会計士の経営企画への転職

事業会社の経営企画へと転職し活躍している会計士も増えています。

ただ、経営企画のポジションは企業により役割が異なることも多いので、仕事内容について定義することは難しいです。

財務・会計のスキルが求められることも多いのですが、それだけで問題無いということは少ないポジションです。

会計・財務・マーケティングなど広い知識とコミュニケーションスキルが重要

最近ではマーケティング部門の責任者が経営企画を担当することもケースあります。

企業の経営戦略立案において、webマーケティングをはじめとするマーケティング戦略が超重要課題であることが多いため、このような人たちに経験を積ませることでファイナンス視点のスキルも身につけさせて経営企画をやってもらった方が会社が伸びる傾向にある場合もあります。

彼らは、経理や財務、税務・会計に関してはそれほど強くないことが多いのですが、経営企画に必要とされる基本的なスキルである、論理的思考・分析力・調査力・営業力・経済知識など幅広いスキルを有しており、結構強いです。
もちろん、業種、業態、ミッション内容によるところも大きいのであくまで一例です。

会計士が経営企画に転職して失敗するケースで多いのが、いわゆる監査の延長線上で数値を分析し、会社を伸ばしていくための戦略を立てるのではなく、財務・会計の原則論に基づいたただの指摘で終わってしまうケースがあることです。

会計士に足りないものが大きい場合がある

公認会計士の場合、財務会計などからくる数字分析おいてはとても強く、監査で培った経験も活かして活躍するケースは確かに多いです。
各部門から上がってくる予算案のチェック等においては頼りになる存在です。

ただ、ビジネスモデルの視点やそもそもマーケティングや営業の目線に欠けるという方も多く、分析や経営戦略の立案で大きなミスを犯すケースや社内でそれらの部門の考えを軽視してしまうケースもあります。
他部門との折衝はとても重要で、ひとたび信頼を失うと、あの人面倒だなとか使えない、役に立たないな等と思われてしまうこともあります。経営に近いポジションであるため、周りからの期待も大きいのですが、その分ダメだった時は辛辣な評価をされることもあります。

経営企画といっても役割はさまざまなであり、どのような企業の経営企画部門に転職するのかにもよるので断定はできないのですが、会計士の方もマーケティングやビジネスに関する知識は頭に入れておいた方が良いでしょう。

ただ、冒頭にも述べましたが、経営企画で何をやるのか、にもよるところもあります。
M&Aの企画を専門に行う部隊として経営企画で採用されるケースもありますし、事業戦略の策定から社内体制の構築などの経営管理まで含めてなんでもやるような企業もあります。

そのため、あなたがどのような仕事がしたくて経営企画への転職を目指すのか、それをやるにはどのような企業の経営企画のポジションへと転職するのがよいのかを考えると同時に、あなたが会計士として培ってきたスキルや経験をしっかり棚卸をし、転職先を検討するのが良いでしょう。

公認会計士が経営企画へ転職するケースではM&Aに関連するポジションが増加

企業によって違うものの、近年のトレンドとしてはM&Aに関連する業務での経営企画への転職が多くなっています。

FASなどで財務DDやバリュエーション、FA業務を経験した会計士が事業会社内で企画・戦略立案に携わるケースは増えています。

ただ、投資家目線が必要となるので、DDよりかはFAあるいは投資銀行、PEファンドなどでの経験を有する方の方が上位のポジションへ就きやすい傾向です。

いずれにせよ、監査+ファイナンスを経験した公認会計士が経営企画へと転職し、M&A業務を行う事例はかなり増えたと感じます。

現在監査法人に勤務する会計士は、経営企画への転職にあたってはFASを視野に入れてみるとよろしいかと思います。

公認会計士のFASへの転職とキャリアパスの広がりに関する記事もご参考ください。

公認会計士が経営企画へと転職するメリット・魅力

仕事内容の特性上、様々な人たちと一緒に業務を遂行していく必要があり、自身とは違うバックグラウンドをもったプロフェッショナルの方からいろいろ学べることもあります。
経営戦略を立案するにあたり、法務の目線も必要になりますし、冒頭に記載したマーケティングに関する専門知識を持った方とも業務を進めていく必要があります。その他、社内の各セクションの方々の話も聞く必要がありますので、多くの方々と共同して業務を進めていく過程の中で、多くの事を学ぶことができるでしょう。
当然、経営者に近いところで仕事をするので、経営目線で物事を見る能力も養えます。

こうして、自身の得意領域のみならず様々な知見を有することで、更なる高いポジションを目指していくことも可能です。
そのため、会計士が思い切って事業会社の経営企画へと転職することは、あなた自身にとっては優粋な経験になることは間違いないでしょう。

会計士が経営企画へと転職するには?

