワークライフバランス重視で事業会社を目指す場合はご注意ください。

その他の領域(監査法人や税理士法人)も含めて検討しているという場合もあるかもしれませんので、エージェント利用を検討する場合は転職エージェントに関するページで細かく解説しているので、そちらをご参照ください。

なお、事業会社の経理等への転職を模索するケースでは男性・女性に限らず失敗例は多いので以下の記事等もご参照ください。

会計士の事業会社の経理への転職

事業会社ならベンチャー企業の監査役ポジションが女性会計士にマッチするケースもある

監査法人での業務が日々忙しく、このまま働いていくことが難しいと感じるケースでは、大手企業の経理よりも常勤監査役のポジションの方が働きやすいケースもあります。

IPO準備中のベンチャー企業の常勤監査役からプライム上場企業まで幅広くニーズがありますが、会計士が転職しやすいポジションとしてはベンチャーの常勤監査役かなと思います。

当該ポジションに女性を求める企業も多く、労働時間を調整したい女性会計士側とのニーズマッチもあり、ねらい目のポジションでもあります。

当然将来的に目指したいキャリアによっては適さないケースもありますので注意はしていただきつつも、働きやすさや時間の自由度を重視する際は良い求人の一つと言えます。

常勤監査役ポジションは基本的にエージェント案件になるため、求人の有無は転職エージェントに相談してみる必要性があります。

中小規模の監査法人はいろいろ融通がきくケースも多いため時間を捻出したいケースでの転職では有り

福利厚生などの制度という点では大手監査法人や事業会社に劣るケースが多いのですが、時間という意味では中小監査法人は有りです。

自由度が大手監査法人よりも高いことが多く、時間という意味ではおすすめできる監査法人も多いです。

中小監査法人は確かに人手不足が続いているのですが、だからこそ労働環境を整え、しっかりと人が集まる仕組みを作っているところもありますので、選択肢の一つに入れてみても良いでしょう。

また、副業を可とする監査法人も中小だと多いので、他にもチャレンジしたいことがあるというケースにおいての転職でも有用でしょう。
※中小はブラック監査法人もあるので注意も必要となります。

会計事務所は女性の働き方に理解がある事務所も多く働きやすさでは実は狙い目

会計事務所に転職される女性会計士の方も多かったです。

女性比率が高い会計事務所もいくつかあるのですが、こうした事務所では子育てや家庭の事情等に理解のある方がたくさん在籍しているため、協力体制が整っています。

子育て等が落ち着き、産休や時短勤務から復帰した後に管理職になる方もいらっしゃるので、先々バリバリやりたいという方にもおすすめできる転職先となります。

また、コロナ禍の影響のおかげもあり、IT化・デジタル化が進んだ会計事務所も多く、事務所によっては子育て期間中はフルリモートで勤務できる体制の会計事務所も増えているので、家庭とワークを両立しやすくキャリア構築がしやすい環境が増えています。

どの程度環境が整っているかは事務所間での差が激しいのですが、男性女性問わず理解のある所長も増えているので、一昔前に比べれば随分よくなったと思います。

ただし、当然ながら業務内容においては税務業務が中心となる会計事務所が大半なので、転職先の会計事務所の業務内容をしっかり確認しつつ、あなたが何を一番重要視するのかしっかりと検討しておきましょう。

会計士としての監査経験を活かしつつ税務もといった希望のケースだと転職先が限られてくるので、早めに動き出した方が良いです。

なお、上記事項も含めて監査法人や会計事務所で女性が働きやすい環境とキャリアの視点で求人を探すのであればレックスアドバイザーズが良いでしょう。

会計業界にかなり詳しいのでワークライフバランス等の視点はもちろんキャリアパスも念頭においた転職先の提案が受けられ様々な視点であなたの状況に合う転職先が見つかる可能性が高いです。

コンサルティングに興味があるが、コンサルティングファームでは忙しすぎて自分の時間が取れなくて不安という女性会計士の転職について

コンサルは残業が多い?女性会計士が転職するのに向いていない?

