税理士の転職 税理士の転職先とキャリアについて

従来は、税理士の資格を取ると、会計事務所で数年間働いてそのまま独立開業するケースが一般的でした。しかし、最近では税理士のキャリアパスが多様化しているため、会計事務所で働く以外の選択肢を選ぶ税理士も増えています。税理士の転職マーケットは依然として売り手市場が続いており、比較的希望を叶えやすい転職市場になっております。
ここでは、税理士が活躍できるフィールドにはどのようなところがあるのか簡単にご紹介します。

税理士の転職先として考えられる候補とは

税理士の転職①:総合型の税理士法人へ転職

税理士法人の規模は、Big4と呼ばれる大手の税理士法人から中堅税理士法人までさまざまあります。大手になればなるほど業務が細分化され、ある分野に特化した経験や知識を身につけることができます。Big4を始めとする大手税理士法人では、グローバル展開しているような大手企業のクライアントが多いため、移転価格を始めとする国際税務に関する業務やクロスボーダーM&Aに係る税務関連業務に強みを持っており、グローバル色の強い業務や大型案件を経験したい人にとってはオススメの転職先となります。
一方、中堅の税理士法人では、クライアントも上場企業から上場準備中の企業、成長中のベンチャー企業という感じで様々な規模の顧客を抱えているため、企業のステージに合わせて税務に関するアドバイスを行っています。そのため、中堅の税理士法人では税務に関する全般的な知識やスキルを身につけられると言えるでしょう。
最近では採用のハードルは下がってきており、Big4でも税理士試験2科目合格程度でも転職が可能となっています。その他の中堅・大手の税理士法人では、税理士試験科目をお持ちでない方や未経験の方でも採用された事例はございますので、チャレンジしやすい市況と考えられます。
Big4への転職をお考えだという方は以下の記事も参考にしてみてください。

Big4税理士法人への転職 Big4税理士法人は今なら転職しやすい

2018.09.25

税理士の転職②:小規模〜中堅規模の会計事務所へ転職

会計事務所もさまざま規模のところがあります。個人会計事務所では一般的に中小企業や個人事業主に対して税務顧問などの業務を行うケースが多いですが、中には個人事務所でも大手企業の顧問税理士をしているケースがあります。所長が税理士の場合は、中小規模の企業のクライアントを持ち、所長が公認会計士の場合は中堅~大手企業のクライアント持つという傾向が見られます。公認会計士が所長の会計事務所の場合、少数精鋭でレベルの高い業務を行っているところもありますので、小規模の会計事務所への転職を検討されるのであれば、求人票等をしっかり確認の上応募すると良いでしょう。

税理士の転職③:資産税(相続・事業承継)特化型の会計事務所で働く

昨今税理士・税理士科目合格者の方から人気の転職先となっているのが、資産税(相続・事業承継)特化型の会計事務所です。高齢化や税制改正など、様々な要因によりこの分野の需要は大きく伸びており、それに比例して求人数も増加傾向です。この分野の求人は、通常実務経験者を求める傾向にありますが、昨今の売り手市場も手伝って、経験の浅い方や未経験の方でもチャレンジできる求人が増えております。今後も伸びて行く分野の仕事であることは間違いありませんので、資産税(相続・事業承継)に強みのある税理士を目指したいという方にはチャンスの時期と言えます。
以下に資産税(相続・事業承継)に興味のある税理士向けの転職お役立ち記事を掲載しておりますので、資産税に興味のある税理士の方は是非ご覧ください。
資産税(相続・事業承継)の転職・求人について

税理士の転職④:SPC特化型の会計事務所へ転職

ニッチな分野になりますが、SPCに特化して伸びている会計事務所も複数あります。
主に不動産や債権の証券化業務を行っています。大手の金融機関や不動産会社がクライアントであることが多く、利益率も非常に高いため、比較的給与は高い傾向にあります。
SPCはその業務の特殊性からつぶしがきかない分野と思われがちです。確かに、法人税務等を中心に行っている会計事務所が多いので、そうした事務所への転職という意味では、難しくなってしまう可能性もありますが、不動産投資ファンドや証券界社、金融機関への転職というものを視野に入れた場合、むしろその他の一般的な会計事務所に勤務する場合に比べて転職がしやすくなる傾向にあります。ご自身がどのようなキャリアを歩んで行きたいのかよくよく考えてみるのがよいでしょう。