先ほど記載したように、「経営企画」と名の付くポジションは、企業により求められる能力や仕事内容、ミッションが異なるケースが多いです。業界によっても違うでしょう。
そのため、あなたが思い描く経営企画のポジションの求人を見つけるのは意外と難しいです。
また、企業の経営にかかわるポジションでもあるため、一般の求人サイトなどには出回らない求人も多いでしょう。
そのため、ヘッドハンター経由や転職エージェントを介しての転職をされる方が多い印象があります。
ここでは、会計士が経営企画のポジションへと転職するのにおすすめの転職エージェントや転職サービスをご紹介します。

マイナビ会計士

マイナビ会計士に関しては、ここ最近は事業会社への転職実績が豊富で、経営企画などのポジションでの転職実績も豊富です。

これまで記載したとおり、経営企画のポジションは企業により仕事内容が異なるケースも多いため、企業の内情や転職サポート体制が厚いマイナビ会計士の利用はとてもおすすめです。

また、母体が総合型の転職エージェントなので、取り扱っている企業の求人の量・幅は非常に広いので、あなたにマッチする転職先が見つかりやすくなるでしょう。

そのため、経営企画の転職においてもっとも成果の出やすい転職エージェントの一つと考えられます。

MS-Japan
公認会計士の監査法人からの転職実績トップクラスで事業会社や会計業界・コンサル業界への転職にも強いMS-Japan

公認会計士の事業会社への転職といえばMSを思い浮かべる方も多いかと思います。

実際に実績は多く、求人が多いため、広く探っていくケースでの利用にあたっては有用であると考えます。

BIZREACH(ビズリーチ)

経営企画のみならず、ハイクラスポジションや経営に近いポジションへの転職を考えている会計士の方の利用者は多いです。
これまで会計士として培ってきた能力を活かして、レベルの高い仕事にチャレンジしてみたい方は必ず登録しておきましょう。
転職エージェントサービスではありませんが、
企業から直接スカウトが届くほか、ヘッドハンターからもたくさんスカウトが届きます。
個人的にはヘッドハンターの話も聞いておくことで、こうしたポジションへの転職する際にどのようなスキルが必要になるのか、どのようなキャリアや待遇があるのかなどいろいろ話を聞くこともできました。
そのため、ハイクラスのキャリアを目指している方にはとてもおすすめです。
HUPRO(ヒュープロ)

大学との共同研究による独自開発の「AI」を用いた転職診断が行えます。

経営企画のポジションは企業により仕事内容や求められるスキルは変わりますが、
こちらの転職サービスでは、様々なデータとAIを用いて最適な求人の提案を行ってくれるため、あなたのスキル・希望に合った転職先を効率的に見つけることができます。

AIによる転職診断だけではなく、
多くの公認会計士の転職支援実績のある専門のエージェントにLINEやメール、電話で24時間相談ができるので、転職相談を重視したい方にもおすすめです。

公認会計士の経営企画への転職まとめ

経営企画へと転職することで、新たなスキルを身につけることもできるため、
公認会計士として、ビジネスマンとして大きく成長するためのきっかけになることでしょう。
経営企画への転職の場合、企業の内情や仕事内容、求められるスキルについて詳細に情報収集したうえで転職するのが良いかと思いますので、会計士の転職エージェントやヘッドハンターなどを上手に活用してください。

また、監査法人からはじめて転職される会計士の方で、幅広く転職先を検討中という方の場合は、以下の記事もご参考ください。

監査法人から転職したい会計士が活躍できる転職先は?

公認会計士の経営企画の求人

終わりに、会計士向けの経営企画の求人情報の一例をご紹介します。

経営企画も含め会計士向けの求人をご覧になりたい方は以下よりお願いします。

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樋口 智大株式会社インテグラルベース 代表取締役
公認会計士・税理士・経理などの士業・管理部門の人材紹介を行う株式会社レックスアドバイザーズで勤務し、転職エージェントや会計専門メディアの事業の立ち上げを経験。その後、株式会社インテグラルベース(厚生労働省特定募集情報等提供事業者51-募-000806)を創業。現在は転職・採用・人事に係わるコンサルティングや求人サイトの運営を行っています。 士業JOBでは、これまで培った人脈と10年弱に及ぶ転職や採用に関する業務経験・実績を活かして転職に役立つ情報の配信を行っている他、多数の人材紹介会社とも協業し、最新の情報をブラッシュアップしながら配信を行っています。また、行政書士として事務所を開設しており、自身も士業として活動しております。 執筆者・監修者・編集者情報へ