コンサルは激務、、、確かにその通りではありますが、徐々に変わってきているように感じます。

コンサルへの転職を迷う例として、例えば、キャリアアップの視点からコンサルへの転職を検討したものの年齢的に30歳手前あたりということもあり、家庭の今後も考えると慎重にならざるを得ないなど、業務スキルとは別軸での心配事項(残業等)により転職を躊躇される女性会計士の方もいらっしゃいますし、家庭の軸等は関係なくコンサルに興味はあるが単に体力的に不安から転職を迷うなどのケースがあげられます。

家庭との両立という軸であれば在宅ワークを認めているコンサルティングファームなどでの勤務というのも選択肢としては持っておくと良いでしょう。
「時間の長さ」ではなく「アウトプットの質」を重視する会計系コンサルも増えており、働く時間帯・休み等は比較的任せてもらえるケースも多く、また状況に合わせたアサイン等も検討してくれるケースもあるため、比較的家庭の時間も取りやすいことから、そこを重視されるケースでは女性のみならず男性でも興味を持つ方は多いです。FASなどでもDD部門であればワークライフバランスは比較的取りやすいため、会計領域であればそこまで激務とは言い切れないでしょう。
何がしたいか次第なので一概に言えませんが、広い意味でコンサルでの経験を得るという意味ではワークライフバランスとの両立は不可能ではありません。

後は、コンサルに興味を持ったきっかけが監査という業務にマンネリ感を抱いており、非監査業務に興味があるという部分が根っこにあるケースが多い場合はバランスよく業務ができるという点で考えていくと、アドバイザリーが良いかも、と感じて選択される方も多かったです。
ただ、このケースでは残業が少ないというよりは、監査よりも労働時間が安定している(20時か21時くらいで帰れる)、また、プロジェクト単位での業務なのでその合間に休暇が取りやすいということで、監査のような一定期間に残業が集中するのを嫌うケースにおいて転職を検討されるケースもありました。
この場合、残業は多いケースが通例ですが、場合によりワークライフバランスが取りやすいため、選択肢としては持っておいて良いでしょう。

通常のコンサルティングファームに比べると監査法人系のアドバイザリー部門の方がワークライフバランスが取りやすく、働きやすいケースが多いのでこうした場合ではアドバイザリーも視野に入れてもいいと思います。

注意点としては、中堅規模の監査法人系の場合、監査業務とアドバイザリーで分業化されていないので、両方経験できるというメリットもあるのですが、転職先によってはそれ故ものすごく忙しいというケースも存在しており、やはりこのケースにおいてもよくよく内情を確認の上転職されることをお勧めします。

近年は急速に職場環境が変化しているので、数年前はかなりブラックだったのに今はすごく良いといった職場も増えているので、適宜情報収集を行っていくのが良いでしょう。

産休明けの転職では会計業界がマッチするケースが多い

産休明けは会計業界

産休・育休などを経て離職中あるいは復帰したがすぐに転職したいという女性会計士の方も多いのですが、多少ブランクがあるケースでは会計業界での転職が良いです。

まず、先ほど記載した通り会計業界自体がかなり働く環境が整備されてきていることが要因としてあげられますが、加えて会計士資格者でないと出来ない業務であれば時間等に融通を利かせてくれる求人は多く、短時間勤務正社員等のポジションも割とあり、こうしたポジションは一定の監査経験があればブランクがあっても問題無いケースが多く、しかも給与も時給換算した場合でかなり良いものが多いので、初期段階では良いのではないかと考えられます。

管理職ポジションを含めキャリアアップを求める転職

キャリアアップ転職を目指す

女性活躍が叫ばれて久しいですが、キャリアアップをしていくにあたり、現在勤務する法人だと難があると感じているケースも未だにあります。

こうした側面においては法人間でまだ差があるのかもしれませんが、上記までで記載した通り、働く環境が改善されるのと同じように、こうした環境も整備され、男女関係なくなってきている企業・事務所もかなり増えています。そのため、転職により解消できる可能性は高いと言えます。

