ひとえに「税理士」といっても、経済動向やIT技術の向上などの外部環境の変化により必要とされるスキルや活躍の場は多様化しています。税理士資格を取得した後、自らがどのようなキャリアの場を求めて日々の仕事にあたることがとても大切です。
「資格」そのものを活かそうとするのか、資格取得の過程で得た「知識」を活かそうとするのか、はたまたどのような事務所でキャリアを積むのか・・・税理士のキャリアパスについてみていきましょう。
従来の税理士のキャリア
会計ソフトが現在のように普及・高度化するまでの税理士の業務は、会社や個人事業主の帳簿作成や決算・税務申告を代行するいわゆる「記帳代行」といわれる業務が中心でした。事業者側もわざわざ人を雇ってこれらの事務を行うより専門家である税理士に頼んでおいた方がコストも安く正確に処理してもらえます。また税理士としても自分の仕事が形として顧客に伝わるため報酬も頂きやすく、こうした顧問先を一定以上確保することで安定収入を得ることができました。また代行業務のニーズも多かったため独立も容易でした。つまり従来の税理士業務とはお客さんに代わって会計税務業務を代行することが主流で税理士によって行う業務にさほど差はなく、資格を取れば独立というのが王道でした。
時代の変化と税理士業務の変化
ところがITの進化による会計ソフトの充実、企業の海外進出、バブル以降の不動産価格の不安定化など税理士業界を取巻く環境がここ10年くらいですっかり様変わりしました。
「資格」を生かすか、「知識」を生かすか
税理士のキャリアパスを考える上で、税理士として「資格」にこだわって仕事をするのか、資格にはこだわらず「知識」を生かして仕事をするのかによって進むべき道は大きく2つに分かれます。「資格」にこだわる場合、やはりキャリア選択としては規模の大小や事務所の形態にかかわらず会計事務所への就職もしくは独立開業となります。資格そのものにこだわらない場合は一般の会社や金融機関、コンサルティング会社なども選択肢に入ってくるでしょう。ただし税理士先生としての仕事は難しくなります。税理士というよりはむしろ組織内の社員としての持っているスキルを発揮することが望まれるからです。それぞれの選択によるキャリアの特色を簡単にまとめてみますので参考にしてください。
税務の世界での花形業務を経験できます。ただし社内での分業化が進んでいるため従事した業務以外の経験を積みにくくなります。
AIと税理士業務
AIの発達とともに消える職業として税理士の名前が挙がることも目にします。果たしてそうでしょうか?会計ソフトが登場したときも同じような事が言われました。税理士業務も時代の変化とともにその内容も変化し発展してきました。確かに記帳代行に代表される正確に早く行うだけの業務はますます減少するでしょう。しかし経営者や顧客の心の中にある問題を解決することこそ税理士が今求められていることであり活躍の場はさらに広がりこそすれ、減ることはないと筆者は考えます。
この先必要とされる税理士となるために
税理士の資格も知識もどちらも活かして働いていくことはできますが、
やはり資格に頼って仕事をしていくことは困難になっていくでしょう。
これは国際税務や資産税などの一見高度に見える税務であっても同様です。
いわゆる記帳代行や税務申告等の業務はAI等の技術力でどんどん単純化されていくでしょう。
しかし先ほど記載した通り、いわゆる単純業務は確かに減っていくのですが、経営者や顧問先が抱える不安が減ることはありません。
資金繰りの不安がなくなることはありませんし、海外進出に伴う不安等もなくならないでしょう。
そうした人に寄り添ったコンサルティングや相談を行い、不安を解消していくことができる税理士は逆にどんどん仕事が増えていくと思います。
会計事務所業界で働くにしろ事業会社で働くにしろ、こうしたスキルを身につけていくことができる環境で働き、
あなたの付加価値を高めていく必要があるでしょう。
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同社はキャリアアップ・スキルアップで悩むケースではおすすめできるエージェントと言えます。
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・企業の海外進出・・・いわゆる国際税務に関する知識の必要性
・不動産価格の不安定化・・・相続を中心とした事前対策の必要性