税理士の転職⑤:一般企業の経理部門等へ転職

税務が中心となる会計事務所に比べて、一般企業は財務会計や経営企画といった幅広い分野に携わることができるのですが、税理士の方の場合、経理部門に人気が集まっています。経理部門では、連結決算対応等の各種決算業務や有価証券報告書の作成などの業務を中心に行って行くことになりますので、税務だけにとらわれず会計に関する幅広い業務経験をしたい場合には良いかもしれません。また、福利厚生やワークライフバランスを重視したい場合でも、一般企業で働くことは魅力的に見えます。
後は、大手上場企業の場合、税務室という税務を専門的に扱う部署を持っている場合があります。税務のリスク分析や移転価格等の国際関係の税務を取り扱う部門となります。こうした部門で税務の専門家として働く道もありますが、募集もそれほど多くないため、狭き門となります。
事業会社の経理部門への転職に興味のある税理士の方は、以下の記事も参考になりますので、ご覧ください。

税理士の事業会社(一般企業)への転職について【税理士の転職事情】

2018.06.30

税理士の転職⑥:外資系企業へ転職

企業の中でも外資系企業で働くことも選択肢として考えられます。外資系企業の場合は、日本法人から本国へのレポーティング業務が中心となりますが、財務計画の立案や財務データの分析やキャッシュマネジメントなどの業務に携わることもあります。企業の規模によって管理部門全体にかかわることも珍しくありません。また、スムーズに業務を遂行できるだけの英語力も必要です。

税理士の転職⑦:金融機関で働く

税理士が金融機関で働く場合、大手の銀行や証券会社に勤務する場合と、信託銀行に勤務する場合とで業務内容が異なります。銀行や証券会社などで働く場合は、会計税務の専門家として、クライアントへのアドバイザリー業務を行うケースが多くなっています。一方、信託銀行で働く場合は、富裕層の個人を中心に、遺産分割や相続財産の評価方法といった、相続・贈与に関するアドバイスを行うことが多いと言えます。

税理士・税理士科目合格者の転職・求人動向

税理士・税理士科目合格者の転職マーケットは、引き続き売り手市場が続くと考えられます。会計業界の市場規模は依然として伸びている一方で、税理士試験受験者数は減少傾向にあり、若手の税理士の数は減少し続けています。そのため、会計事務所はより人材獲得へ積極的になってきており、これまでは税理士3科目合格以上を応募要件としている事務所が多かったのですが、2017年以降、1科目や2科目、あるいは未経験の方でも応募可能な求人が増えています。また、若手人材を育てていく必要があるので、研修制度や福利厚生を整える等、働く環境にも力を入れ始めている事務所が多くなっているため、働く側にとっては良い市況と言えるでしょう。
その他、経験値にもよりますが、比較的年齢が高め(50代以上等)の方の転職も増えているため、あらゆる層で転職がしやすい状況となっております。

会計事務所のパート・アルバイトの求人動向

主婦の方や学生の方がパート・アルバイトで勤務するケースが増えています。主婦の方の場合、未経験の方はもちろんのこと、かつて大手の税理士法人でバリバリ働いていたものの、当時はまだ福利厚生や所員のための働く制度がしっかりしておらず、ライフイベントを機に辞めざるを得なかった方がたくさんいるようです。しかし、昨今、事務所の運営制度をしっかりと整え、所員が働きやすい環境を整えているところが増えており、あらゆる勤務体系を認める事務所が増えていることから、活躍の場が増えてきております。
パート・アルバイトでの勤務を検討する際、会計事務所で働くというものも一つ選択肢に入れてみるのも良いでしょう。

税理士は公認会計士と並んで難易度の高い資格であり、どのようなフィールドでも活躍できる資格であると言えます。自分の目指したい方向性をしっかり考え、どこでどう働きたいのかについて検討することで、転職成功の可能性が高まるでしょう。

税理士の年収について

税理士の年収は勤務先により大きく異なります。
Big4税理士法人にお勤めの方は恐らく税理士が貰える年収としてはもっとも多い勤務先の一つとなるため、Big4からの転職の場合、多くのケースで年収が下がります。ただし、キャリアの積み方によっては大きく年収を伸ばすこともできるでしょう。
また、年収のみならず福利厚生や労働時間という観点から待遇を見てみる必要もあるかと思います。
その他資産税をはじめとする専門特化型の会計事務所に勤務する税理士の年収は比較的高い傾向にあります。
そのため、年収をUPさせたい税理士は大手の税理士法人に勤務するか専門領域のある会計事務所へと転職されるのが良いでしょう。
いわゆる記帳代行業務を中心とした一般的な税務申告業務を行っている会計事務所の場合、年収は比較的低い傾向にあります。
税理士の年収についてはいくつか解説していますので、興味のある方は以下を参考にしてみてください。

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市場価値の高い税理士になるには?

