近年修了考査の合格率の低さが目立ちますが、2022年4月8日(金)に令和3年度会計士試験修了考査の合格率は64.6%(会計士協会HPより)と6割台を回復しました。
修了考査合格を機に転職を考え始める会計士の方が多いので、これから動くという方もいらっしゃるでしょう。
最近は公認会計士試験論文式試験に合格し、監査法人へ入所する時点で既に監査法人から転職することを前提に考えている会計士の方も多くなっています。
ベンチャー企業などでCFOとして活躍する公認会計士も増えており、そうした活躍を見て会計士になる方も少なからずいらっしゃるため、そうした方から刺激を受け将来はCFOと夢を持っている方もいらっしゃいます。
また、会計士試験修了考査の受験前後に転職を考え始める会計士の方も依然として多く、自身のスキルを活かして何ができるのか模索し始めます。
目標が定まっている方もそうでない方もいらっしゃるのが現状ですが、ここでは先のキャリアを見据えてどのように監査法人で過ごしておくと良さそうか記載してみたいと思います。
目次
将来監査法人ではないところで働きたい会計士は人脈構築をしておきましょう
大手上場企業の財務・経理やベンチャー企業のCFOなど会計士が活躍できる場は様々ありますが、どのような選択をとるにしても人脈は広げておいた方が良いでしょう。
特にベンチャー企業へと転職されるケースは必須といっても過言ではありません。
監査法人以外のフィールドで勤務する場合、財務・会計やファイナンスに関連した業務だけやっていれば良いというものでもないことが多く、企業が事業を加速していくにあたりぶつかる様々な問題に対しての対処・対応が求められます。
よくぶつかる問題がマーケティングや人(労働者)の問題です。
ベンチャー企業の場合、労務環境が整っていないケースも多く、こうしたものの構築から人の増減が激しいことにより起こる人間関係の調整など、会計士とは全く関係ない業務も多くなります。
また、技術力や製品力は高いのに利用者が増えず事業がなかなかドライブしないなど、マーケティングに課題を抱える企業も結構多いです。
こうした問題が起きた際に、CFOや企業の幹部として対応を求められることも多々ありますが、あなた一人で対処するのは難しいので、各方面のプロフェッショナルの方などとも繋がりを持っておくことは重要です。
逆に財務・会計だけやっていたいとお考えの方はあまりベンチャーや大手企業などへと転職しない方が良いケースもあります。
そのため、人脈等を形成しつつあなたが何をやっていきたいのかも含めて考えると良いでしょう。
スキル・得意領域を身につける
公認会計士がプラスアルファで身につけておくと役立つものの代表格は英語力です。
ありきたりなことを書いてしまいますが、ベンチャー企業を始めとして海外展開する企業は多いので、今後はよりその重要性は高くなっていくことが予想されます。
コンサルティングに興味のある会計士も多いのですが、FASを始めとして会計士を求めるコンサルティング会社の多くは英語力の有無で仕事の幅に広がりがでるかどうか変わってきます。
そのため、英語が苦手という方もコツコツ勉強を続けておきましょう。
また、監査法人で経験できる業務には積極的に取り組んでおいた方が良いです。
現時点で先のことが決まっていない方も多いと思いますが、監査法人時代に関わった企業や業務、人間関係がもととなり、先のキャリアを築いていく方も少なくありません。
いろいろなことに積極的に関わることで道が開けていきますので、可能な範囲でいろいろ取り組んでおきましょう。
監査法人では上が詰まっていて昇格し難い?
以前ほどパートナーになれる方の割合は減っているようですが、そもそもパートナーになりたいと思って監査法人で働いている方はかなり少数ではないでしょうか。
監査法人でガッツリキャリアを歩んでいきたいという方はそれほど多くないように感じており、マネジャーに昇格するのを機に転職したりと監査法人での勤務はむしろステップアップの一つぐらいに考えており、それほど昇格に興味のある方は多くないような気がしています。
確かに上はつまっていて頭打ち感があるのかもしれないのですが、意外と転職して出ていく人も増えていますので、なんだかんだ長くいればそれなりのポジションにはいけるのではないかと思われます。
ただ、監査法人で頑張っていきたいという人もいらっしゃるので監査法人内で頑張っていくことを全体としたものも記載しておきます。
まず、監査法人は手を上げれば何でもチャレンジできる状況になりつつありますので、いろいろチャレンジしてみることで早期にマネジャーに昇格したりできるケースもあるにはありますが、一方でなんだかんだまだ年功序列の要素も残っており、長く勤めていればマネジャーくらいまでならいつか慣れるでしょう。
人手不足ということもあり、そんなにガツガツ働かなくてもある程度まではいけます。
ただ、マネジャーより上に行こうとした場合、コミュニケーションスキルや営業力、調整力が必要となります。
現場で働くスキルというのはマネジャーになれば時点で一定度認められているとは思いますが、パートナー等になる場合、現場での業務というのはほとんどやることはなく、仕事をとってくるための営業であったりクライアントとの関係構築能力だったりします。
こうした能力は必要となってくるでしょう。
これらは、監査法人で上に行こうとする場合だけでなく、事業会社やコンサルティング会社等に転職する際にも有用なスキルになりますので、英語力等に加えてコミュニケーションや営業マインドみたいなものも身につけておくことをおすすめします。
また、パートナーに慣れないと監査法人内で居場所がなくなるという話も聞きますが、確かにそういう傾向もあるのでしょうが、現時点では居続けることも可能です。
あなたのプライドにもよりますが、居続けることは気分的によくないというだけの話であり、今のところコンサル会社や金融機関のように外に出ざるを得ないということはなさそうです。
といっても先の話ですので、現時点では先のキャリアを見据えつつ、目先の業務をしっかり行い、キャリアアップ・スキルアップを考えていくと良いでしょう。
まずは自身の現在において先のキャリアを考えてみる
私もそうでしたが、意外とやりたいことというのはその時のフェーズによって変わってきます。
監査法人に入所したころはコンサルティングとかカッコいい!と思ってましたがなんだかんだ事業会社で財務に関連する仕事が好きになり、それをやっていたりもします。
ただ、その時感じたこれやりたい、ということをを積み上げていくことでスキルが身に付き先のキャリアにも活きてきますので、現時点でやりたいと感じることを全力で取り組んでみるのも良いでしょう。
ちなみに、会計士試験合格者や修了考査が終わったばかりというタイミングの方で、現時点でどのようなところへ転職できるのか気になっている方もいるかと思います。
そうした方の場合、レックスアドバイザーズを利用して、現時点でどのようなところへ転職できそうなのか、確認してみると良いでしょう。
会計士の転職相談・キャリア支援に定評があり、特に会計業界の知識が豊富なので、各種会計ファームの違いからくるキャリアパスの特徴など、様々な視点で有用な意見がもらえます。
監査法人からの転職先は様々ですが、多くの会計士の転職支援をしているので、参考になる意見やアドバイスがもらえます。
先のキャリアを考えるにあたってこのサイトではキャリアに関する解説をした記事もありますので興味があればご覧ください。