そもそも人手が足りない問題があるので、率直に男女問わず能力のある方に活躍して欲しいという企業が増えていることも背景としてありますので、入る企業さえ間違えなければこの問題は割と簡単に解決が可能と思われます(あなたに相応の能力があることが前提となります)。

管理職になりたがる女性がそもそも少なくて困っているという企業も多いので、昔に比べれば一般的にはキャリア志向の女性は歓迎される傾向になりつつあると言えます。

しっかり企業の内情等も含めて情報取得を行い、転職活動を行ってください。

転職市場は活況で比較的希望の転職先は見つけやすい

転職市場は売り手有利

コロナ後は世界情勢の事情から市場が不安定な面もありますが、基本的に転職市場は売り手市場が続いています。

世の中やビジネスが複雑化しており、それに伴って会計処理も高度な知見が必要になっていることから会計士のようなプロフェッショナルの需要と価値は高まっているように感じます。

加えて事業会社にしろ監査法人にしろ人手不足が続いている関係で、一定以上の経験・スキルをお持ちの方に関しては転職先の候補は比較的見つけやすい傾向にあります。

人手不足だから年中忙しい、という企業もあるのですが、人手不足だからこそしっかりとIT/デジタルに投資を市、効率的に業務をこなす仕組みを作り、ちゃんと定時で帰れるような仕組みを整えている企業も増えています。

しっかりとそうした企業を見極めて転職活動を行いましょう。

また、働きやすい制度を整え、安心して働ける環境を構築すると、女性の方が長く安定して働いてくれるということもあるようで、女性会計士を好む企業も意外と多くあります。

簡単に条件の良い企業へ転職できるわけではありませんが、現在の市況・状況を考えると、かなり希望を叶えやすい転職市場といえますので、少しでも転職をお考えでしたら早めに情報をキャッチアップしましょう。

転職の際はしっかり情報収集を行いましょう

女性会計士の転職にだけ言えるわけではありませんが、転職において最も注意が必要なのはやはり事前の情報収集です。

イメージや印象だけで転職してしまうとこんなはずでは無かったということになりかねないので、慎重に転職先は決めてください。

情報収集には時間がかかるものなので、少しでも転職が頭をよぎるようになってきたら、少しずつ情報を集めてみてください。

あなたの周りにいる他の会計士の方から話を聞いてみても良いですし、レックスアドバイザーズマイナビ会計士などの転職エージェント等から情報収集してみても良いでしょう。

企業あるいは事務所等の残業時間や福利厚生・会社風土などの働き方に関連した情報もしっかり押さえてくれているので、女性が働くうえで気になる点を考慮した求人の紹介が受けられるでしょう。

ワークライフバランスを考慮した転職をお考えの方は以下の記事も興味がありましたらご参考ください。

会計士が転職でワークライフバランスを実現するポイント
希望の条件が叶えられるよう、しっかりと情報収集を行い、慎重に転職先を見極めてください!

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樋口 智大株式会社インテグラルベース 代表取締役
公認会計士・税理士・経理などの士業・管理部門の人材紹介を行う株式会社レックスアドバイザーズで勤務し、転職エージェントや会計専門メディアの事業の立ち上げを経験。その後、株式会社インテグラルベース(厚生労働省特定募集情報等提供事業者51-募-000806)を創業。現在は転職・採用・人事に係わるコンサルティングや求人サイトの運営を行っています。 士業JOBでは、これまで培った人脈と10年弱に及ぶ転職や採用に関する業務経験・実績を活かして転職に役立つ情報の配信を行っている他、多数の人材紹介会社とも協業し、最新の情報をブラッシュアップしながら配信を行っています。また、行政書士として事務所を開設しており、自身も士業として活動しております。 執筆者・監修者・編集者情報へ