法人税務を一通り経験したので、プラスアルファで何か強みや得意分野を広げて市場価値を上げていきたい、
という声をよく頂戴します。
市場価値を高めていくという点においては間違いない考え方だと思われます。

税理士としての基本業務である「法人税務」を一通り一人でこなせるようになったら、
現在お勤めの会計事務所でも良いとは思うのですが、高度な税務案件を経験すべく、次のステージへに身を置くべきでしょう。
最近の傾向ですと、資産税に興味を持たれる方が多かったのですが、
その他にも組織再編・連結納税など、法人税務にプラスしてスキルを高めていくべきでしょう。

現在税理士の転職マーケットは超売り手市場なので、新しい分野やプラスアルファの経験を積むために転職することはそれほど難しくありません。
現在お勤めの会計事務所では難しいということであれば転職を検討してみても良いと思います。

ただ、法人税務は一通りこなせるようになっておくべきです。

自身の現状を知り、市場価値を高めていくための転職も有り

現在、零細企業や小規模事業者を相手に業務を行っている税理士も多いかと思いますが、
そうした方が、大手や中堅規模の税理士法人へと転職したいというお話も良く聞きます。

中堅・大手の税理士法人のクライアントは確かに大手企業が多いのですが、中には小規模事業者もあります。
そのため、小規模事業者の税務の経験しかなかったとしても、こうした大手税理士法人への転職は可能でしょう。

小規模事業者の業務を行いつつ徐々に大手企業の業務をこなし、ステップアップしていく形をとります。

こうしたステップアップを考えたケースでの転職においては、転職エージェント等に相談することで、最適な転職先を紹介してもらうことができます。

また、その他にも面接が苦手、キャリアパスが描けない、ワークライフバランスに理解のある環境で働きたいなど様々な悩みがあるかと思いますが、そうした悩みや不安を解消するために、転職エージェントを活用してみるのも一つの手です。ここからは、税理士や会計事務所マーケットに詳しい転職エージェントを一部紹介します。

税理士や会計事務所の転職に強いエージェントの紹介

ジャスネットキャリア
会計分野には特に強い転職エージェントで、一人ひとりのキャリアステージに合った最適なキャリアプランの提案が受けられるのが特徴です。面接対策や書類の書き方等に関する指導はもちろん、資格者向けの実務に関するお役立ちセミナーなど様々な取り組みを行っており、転職ありきではなく、キャリア全体を俯瞰したサポートが受けられます。
サポートの質と紹介してくれる求人の量のバランスの良いエージェントです。
会計事務所業界での転職にも強いのですが、事業会社の経理などへの転職に興味のある税理士の方にもおすすめです。
また、転職相談を重視したいという方にはおすすめの転職エージェントです。



MS-Japan
税理士をはじめとする士業全般の転職に対応したエージェントです。
事業会社の経理や税務室への転職のイメージが強い方が多いかも知れませんが、
会計事務所の転職実績も恐らく業界ではトップクラスでしょう。
求人数のみならず、各会計事務所の特徴もしっかり押さえてくれているので、ステップアップの転職がしたいという方にはおすすめです。
とにかくたくさん求人を見たいという税理士の方や多くの選択肢の中から転職先を選びたいという方には一番おすすめの転職エージェントです。
他のエージェントだとあまり求人を紹介してくれないというケースがあったとしても、
こちらのMS-Japanに登録したらたくさん求人の紹介が貰えた、ということもよく聞きます。



doda
総合型の転職エージェントです。税理士に特化しているわけではありませんが、会計業界への転職実績も多数あります。会計事務所の求人数も近年大きく伸ばしており、大手や中堅クラスの会計事務所への転職を検討中の方や、会計事務所含め、事業会社やコンサルティング会社など幅広い可能性を視野に入れて転職活動を行いたい方は登録しておくべきでしょう。

BIZREACH(ビズリーチ)
ハイクラス案件が多い転職サイトです。
事業会社やコンサルティングファーム等からスカウトが届きます。一部会計事務所での利用もあるようですが、数は少ないため、会計事務所への転職を考えているのであれば、ビズリーチだけではなく、上記で紹介したMS-japanさんかジャスネットさんと併用した方が良いでしょう。
経営に近い仕事がしたいという方や事業会社の税務室、経理・財務部門の責任者ポジションへと転職したいとお考えであれば必ず登録しておくべきサイトです。Big4税理士法人から転職される方の利用者が多いように感じています。
ただし、年収が700万円程度ないと求人の紹介をうけるのが難しくなりますのでご注意ください。
なお、こちらのサイトでは利用料がかかる有料プランもありますが、とりあえず無料プランを利用して様子をみるのがおすすめです。

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